友情&恋愛小説っぽいの書きます!
よろしくお願いします。
「梨恵は、バスケスッゴい下手くそなんよ。ごめんなこんなこと言って。1年の時、バスケ初心者で始めて、下手なのにずっと頑張って来たんよ。2年の時は、だいぶ上手になったな。でも、みんなほどは上手じゃなかった。でも、あの頃から始めたって考えたら、誰よりも上達したと思う。今日も、自分の中での一番の力で頑張ってくれてたね。梨恵、おいで。」
梨恵さんは、恋出先生に近づいた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
恋出先生は、梨恵さんを抱きしめた。
「ありがとうございました。私が上達したのは、恋出先生のおかげです。」
梨恵さんは、私と話した時よりも泣いていた。
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×「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
「こちらこそ、本当にありがとうございました。」
○「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
恋出先生は梨真さんを抱きしめた。
「こちらこそ、本当にありがとうございました。」
です。
すみませんでした。
「梨里は、思いついたら、すぐに行動しとった。1年の時は、分からないことがあったら、すぐ先輩に聞いてたし、2年の時は、作戦を考えついたらすぐ試してみたりしてた。いろんなこと考えて行動に移してくれてた。今日も、勝つための糸口がつかめそうだったら、すぐ行動してくれた。梨里、おいで。」
梨里さんは、恋出先生に近づいた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
恋出先生はそう言うと梨里さんを抱きしめた。
「ありがとうございました。」
梨里さんは泣きなからも明るい笑顔でそう言った。
「みんな、よく頑張ったね。1、2年も頑張ってくれた。ありがとう。最後にみんなで写真撮ろっか。」
恋出先生は私たちにそう言った。
「3年は前にしゃがんで、並んでね。その後ろ2年、1年って並んで〜」
梨香さんは、みんなに指示を出した。
私は後ろの1番端に並んだ。
私の隣は真莉ちゃんが並んだ。
「真穂、私が隣におったら悲しむか?」
恋出先生は私の隣に来て言った。
「いいえ。でも、3年生の隣がいいんじゃないですか?」
「そうだな。でも、入れんのに。だからいいか?」
「別に構いませんよ。」
「そっか。いや、先生の隣は嫌かなって思ってさ。そんなら良かったわ。」
写真は、保護者の方に撮ってもらった。
その後、みんなが、2階に上がって試合を見ることになった。
そして1、2年生は1人ずつ恋出先生に呼び出された。
2年生はみんな話し終わって終わって、ひま、舞ちゃんが終わり、真莉ちゃんが呼び出された。私は最後に呼び出されることになる。
恋出先生との話を終え、帰ってきたみんなの目からは、涙が溢れていた。
そんなみんなと3年生の先輩方は暖かく囲んで、話していた。
恋出先生は何を言ったんだろう?
まさか、怒られないよね?
私は、少し気になった。
「舞ちゃん、何話したの?」
「内緒。行ってみてのお楽しみ。」
舞ちゃんは優しく微笑んだ。
きっと、優しい言葉をかけてくれるに違いないと思った。
すると、真莉ちゃんが帰ってきた。
真莉ちゃんの目からも涙が溢れていた。
すぐさま3年生が来て真莉ちゃんに優しく接していた。
真莉ちゃんは、私に気づくと、頷きながら微笑んだ。
きっと、真穂ちゃんの番だよ。恋出先生の所へ行って。って言っている。
私は、うん。行ってくるね。と、同じように、頷きながら微笑んだ。
少しの不安と緊張と期待を胸に恋出先生の元へ向かった。
私はゆっくりと階段を降りた。
恋出先生はどこにいるんだろう?
私は真莉ちゃんから行く所を聞いていない。
階段を降り終わるとすぐそこには、恋出先生がいた。
「真穂で最後か。おいで。」
恋出先生は、つぶやくように私に言った。
いつもは明るく言うのに今日は、静かだった。
でも、暗くはなかった。
私は恋出先生についていった。
「まぁ座ろうか。」
「あ、はい。」
ベンチに私は腰掛けた。
「今日はなにが出来た?」
私は少し間をおいてから話し始めた。
「…何も出来ませんでした。荷物も運べなかったし、気づいたら、すぐ行動出来なかったし、ほかにもいろいろ出来ませんでした。すみませんでした。」
私の目からは自然と涙がこぼれていた。
「みんな、何も出来ませんでしたって言うな。みんな、出来てない事は無いのに。真穂だって応援は出来たでしょ?」
「でも、応援だけじゃ駄目です。出来たって言えないです。」
恋出先生は優しく微笑んだ。
「自覚があるなら、それでいい。出来なかったことは誰だってある。次は応援以外の事を頑張りなさい。」
「次はもう無いんです。3年生のいる総体は終わってしまったんです。」
私は悲しげに言った。
「確かに終わってしまった。でも、3年生は、真穂の事よく頑張ってくれたと思ってるよ。梨香のあいさつ聞いたでしょ?」
「はい…」
「みんなが真穂は頑張ってたって言ってる。今日出来なくても、入部して最初の頃出来なくても、その時の失敗を取り戻せるくらい真穂は頑張った。どんなに、迷惑かけようと出来る事をひたすら頑張ってくれた。ちょっとしたことかもしれないけど、みんなの役に立ってるんだよ。」
私の目からは涙が溢れていた。
恋出先生の言葉が嬉しくて、迷惑かけっぱなしなのにみんなの役に立てる事が嬉しくて仕方がなかった。
恋出先生は私を優しく抱きしめた。
「よく頑張ってくれたね。ありがとう。みんなも私も真穂に感謝してるんだよ。」
私は涙が止まらなかった。
止まる訳もない。
私なんかに優しく微笑みかけ、言葉をかけてくれる先生がいるのだから。
私に感謝をしてくれる、仲間がいるのだから。
「ありがとうございます。私、頑張ります。絶対に今日の失敗取り戻してみせます。毎日の迷惑も。」
「うん。頑張れ。」
恋出先生は、優しく明るく言った。
私は恋出先生に腕の中で泣き続けた。
「よしよし。真穂って身長高いし、大人っぽいし、結構しっかりしてるのに、こういう時とかは、可愛い子どもみたいになるな。」
恋出先生は私の頭をなでながら言った。
「私は、身長高いけど、大人っぽくもないし、全然しっかりしてないです。」
「私からすればそうなの。さぁ、みんなのとこ行っておいで。」
恋出先生と話が出来たこと、みんなの私に対する思いが聞けたこと、私に優しく微笑みかけてくれたこと、本当に嬉しい。
私こそ、感謝の気持ちでいっぱい。
恋出先生がいてくれて、先輩がいてくれて、みんながいてくれて本当に良かった。
「はい。ありがとうございました。」
私は、恋出先生にありがとうの意味が分からないかもしれないと思いながらも言った。
「うん。」
恋出先生は、私のありがとうの意味を分かったように微笑んだ。
恋出先生は、私から離れた。
「また、荷物運ぶ時に呼ぶから、それまでは上にいて。」
「はい。」
私は明るく答えたが、目からはいまだに涙が溢れていた。
悔しいから。
みんなが今までの失敗を取り戻せるくらい私は頑張ったって言ってる。
けど、私自身が失敗を許せない。
悔しい…
私はその思いで悔し涙が流れた。
でも、嬉しい。
そんな風に私を思ってくれる仲間がこんなに近くにいるなんて。
私はなんて幸せ者なんだろう。
その思いで嬉し涙も流れていた。
「真穂は泣き虫だな。まぁ、みんな何言っても泣いてたけど。先輩に慰めてもらいな。さぁ、早く行きな。」
恋出先生は軽く私を押した。
「はい。」
私は、その場から離れ、階段を上がった。
私は1人ゆっくりと階段を上がった。
周りの声と足音だけが聞こえていた。
私は1人になり、また涙が溢れ出した。
もう、なんで流れるのよ!
だめだよ泣いちゃ。
ポジティブになんなきゃ。
涙を拭っても、また涙が溢れた。
いつの間にか階段を上がっていたらしく、梨香さんが駆け寄ってきた。
「おいで真穂ちゃん。みんな待ってるよ。」
梨香さんは明るく微笑み言った。
「はい。」
私は急いで涙を拭き、ついて行った。
私は3年生の輪の中に入った。
3年生の顔からは笑顔が見られた。
「お帰り真穂ちゃん。」
凛さんは笑顔で言った。
「真穂ちゃん、私たちのためにありがとう。」
梨亜さんは凛さんに続いて言った。
「そんな、私は何も出来なかったです。迷惑かけた方が多かったです。本当にすみませんでした。」
私は申し訳ない気持ちで頭を下げた。
すると、梨菜さんが私を優しく抱きしめた。
「そんな事ないよ。頑張ってくれた。恋出先生からも聞いたんでしょ?3年生の思いはありがとうって気持ちなんだよ。」
梨菜さんは優しく言った。
私は梨菜さんから離れた。
「こちらこそ、本当にありがとうございました。私は先輩方のおかげで成長することが出来ました。感謝してもしきれません。」
「これからも、バスケ頑張ってね。」
「このチームの唯一の長身の選手だから、期待してるよ。頑張ってね。」
「その調子でこれからも頑張ってね。」
「みんなが応援してるからね。」
先輩から、声をかけられて私は涙が溢れていた。
「はい。頑張ります。」
「頑張って!」
3年生が声を合わせて言ってくれた。
私は涙を溢れさせていた。
「ありがとう。真穂ちゃん。」
3年生全員が私を抱きしめてくれた。
「さぁ。新女子バスケ部のみんなのとこ行きな。」
梨恵さんが軽く私を押した。
「はい!」
3年生の皆さん、本当にありがとうございました。
私は幸せな時間を過ごすことが出来ました。
3年生と出会えたことは、私にとって一生宝物となります。
私は1、2年生 のところに行った。
「真穂ちゃーん。ここ、ここ。」
美姫乃さんが隣に座ってという風に私を呼んだ。
私は美姫乃さんの隣に座った。
「それでは、ミーティングを開きます。」
美姫乃さんが突然真面目な雰囲気になった。
「はい!」
みんなが声を合わせて言った。
「来週、毎年恒例3年生を送る会を行いたいと思います。」
3年生を送る会?
1年生がよく分からずポカンとしてしまった。
すると、美々乃さんがしゃべり始めた。
「3年生を送る会っていうのは、3年生今までありがとうございました、お疲れ様でした、これからは新女子バスケ部のメンバーで頑張りますって会。簡単に言うとね。」
「あ〜」
みんなが分かった様子になった。
美々乃さんに続き今度は美恵乃さんがしゃべり始めた。
「話によると、女子バスケ部ができた年から、女子バスケ部だけは、総体が終わると絶対に3年生を送る会をするんだって。恋出先生情報によるとここ7年間してるのは確かだよ。」
「いいですよね?」
美姫乃さんがみんなに聞いた。
「はい!」
「決まりー!」
3年生を送る会か〜
楽しみだな。
私は胸を弾ませた。
総体1日目は終わり、私は帰ることになった。
私たちは、荷物も運んだ。
「じゃあ、バス停でおろしてもらってね。さよなら。あと今週部活休みね。」
恋出先生が見送りをしてくれた。
「はい!さよなら。」
バスが動きだした。
恋出先生は手を振ってくれた。
私たちも、手を振った。
「普段は、絶対手なんて振らないのにね。」
3年生が話している声が聞こえた。
恋出先生って本当優しい。
私の顔から思わず、笑顔がこぼれた。
私たちの総体は終わり私は緊張から解き放たれた。
最初ずっと体がガチゴチだったが、体がほぐれている。
みんなも、緊張がほぐれて、楽しそうに話している。
中には疲れて寝てしまっている人もいた。
今日は試合出た訳じゃないけど疲れたな。
これからは10人。
迷惑かけないようにしなきゃ。
今日みたいに、後悔しないようにしなきゃ。
頑張らなきゃ。
私、ひま、梨亜さん、梨里さんは同じバス停でおろしてもらった。
私は、家に帰ると、すぐに寝てしまった。
私は、次の日学校に行った。
朝から、日が照りつけて暑かった。
勝ってたら、今頃体育館に居たんだろうな。
勝ちたかったな。
私は試合に出てないしえらそうなこといえないけど…
先輩たちのためにも、勝ちたかった。
何も出来なかったが、最後は嫌だ。
私がもっと動いてたら、良かったのにな。
ひまとの待ち合わせ場所にはもうひまが来ていた。
「ごめん。待った?」
「ううん!全然。今来たとこ。行こ!」
「そっか、ならよかった。行こ。」
ひまは、落ち込んでないだ。
私はこんなに落ち込んでるのに…
私たちは、駅に行き、汽車に乗った。
「舞ちゃーん!」
ひまとクラス一緒の亜美ちゃんが呼んでいた。
ひまは、少し戸惑っていた。
「ひま、亜美ちゃんと座りなよ。私あっち行くから。」
ひまはビックリした表情で私を見た。
「いいの?ありがとう!」
そう言ってひまは、亜美ちゃんと同じ席に座った。
私は、あっちいこうかな。
私は、ひまと逆方向に向かって歩いた。
「真穂。ここ、一緒に座ろ。」
子猫みたいなかわいい小さな声が私を呼んだ。
私は、その方を見た。
私は目をまるくして驚いた。
「光。良かった〜元気になったんだ。って汽車だったんだ。」
私は光の隣に座った。
光に会えて、さっきまでの暗い気持ちが少し吹き飛んだ。
「元気じゃないけどね。昨日も学校行ったんだけど、総体で運動部誰もいなかった。真穂たちはどうだったの?」
私は表情を少し曇らせた。
「負けちゃった……私は、最後迷惑かけて3年生の最後を締めくくっちゃった。ダメダメな後輩になっちゃった。昨日負けたから、私たちは今日学校来てるんだよ。勝ってたら、試合出来たのにな…」
「そっか…なんかごめんね。」
光まで悲しそうになった。
私は、少し慌てた。
「なんかごめんね。」
「ううん。大丈夫。でも、負けちゃったんだ…」
「でもさ、この学校ってすごいと思うんだ。」
「どういうとこが?」
光は不思議そうに私を見た。
「この学校って小さいでしょ。全校生徒、確か160人しかいないんだ。3年生合わせたら、女子バスケ部18人、男子バスケ部30人、男子バレー部23人、女子卓球部26人、男子卓球部21人、吹奏楽部、20人美術部22人しかいないんだよ。しかも、部活行かない人が多い。一応、水泳部と駅伝部もあるけど。野球はないし、テニスはないし、バレー部には女子入れないしさ。」
光は私を尊敬するような目で見た。
「す、すごい。よく覚えてるね。で、何がすごいの?」
私は少し悲しい顔になった。
「女子バスケ部は、毎年負けっぱなしなんだ…でも、私はどこの学校よりも強いと思うんだ。仲間が本当にいい人で、練習も毎日真面目にこなしてて、一人一人が頑張ってる。実力だけのチームなんて強くないよ。女子バスケ部だけじゃない。バレー部だって来てない人多いのに頑張ってる。男子バスケ部も、練習とか真面目にやってる。他の部だってそうだよ。小さな学校でも、少ない人数でも、どんなに弱くても、一生懸命頑張ってる。最近は、男子バスケ部強くなってきたし、卓球部もいい感じらしいよ。」
「そうなんだ。本当にすごいね。私、そんなすごい学校に通ってるってことが誇りに思えるよ。」
「私もだよ。だから、どんなにつらいことがあっても、そんなすごい学校に通ってるってことはすごいなと思って、来るように頑張って。」
光はなんでわかるの?というふうにびっくりして私を見た。
「な…んで知って…」
「分かるよ。そんなこと。光の元気じゃないって言葉を聞いて絶対そうだなぁと思ってさ。」
「そっか…真穂には隠し事できないね。」
光は少し悲しそうで嬉しそうな顔をした。
私は、光が少しでも学校にくる時間が増えてほしい。
光がまた転校する日が近くなる前に…
私は光がまた転校するんじゃないかと薄々感じていた。
学校になかなか来れてない人は目をつけられる。
転校してきたから、注目も浴びる。
いじめられる可能性は大きい。
それだけはどうしても避けたかった。
駅につき、私たちは汽車から降り、学校へ向かった。
今日は教室がやけにうるさかった。
普段は、廊下まで聞こえてくる声は、階段まで聞こえていた。
その声は、笑い声と共に耳を塞ぎたくなる言葉が聞こえていた。
私と光は、階段で立ち止まってしまった。
光はうつむいたまま動こうとしなかった。
「待ってて、できる限りの事はする。」
私はそれだけ言って、光をおいて教室に入った。
「あのさー階段まで声聞こえてる。うるさいよ。先生に聞かれたらどうするの?」
私は、みんなの注目をあびた。
その中の、紗由が口を開いた。
なんか私言い方悪かったかな?
いい感じにまとめたと思うんだけど。
もしも失敗してたら私は、終わり…
「えっまじ?階段まで聞こえてた?まじかーはやく気づいて良かったわーありがと」
私は少しほっとした。
ふるえる唇を私は、私は静かに開いた。
「気をつけなよね。あと光のことあんまそんな風に言わない方がいいと思うよ。」
私は怖かったけど言った。
何も言わないのは弱いまま。
あいつらと同じだから。
「はぁ?何言ってんの?あんたさぁ〜いじめられたいの?」
紗由の目が私を切りつけるように睨みつけている。
私はあわてて言い訳をした。
「そういう意味じゃなくて、本人に聞かれたらまずいし、女子のこと言ってると男子が怖いよ。」
紗由はハハッと笑った。
「そっかそっか。ごめんごめん。でも、大丈夫。あんなこの子と誰も見ちゃいないよ。」
そういうと紗由は自分の席に座った。
廊下を覗くと光が心配そうにこちらを見ていた。
私は大丈夫だよっという風に頷いた。
そして私が席に座ると同時に光が教室に入った。
登場人物追加
西沢大地
1年A組。南小出身。真穂とは仲がいい方。3年と2年は部員が少ないし、来ない人が多いためレギュラー選手。バレー部。
斎藤亜美
1年B組。明るく元気な性格。天真爛漫。
崎島紗由
1年A組。いじめ班リーダー的存在。ほとんどの人が逆らえない。先生が居るときはいい子ぶる。
牧田沙由哩
1年B組。いじめ班副リーダー的存在。ぶりっこ。先生に嘘をつくのが得意。
伊坂晃
1年A組担任。明るい性格。怒ると黒板を叩く。めちゃくちゃ怖い。一部分の髪の毛がよくはねている。
小谷亜子
1年B組担任。すべてをさっさと終わらす先生。怒るとうざがられる。
休憩時間、私は机に顔を伏せていた。
「真穂ちゃん。」
聞き覚えのある声がした。
「何?」
私はそっちに顔を向けた。
「話があるんだけど大丈夫?」
そこには裕太くんがいた。
「えっあっうん!い、い、いいよ。」
私は慌てて言葉を噛んだ。
裕太くんは私の耳に顔を近づけた。
「紗由ちゃんのこと気にしない方がいいよ。すごいね真穂ちゃんはあんな風に言えて。」
「あ、ありがとう。ひ、光のことかばえないなら、わ、私も紗由ちゃんと同じだと思ったから。」
「そっか。じゃあ僕はこれで。」
そう言うと裕太くんは教室から出ていった。
優しいな。裕太くんは。
私の心は熱くなっていた。
今日は午前中で終わり、給食も食べずに帰った。
私は帰る前に恋出先生を一瞬だけ見た。
いつも通り、明るく振る舞っていたように見えた。
すごいな。あんなに明るく振る舞えるなんて。
私は、試合に出たわけでもないのに、こんなに心が沈んでいるなんて。
私は一人とぼとぼと歩いていた。
私が職員室の前を通った時だった。
聞き覚えのある、時には嫌な時には大好きな人の声がした。
「真ー穂ちゃん。どーしたんですか?そんな暗い顔して。まだ、昨日のこと気にしてるんですか?」
ふと、後ろを向くと恋出先生がいた。
「こ、恋出先生。」
恋出先生は微笑むと私の頭を撫でた。
「よしよし。真穂の事だろうから、今日も落ち込んでると思ったよ。」
「すみません…」
「いや、別にいーけど。まぁ土日は部活休みだし、ゆっくり休みな。じゃあ、さようなら。」
「さようなら。」
ありがとう。恋出先生。
私は、その気持ちでいっぱいだった。
面白いです!
112:ちえり:2015/02/21(土) 17:28 ID:hSo >姫莉さん
ありがとうございます!
これからも読んでくださると嬉しいです。
私は、下駄箱から、靴を取り、スリッパを入れた。
靴を履くと、1人駅へと向かった。
「待って、真穂ちゃん!」
私は、後ろを向くと、裕太くんがいた。
「おー裕太くん。どうしたの?」
「真莉ちゃんが、真穂ちゃんの事探しててたよ。」
「えっ!うそ!」
私は、思わず大きな声を出してしまった。
周りから嫌な視線がおくられてきた。
「声大きいよ。」
裕太くんにも指摘されてしまった。
「ごめん…で、どうしてた真莉ちゃん。」
「多分大丈夫だよ。一緒に探そうとしてたんだけど、恋出先生に捕まってた。」
「恋出先生に!?あ…でも大丈夫だ。きっと、先生は、真莉ちゃんに優しくしてあげてる。本当は優しいから…」
私にだけじゃなくってみんなに優しくしてあげてるんだな。
きっと……
裕太くんは、あっと何かを思い出したような表情になった。
「あっそうだ。それでさ、僕遊園地に、家族4人で行こうと思ってたんだけどお父さん仕事になってさ、行けなくなったからさ、一緒に行かない?亮しか一緒に行く人いなくてさ。さっき真莉ちゃんに聞いたら、土日部活休みだし、真穂ちゃんがいいなら良いって言ってくれてさ。4人で行かない?ダメかな?」
私の胸は有り得ないほどに、ドキドキしてた。
「もちろんいいよっ!ありがとー誘ってくれて。」
「ううん。こちらこそありがとう。真穂ちゃんだったから、行こうと思えたんだ。真穂ちゃんって真莉ちゃんと仲良いし、同じクラスだったし、ちょうど良かったよ。」
「そだね。で、どうする?」
「あ、真穂ちゃんってケータイ持ってる?メアド交換しない?」
「うん一応。でも、あんま使うと怒られるけど、裕太くんとならいいよ。」
「そっか。じゃあ、これ。」
裕太くんは、メアドを書いた紙をくれた。
「真莉ちゃんにも、連絡してくれるかな?」
「うん。」
私たちは、駅についてからも、汽車が来てからも、話した。
ひまは、亜美ちゃんと話していたからちょうど良かった。
緊張するのに、なぜかとても心地よかった。
裕太くんは、私より先に汽車から降りた。
「じゃあね、裕太くん。また、日曜日。」
私はそう言って手を振った。
「うん。バイバイ!」
裕太くんは笑顔で手を振ってくれた。
日曜日に、8時の汽車で行くことにした。
各駅からみんなが乗って行くことになった。
帰りは、3時の汽車。
私は、お弁当持って行くって約束した。
明日、真莉ちゃんと買い物行けないかな?
新しい服買って、新しいアクセ買って、お弁当の材料買ったりしたいな。
私は、胸を弾ませていた。
私は、家に急いで帰った。
そして、真莉ちゃんに電話した。
「もしもし?真莉ちゃん?遊園地は日曜日になったよ。それに…」
私は、日曜日の事とか明日についての事とかいろいろ聞いた。
「うん。いいよ!明日、お母さんに連れて行ってもらうよう頼んどくね。また、明日電話するね。」
真莉ちゃんも、喜んで、了承してくれた。
「ありがとう!じゃあ、明日ね。」
ピッ
私は電話を切った。
「やったー真莉ちゃんとデート。楽しみだなぁ。明日なに着てこうかな?」
私は、うきうきしながら、明日の準備をした。
私は、明日着ていく服選びをした。
「うーん?どれにしようかな?」
私は、たくさんの服を前にして、悩んでいた。
水色のカーディガン、白のニット、ブルーのカーディガン、白黒のギンガムチェックのシャツ、水色とグレーのチェックシャツワンピ……服だけでもたくさんある。
「うーん?水色好きだし、これにしよ!」
私は悩んだ末水色のカーディガンに白のスカートに決めた。
水色のカーディガンは上の方がレースになっていて、かわいい。
半袖を着るにはまだ寒いけど、長袖を着るには、少し暑い。
そういう時は、このカーディガンが良い。
私は、明日の準備を始めた。
明日買うもののメモを書いたり、ハンカチ、ティッシュを探したりと明日楽しく過ごせるように、準備をした。
準備が終わると、明日のために早く寝た。