滲む視界には、打ちつけて赤くなった肘と。
小憎らしいくらいの空色のバトン。
転んだ───。
その事実が、更に私を痛めつける。
迷惑───かけちゃったな。
トップバッターなのに、転んだなんて。
沈み込んだ体と心を必死の思いで奮い立たせる。
空色のバトンを、テイクオーバーゾーンで待っている親友に、手渡した。
その瞬間に、感情の箍が外れた。
さっきよりも深く深く沈む心に伴って、滲みゆく視界。
何にも───見えないや。
見たくない。
私は、やっとの思いで滲んだ視界を手のひらで覆った。
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