わたしたちは小説や映画、漫画などいろいろな物語に接する機会があります。それらは内容によって様々なジャンルに分けられています。多くの人の共感が得られやすいのはスポーツや恋愛を題材としたものでしょう。そんな中で、私がいつも気になっているのが、ミステリーとサスペンスの違いについてです。
そもそも前者は神秘的、不思議という意味で、発生した事件を解決するための推理や捜査の展開などを楽しむ架空の話です。これに対し後者は、未解決や不安、気掛かりという意味です。そのため、謎解きの面白さや論理の整合性ということではなく、今何が起こるのかという緊張感を楽しむもので、不安による焦燥感や心理的に追い詰められる圧迫感など、そのストーリー展開の面白さを重視した作品のことを指すようです。
よく聞くのは、犯人が物語の最後にならないとわからないのがミステリーで、あらかじめわかっているのがサスペンスという説です。これは理解しやすい分け方ですが、実は違うようです。一般にミステリーは、幅広い傾向の作品を含むジャンルの総称のことで、サスペンスもその中の一部とみなされているようです。どちらにしても、初めから犯人が分かっているものや最後まで犯人が分からないものもあります。要するに、この二つに違いというものはないということなのかもしれません。