そして、私にとっては人生の分かれ道となっていく、放課後。
小日向君、来てくれてるかな。
「相原さん‼」
「こっ、小日向君!」
私より少し遅れて小日向君が待ち合わせしていた場所にやって来た。
待ち合わせ場所は、私が一番好きな場所。
ピンクで綺麗な花を咲かせる、桜の木。
「……あ、の。私は、小日向君に伝えたいことがあるんだ。とっても大切…な、話」
私は勇気を振り絞って説明していく。
小日向君は、うなずきながら聞いてくれる。
そして、私はすーっ、と息を吸った。
あ、れ……
なのに、声が出ない。まるで、心臓のドキドキが喉を塞いでいるようだ。
……静まれ、落ち着け、私。
そして、伝われ……!