魔理沙は口をニヒヒとさせ言った。
「なあ霊夢、そんなことはいいから少しお茶しないか」
ずっと怒りの言葉を発し続けていた霊夢はそれを聞いた途端にハッとしたような表情を浮かべ、ドタバタと倉を出ていく。
(忙しいやつだな)
そう思うと、霊夢の後を追いかけて行った。
少女移動中‥‥
〜博麗神社(内)〜
https://i.imgur.com/tLgdmYn.jpg
戸を開く音
ガラガラ
神社の中に入ると、霊夢は颯爽()と台所に向かって行く。その間に魔理沙は居間へと向かう。
しばらくしてから霊夢が何かの袋を持ち、軽やかな様子で戻ってきた。
「これよこれ!」
キラキラと輝かせた目を両手いっぱいに高く掲げ上げた袋に向けながらそう言った。
霊夢が言うには、この間人里を歩いていた時に妖夢と鉢合い「買いすぎてしまったので」とおすそ分けてもらった高いお茶っ葉らしい。
「どうりですっ飛んでいく訳だ、高いものに目がないからなお前は」
半ば呆れたようなおもむきで言うと、さっそくお茶をねだる。
「あげる訳ないでしょ」
と袋を魔理沙とは正反対の方向に抱え言った。
「ちぇっ、」
予想はしていた、がこれで薬の効果実証実行に移せると心の中でニヤけ散らかしていた。
霊夢が自分の湯呑をちゃぶ台に置くと、きゅうすに茶パックを入れた。そしてそれを湯呑に注ぐ。
白い蒸気がもくもくと上がるが、湯呑の半分辺りまで湯がいったところで白気は消えた。
「そういえば茶菓子を忘れてたわね」と湯を入れるのを中断し、再び台所へと霊夢は向かって行った。
(今だ!)
その瞬間すかさずに湯呑に薬を投入。やったぜとグットポーズをする。
その後ゆっくりと時が流れ、霊夢が2つの饅頭をお盆に乗せて帰ってきた。
「一つあげるわよ」
「なんだ、結局くれるのか」
意外にも優しいところがあるものだと、感心している隙に霊夢はお茶を入れ終わり、何の疑問も持たずに薬入のお茶が入った湯呑を口元に持っていく。
そして飲んだ。