「ねえ、リリィ。今日も朝は来ないんだね。」 僕は檻の中にいるリリィに静かに話しかける。 「そうだね。でも「明けない夜はない」って言ったでしょ?」 リリィは優しく僕に話しかけた。 「明けない夜はない」という言葉は、リリィの大切な言葉だ。 でももう、夜は明けない。 地球が回ってた時代は終わった。 地球は朝は永遠に失われた。地球は永遠に夜のまま。 人もおかしくなった。 父も母も兄弟も友人も。 みんなみんなみんなおかしくなった。