キィーーーン
強烈な耳鳴りで目を覚ます、どうやら転移される際の強い魔素にあてられて気を失っていたようだ。
〜???〜
https://i.imgur.com/kwk9DTJ.jpg
「ここは一体、、?」
見渡す限りの異空間、まさか転移に失敗したのかと魔理沙は焦る。
しかし、少し離れたところから一筋の光が差し込んでいた。それに気がつくと、持参したほうきにまたがりそこを目指して一直線に飛ぶ。
長い道中にはゴミのような物が浮遊していた。
(河童のところで目にしたものと似てるな…)
道行く末に、まさか河童のたくさんいる世界なのか?とちょっとした冗談を自分に言ってみる。
数分飛んでいると、ふと、帽子のつばの内側に光が入り込んできた。
(青空?)
"穴"が空いていた。
それを見るなり鼓動が早くなるのを感じ、何も考えず夢中になって穴を目指す。不安四分好奇心六分と言ったところだろうか。
(風の当たる音)
ビュゴォォオ
異空間から飛び出すと、風が一気に拭き付き髪や服をなびかせる。そして眼の前に広がっていた情景に魔理沙は思わず言葉を失った。
あちこちを飛び交う鉄の塊や、それに乗る人々の姿。空中に映し出される大きな映像。それら全てが新鮮に写る。既に不安を完全に忘れて目の前の光景に見惚れていた。
そうしてしばらく空中で止まっていたのだが、いきなり辺りが薄暗くなる。反射的にスッと空を見上げると……
(効果音)
『ゴミヲホウリュウシマス ゴチュウイクダサイ』
「、、なんだ?」
そう塊から音が発せられた途端、塊の姿が変形しだす。
(効果音)
ウィィィィン
よく見ると、後ろには異空間中に漂っていたゴミがたくさんに積まれていた。
そして、そう考える間も少ない内にそのゴミが後ろの異空間への穴に向けて降り注いできた。
いきなりの事だったので、魔理沙は間一髪でそのゴミを交わす。
「なんだなんだ!?」
そんな魔理沙の驚きの声に見向きもせず、その塊はさっさと別方向へと体を向け、去っていった。