あじさい通りに足を踏み入れると、たちまち空気が変わるのを感じた。
一歩外に出れば人も多い大通りなのだからありえない話ではあるが、そんな理屈がくだらなく思えるくらいにはこの通りは特別で、優しくて、不思議な場所だ。
名前を聞いたこともない歌手のポスター。営業しているのかしていないのか分からない有限会社。警戒心を忘れた三毛の野良猫。そんなありふれたものも全てかけがえのないお宝にしてしまう。そんなこの通りを通って帰るのが、私が学校に通う上での唯一の楽しみだ。
>>253「学校では無理してるけどとっておきの場所を見つけた中学生」をイメージした文なんですがどうですかね