我輩は人である。名前はあるが名乗りたくない。

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1:ミルフィーユ:2015/12/23(水) 21:08 ID:SlM


橙色に染まった大地にゆらり、二つの影。
見つめ合うように向かい合うそれらは、既にお互いを思い合う二人のようで。

__ふと、一つの影が動いた。

「……‥好きです、あなたが。」

暫く時間が止まったように感じたのは、きっと気のせいじゃない筈。
応じるように、もう一つの影も揺れた。

「……‥俺も、好き」

その返事を、言葉を、声を聞いて。
何年かぶりに、私の頬に雫が落ちた。

ーーー

「……‥ああ、ね。」

私には、好きな人がいる。

好きすぎて好きすぎて、頭が痛くなるくらいに思っている人が。

__いつでも瞼を閉じれば、彼の顔が浮かんでくる。そしてその都度頬が上気して心臓が苦しいほどに早鐘を打つ。
今だって、そうだ。そうなのだ。

……‥でも、

「好きなの。……本当に」

……この恋も、もう終わりだ。

ーーーー

橙色に染まった大地にゆらり、二つの影。
人型をしたそれらの顔の部分が重なった時、私は小さなため息をついた。

「……うんこ漏れそう。」


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