今日は素晴らしい日だ。
ぷくぷくが泳ぎ、ファイアーフラワーが咲き誇っている。
マリオは丘の木の根元でゴロンと寝転がりながら眼下に広がる色鮮やかな花畑を眺めていた。
彼はかつてのオーバーオールは身につけていない。赤いパーカーを着て、茶色のズボンを履いている。
だが、彼のトレードマークとも言える「M」の文字が入った赤の帽子だけはかぶっていた。
彼は気になることがあった。
1人のキノピオの存在がやけに気にかかっていた。
マリオはヒーローこそやめたものの、彼の冒険譚は弟のルイージが執筆したベストセラー「スーパーマリオブラザーズ」という本に事細やかに書き込まれていたので子供キノピオ達の尊敬を集めていた。
昨日の昼間に子供キノピオ達の相手をしていると、少し離れたところからなんとも言えない視線を送るキノピオがいた。
キノピオにしては珍しく青い斑点をしていたそのキノピオは、どことなく近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。