「救済へのカウントダウン」
私はどうしてこんなに悲しかったのだろう。
ずっと私が望んでいたことの筈だったのに。
旧神として在るということは分かっていた筈なのに。
あの子には「自分」を保っていてほしかったんだ。
「ねえニャルちゃん、貴女を救いに来たんだよ。」
あの子はもう、完全に概念という物に取り込まれてしまった。
私の旧神としての理性は救済を受け入れようと考えているが。
私のニャルちゃんとしての本能は彼女を拒んでいる。
「私が全て受け止めてあげるから、皆赦してあげるから。」
あの子は女神のように微笑みを浮かべる。
此処にはもう私とカレン以外はいない。
残されたのは心にぽっかりと空いた穴だけだった。
>>824補足説明
カレンは全てを救済する存在であり、「大天使」として全てを終わらせようとしている。
逆にニャルちゃんは「自分」として救済を拒んでいる。