*小説*猫田のことが気になって仕方ない。

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3:若桜☆郁里ひよねこ◆ME:2019/10/23(水) 21:54 ID:EYk

第1話  原作/大詩 りえ

「にゃーごろろーん」

「どこの町にもいるんだね。猫って」

私の足にすりすりしている猫に話しかける。

「今回は卒業までいるってさ。本当かっつーの。今日からまた新しい学…」

「にゃー」

ばいにゃんっとでも言うように、猫は走っていった。

「ってオイ!最後まで話聞けっつーの!」

「ちぇっはくじょーもんっ。いーよ、どーせ慣れっこだから!」

周 未希子、11歳。

今日から6年生です。

「担任の堀内です。よろしくね!周さんて転勤族なんだねー。
 三回も転校してるとさすがにもう緊張とかしないんかな?」

担任の堀内先生が少し微笑んで声をかけるが、

「え。元々そーいうタイプじゃないんで」

と、スパッと言う。

「えっあっそーなんだ!えーと、うちのクラス結構うるさいけど
 仲良くできるといーね!」

「はぁ」

さすがに先生も焦っているようだ。

別にどこに行こうが、私は深入りなんてしないのだ。


6年1組は、新学年と言うこともありさぞかしざわついていた。

そこへ、先生がガラッと扉を開ける。

「はーい、皆席ついてー。進級おめでとーう。
 今日は転校生を紹介するぞー!」

そうすると、さらにざわつく。

「先生、まだ猫田来てなーい」

「新年度も相変わらずだな。ほっとけ。
 さっ、入って!」

「名前はあ…」

それくらい自分で言うよ。

「周 未希子です。みっきーって呼んでください」

「みっきーよろしくーっ」

「あとはテキトーによろしくお願いしやーす」

「すでにテキトーだ!」

私がすたすたと歩いていくと先生が突っ込む。

ノリは悪くない。

どーせ今回も長くてせーぜー1年の付き合いでしょ。

転校を重ねるにつれて私は気づいたのだ。

すぐさよーならするとわかっている人たちと仲良くなる意味なんてあるのか?と。

以来私は"その場限り"の学校生活を送ってきた。

好かれよーが嫌われよーがその場限りなら関係ないもんね。

だから私は仲良しごっこみたいなことはしないのだ。


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