レッスンが終わり、私は着替えて帰ろうとしていた。
レッスン室の前を通りかかると、明かりがついていて、曲のリズムやステップまで聞こえてくる。
私は誰だろうと思い、レッスン室のドアを開けてみた。
「……なんか違う」
そこには、納得出来ないといった顔の空花がいた。
もうレッスンは終わったのに、どうしたのだろう。
私はそう思って空花に声をかけた。
「くーちゃん、何してるの?」
空花はぎょっとしたようにこちらを振り向き、こう言った。
「あ、なずな。ここのダンス、ちょっと上手く出来なくてさー。本気出すって訳じゃないけど、上手くならないといけないし」
……空花。
「ねっしん、なんだね」
私がそういうと、空花は少し恥ずかしそうな顔をしながら「気のせいじゃない?」とはぐらかし、CDをもう一度再生した。
「ま、出来なかったらそれでいいし。なずなは先帰ってていいよ。遅くなるし……」
「私も、いい?」
適当な子だなと思ってたけど、空花も頑張ってるんだ。
そう思うと、何か手伝ってあげたくなっちゃった。
「える 悪いよ。時間とかあるんじゃない?」
「大丈夫! 門限まだだし!」
私がそう言うと、空花は「仕方ないな」といったような顔になり、私から顔を背けてこう言った。
「……好きにすればー?」
……よし、まだ時間はある。
私はもう一度レッスン着に着替えるために、一旦レッスン室から出た。
>>509のやつが自分の中で結構まともにかけた方