一方、アラジンとジーニーもジャスミン達と同じ話題で
話していた。
「プリンセスに、何をプレゼントするんだ?」
「分からないよ。何をあげればジャスミンは
喜んでくれるのかな?それに、みんなの前で渡すんだから
下手な物はあげられないよね」
テーブルの上の林檎を弄びながら、アラジンは
考え込んだ。
「ジーニー、何が良いと思う?宝石とか?」
アラジンはジーニーの方へ身を乗り出した。
「あーージャスミンは、宝石とか喜ばないタイプ
なんじゃないか?心がこもってない、とか言ってさ」
ジーニーはそう答える。アラジンは思い切り
思考を働かせた。みんなの手前があるのもそうだが
プレゼントを通して、愛する彼女に、想いを伝えたい。
だから、特別な物を贈りたいと思っていた。
ひとしきり考えると、彼の頭に素晴らしいアイディアが
浮かんだ。
「ねぇ、ジーニー!僕、良いアイディアを思い付いたよ!」
アラジンは瞳をきらきらと輝かせて言った。
ジーニーはそんな彼を訝しげにじろじろと見る。
「ホントか?どれ、聞かせてみろ」
「あのね、宝石っていうのは、惜しいと思うんだ。
宝石みたいに身に付ける物だけど、宝石とは違って
心のこもった物さ」
アラジンは意気込んで言う。
「と、言うと?」
「手作りのアクセサリーさ」
何処か自信ありげにそう答えたアラジンに
ジーニーも頷く。
「素晴らしい案じゃないか!……ホントに自分で
考えたのか?」
ジーニーはアラジンをからかった。
「失礼だな!勿論さ」
アラジンは頬を膨らませた。
「でも、どうやって?」
ジーニーがそう問うと、アラジンはにやりと笑った。
「大丈夫。あてがあるんだ。ジーニー、街へ行こう」