春のうららというのは、眠気を誘うものである。夢主は重くなったまぶたをこすりながら、いつもどおり学校へと向かっていた。
刹那、ごうと音を立てて薄紅色の花弁が踊ると同時に、夢主のスカートは抗うことも出来ず舞いあがった。
一瞬、何が起きたか分からない夢主だったが、状況を理解して間もなく小さな悲鳴を漏らしスカートを強引に押さえつける。
見られていないかと、茹蛸のように耳まで赤く染めてあたりを見回したがあるのは先ほど踊っていた桜の花弁と見慣れた道である。誰にも見られていなかったのか……夢主はホッと肩を撫で下ろした。
これでいいんですかね。せりふが消えたけど。
流石ラミアさん。と言うしかない
>>2も素晴らしい。///って上手く生かせるもんだね
面白いスレ!>>2 >>3お上手!夢主視点?でやってみます!
黄昏時。すっかりと紅く染まった雲の隙間からは、眩しく夕日が差していた。
外は思ったよりも冷え込んでいて、風が校門脇の木々を揺らしている。
キャラくんは息を切らしながら走ってきた私を見て、「遅い」「寒いんだけど」などと邪険な文句をぶつけてきた。私は少しカチンときて、言い返そうとした――その時。
声はゴウという音に掻き消され、冷たい風が太股を駆けていった。慌てて浮き上がったスカートをおさえるも、恥ずかしさに頬が熱くなる。その上キャラくんがクスクスと笑うので、ますます火照った心地がした。
「み、み、見た……ッ!?」
「……白?」
首をコテっと傾げ、さらりと言ってのけたキャラくんに私は掴みかかるような勢いで怒った声をぶつけると、彼はまた面白そうに、「ほんとに白なんだ」と言って笑った。
「ほんとに……って?」
「だから、見えてないって。ここからじゃ、逆光なんだよ」
そう言って私に近づき、「こんな寒いのになんで上着持ってこないんだよ」と言いながら、着ていた上着を投げるように私に掛けてきた。
なんだ……と安心しつつ、私はその温もり残る上着を羽織った。そうして顔を上げ、「じゃ、帰ろ!」と言って早足に校門を目指す。
キャラくんがまた何か文句を言うので振り返ると、少しだけ楽しそうに綻んだその表情が、はっきりと見えたのだった。