おれらに起こった怖い話でも聞いて涼しくなるか?
マツザキって奴が居たんだがな、そいつがちょっと変な奴だったんだよ
えんぴつってあるだろ?あの字を書く消しゴムとセットのアレをな、
をかし…いとをかし……って言いながらバキボキ折りながら笑ってるような奴でさ
ノトザキと俺はそれを笑って見てたんだけど、ミチコがものを粗末にするなって言ってそいつの頭をパコーンと叩いたんだよ
ろうかまで音が響き渡っててマジで痛そうだった
いや、痛そうというか実際に痛かったんだろうな
ころげまわって……いや、のたうちまわるの方が正しいかな。それからマツザキは急に立ち上がった
ろとうに迷った犬みたいにふらふらしながら教室を出て行ったんだ
しずかにあとをつけてたら、てーん、てーん、てーんってマツザキがボールをつく音が聞こえてきたんだ
てーん、てーんてーん、てーん
やっぱりマツザキは打ち所が悪かったんだろうな。マツザキは変になっちまってた。ずっとその場を動かずボールをついてた
るーるるっるるる、るーるるって帰りの放送が流れてもマツザキはずっとそこにいた。でも、次の日はもう居なかった
よるに捜索願が出されてたみたいだけど、とうとう見つからなかったよ
アイツから手紙が来ていた。小学生の頃に隣の席だった前原からだ。
この手紙に出てきた松崎くん、能登崎くん、そして前原。この3人は仲が良かった。最期まで本当に仲が良かった。
能登崎くんと前原は先日亡くなったと聞いた。
場所は松崎くんの死体が見つかった沼だ。
ボールを取ろうとして誤って転落したらしい。きっとボールを見て松崎くんを思い出したんだろう。
死んだ場所まで同じとは、なんという偶然だろう。これを運命と呼ぶのであれば、この運命は3人にとって良いものだったのか、それともはた迷惑なものだったのか……。まさか二人はそこで死ぬなんて微塵も思って無かったんだろうな。
だから前原は死ぬ前にこの手紙を送ったのだろう。少し不自然な文章だけど、国語が苦手だった前原らしい。
「美智子! 早く行こう」
絵美に呼ばれて私はまた歩き出した。きょうはあの沼に花を添えに来たのだ。
ご冥福をお祈りしよう。天国でも3人で仲良く話してるといいな。
「あれ? なんでこんな所にボールがあるんだろう」
てーん、てーんてーん、てーん……
説明プリーズ
やっと意味理解した
我、読解力薄いぬ