藤田くん小話2 「看板」
小学5年生のころ家の近くにラーメン屋さんができた。
店の規模は大きくなかったものの、味はそこそこだった。
ほんで、その店の前に平仮名で「らーめん」って書いてある看板があったんだが、
ほんの出来心で落書きしたい、という欲求に駆られた。
インクの付いた筆をもつ右手を僕自身では止められるはずもなく
「らーぬん」にしてやった。
ホクホク顔でその看板をまじまじと見た後
人目が怖かったのでそそくさと逃げるように家に帰った。
数か月くらい経ったかな
お店の看板が変わっていた
カタカナで「ラーメン」になっていた
だから僕はまた筆をとり
「ラーヌン」にしてやった。
終わり
みんなは落書きするなよ〜
戊辰ちゃんへ
>>315