1−1 花畑と妖精さんの夢
ふわふわと浮いてる感じがした...なんだか気持ちいい。
ここは何処なんだろう?真っ暗で何も見えない...あ、目をつむってるんだ。
次の瞬間、私はゆっくりと目を開けていた。
「わあ...」
思わず声を出してしまったけれど、それくらい凄い場所。
辺り一面お花畑。どこまで続くかも想像つかないくらいの大きさ...。
ずっとここで眠ってたら気持ちいいんだろうな、なんて考えると
「こんにちは!どう?この花畑!とってもきれいでしょ?」
目の前には妖精さんがいた...妖精さんなんて夢の話じゃないだろうか。
「でも、ここももうすぐ闇に染まってしまう...お願い、この世界に----」
妖精さんがしゃべり終わる前に、ノイズが走るように意識が歪む。
私はノイズに飲み込まれる前に、声を振り絞る。
「妖精さん、あなたの名前....!」
...ノイズにのまれながらも、妖精さんの声は...名前もはっきりと聞こえていた。
「ルル‐‐‐‐‐」
真っ暗闇が続いた後、ハッと目を開けていた。
「...夢」
目が覚めると、自分の布団の上。
あの花畑も何もかも、夢の世界だったらしい。
「妖精さん、なんだか不思議な感じだったなぁ」
夢の中なのに名前もついてる妖精さん「ルル」
あそこで起きてしまったのをもったいなく感じながら、私は支度を始めた。
「あら、明里(あかり)...もう出るの?」
家を出ようとすると、遅れて起きてきたお母さんと会った。
「うん、今日は何となく早く出たい気分なの」
「あらそう?ごはんちゃんと食べた?」
「食べたよ!出ないと元気でないからね」
食育の授業で言われてる常識だった。私も気を付けている。
...まあ、自分が食べる分がギリギリ買い残っていた程度だったので少し足りないかもしれない。
「小学三年生でまだ育ち盛りなんだから、しっかり食べていってね」
「大丈夫だよお母さん。それじゃあ行ってきます!」
私は家を出て、自分の通う小学校へ向かった。
うわぁ!すごい!
なんというか…すごい!
読みやすいし話のテンポもいい!
めちゃ上手い!
おおっ、すごっ。