蒼空

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1:ひなんちょびくす:2015/10/04(日) 21:42 ID:y/2

どーしてだろ?
いつからだろ?

キミが好きだ___

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

作者の ひなんちょびくす でーす!!
荒らし、アンチ、悪口は即通報&削除でーす!!

感想くださーい!!!!

では、頑張るぞい(`∀´)b

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

2:ひなんちょびくす:2015/10/04(日) 22:08 ID:y/2

<私の事情>

松田 絃 (マツダ イト)
高校1年。

セミロングの明るいブラウンの髪。
普段は下ろしている。
制服は校則違反の膝上20センチのグレースカート。
第二ボタンまで空いた薄ピンクシャツに緩く絞めた赤リボン。
ワンサイズ大きい長めのキャラメルカーデにボタン全開のブレザー。

身長153cm。
体重 ××kg。

見た目からして問題児。

勉強面はクラス・・・いや、学年最下位。
全くのバカ。

運動面はクラス1番。

性格は明るくて、わがまま。
なんか、スゴい冷たい。
機嫌悪い時は分かりやすい。
関わると怒るし、ほっといても怒る。

・・・実は甘えん坊。

こんな性格なんでモテません。

モテなくていいってか、恋なんかしたくない。

てか恋ってなんぞ!!??
恋ってどーやってするん?

・・・楽しいのか?

わかんねぇー!!

とりあえず、恋したことないです。

好きな人に求める条件

1、同級か年下。年上って聞いたらサヨナラですね。

2、絃のこと大好きな人

3、超超超超超超超〜〜〜1途な人。

4、身長160〜170。それ以下もそれ以上もヤダー!!!

5、運動できる人。サッカーとかまじ最高!!!

6、カッコいい人。どんなに優しくてもカッコよくなかったらごめんね・・・ってなる。

こんなウチが恋できるワケもなく、告白すらされない。

最初は結構された。

けど、だいたいみんなタイプ聞いて引いてくんだよね・・・。

ま、これがウチ。

これがウチの恋できない理由。

事情があるんです。

3:ひなんちょびくす:2015/10/05(月) 21:45 ID:y/2

<ありがとう>

「松田さん、ちょっと」
「はーい」

授業中、担任に呼ばれて廊下へ出る。

「どーしたんですか?」
「・・・お母さんが、倒れたらしい」
「え・・・」
「もういいから行って来なさい」

急いで学校を出て病院へ向かった。

お母さん、お母さんっ___

ウチのお父さんは、ウチが小さな時に癌を患ってこの世を去った。
それからずっと、女手1つでウチを育ててくれたお母さん。

・・・ウチがわがままだから疲れちゃったのかな?


ガラガラッ___

案内された病室のドアを開く。

「お母さんっ・・・!」

返事はない。

医者が言いにくそうな顔で言った。

「・・・力になれませんでした。」
「え・・・」

力になれなかった?
どういう意味?

「発見されたときには、もう・・・」
「なん・・・で?」

どーして?
どーしてお母さんなの?



お母さんが死んだ理由。

『くもまっか出血』

医者や看護師は、仕方ないことって言う。

確かにそうだけど、ウチがちゃんとお母さんのこと見てあげてたら良かったんだ。

無理させてばっかで。

ごめんね___

問題しか起こせなくてごめんね___


お葬式の時、お母さんはすごくキレイだった。

「絃ちゃん、大丈夫?」
「よく頑張ったね」

・・・身内の人の励ましすら耳に入らなかった。

「絃ちゃん大丈夫なの・・・?」
「はい、ウチがしっかりしなきゃいけないですもんね!」

頑張って、頑張って、頑張って。
大丈夫な振りをした。

演技は得意の方だ。


お母さん、ありがとう。
あのね、ウチね、まだ将来の夢とかないけど立派になるね!

本当は直接言いたかったんだけど、

ありがとう___

さよなら、天国でも元気でね。
大好きだよ___

4:ひなんちょびくす:2015/10/05(月) 22:11 ID:y/2

<新しい出会い>

ウチは、お母さんの実家に住むことになった。

本当に田舎で、回りには田んぼと畑しかない。

近くのコンビニまでは車で1.2時間はかかるそう。

ウチにとっては不便だけど、この辺りの人からしたらどうってことないのかな?

「絃ちゃん、おはよう」
「おばあちゃん、おはよう」

スゴく優しいおばあちゃん。
ウチのことを気にかけてくれるんだ。

おじいちゃんのことは、覚えてない。

ウチが生まれてすぐ亡くなったらしいから。

だからこの家には、ウチとおばあちゃん。

「絃ちゃん、今日から学校かい?」
「うん、そーだよ!」
「場所わかるかい?」
「うん、多分分かるよー!」

ウチは徒歩通学。
この間までチャリ通だったから新鮮な感じ。

「制服は、それでいいの?」
「うん、これがいい」

制服はあえてそのままのを着た。

お金かかるし、なにより前の学校が大好きだから__


学校は歩いて20分くらいの距離だった。

担任の中岡先生に、名前を呼んだら入れと言われ、そのタイミングを待つ。

「松田さんー」
「お、はーい!」

ガラガラ___

ウチが入るなり教室がざわめきだす。

「転校生、自己紹介してねー」
「松田絃です、仲良くして下さい。」
「はい、松田さんの席はー窓際の1番後ろだよー」

指定された席へ行く。
教室内から好奇の目を向けられる。

「髪茶色!!不良やん!!」
「制服バリ可愛い!!」
「スカート短かっ!!??」

ぉおー、なんかヒロイン気分。

席に着くなり、隣の男の子に声をかけられる。

「俺、高橋夏樹!!」
「おぉ、よろしくね」
「夏樹って呼んでな、絃ちゃん!」

・・・フレンドリー。

「うん、了解よー」
「なんか都会の雰囲気かもし出してるね!!」
「そーかな?」
「うん、可愛いし!」

・・・田舎ボーイにしてはチャラいな。

夏樹は黒髪の短髪。
ちょっと着崩した制服。

見た目よりチャラい。

「絃ちゃん可愛い!!」
「・・・どーも、ありがとう」

口説かれてるのかな?

すると、前の席の子が振り返った。

「夏樹うるせーろ。」
「邪魔すんなやー」
「転校生困っとろーが」
「えぇ!」

「ごめんな?」

彼はウチの目を見て言った。

その顔がキレイで目が離せなかった。

「・・・おーい?」
「あ、ごめん」
「俺、笠原龍騎!!」
「うん、よろしくね」
「おう!龍騎って呼んでな!」

龍騎は、このクラスにしては茶色い方の髪色。
ツーブロっぽいし、制服は極端に着崩してるし。
不良っぽい。

「龍騎に絃ちゃん取られたー」
「うるせーわ」

たんだかんだで仲良さそう。

これがウチらの出会い____

5:ひなんちょびくす:2015/10/06(火) 20:45 ID:y/2

<約束>

「絃ちゃん家近い?」
「普通?」
「だって、歩きやん!」
「てか、ここの道チャリって危なない?」

コンクリートでもない砂利道。
絶対コケるから。

「慣れたら普通やよ?」
「ふーん」

何故か付いてくる夏樹と歩いているときだった。

「謝ってよ!」
「・・・」

何事??

3.4人に責められる1人の女の子。

「ねね、夏樹アレ」
「あぁ、いつものことやよ」
「いつものこと・・・??」

え、こんなとこ見といて見てみぬふりすんの?

それって酷くない?

「ちょ、夏樹カバン持ってて」
「え、絃ちゃん??!!」

ウチは責められる1人の女の子の元へ歩いてった。

「花乃に謝って!!!」
「・・・ごっめんなさい」
「聞こえない!」

花乃ちゃんって呼ばれてる子は泣いてる。
何があったのかは分からないけど、1人を大人数で責めるってゆうのはダメだと思う。

ウチは、真ん中に仁王立ちしているリーダーっぽい子に声をかけた。

「ねぇ、その子が何したの?」
「え、花乃の好きな人取ったの」
「どういうこと?」

説明してもらうと、責められてる女の子、優奈ちゃんが、花乃ちゃんの好きな人と仲良くした。

優奈ちゃんは、クラスでも地味な方なのに男ウケもいいし、生意気だ。

とのこと。

「ね、この子が悪いしょ?」
「確かに、気にくわなかったかもだけど、1人に対して3.4人で責めるのはよくないよ?」

すると、リーダーっぽいその子が言った。

「転校生が何いい子ぶってるの?」
「いい子ぶってなんかないじゃん?」
「・・・チャラチャラしてるくせに生意気なんよ!」

彼女はウチにカバンを投げつけようとした。

「どーぞ?」
「・・・もういい、行こ!!」

そう言うとその子達はそそくさと去っていった。

「大丈夫?」
「・・・ありがとう、ございますっ」
「いえいえ、てかタメっしょ?敬語とかいいよー」
「・・・うんっ」

笑顔の彼女はすごい可愛かった。

・・・こりゃ、妬くわな。

「あ、ウチ松田絃」
「あたし、佐々木優奈!!」
「よろしくね、優奈ちゃん」
「呼び捨てでいいよ!」
「ありがと、ウチもいいよー!」

優奈は、笑顔で言った。

「助けてくれて、ありがとう」
「いえいえ!」
「どーして?どーして助けてくれたの?」
「・・・お母さんとさ、約束したんだ」

小さいときから言われ続けたこと。


『困ってる子が居たら、助けてあげてね。1人で居る子が居たら、寄り添ってあげてね。・・・1人が好きな子なんていないんだから』___


「そっか、いいお母さんなんだね!」
「うん、自慢のお母さんだよー!」

もう、会うことは出来ないから、この約束だけは守るよ。

お母さんと交わした約束___

6:ひなんちょびくす:2015/10/06(火) 21:05 ID:y/2

<感情>

「バイバーイ!!」
「ばいばいー」

校門のところで優奈と別れた。

「絃ちゃんって強いんだね・・・」
「え?」

夏樹がいきなり変なことを言い出すからビックリした。

「止めに入るなんか・・・」
「あぁ、見てみぬふりしろとか無理だもん。」
「優しいんだね」

てゆうか、この人はどこまで付いてくるの?

「龍騎ってさ」
「うん?」
「感情とか出さねーし、人と会話することねーのな」
「うん」
「だから、今日絃ちゃんに話しかけた時、ビビった」

・・・へぇー。

「チャラそうなのにね」
「見た目はな」
「うん」
「絃ちゃんのこと仲間と思ったんじゃね?」
「は?」
「髪茶色いし、制服ダラシねーし?」

笑いながら夏樹が言う。

「なんか・・・」
「ん?」
「うざー」
「・・・へっ?」

思ったことをすぐ口に出してしまう。
しかも、悪いと思わないウチ。

最低野郎だなウチ。

「龍騎は感情出さねーけど、絃ちゃん出すんだねー!!」

大笑いする夏樹。

・・・えぇ?

「どした?」
「いや、正反対だなと思って」

・・・んー、確かに。

「やっぱ俺、絃ちゃん好きだわ」
「え?ごめん、聞き取れなかった」
「なんもー」
「なになにー??言えやー!!」
「気を付けんとこけるよー」


感情って大事だ!!

7:ひなんちょびくす:2015/10/06(火) 22:38 ID:y/2

<恋の相手>

ガラガラ___

「優奈おはよー!」
「絃ちゃんおはよう!」

周りからは驚きの視線。

まぁ、そうだろうね。
事情知らなかったらそうなるよね。

「絃ちゃん俺にはー?」
「あ、夏樹居たの?」
「ひっど!」
「おはよー」

夏樹は明るいし、ノリいいから絡みやすい。

「絃、おはよ」
「あ、龍騎おはよー!」

龍騎は見た目キツいけど夏樹いわくいい奴らしい。

「てか、佐々木と絃仲良くなったんだな」
「うん、優奈スゴいいい子だもん!!」
「おぅ、絃もな」
「ありがと」

龍騎って夏樹みたくチャラ要素ある?


昼休み___

「あれ?優奈はー?」

お弁当を食べようと思ったら優奈が居なかった。

「あぁー」
「どーしたの?」
「また告られてんじゃね?」
「・・・は?」

夏樹が意味分からないこと言うから間抜けな声で言ってしまった。

「は?じゃねーよ、見に行くか?」
「え、行っていいものなの?」
「行くぞ!」
「・・・え、夏樹頭大丈夫?」
「おぅ、正常だ!」


夏樹に連れられ体育館裏に来た。

「あそこあそこ!」

夏樹が指差す方には先輩らしき男の子と優奈の姿。

「え、優奈モテんの?ねぇ」
「しーっ!」

口を塞がれ、黙って耳をすます。

「俺、佐々木さんのこと好き」
「・・・??!!」
「付き合ってください!!」
「ご、ごめんなさい・・・」

「ありゃりゃ〜・・・」

思わず言ってしまい夏樹にまた口を塞がれる。

「どして?」
「・・・好きな人が、いるんです」
「そっか、聞いてくれてありがとう」

・・・いい先輩やん!

てか優奈好きな人いるんだ・・・。
なんか、憧れるな。

「てか、絃ちゃんうるさいから」
「夏樹が口塞ぐからじゃん!」
「関係ねーだろが!!」


優奈の恋の相手。

誰なんだろ?

8:ひなんちょびくす:2015/10/08(木) 20:11 ID:y/2

<恋>

ウチが転校してきてもう2ヶ月過ぎ。
龍騎、夏樹、優奈、ウチのメンバーはお馴染みになっていた。

「おい、絃ー」
「ぉお、龍騎ー!」

その中でも、ウチと龍騎はダントツで仲が良かった。

「俺、今日部活ねーから一緒に帰ろーぜ」
「あ、いいよー」

龍騎はサッカー部。
休みなんかって珍しい!!

「はい、乗れやー」
「いいのー?」
「いつも乗っとろーが」
「失礼しますー」

そしてウチは龍騎のチャリの後ろに乗った。

「行くぞー」
「おーう!」

龍騎が部活休みの時はいつも2ケツで帰る。

ド田舎だから原ポに追いかけられることもない。

最高の場所!!!!!!

「絃ってさー」
「んー?」
「好きな奴いんの?」

えっ!
いきなり??!!

「いないよー!」
「ふーん」
「龍騎は?」
「俺?俺はいるー」
「えっ、嘘??!!誰??!!」
「言うわけねーだろが」
「バカー、ケチー、アホー」
「落とすぞっ!」

・・・龍騎の、好きな人。


「優奈おはよん!」
「あ、絃ちぃおはよ」

優奈はウチのことをいつの間にか絃ちぃと呼ぶようになってた。

「・・・優奈?」

何か言いたげな優奈。

「あのね、言いたいことあるんだ」
「どしたの?」
「・・・あたしね、好きな人いる」
「まじ??!!だ、誰?」

優奈は、恥ずかしそうに口を開いた。

「笠原くん」
「笠原くん・・・龍騎??!!」
「しーっ!」

優奈が・・・龍騎を・・・好き??!!

「え、ちょ、待っ、え?」
「絃ちぃ、、笠原くんと付き合ってるの?」
「つつつ、付き合ってない!!」
「良かったぁー!」

・・・優等生の優奈がヤンキーの龍騎を??!!

人生なにあるか分からない!!!!!

「告白するの?」
「したいな、って」
「しなよ!ウチ、龍騎のこと探る!」
「ありがとぉー!」


昼休み___

「はっ??!!え、まじ言ってんの?」
「まじまじ!」
「あの、あの優等生の佐々木が・・・」
「それでね、夏樹に協力してほしいんだー」
「何すればいいの?」
「情報収集!!」
「いいけど、ご褒美くれよ?」

・・・ご褒美?

「はいはい、いいよ」
「俺決めていい?」
「どーぞ」
「やった!なんでもいいんだな?」
「いいよー」

この時のウチは、自分の気持ちをハッキリ知らなかった。

9:ひなんちょびくす:2015/10/09(金) 01:39 ID:y/2

<気づいた気持ち>

あれから1週間が経とうとしていた。

「なな、絃ちゃん」
「ん?」
「龍騎、佐々木のこと好きっぽい」
「どーして?」
「発言つーか、なんつーか」

確かに最近、優奈と龍騎は仲が良い。

・・・ウチと龍騎よりも。

なんでだろ?
龍騎のこと好きなんかじゃない。
・・・はずなのに胸がチクチクする。

心がモヤモヤする。

龍騎の笑顔を見ると鼓動が早くなる。

・・・優奈と龍騎をくっ付けるって言い出しっぺのウチ。

ウチ、何やってんだろ。
友達、ましてや親友の好きな人だよ?
好きになるはずないじゃん。

・・・あり得ないから。


昼休み___

「あ!」
「どした?」
「お弁当忘れた・・・!!!」
「はい、絃ちゃんドンマイ」
「りゅっ・・・夏樹、食堂行こ?」
「おうー」

あっぶな、龍騎誘いそうだった。

「龍騎、優奈!!さき屋上行ってもらってかまんー?」
「おうよー」
「了解よー!」
「ありがと」

そして夏樹と食堂へ向かった。

「絃ちゃんさ、しょーみ龍騎のこと好きっしょ?」
「はっ?!」
「ぽいよ?」
「なわけ、ないない」

ウチが?
龍騎を?
ないないってかあったらダメだよ!

龍騎は優奈、、、

いったぁー、、、
どーして?
どーして2人のこと考えるとこんなに心臓が痛いの?

どーして?

「絃ちゃん、なに食うん?」
「んー、唐揚げ弁当」
「俺、買っちゃるよ」
「え、いいよ?」
「いいから」

夏樹はウチにお弁当を買ってくれた。

・・・最近、妙に優しい気がする。

何や企んでる?

「ちょ、俺便所ー」
「待とーか?」
「先行っててー!」
「りょー!」

そして1人、屋上へと向かった。


ギギィー___

ドアをあげる。

「優奈、龍っ・・・」

「あたし、龍騎が好き」
「・・・俺」

優奈が龍騎に抱きつく。

困った様子の龍騎。

「龍騎は?」
「俺は・・・」

ヤバいヤバいヤバいヤバい。
心臓の音が耳に伝わる。
デカイデカイデカイ。
音がデカイ。


ガタッ___


焦りすぎて、お弁当を落としてしまった。

「絃・・・??」
「絃ちぃ・・・」

驚いた龍騎の顔とウチが来て残念そうな優奈の顔。

どーしよ。

そう考えてた時___

後ろから手を引かれた。
振り返ると息を切らした夏樹の姿。

「大丈夫か・・・?」
「なつ、き」
「行くぞ」
「え、行くぞってどこに?」

言われるがまま、着いていく。
屋上を出るとき、龍騎は悲しそうな、切なそうな顔でウチを見送ってた。

・・・優奈と、幸せに。


気付くのが遅すぎたのかな?
そもそも、ウチの勘違いかな?

・・・ウチは、龍騎が好きだ___

10:ひなんちょびくす:2015/10/09(金) 18:58 ID:y/2

<報告>

あのあと結局ウチは腹痛と偽り、早退した。

でも、今日は学校。
ヤダなー・・・

休もうか、、、

なんて考えてたときだった。

ピーンポーン___

朝っぱらから誰よー

「はーい」

ガチャ___

「おはよ!」
「おはよって、なんで夏樹が?」

開けたドアの前には満面の笑みの夏樹の姿。

「迎えに来てやった」
「なにそれ」
「いいから着替えろ!!んで行くど!」

夏樹にはリビングで待ってもらい制服に着替えた。

・・・メイクしないとヤバい。
スッピンで学校は有り得ないから。

でも、メイクするには時間がかかる。
・・・どーしよ
ま、いっか、待たすの夏樹だし。

そう思ってメイクを始めた。

5分後___

「絃ちゃんー?」
「あーい?」
「まだー?」
「待ちー」
「入るどー?」

ガチャ___

「えっ??!!嘘??!!」
「・・・絃ちゃんが、、、化けようとしている!!!!」
「いつもこの顔じゃん!」
「え、あれスッピンじゃねーの?」
「ガッツリメイクでふ」

夏樹は驚いていた。

「はよしてー」
「はい、できた!!」
「おし、いくど!!」

そしてウチと夏樹はチャリを2ケツして学校へと向かった。


「龍騎、佐々木、おはー!!」
「・・・おはよ」

夏樹、空気詠め。

つか、気まずすぎ。

「あ、あのね、絃ちゃん」
「絃ちゃん?」

絃ちぃって呼んでくれないんだ・・・

「あたしらちねっ」

優奈を遮り、龍騎が言った。

「俺らち、付き合うことになった」
「・・・っ」
「応援してな」

・・・龍騎と、優奈が。

今更悔やんだって仕方ないよね。
気づかなかったウチが悪い。

だって、恋なんてしたことなかったもん。

『好き』の感情が分からなかったんだもん。

でもね、龍騎も、優奈も大好きだから幸せになってほしいな。

ウチが龍騎を好きなくらい、龍騎も優奈が好き。

ウチが龍騎を好きなくらい、優奈も龍騎が好き。

なら、応援するしかないよ。


「お幸せにねっ!!」


できる限り、今できる精一杯の笑顔。
多分、転校してきて1番の笑顔。

最高の笑顔で言って、走って屋上へ向かった。

だって、あのままだと泣いちゃう気がしたんだ。

ウチがウチじゃないみたいで怖い。

でも、忘れるしかないんだよね。

ウチね、龍騎の背中押すから、応援するから。
だから、優奈のことを大切にしてあげてね。

誰よりも幸せにしてあげて。

11:ひなんちょびくす:2015/10/09(金) 21:28 ID:y/2

<ウチのヒーロー>

「絃ちゃん、大丈夫?」
「え、うん?」

あのときから夏樹はウチのことを気にかけてくれるようになっていた。

「絃ちぃおはよー!」
「絃おはよ」

毎朝一緒に登校してくる2人を見るのも、もう慣れた。

全く辛くなかった。

龍騎のこと好きだけど、片想いでいいって思えたんだ。

そんな時のことだった。


放課後、体育委員のウチは体育倉庫で片付けをしていた。

ギギィー___

とっさに隠れてしまうウチ。

何で隠れたんだろ・・・

すると、声がした。

「マジ、優奈可愛すぎだから」
「龍くんはカッコいいよね」

あ、龍騎と優奈じゃん、
最悪。

「あー、マジ俺やべー」
「んー?」
「ちょ、キスしてい?」
「・・・え、だって、でも・・・」
「誰もいねーよ」

・・・います。
ここにいます。


・・・てかウチ、これから2人のキスシーン見るの?

イヤだ!

なんて考えていたとき

「・・・ん」
「・・・」

っ??!!

ウチの目に写るのは背伸びをして目を瞑り、キスをする優奈と龍騎の姿。

背伸びをしてる優奈はなんだか可愛く見えた。

「行こ?」
「おぅ」

キスを終えた2人は手を繋いで出ていく。

・・・龍騎と優奈が

「あっ!!!!!」

ふと、我に返る。

鍵!!!!!

閉められた!!!!!????

ガチャガチャッ!!!!!

ドアを開けようとしても開かない、、

ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
落ち着けウチ!!!!!

大丈夫、絶対。

誰か来るはず!!!!!

・・・でも、完全下校過ぎてる?
時計もないし分かんないよ。

とりあえず、人を待とう。


2時間は経ってて、辺りは本格的に暗くなっていた。

電気のスイッチも体育倉庫の外にあるから付けれない。

・・・最悪だぁー


・・・あれ?
どーして?

なぜか龍騎と優奈のキスシーンがフラッシュバックする。

どーして今なの?

涙が出る。

あ、きっと、1人寂しいからだ。
だからきっと、余計なこと考えちゃうんだね。

ウチ、バカだぁー・・・

なんて泣いている時だった。

誰かが走る音がする。
だんだん近付く足音。

・・・幻聴?
ウチ、とうとうおかしくなっちゃったのかな?

ガタガタッ!!!!!

「絃ちゃんっ????!!!!!」
「・・・夏、樹??」
「いるのか?!大丈夫????!!!!!」
「・・・あれ、変だな夏樹の声がする」

なんて言った時だった。

ガタンッ!!!!!

ドアを壊して入ってきた夏樹がウチに抱きついてきた。

「絃ちゃん、ごめんな」
「何で夏樹が謝るの?」
「俺が、絃ちゃんのこと守ってやらなきゃいけねーのに」

・・・夏樹。

「ありがと」
「大丈夫か?」
「うん、夏樹はウチのヒーローだね」
「ヒーロー?」
「そう、ウチが困ってるときいつも現れるよね」

いつだって、寂しいって思うとき、息を切らして来てくれる。
ウチが泣いてたら、大丈夫?って慰めてくれる。
辛いことだって、いつも笑い飛ばしてくれる。

夏樹はウチのヒーローだよ。

ありがと!!!

12: のあ (*´つω・。) Noa ◆Rc:2015/10/10(土) 14:01 ID:s7Y




わゎゎゎゎゎゎ(

夏樹カッコよすぎる...


はやく続きが見たくなるね。


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