【いじめ】現実よりネットの方が数千倍もいい。

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1:もみじ:2014/02/18(火) 19:06 ID:64Y

チャットという名の現実逃避―――…。
現実逃避…現実から目を背く事。

「掲示板で話すより、皆と話すほうが数千倍も楽しいや!」

これは今から話す少女の【元】口癖…。

気楽で友達が多い少女の長所は、ある事がきっかけで

裏目に出てしまうのだった…。

2::一話::2014/02/18(火) 19:33 ID:64Y

カタカタカタカタ

「咲ー!ほらっ遅刻するわよ!降りてきなさい、咲!」

カタカタカタカタ

扉を蹴り付ける音がする。と同時に部屋に明かりがつく。
「またパソコンいじって!没収しますからね!ホラ!よこしなさい!」
一度は咲も母の方を見たが、目を見開いて、再びモニターへ向かう。

“インターネットサーバーエラー”

『お前、何した…っ』
「インターネットの線、取ったわよ…学校いけ!!!」

母は咲に怒鳴りつける。
鼓膜が破れるほど大きい声量だった。
隣の家にも聞こえていただろう。
近所迷惑だと思いながらも咲は地面に置いてある人形を手にする。

バァン!
「きゃ…咲!」
『死ね 出て行け出て行け出て行け出て行け出て行け出て行け出て行け』
「しょ、しょ…う、咲…?」
『死ねっつってんだよ』

勢いよく咲は白い壁を叩き付けた。手から血が滲み出る。
白い壁に血痕が残る。
母を追い出し、再びモニターに向かった。

3::二話::2014/02/18(火) 19:58 ID:64Y

咲は“葉っぱ天国”という掲示板サイトに向かった。
ジャンルが複数分かれており
咲は“いじめ”という所にカーソルを置いてみる。そこには

{いじめられる人、相談にのります}{私が力になる}

『思ってもないよーな事を…』
咲は思わず呟いた。
こういうのを見ていると目腐る。
不機嫌に達してしまった咲は、サイフとケータイをバッグに入れ
公園へ向かった。



ケータイでまた葉っぱ天国を見る。
交流・仲良しという所を覗く。

“ソウたんとするめ。の専用板”
というのがあった。
するめ。さんとは誰だか知らないが、ソウたんというのは咲の名前だ。

見てみると

“するめ。って言います!ソウたんさんと話したいです!”

『嘘…マジで…? 私なんか…でいいのかな…! 嬉しいな、友達ができた…。フフ…フフッフフフフフッフフ…』
『アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ』

狂ったように笑い続ける咲の表情は
何かを企んでるようにも見えるが
汚物を見るような目でもあった。
純粋に嬉しいという顔ではなかった。


“私も、するめ。さんと仲良くなりたいって思ってた!思いって通じるんだね~~~\(^^#)”

………企みだったのかもしれない。
猫をかぶって釣る気だったのかもしれない。

“私も!”
純粋な彼女の言葉に
自分の気持ちも隠せず、葉っぱ天国には近づかないようになった…。

そして、する事もなく、学校へ行こうと決断した。

4:姫奈子:2014/02/19(水) 17:12 ID:.3E

姫奈子(きなこ)です!
凄い面白いです…
ゾクゾクしますね!
頑張って下さい!

5:もみじ:2014/02/19(水) 20:57 ID:64Y

きゃ!初コメ初読者!きなこさん!
ありがとうございます!!!

6::三話::2014/02/19(水) 21:26 ID:64Y

ガラガラガラッ

一つ先の何かを見据えているように
無言で扉をあける。
周りのざわつきも気にせず、席に着く。

「あ、きたんだ。」
「あ、そ。」

周りの反応はとても薄く、皆、元の行動に戻る。
直接的ないじめを受けている様子はないが、咲に興味がないフリをしているのだ。
こうすると先生から注意される事もなく、精神的ダメージを受けさせられる。

でも、ついにトップの女子達は、それじゃ満足いかなくなったのだ。

トップは3人いる。取り巻きに2人。


「あっ、おはよぉ〜!来たんだね、学校。サボって何してたのぉ?」

語尾を延ばすクセがある。ぶりっこではないが可愛いと言われている、安藤真希。トップの中のリーダーだ。


「もしかしてっ、家出ずーっとパソコンしてたとかーっ?」

安藤真希と幼馴染で、ギャルの部分が少しある、金遣いの荒い後藤文美。


「掲示板なんかやってても…意味ない、内容なんて、すぐ見る」

少し言葉遣いがおかしい、庄野美佐。



「あれぇ、名前、なんだっけぇ…?ガチで忘れちゃったよぉ〜」
「ウチ、嫌だけど覚えてるわ。江戸咲。江戸だって!江戸時代〜〜〜」
「江戸…戦争で死んでしまえば…もう…終わり」
「咲、後で時間空けとけよ?」

「返事…言う…」
「咲ちゃぁん………返事しろ!!!」

逆鱗に触れた咲は、新たなるいじめを受ける事になる。
まるで朝の親の声のような怒鳴り声をあびた咲は、黙ってはいられない。

『やだっていったらどうするんだよ、無計画?』

咲は立ち上がっていった。
次の瞬間

ドミノ倒しのように、イスが次々と倒れていく。
先頭には咲の苦痛の顔。

真希の手がすぐ側にあった。

「返事、ちゃんとしよぉ?「はい」って言うんだよぉ…てめぇにはそれくらいしかする事ないからなぁ!!!」

『絶…対嫌だ…から………なめんなよ…』

真希の体が浮かび上がる。
咲は体が柔らかく、足を伸ばして、思いっきり蹴り付ける。

「こら!江戸!何やってるんだ!こっちへ来い!」

「ふぇ…痛いよぉ…痛いよぉ…っ」

『チッ…バーカ、死んでろヴォケ』

咲は走り去っていった。

「た、退学にするからな!!!」
『義務教育だからムリだよ?アハハハハハハ』


そのまま家へ帰って泣き崩れた
ある夜の事だった。


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