トリシア&リリアーネ物語

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4:奏◆/2 トリシアとリリアーネの出会いの物語:2019/09/13(金) 18:45 ID:3zE


 これは、誰かと誰かが初めて出会った記念の物語です。


 ドイツのとある家にて。とある晴れた日の午後、赤毛の少女はその快晴の空を窓から見上げて、目を輝かせました。

「ねえママ、少し散歩に行ってきても良い?」

 ここは、赤毛の少女___リリアーネ・スーゼウィンド(通称リリ)___が暮らしている家です。リリは、小学四年生でとある秘密を持っています。

「いいわよ。気をつけて行ってらっしゃい」

「分かった。行ってきます!」

 ママに許可を貰いニコッと笑ったリリは、勢いよく外へ飛び出しました。そして大きく伸びをします。

「う〜ん、いい天気。ボンサイも連れてくれば良かったかも!」

 ボンサイとは、リリの飼い犬のことです。リリとはとても仲良しでとてもやんちゃです。

 しばらくリリが散歩をしていると、目の前に公園が見えてきました。

「こんなところに公園なんてあったっけ…?ちょっと寄り道して行こう!」

 ぱっと目を輝かせたリリは、見知らぬ公園へと走り出しました。

(ん…?)

 走っている途中でなにやら不可解な現象を見つけ、リリは一度立ち止まりました。公園の奥で何かが光っているのです。

「なんだろう?」

 リリが公園の中に入り駆け寄ると、その光の正体は、金色の扉でした。とても幻想的なその扉に、思わず目を奪われます。

「…でも、どうしてここに扉が?」

 リリは首を傾げ、誰か他の人を呼ぼうか考え込みます。

「でも、その間にこの扉が消えちゃってたらどうしよう…」

 リリはこの不思議な扉にとても興味を持っていました。
 この扉の向こう側には一体なにがあるんだろう?普通に今いる公園があるのでしょうか?それとも……こことは別の未知の世界?

 まさか、それは有り得ないだろうとは思いながらも、リリは小学四年生。ファンタジックな物に憧れる、そしてそれを信じたい年頃です。

 ……それ以上に、リリにはある予感がしたのです。何か素敵なことが待ち受けているような、そんな予感が……。

「……よし!」

 意を決したリリは、好奇心に逆らおうとせず、その金色の扉を開きました。その時、リリは不安など微塵も感じていませんでした。




 


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