殺戮機械

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1:ゆるるん◆Uo:2017/05/04(木) 20:32

このエデル国で生きるには、殺戮人間にならなくては、いけない。

_____それが、私達のすべき事。

2:玲葉◆yM:2017/05/04(木) 20:34

私、岡上乃愛。
日本という小国から留学してきた。
このエデル国は、殺戮に事欠かない。
それくらい皆が、殺戮人間なのだ。

3:ゆるるん◆Uo:2017/05/04(木) 20:39

上、私です!

4:ゆるるん◆Uo:2017/05/04(木) 21:21

私の”親友“は、パトリシア。
エデル国出身。
金髪と、深緑色の瞳が特徴的。
この国では、日本でいう、夏至頃から、2ヶ月休みがもらえる。
夏休みってやつ?
そのときだけ、この街から音が鳴り始める。
たくさんの雑踏とか。
その休み以外に、この街には、音じたいない。
すごく、静か。
街の人々や、留学生は、一同大きな施設に集められて、特訓という名の、殺戮の練習を受ける。
「パトリシア、今度ショッピング行こうよ。」
「OK。」
パトリシアと小声で喋っても、
教官が気がつく。
「O1、P1、晩ご飯抜き。」
特訓中に喋ったら、罰を受ける。
でも今まで、こんな感じだったから、さほど変わらない。
ちなみに、O1って言うのは、私のナンバー。
岡上乃愛だから。
そんなときに、真純が来たんだ。

5:玲葉◆Kc:2017/05/05(金) 21:14

prologue…‥…>>2__4

001
「時寺真純でっす!よろしくぅっ!」
真純は、ショートカットの茶色がかかった、黒色の瞳に、ドキリとした。
此処の者では見たことのない、キラキラとした瞳だった。
真純は、そのキラキラした瞳で、私を見つける。
「な、な!アンタも、日本出身でしょ!?」
「う、うん。」
勢いに飲まれながら、私は答えた。
真純は、拳を握った。
「よろしく、N1…本名は?」
真純の番号は、M7だ。
この国には、Mのついた名が多い。
「岡上乃愛…‥…。」
真純は、子犬のように、笑った。
そんな純粋な笑みに、私は羨ましさを覚えた。
この国の殺戮技術は、一体何に役立つのか。
初めて感じた、疑問だった。

6:玲葉◆Kc:2017/05/05(金) 21:31

場所は変わり___________
エデル国の”支配者“マルグリット・アランは、本をとじた。
背後に、何者かの気配を感じたからだ。
(この私にたてつくとは‥…シュノーは何をしているの)
彼女のお世話係___O1の教官に怒りを向ける。
ここの隣国にも、彼女の噂は広まっている。
むしろ、知らない者はいない。
人を、殺戮機械と化し、扱う天使の顔をした、悪魔を___
王とかはいない。
アラン一家は、数百年ほど前からこの地を治める、セレブ家系である。

7:ゆるるん◆Uo:2017/05/05(金) 21:32

上、私です…

8:ゆるるん◆Uo:2017/05/06(土) 17:26

002
その話を持ち掛けたのは、真純だ。
「な!この国から、逃げたくない?」
私と、パトリシアは固まった。
そんな事なんか、考えた事が無かったからだ。
「なん…で?」
パトリシアが、やっと言う。
真純が、呆れたように手を振る。
「えー、乃愛とパトリシアは逃げたくないの?」
当たり前じゃん?と言うように、真純は肩をすくめた。
なんていうの?
分からないけど、真純の気持ちがひしひしと伝わってくる。
「ここの主は?」
「マルグリット・アラン様よ。」
やっと、私は告げた。
「へぇー、そう言う名前なんだ?」
真純は、舌なめずりした…。
それは、獲物を見つけた肉食獣のようだった。
「脱出通路は、もうあるよ。行かない?こんな殺戮地獄から逃げようよ?」
私は、パトリシアと顔を見合わせた。
「うん……」
逃げたいとかじゃない。
ただ、今、真純に従わないと、やられる可能性を感じたからだ。

9:ゆるるん◆Uo:2017/05/16(火) 20:49

真純が切り出す。

「日本に、ある組織があるんだ。そこに、来てくれない?」

どんな、組織?

10:ゆるるん◆Uo:2017/05/16(火) 20:51

「ボクの話を聞いたなら、入らなきゃだよ?」
真純って、ボクッ娘なんだ。
「その組織の名は、胡蝶蘭」
胡蝶蘭…?
聞かない組織だ…。

11:ゆるるん◆Uo:2017/05/18(木) 21:34

「ま、日本に行けば分かるんだけど…」
ニヤリと、真純は笑った。
猫のような、笑みだった。
「勿論、日本に来るよね?」
「行くしか、ないよね」
パトリシアが、私の顔をのぞき込む。
私も、しぶしぶうなずく。
「じゃ、畳の上から退いて」
真純はそう言って、私とパトリシアの荷物をどかす。
畳を上に上げて、見ると、大きな穴が覗いていた。
真っ暗で、光でさえも遮断する、純黒の色。
「案内するから、来てよ」
真純はそう言って、穴に入った。
パトリシアも荷物を取りながら、入る。
私も、続く。
ツンとした、黴臭い臭いが鼻を突く。
「乃愛、パトリシア、少し我慢してて」
真純の声が、側で聞こえる。
だけど、何処にいるのかさえ、分からない。
と…
ボオッと灯りがつく。
パアッとパトリシアと真純の顔が灯りに浮かぶ。
真純は、ニッと笑った。
「ボクの予想じゃ、もうそろそろ外に着いてるはずだよ」
真純の話を信じていいのか、戸惑う。
でも、此処まで来たんだから、後戻りはできない。
私とパトリシアは、顔を見合わせて、うなずいた。

12:ゆるるん◆p.:2017/05/27(土) 20:25

新たなる使命 side ???

『って、事で。ボクたち、そろそろ空港に着くよ。迎えにきてよ』
甘ったるい、キャンディの声。
聞いている此方が、イライラする言い方だ。
『なぁ、シュルツー!』
ケータイが、バキリと音を立てた。
レンナ様に、なんと言おう。
そしたら、レンナ様は、こう言う。
「まぁ、シュルツならしてくれると思っていましたのに‥…」
俺は、溜め息を吐いた。
「レンナ様のタメだからな‥…」

13:ゆるるん◆p.:2017/05/28(日) 20:15

「ホラ、着いたよ!」
真純の明るい声が、響く。
パカッと、真純はマンホールのふたを開けた。
「よっ、と。パトリシア、来て」
私よりも、運動が苦手な、パトリシアを真純は持ち上げた。
「乃愛は‥…出来るね?」
私だって、自分の体を持ち上げることくらい、できるもの。
地上にあがると、目の前は空港。
「今から、日本に行くよ」
「パスポートは?」
真純は、鞄から三人分のパスポートを出した。
「変装して、行かないとだから、偽のパスポートだよ」
空港にて
私の偽名は、高岡紫乃。
職務は、社長秘書。
となれば、真純が社長、パトリシアが部下。
あっけないながら、飛行機に乗る。
エデル国に来る前は、乗ったことがない。
今思えば、何故エデル国に来たのだろう?
物思いに耽っていると。
「乃愛〜、日本に着くまでは、8時間程だよ」
私、着くまで何回寝れるだろう?

14:ゆるるん◆p.:2017/05/29(月) 18:17

日本に着くまで、私は10回以上寝た。
「乃愛〜起きてっ!」
真純の声が、聞こえてきた。
んー、あと少し〜。
「あ、シュノー様だっ!」
「うそっ!?」
シュノー様の名前を聞いて、私は起きた。
瞼をあけると、真純と笑ってるパトリシアの顔が映った。
「ウソだよ。こうじゃないと、乃愛、起きないでしょ?」
うーん、はかられたっ!

15:ゆるるん◆p.:2017/06/01(木) 21:34

タイプ?  side シュルツ

キャンディの報告によると、エデルから借った、少女は正反対な性格だという。
キャンディはミスが多いから、あまり信用できないが…
『丘上乃愛は、純情で穏やかだけど、命令を遂行するためには、何をも巻き込む覚悟を持ってる、心の強い、子だよ。
パトリシアは、ハッキリ物をいうタイプで、乃愛より格別秀でてはないが、違った力があるよ。
任務については、かなり楽観的。計画や、潜入については乃愛が正確かな』
ふむふむ。
キャンディの声が、イタズラっぽく、
『乃愛は、シュルツのタイプかもね』
古い事を持ち出すヤツだ。
これを聞いてたら、ヤバくなる。
仕方なく、キャンディとの通話を切った。

16:ゆるるん◆p.:2017/06/05(月) 21:05

真純は、ニッコリ笑う。
「胡蝶蘭の総帥、レンナ様によると、テストしないとダメだって。っつう事で、テストとして、今から廃校に向かいま〜す」
まさかの、歩きで?
「勿論、車で。さぁしゅっぱーつ!」
何時の間にか、黒塗りのベンツが、駐車場の脇に、停められていた。

17:ゆるるん◆p.:2017/06/06(火) 21:28

真純がタブレットを私とパトリシアに見せる。
「胡蝶蘭総帥のレンナ様だよっ!」
タブレット画面には、金髪のちょっとロールした髪に、蒼い目の女の人__少女かな?あどけない顔立ちが美しいくらい。
「で、最高幹部のシュルツ」
色白の、茶髪で深緑の目をした、なんか俳優としても生きていけそうな男の人が映っていた。
「もう二人いるけど、そのうちの1人、スズを紹介するよ」
真純はタブレット画面をスクロールした。
現れたのは、日本人女性。
長い黒髪を後ろにまとめた、質素な雰囲気のきれいな人。
この組織って、美形限定とかじゃ、ないよね?

18:ゆるるん◆p.:2017/06/07(水) 21:21

パトリシアが、ニヤニヤと、
「乃愛も美形だよね〜」
ぬけぬけと戯れ言を言っている。
真純もニヤリと笑いながら、画面をスクロール。
「もう一人は、凌駕」
凌駕__ちょっと金色かな?に染めて、今時風のツンツンヘアの男の人が映る。
チャラ男って感じだけど、シュルツさんとは違う、美形の人。
またまたまた、美形だ!
真純は笑みを浮かべながら、
「畏まって、さん付けしなくて良いよ。大体、二人と同年代だし。あっ、スズの歳はね___」
プルル、プルル
真純のスマホが鳴る。
『キャンディ?今、私の歳を言おうとしたわねぇ?』
私は、これほど怖い殺気を感じた事は、ない。
真純は、笑いながら答えていた。
でも、目は笑ってない‥…。
通話を切り、真純は目元の涙?を拭った。
「スズからかいすぎると、ヤバいからね…」
うん、それはさっきのを見てて、分かったから。

19:ゆるるん◆p.:2017/06/08(木) 20:35

真純が不意に、まじめな顔になった。
「胡蝶蘭の目的、教えたげる」
目的…
「世界から、裏の組織を消すこと、だよ」
裏の組織…!
「99%殺し専門の、テロリストとかを消す。モットーは、蝶のように軽やかに、蘭の花のように鮮やかに、消す。だよ!」
蝶のように軽やかに、蘭の花のように鮮やかに、消す。
私の頭に、インプットされる。
「あっ、もう着くよ!」
真純の声に、私は窓に顔を近づけた。

20:ゆるるん◆p.:2017/06/11(日) 18:34

胡蝶蘭の表姿は、コンサルタント。
白い大きなビル。
真純がワクワクした口調で、
「レンナ様に紹介してから、テストコースに行くからね」
ビルの中は、要らない物は置いていない、殺風景。
奥に進むと。
さっき、タブレット画面で見た、レンナ様がいた。
書類から目を上げて、私達を映す。
ふわりとその目に笑みがこぼれた。
「エデルから来たのですね、岡上乃愛、パトリシア。お待ちしておりました」
私達は慌てて、礼をした。
頭を上げると、レンナ様は言った。
「これから、テストコースに行ってもらいます。そこで、あなたがたの真の力を見せていただきます」
その言葉に、改めて緊張。
ダメだったら‥…
そこから先は、考えたくない。
レンナ様はまた微笑み、
「私に届いた報告では、あなたがたは要ると思います」
なんとか、私の緊張の糸は解けた。

21:ゆるるん◆p.:2017/06/12(月) 21:16

廃校についた。
「説明するよ〜。一階には、スズが仕掛けているよ!二階は、凌駕。三階は、シュルツ。
まぁ〜、ラスボスはシュルツだね〜」
どっくん、どっくん
緊張してきた。
「注意って言うと〜、スズはまぁ簡単だよぅ!凌駕は狙撃だから、ちょいむず!
ラスボスはスゴい、やばいよ!まぁ、ボクにはかなわないけどね!」
急に真純が怖く見えてきた。
「じゃ、スタート!」

22:嚮音◆PM:2017/06/12(月) 23:10








初めまして。
この小説、面白いですねー!
続きを楽しみにしてます!

23:ゆるるん◆p.:2017/06/13(火) 19:51

ありがとうございます!!!!

24:ゆるるん◆p.:2017/06/13(火) 20:28

「どーする?個人個人で行く?」
パトリシアが私の顔をのぞき込む。
「その方が、レンナ様に伝えやすいでしょ」
淡々と言うと、パトリシアが茶化す。
「私、シュルツと仲良くなろーっと!」
「なったら、良いんじゃない」
パトリシアがによによと笑う。
「じゃ、良いのね」
もう、入ろう!
「じゃあね、クリアしたら会おう!」
私は、パトリシアと別れ、校舎に入る。
薄暗い。
これじゃ、仕掛けとか分からない。
その瞬間、私は気配を感じた。
ビュッ!
小振りな石が、私の頬を掠める。
「あらぁ、当たらなかった?私の腕も、落ちたものね」
真純のスマホから漏れた、あの声と同じ…。
「私は、スズ」
真純から聞いてたけど、さらに怖い。
「私の歳、知らないわよね?」
「は、はい‥…」
スズの声が、校舎に響く。
「良かった」
言葉と一緒に、ハンカチが舞った。
それと同時に、私は駆けだした。
ハンカチから、石が落ちた。
他にも色々舞ったけど、私は振り向かず、階段を駆け上った。

25:ゆるるん◆p.:2017/06/13(火) 21:25

狙撃…かぁ。
狙われてるのは、真純が教えてくれたけど、そこから先が分からない。
チャカッ
物音がした。
私は、ハッとして、構えた。
360度、どこから来るか分からない。
ダンッ!
サッと、私は避けた。
弾丸が、すぐそばの窓を割った。
パリーン!
破片が舞ってくる。
私は、軽やかにそれを避ける。
階段へ駆け上った。
此処が、ファイナルステージ。
「来たか」
シュルツの声。
「乃愛〜、ガンバ!」
…パトリシアの声。
仕方ない。
やるか。
パトリシアはフル無視で!
今度は、私から攻撃ね!
さっきの狙撃で割れた、ガラスを握って、飛びかかる。
シュルツが避けた所へ、破片を飛ばす。
「やるな」
私に向けて、シュルツが飛び蹴りを放つ。
「残念ね」
私は、つぶやいてナイフを出した。
真純がどこからともなく来て、
「乃愛、ゲームクリア。合格!」

26:ゆるるん◆p.:2017/06/15(木) 21:32

新キャラ (そろそろ出ます!)
プリシラ
心に闇を抱える少女。
母は、夜盗。
乃愛とパトリシア、真純に拾われる。

27:ゆるるん◆p.:2017/06/16(金) 20:07

ホッとして、身体から力が抜ける。
私は、胡蝶蘭に認められたのだ。
「パトリシアは?」
真純がニコッと笑った。
「もちのろん、合格だよ」
私的には、有り得ない。
真純は笑顔を消して、タブレットを出した。
「レンナ様から、命令が来たよ。殺し担当の、組織ブラッドパールを壊滅させてってさ!」
ドキドキ。
初任務だ!
「まぁ、ボクが見るところ、ペアを作ってすれば良いと思うしぃ、」
真純とパトリシアが、ニヤニヤし始める。
「5人とも、仲を深めるチャンスだと思うよ!」
「パトリシア…‥…」
私は、パトリシアにくぎを差す。
「私と誰かって、区切らないでよ?」
「分かってますよ〜」
信用できない。
こういう、ぬけぬけと戯言を言えるのがパトリシアなのだ。
凌駕が、プッと吹き出した。
「漫才師かよ?」
「「漫才師じゃなーい!!」」
ここだけ、パトリシアと声が重なった。

28:ゆるるん◆p.:2017/06/17(土) 18:18

夕陽が、綺麗…。
私と凌駕は、スーパーに買い出しに来ていた。
「今日から、料理当番決めるよっ!買い出し、作るの二つに分けるからね!」
真純がレンナ様と相談し、決めたらしい。
「今日、何にする?」
凌駕に問いながら、パトリシアと真純が出来るような、料理にしないといけない。
「真純の料理の腕、どーなの?」
凌駕が顔を青くした。
「もう、吐きそうなくらい‥…ヤバい」
考えるだけ、ゾッとした。
パトリシアの腕はと言うと、同室だった私が作るしか、生きていけないという事から、察してほしい。
「でも、二人が共同でしたら…」
「集団殺人事件が起きるね‥…」
私は、カレールーを取る。
「仕方ない、カレーにしよう」

29:ゆるるん◆p.:2017/06/19(月) 20:08

「今日は、カレーかぁ!頑張ろうぜ、パトリシア!!」
「真純、作ろうっ!」
いやあ、あの〜‥…。あまり、張り切っていただかないでほしいです‥…!
私と凌駕、溜め息を吐く。
「ん〜♪ん〜♪♪」
何か歌いながら、パトリシアと真純は野菜を切り始める。
危なっかしい!!
「1つ言わせてっ!切り方、ざっくばらんにしないでよっ?」
「もぉう、乃愛五月蠅いなぁ!」
包丁は振り回すなっ!
ああ‥…
怖い怖い怖い。
凌駕も真純を凝視。

30:ゆるるん◆p.:2017/06/21(水) 21:25

危なっかしい手付きに、私と凌駕はもうドキドキ。
「しっかり、煮込んでよ?」
「分かってるってば!」
パトリシアの「分かってるってば!」は、信用できない。
私、それで何回死にかけたと思って?
十回は、死にかかってるわよ!
「乃愛と凌駕、レンナ様から、ブラッドパールに侵入してほしいって、ボクに言ったんだ。
ちょっと、カップルのふりして、行ってきてよ」
ハァ!?
真純とパトリシアは、によによと笑っている。
何か、考えてるんだよね?

31:ゆるるん◆p.:2017/06/25(日) 14:29

男は、辺りを見回して、後ろの私達__私と凌駕に、
「誰もいねぇな?…で、何でアンタらはきたんだ?この組織に?」
私は、ニコッと笑って、
「レンナ様からの命令なので」
男は、ギロリと、
「アンタら、胡蝶蘭か?」
私は、集中して目を閉じた。
風が、吹いて、辺りの物が吹き飛んでいく。
風が私を中心に、取り巻く。
私は、男に向かって微笑んだ。
「さようなら」
呆然としている男に、飛び蹴りをかまし、鳩尾をつく。
これで、暫くは起きないはず。
念のため、術もかけておこう。

32:ゆるるん◆p.:2017/06/25(日) 21:08

「ダスヴィダーニャ」
男は、動かなくなった。
凌駕が驚いたように、
「術も、使えるのか?」
「うん」
ロシア出身の、お師匠さまに教えてもらったっけ。
流石に、お師匠さまに追い付いてないけどね。
「行こう」
路地の先は、ブラッドパールの本拠地。

33:ゆるるん◆p.:2017/06/28(水) 21:15

一見、ただのバー。
私達は、ソッと戸を開ける。
「…ん?」
たばこを吹かしていた、男が私達を視界に入れる。
「なんだ、お前ら」
なんだって、言われてもね…。
チャッと音がして、凌駕が銃を出した。
「胡蝶蘭か…。見ねぇ顔だな、新人か?」
ううう。
たばこ臭い。
私は、腰を落として、構える。
コイツは、かなり強い。
男は、ニヤリと笑った。
「お前、血の匂いがするな、かなりの暗殺者だな」
ドクンッと心臓が脈打つ。
血の匂い…
「乃愛!気を取られるな!」
凌駕が叫ぶのと、男が動き出したのが同時だった。

34:ゆるるん◆p.:2017/06/28(水) 21:37

たくさんの蹴りや突きが飛ぶ。
それをかいくぐっていたら。
「っぐ!」
回し蹴りが当たった。
痛い。
でもこれでへたれていたら、ダメだ。
拳を固め、飛びかかる。
ヒョイッとよけられる。
でも、これぐらい計算内だ。
擦りむいた指をペロリと舐め、相手を眺める。
どこか、急所は‥…。
と…
背中を叩きつけられる。
相手の足を掴み、床に叩きつけようとすると。
「甘いな、未熟者め」
反対に、床に叩きつけられた。
相手に喉元を見せては、いけない。
何度、蹴りを入れられたか。
バンバンバン!
銃の音がして、男がバーを飛び出していくのが辛うじて見れた。
「ゴメン、すぐ撃てなくて」
凌駕が謝る。
そして、私の体を支える。
あれ?
力が入らない。
急に、意識が遠くなっていって‥…。

35:ゆるるん◆p.:2017/06/30(金) 20:06

「鬼姫、」
誰……?
逆光で、顔が見えない。
服装は、貧しい農民の着物を着ていた。
「さぁ、目覚めましょう」
私が、鬼姫?
目覚め…?
「覚えてないのですね。それも、そのはず。貴女は、水責めで亡くなったのですから」
農民が、手を振り上げて‥…。
「…愛!乃愛!」
目を開けると、パトリシアと真純が私の顔をのぞき込んでいた。
「あれ?」
どうやって、あのバーから帰ってきたっけ?
「凌駕が運んでくれたよ」
えっ……………。
ドキッとした。
私、重くないよね?
「凌駕は?」
真純が首を傾げて、
「一人で、ブラッドパールの本拠地にもう一回行ったよ」
「一人で!?」
あわわわわ…………!
あの男に、一人で!?
「私、行ってくる!」
玄関を飛び出したら。
「まて!」

36:ゆるるん◆p.:2017/07/01(土) 13:42

シュルツだった。
「なに?」
シュルツの蒼い目は、私をジッと捉えていた。
「一人で、死に行くのか?」
「違う!凌駕を助けに‥…」
「それが、死に行くということだ、わからないのか?」
どういうことか、分からない。
「お前は、さっき倒された。と言うことは、また殺されに行くことだ」
「そんな‥…!」
違う、違う。
私は‥…!
「俺も行く。それで良いなら、行こう」
目の前が、明るくなった。
「行く!」

37:ゆるるん◆p.:2017/07/02(日) 15:17

シュルツと共に、本拠地に行くと。
ガッシャーン!
激しい物音が聞こえてきた。
恐る恐る、戸を開けると。
まず視界に飛び込んできたのは、カウンターが壊れていて、男と凌駕が取っ組み合っていた。
凌駕が不利だ。
私は、二人の間に飛び込んだ。
男か凌駕の拳が、突き出される。
私は、男の方を向き、意識を集中させる。
「ダスヴィダーニャ………」

38:ゆるるん◆p.:2017/07/03(月) 21:06

男は、倒れた。
シュルツが、息があるか確かめた。
多分ないはず。
だって、この術は‥…。 
「………、乃愛」
凌駕が、息も絶え絶えに、
「ありがとう……」
そして、気を失った。
私は慌てて、凌駕を抱える。
「シュルツ、帰ろう」
シュルツもうなずき、私は車の後部座席に凌駕を横たえる。
私は、助手席に乗り込む。
この戦いで、ブラッドパールの中心人物をなくした。
それは嬉しい。
けれど、ブラッドパールを壊滅させた訳じゃない。
『人を殺して、何も思わないの?』
師匠の声を思い出す。
『それはね、人としての大切なモノをなくした証なのよ』
私は、遂にバケモノになり果てるのか。
それでも良いのかもしれない。
でも、胡蝶蘭のメンバーとしても、在りたい。
これは、欲望なのだろうか?

39:ゆるるん◆p.:2017/07/06(木) 21:12

「乃愛、レンナ様から新しい命令だ」
物思いに耽っていたら、シュルツが言った。
私はハッとして、
「え、でも、ブラッドパールは?」
「幹部は消えたから、後は下っ端だけだ。これくらいは、他のメンバーも出来る」
ほへ〜!
この組織の団結力は、すごい。
「で、命令は?」
「庫裡村という村に、財宝がある。それを、手に入れるとのことだ」
「えっ、胡蝶蘭は、財宝系も手に入れるの?」
シュルツは、当たり前だというように、うなずく。
「因みに、パトリシアと真純も一緒だ」
いやだー!
あの二人が来たら………!
「安心しろ。凌駕も行く」
いやいやいや、安心どころじゃなくて!
「て、この車何処向かってんの?」
シュルツは不思議そうに、
「勿論、庫裡村じゃないか」
と、答えた。

40:ゆるるん◆p.:2017/07/08(土) 15:38

シュルツ曰く、庫裡村は地図にすら載らない古い村だ。
『鬼姫、目覚めましょう』
不意に、あの不思議な夢を思い出した。
鬼姫って、誰なの……?
「庫裡村に着いたら、村民に泊まるところを聞け。財宝についての情報は、スズから伝えられるから、待て」
「………、分かった」
晴れていた空が、暗雲に包まれていく。
もうすぐ雨が降りそうだ。
と、思った瞬間。
ザアザアザアー
大降りの雨。
「着いたぞ」
シュルツの言葉にうなずき、傘を貸してもらう。
ドアを開け、後部座席に向かう。
凌駕は微かに目を開けた。
「此処は……?」
「レンナ様から、新しい命令が届いたって。此処_____庫裡村で財宝を探すの」
凌駕は今度は、目を見開いた。

41:ゆるるん◆p.:2017/07/09(日) 15:48

そりゃそうだろう。
私だって、ビックリしたんだもん。
起き上がる凌駕に手を貸して、外を見渡す。
山は濃い霧に包まれていて、神秘的だった。
「こんな隠れ村なら、何が起こっても、おかしくないよね…」
誰かが、そう言った。
そうだよね、とうなずきかけて、ふと怖くなった。
私は、凌駕とシュルツに聞く。
「ねぇ、今の誰?」
震える腕を抱え、答えを待つ。
凌駕とシュルツは、不思議そうに、
「何も、聞こえなかったけど」
と、答えた。
嫌だ。
私は昔から、こういう系は嫌いだ。
でも。
この声の正体が、パトリシアとか真純だったら…!
有り得る。
やだぁ…!
どうか、そういうことが起きませんように!

42:ゆるるん◆p.:2017/07/16(日) 16:20

「と、とりあえず、村の人探そう!」
私はそう言って、村に入っていく。
庫裡村は、畑が多い。
隠れ村なのか、田舎っぽい。
と…。
「あんた……………、鬼姫だねぇ」

43:ゆるるん◆p.:2017/07/20(木) 19:05

鬼姫……?
おばあさんは、涙を流しながら、
「どうかこの、不浄な村の咎を冥府に流して、清めてくだされ。そうしなければ、この村は、永遠の地獄へと変わりゆくのだから」
一体、この村で、かつて何があったのだろう。
鬼姫と言うのは、私なのか?


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