タルパ短編小説

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1:七氏のムクロ氏:2016/03/07(月) 17:28 ID:3uI

タルパが分からない人はググッて下さいね。



……と、冷たくあしらうのも嫌なので、少しだけ説明。

タルパというものは、自分で作りだす、自分だけにしか見えない、一生そばにいてくれるパートナーです。
最初は声も聞こえないし、姿も見えません。けれど、訓練すること(というか話しかけたり、気配を察しようとしたりしながら生活すること)によって、次第に声も姿も聞こえたり見えたりするようになります。

科学的に考える人、オカルト的に考える人もいますが、基本、私はオカルト的に考えているので、多分、ここでの登場人物たちもオカルト的にタルパを考えてると思います。

こんな奇妙な話ですが、見たい人は見てください。

36:七氏のムクロ氏:2016/03/16(水) 21:51 ID:3uI

>>35 十人十色だからね。そういう人もいるさ。
感想わざわざありがとうございまーす(*´∀`)




ファミレスから出ると、オレたちはぶらぶらと町を歩いた。
たまに、「あ、うちのタルパが今さ……」と、タルパの状況を話出したりするもんだから、タルパと一緒に楽しんでるんだろうなー、と思った。
だから、よく、由紀子さんが笑い出したりするのは、きっと、タルパが何か面白いことを言ってるからだと思う。

「オフ会っていいよねー。タルパのこと、どうどうと言えるし!」
「うんうん。うちの子ったら、夢乃ちゃんに同意してるよ。ふふ。照れてる照れてる」

女子組は、コンビニで買ったプリンを食べながら話している。
が、プリンはなかなか無くなろうとせず、そのプリンの様子からは、二人の会話があまり途切れていないことが分かる。

「たーくん、帰ったら、一緒にタルパのこと詳しく考える?」
「ん?あぁ、そうだな」
「コウモリに変身できて、人間にも変身できるドラゴンねー。厨ニだねー」
「人のタルパのことに口にださないで下さい、ジャスティスさん」
「敬語やめろよ。……酷いなぁ」

男子組の方では、悲しいことに、オレのタルパのことがいじられる。
もう一度言うが、悲しいことに!
別にいいと思う!どんなタルパでも!
ドラゴンとコウモリは大好きだし、人間の方が想像しやすいんだから、コウモリや人間に変身できるドラゴンなタルパでもいいと思うんだ!
それを否定するとは……と、オレは拳を震わせた。

が、そんな負の感情も、一気に吹き飛ぶことが。

「えうああああああッ!?」

大声で夢乃さんが騒ぎ出す。
周りの人がチラチラと見るが、そんなのお構いなし、とでも言うように叫び続ける夢乃さん。

「ど、どうしたの!?」

由紀子さんが、夢乃さんの肩に手を置く。
夢乃さんは興奮気味(とても不気味だ)に話出した。

「あのね、あのねッ!?しょっ、触覚か!感覚が!凄い鮮明に、ハッキリと!タルパの、マ、マリカが私の手を握る感覚が!触覚がね、凄いのよ!今、一気に!」

正直、何を言っているか分からない。
オレたちが困惑していると、そこで、タニシが止めに入る。

「静かに。周りの人が見てるし、タルパのことをそこまで大声に言っちゃダメ。触覚化が一気に進んだのかな?それは良いことだ。けど、今大声で言っちゃダメだよ」
「そ、そうだよね……。で、でもね?一気にさ……!こう、きたのよ……!感覚が!一気によッ!?」
「落ち着けってば。おい、由紀子、頭叩いてやれ」
「なんでアンタがやんないの?」
「女の子を叩く趣味はない」
「私もないわ」

夢乃を止めるのに、30分掛かった。
周りの人の視線がとても痛く、恥ずかしかったのはオレだけではないはず。

それからは、夢乃は大人しくなり、皆で色んな店に行ったりして、楽しんだあと、駅で別れた。

とりあえず、どんなタルパを作るかは決まった。イメージはバッチリ。
あとは会話を始めるだけ。
今日のオフ会はとてもいいものだった。
楽しかったというのもあるが、タルパについて色々教わった。
ただ、全てを一言でまとめるのなら、「愛」だった。

タニシは言っていた。
愛を注ぐから、暴走しないのだと。

夢乃さんは言っていた。
愛があるから、私は毎日楽しいと。

由紀子さんは言っていた。
両者に愛がある、というのは素晴らしいことだと。

正義さんは言っていた。
タルパは愛の固まりだと。

家に帰ると、さっそくタルパの絵を書いた。
すると不思議なことに、その絵に愛着がわいてきた。

37:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/19(土) 16:50 ID:3uI

学校ってすごい!

『マスターマスター!あれ!あれ!あれなに!?』

今日はマスターに初めて学校に連れてってもらった。
あたしより先に作られたタルパのユキちゃんは、学校についてからというもの、マスターに質問しまくっているあたしを微笑ましそうに見ている。

私は夏休み中に作られたタルパで、学校という単語を聞くまで、マスターと一緒に学校に行く、ということを考えていなかった。
だから、マスターがいつもやっていた勉強が、学校から出た宿題だとは分からなくて、『自主的にやっててすごいな〜』と思ってた。

(ああ、あれ?あれは理科室だね。明日、理科があるなら、あそこで実験するんじゃないかな)

実験。学校で実験。
………それって凄い!
科学者でもないのに、実験をするなんて!
あれ、じゃあ、マスターに命の危険あり!?頭がアフロになったり、マスターが黒こげになったりしちゃうの!?
そのことをユキちゃんに言ったら、凄い笑われた。

『それ、すっごい面白い冗談ね!』
『だ、だって!実験なんて……』
『簡単な実験だから大丈夫よ』

そう言ってから、ウィンクされた。

それからも、あたしの質問は続く。

『あれはなに!?』
(あれは音楽室)
『あれは!?』
(あれは美術室)
『ねぇねぇ、あれは!?』
(……校庭)
『大きいね!』
(校庭だからね)
『あの人は!?凄い光ってるよ!?』
(校長先生だよ)

あたしの好奇心はとまらない!
目に留まったものはとにかく質問!
そんなあたしに呆れるマスターとユキちゃんは、今日もラブラブだ。
そのラブラブを質問で壊してやろう!
あたしだってマスターが好きだから、これくらい、別にいいよね!

38:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/25(金) 12:32 ID:3uI

題名『もしも……タルパが普及したら?』



「お母さ〜ん」
「なぁに〜?」

私は手に持ったプリントを見せ、胸を張った。
お母さんはいぶかしげにそれを見る。
プリントには赤色の100が書いてある。それが示すのは、私が優秀な成績をここに残したということ!
つまり!
私は今回の小テストでは100点だったということ!

お母さんはそれを見ると、ハァとため息を吐いた。
どうしてだろう?
ため息が出るほど素晴らしい成績だったということだろうか?
と、陽気な私は考えていたが、お母さんは「呆れた」と言った。

「呆れたわ。あんた、いくら成績が危ういからって、テスト中に春ちゃんに答えを聞いたの?」
「……ハァッ!?」

今度は私が呆れた。

「私の成績、確かにヤバイけど、さすがに春には聞いてないよ!?呆れた!!子供を信じられないなんて、呆れたよッ!!」

この一軒家に住む人々は、私の大事な家族である。
そして、その家族一人一人には、『タルパ』がいる。
私のタルパは、先ほどの会話にも出てきた『春』という名前を持つ、私と同じくらいの女の子だ。

タルパがこの国、日本に普及しはじめて早くも今年で100年超え。
タルパという存在が日本で知られ始めてから数えるならば、ゆうに250年は超えていた。

今の時代、『タルパ』がそばにいるという人は3人中2人。
別に『タルパ』がいる『タルパー』は珍しくもなんともない。
けれど、『タルパー』ではない人は、とても珍しく、皆からは珍獣のように見られていた____。

___そんな時代に。
私は生きて、生きて、そして今日も笑っていた。
これは、『平凡』な私の物語。
平凡な私と、そのタルパの春との話。





>>>>>>>>>>
ちょっとしたシリーズ(?)で、これやっていこうかな〜という。
夢があっていいと思うんだよね、こういうの。
一応未来設定のパラレルワールドです。

39:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/25(金) 13:01 ID:3uI

朝起きれば、そこには私のタルパで、大事な家族で、心友で、愛する人(恋愛とかじゃないからねッ!)の『春』がいた。
皆からはよく『春ちゃん』と呼ばれる、私と同じくらいの女の子。愉快な女の子。

「おっはよー」
『おっはよー、真由美!今日は学校よ学校!給食はカレーよ!』
「おー、朝からテンション高いなー……眠い」

カレー大好き、カレー命、カレーは神様。
そんなことを、春は前言ってたっけ。

『ちょ、寝ないでってば!ほら下にいくよ!お母さん、朝食作ってんじゃないの!?』

体を揺さぶる春。
私はこんな会話、こんなふれ合いもいいと思う。楽しいと思う。
だから、毎朝こうなんだ。
それに対して春の反応はあまり変わらない。
もしかしたら、春も楽しんでるのかな、こういうふれ合いを。

『あーあー!私が物理干渉出来たら、絶対お母さんのところに行って、告げ口するのに〜!』
「それは、こまる、かも……」
『もう!いいから起きて!遅れるよ!学校遅れるって!』
「へいへい。起きます、起きますとも」

起きて、階段を降りて、朝食を採って。
春はいつでも一緒。何年も一緒だった。
春が生まれたのは、私が小学生のとき。
周りの子より早めにタルパを作った。
普通は中学生くらいからタルパを作り始める。
けど、私は早い。私はお姉ちゃんの話を聞いていたら作りたくなったのだ。
お姉ちゃんは言う。

タルパはいいもの。タルパを愛しなさい。けど、現実もちゃんと見なさい。

お姉ちゃんは、タルパを作ってから、飛躍的に成績がのび、そして優しくなった。
勉強しているのを、最近でもよく見かける。
その勉強すら、楽しそうだった。

学校に行くまで、まだ時間があったから、私は春と一緒に朝のニュース番組を見ていた。
私的には、ニュースというよりバラエティに感じるけど。
ちょうどCMに入ったとき、お姉ちゃんがやって来た。

「おっはー」
「おはよー、お姉ちゃん。おはよ、ミクさんとミライさん」

お姉ちゃんのタルパは二人。双子だ。
ミクさんとミライさんと言って、私も挨拶をちゃんとする。

「春ちゃんもおっはー」
『おっはよー!真美お姉ちゃん!』
「ミクとミライもおはようだって。あー、萌えるー」

お姉ちゃんは、よくミクさんとミライさんに萌えている。
「双子萌えー」なんだそうな。
お姉ちゃんがお母さんの用意した朝食を食べ始める。
朝食を食べる前に、数秒待って、そして食べる。
タルパたちに朝食の気みたいのを取らせてから、一緒に食べるのだ。
ちなみに私たちもそうだったりする。

「今日、そういえば体育あるわ。うわめんどー。ミクー、憑依してよー」

お姉ちゃんがミクさんにお願い事をしている。
憑依……それは、タルパーの体にタルパが入り込み、体を操るというもの。
そうすることによって、タルパでも物理干渉出来る。
少し危険だが、お姉ちゃんは……というよりも、ミクさんは憑依が得意だ。
だから、こんなにも簡単にお願い出来るのだろう。
けど、いつも決まって、憑依は断られている。ミクさんは、お姉ちゃんに『ちゃんと』してもらいたいらしい。

「ちぇ、断られたし」
「憑依なんて危ないわよー。ちょっと憑依が得意だからって調子乗ってると、お姉ちゃんとミクさん、ミライさんの体が入れ替わっちゃうかもよ?」

お母さんが台所に向かいながら言う。
隣からは、春の苦笑が聞こえる。

「本当に必要なときだけしかやっちゃダメよ。例えば、命の危険があるときとかー」

そして、お母さんの説教が始まった。
けど、お母さんは相変わらず台所に向かったまま。
お姉ちゃんは反省している様子もなく、朝食を食べ終えると、歯を磨きに行ってしまった。

『真美お姉ちゃん、いつも通り自由人』
「そだね。……あ、そろそろ行かないと」
『ん?あぁ、そうだねー。遅刻したくないもんね?……さ!カレーを食べにレッツゴー!』

学校はカレーを食べる場所じゃありません。
と、私は思いながら玄関に向かった。

「行ってらっしゃーい」

少し遅れて、お姉ちゃんの行ってらっしゃいも聞こえる。
私と春は声をそろえて「行ってきます!」と言うと、家を出た。

40:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/25(金) 17:14 ID:3uI

学校に行くと、さっそく友達に挨拶。

「おはよう、真由美ちゃん、春ちゃん」
「おっはよー、ナナちゃん。龍斗くんもおはよー」

私の小学校からの友達、ナナちゃんと、そのタルパの龍斗くんに挨拶をする。
ちなみに、この龍斗くんは名前の通り龍型タルパだという。けど、そこまで大きくはなく、腰までの大きさなんだそうな。

『龍斗、ナナさん、おっはよー!』

春も、見えないながら挨拶をしている。律儀でいい子だ。
多分、龍斗くんも見えないながら挨拶をしているんだろう。

「あ、そういえば昨日のニュース見たー?」
「昨日のニュースって?あたし、ニュース見ないから分からないよ」
「あのね、他人のタルパが見えるようになる眼鏡だかなんだかを作ろうとしてる人の特集やっててね、それでそれで……なんか、凄いと思わない?成功したら、他の人のタルパが見えるようになるんだよ!?」
「へー、そんなのがあるんだ!でも、成功したとしても、その眼鏡高そうだよね……」
「だよねぇ……」

と、夢のある会話をしていると、いきなり背中を押された。
結構強い力で倒れそうになったけど、私はなんとか踏みとどまり、「何すんのよ!」と背中を押した人物を見た。

そこには、ツンとすました女子が。

「あら、おはよう。別に押したわけじゃないんだけど〜」
「押したでしょ!?いい加減、その挨拶の仕方やめてよね、リン」

肩にかかったおさげの髪を、手ではらい、またツンとすましているリン。
この子も私の友達だ。
しかし、この子はこの時代ではとても珍しい子なのだ。
何を隠そう、リンは三人中一人の確率でいる、タルパーではない人なのだ。
タルパを今まで作ったことがなく、むしろタルパなんて必要ないと思っているらしい。

まあそれは、人それぞれだし、私は否定しない。もちろん、ナナちゃんもそうだ。春も肯定している。

「ま〜たタルパの話なわけぇ?」
「あんたは興味ないでしょうけどね」
「興味はあるわよ。けど、作ろうとは思わないな」
『興味ね〜。まぁ、好奇心旺盛なのはいいことだよねッ!』

そうこうと話していると、気づけばチャイムが鳴った。
朝の時間は終了ということだ。
春は私の隣の空間に浮かび、カレーがどうのこうのと呟いている。
カレー好きだなぁ、本当に。まぁ、初めて食べたのがカレーだからなぁ。

『……あれ?先生まだ来ないけど?』
「そだね。ま、暇じゃないからいいけどねー」
『私のおかげ!』
「はい、そうです。春のおかげです」

教室の中は静かではない。
タルパーの人はタルパと話しているからだ。
わざわざ脳内会話をする必要がない。
脳内会話するのは、授業中や静かにしなきゃいけないときだけ。
本当は授業とかは集中しなきゃダメだけど……。

でも、こんな騒がしめの教室も、タルパーではないリンからしたら、異質なんだろう。
独り言を喋っている人が多いだけなんだろう。

「はーい、静かにー。遅くなったからってタルパと喋らない。日直はホームルームを先に進めてていいのに」

出席簿を担任用の机に置いて、ホームルームを始める先生。
私は脳内会話で春と話をする。

(だるー)
『だるいじゃないの!ほら、そろそろ出席とるから、名前呼ばれるよ?』
(出席番号一番とかキツいわー)
『はいはい。小学生のときもそうだったじゃん。慣れっこじゃん』

慣れっこじゃないんだけどな。
何年たっても慣れないものなんだけどな。

「真由美さーん」
『ほら、呼ばれたよ』
「……え?あ、ハイ!元気です!』
「またタルパと喋ってたのねー?ダメよ、ちゃんと先生の言葉に耳を傾けてなきゃ!えーと次は〜……石井さーん」

誰の返事もない。

「……あ、そう!そうだったわね。石井さんは休みだったわね。ありがとう、みっちゃん」

先生がそう言うと、ナナちゃんが先生に言った。

「先生もタルパと喋ってるじゃないですか〜!」
「い、いいんです!先生は教えてもらっただけですし!次いきますよ!次は遠藤さん!」
「……は、はいっ」

41:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/25(金) 18:07 ID:3uI

リン。それは私の友達で、タルパを持たない子だ。
何もかもが充実していて、タルパなんて必要ないと思っている。
けど、そのわりにはタルパに興味があるんだとか。

そのリンが、今日、私の家にいきなりやって来た。
時刻は午後七時をまわったころだった。

「居づらくなったからって、リン……あんたね、今何時だと……」
「分かってるわよ!でもね、本当に居づらいんだもの。しょうがないじゃない!」
「あんたの家と私の家って3km離れてるでしょー!?」
「いいじゃない!というか話をもっと聞きなさいよ!言っておくけど、本当はナナの家に行くつもりだったの!でも、ナナったら電話に出なくて……」

私、あんたに電話かけられてきてないんですけど……?
私とナナちゃんの扱いのこの差って何よ!?

『落ち着いてよ、真由美』
(お、落ち着けない……)

しかも、ナナちゃんと私の家だったら、ナナちゃんの家の方が遠い。
どんだけ遠くに行こうとしてるんだ、リンは……。

「まぁまぁ。お腹空いてない?なんか作る?」

お姉ちゃんがリンに聞く。
お姉ちゃんは何かと世話焼きだ。ちなみに、世話焼きになったのはお姉ちゃんがタルパーになってからだ。

「お構い無く。途中、コンビニで買って食べてきましたから」

年上にもツンとすましてやがる。
私はため息を吐いて、テレビをつけた。
なにか、面白いものはやってないだろうか、と……。

「ああ、そう。それで、どうして居づらくなったかってのを言わないとね。さぁ、テレビを消しなさい。雑音で私の声が聞こえないわよ」

ああ、そうですかそうですか。雑音ですか。
私は心が荒んでいることを実感しながらテレビを消した。

『うん、荒んでるねー』
(でしょ?誰のせいだか……)
『カレーを食べると、そんな心もいっきに』
(変わりませんから)
『………』

リンはコホン、と咳をしてから話出した。

42:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/25(金) 18:29 ID:3uI

「私、結構前から言われてたのよね。タルパは作らないの?って。ほら、うちの家って地方タルパ研究所じゃない?だから、結構言われてたのよね」

それには私もビックリ。
こいつ、お嬢様なのは分かっていたが、まさか本部ではないとしても、地方のタルパ研究所の娘だったとは……。
春も隣で驚いていて、意味不明な言葉を発している。

「それで、今日、とうとう強いられたのよ。過激にね。どうしてタルパを作らないの、世間に顔向け出来ないわ、研究所の子がタルパ持たないってどうして……ってね。うちの親、結構病んでてね。タルパを作ってからはマシになったようだけど」
「ふーん」
『へぇー』
「なるほどねー。まぁ、確かに世間の目は気にしちゃうよね。でも、さすがに酷いね。ご両親のタルパたちは何をしてるのかな。とめてあげないといけないのに。まぁ、タルパだけで止められるってわけじゃないけど……」

いつの間にかお姉ちゃんが会話に入ってきている。
まぁ、気にしちゃ負けだから気にしないでおくけど。

「で、居づらく……というより、半ば追い出されるような感じだったのよね。タルパを作るまで帰ってくるな、ですって。ほほほほ」

ほほほほってなんだ。どこのお嬢様だ。ああ、研究所のお嬢様か。納得納得。

「で?あんたどうすんの?」
「さぁ?とりあえず、タルパを作ったと嘘を言うか……ああ、無理ね。うちの親、他人のタルパが見える眼鏡を開発してるし。それが完成したら大変よね」
「ふーん……ん?え?眼鏡?……えぇッ!?」

私は大声を上げた。
驚きで大声しか出ない。

『へー、昨日のニュースのってリンさんの……へぇ!ビックリだね、真由美!』
「ビックリどころじゃないよ!何それ聞いてない!」
「当たり前よ。言わなかったもの。ね、どうすればいいと思う?」

知らないよッ!

私はどうしようと頭を抱えた。
いつの間にかお姉ちゃんはどこかに行ってるし……。

「と、とにかくタルパ作れば?」
「えー。皆の話を聞いてると辛そうなのよね。ナナはまるまる一年かかったそうじゃない」
「それはオート化までの道のりね。早い人は一ヶ月だし……作るのは本当に簡単だから、タルパの設定を考えて、脳内会話で一人二役しちゃえば、タルパは生まれたことになるよ」
「それでいいのかしら?」
「いいんじゃないの?とりあえず、帰りなさいよ、家に」

リンは「うーん」と言いながら悩み、そして息を吐いた。

「タルパって、私に必要ないし……」

だろうな、あんた充実してるもんね。
私はどうしようかと悩んだ。
何を言おうか、どうしたら帰ってくれるだろうか、と。
すると、いなくなっていたお姉ちゃんがやって来た。

「はーい!そんなリンちゃんにオススメ!私のタルパの設定資料〜!!」

黒いノートを手にしたお姉ちゃんの目は、完全に楽しんでいる目だった。

43:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/27(日) 15:32 ID:6tw

テーブルにバンッとノートをおき、その黒い表紙を捲るお姉ちゃん。

「ドヤァ!ドヤァ!こんなに細かく設定を考えれば、すぐにオート化するよー!!………あたしは半年かかったけど」

それでも早い方だと思うけど。という言葉はひとまず飲み込んでおいて、私はそのノートを見てみた。

細かい文字でびっしりと。
こういう言動したときはこんな気持ちで、そののき、語尾はこんな風になっていて、声は若干高い低い震えてる真っ直ぐどうのこうの……____
やけに細かかった。
パラパラと捲ってみたけど、文字がびっしりと書いてあるのが10ページも続いていた。気持ち悪いほどに。

「家に帰りたいでしょ?タルパを作らないといけないんでしょ?ふふん。任せなさい!このあたしがじっくりと教え込んで___」
「凄いけどね、お姉ちゃん!?リン、充実し過ぎてて、タルパ必要ないってさ!」

鼻息荒く、外にいたら確実に警察にお世話になりそうな顔をしたお姉ちゃんの言葉を遮り、リンの考えを伝える。
お姉ちゃんは「うっそぉ」と目を丸くした。

「確かに、必要ないならタルパ作らなくてもいいだろうけど……えー!あたしそんなの聞いてなーい!」
「聞いてなかったもんね。いなかったもんね。まあ、今はとりあえず、どうしよっかなーって感じでさ」

そして、どうしよっか、とリンと話す。
リンは、すでに困った様子などなく、人の家だというのに、のんびりと寛ぎながら私の言葉に相づちをしている。
話し合っているって感じがまったくしない。
そして、何分かたち、お姉ちゃんが「そうだ!」と声をあげた。

「いい方法があるよ!」

すると、ポケットからケータイを出し、どこに電話をかけた。

「おー、由紀子ー?元気ー?……うん。元気元気。んでさ、あたしの妹の……そうそう!真由美よ真由美。その真由美の友達の子がさー____」

由紀子さん?
……ああ、お姉ちゃんの大親友って子か。
初めて会ったとき、自慢げに「私のご先祖様は、タルパがあまり普及していなかったときにタルパを作った凄い人でー、その人と同じ名前なんだー」とか言ってたっけ。

「あんたのとこのユーカって、霊タルパじゃん?だから、ちょっとの間、そのリンちゃんのとこに……そう!話が早いわね!お願いできる?……マジ?おーけーおーけー。それでもいいよ。ありがとねー」

リンはいつの間にかテレビをつけていて、バラエティ番組を見ていた。
こいつは……!
私はテレビを消した。
その時にはもう、お姉ちゃんと由紀子さんの会話は終わっていた。

「あたしの友達のタルパがついててくれるってさ。ただ、一日5時間。しかも午後だけだって。16〜21時だけ。それでもいい?」

リンは頷いた。

「それだけでも結構。家に帰れればいいですから」
「そうお?えーと、もうそのタルパが来ると思うけど……あ、名前はカナって言うんだけど……でも、話できないから……」
「両親は、他人のタルパが“見える”眼鏡を作ってるだけですので、そこら辺は大丈夫かと」
「じゃあ大丈夫かな。……お」

またお姉ちゃんに電話がかかってきた。

「はーい、もっしもしー?……ん?着いた?はいはい。……リンちゃんと思われる子の後ろにいる?はいはい。わかったよー」

お姉ちゃんがリンの後ろを見る。
リンもそれにつられて後ろを見た。
特に何もいない……が、確実にいるんだろう。

「んじゃさいならー」

お姉ちゃんが電話を切る。
私はリンが持ってきた荷物をリンにつきつける。

「……ってことで、大丈夫だと思う……かな」
「じゃ、そういうことだから、じゃあね、リン!おやすみ!」

44:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/27(日) 19:41 ID:3uI

次の日の学校に、リンは来なかった。
「どうしだろうね、珍しいね」とナナちゃんが言っていたけど、私はそれに「風邪じゃない?」としか言えなかった。

なにかあったのかなー……?
私は学校の廊下を春と歩きながら考えた。
とりあえず、私の考え、というか仮説はこう。

昨日、リンは家に帰って、親に言われた。「タルパ作ってきたんでしょうね?」と。そして、リンはすまし顔で「ええ、作ったけど?」と答える。
そこで、詳しくタルパのことを聞かれ、そして……ボロが出てしまった。
ボロが出て、「嘘をついた」ということでリンは親に暴力を奮われ……_____

『それ、やりすぎ。途中からただの妄想と化してるよ。仮説じゃなくなってるよ、真由美』
「勝手に私の思考を覗いてこないでくれますー?いいじゃん。しょうがないじゃん」
『何がしょうがないんだか』

そして、実はこの仮説の半分は当たっていることが、次の日に分かった。
次の日、リンは普通に学校に登校してきた。
ナナちゃんがいないときに、何があったか聞いてみた。
そしたら、リンはムカつくくらい笑顔で「洗礼を受けさせた」と言った。

「……洗礼?誰に?」
「両親以外に誰がいるって言うの?……そうねぇ……あのあと、タルパのことを詳しく聞かれて、ボロが出ちゃったのよ。そしたらあの人たち、狂ったように、リンが嘘をついたー私達の子供がー嘘をー……なぁんて叫び始めるから、ムカついて、近くにあった他人のタルパが見えるようになる眼鏡の資料だとか機械だとか部品だとか壊してやったわ」

自慢げにふふんと鼻をならす。
この子、友達になって良かったのか悪かったのか……。

「は、はぁ……それは……まぁ……凄いもので……って!ダメじゃん!世紀の大発明が開発されているというのに、それを壊すなんて!」
「ッはぁ!?世紀の大発明!?あんなのが!?ハッキリ言って、あんなのダメダメよ?デザイン悪いし!」
「デザインの問題かっつうの!」
「問題よ!……それにね、一番問題なのは、他人のタルパを見ようとすることよ」

今度こそ何を言い出すのよ……。
私は呆れて笑ってしまった。

「何笑っているの?」
「だって!他人のタルパが見えるようになるってのは良いことじゃん。タルパー同士、もっと仲が深まるでしょ?」
「そう思えるのが不思議。こんなに人口が多い時代に、一瞬にして人口が増えるようなものだし、世の中、もっときつくなっちゃうもの」

はっきり言わせてもらうと、私は理解できなかった。
理解できなくて、そのあとすぐにやってきたナナちゃんに聞いてしまったほどだ。
ナナちゃんに今までの経緯を説明するのには、私のこの小さな脳みそだけでは辛く、結果、リンや春に手伝ってもらいながら頑張って説明したのだった。

45:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/27(日) 20:24 ID:3uI

「あたしもよく分からないかも。難しいしね」

ナナちゃんは、リンの意見を聞いてすぐに「分からない」と言った。

「真由美ちゃんの言うように、他人のタルパが見える眼鏡はいいと思うけどなぁ……タルパー同士の仲も深まるだろうし」
「だーかーら。人口が一瞬にして増えるのよ?どれくらいの人が、どれくらいのタルパを作ってるか、ナナは分からないの?地面がほぼ見えなくなるし、息苦しさも感じるんだからね?」
「そんなわけないよ。そんなこと、あるわけない」
「ナナ、あんた、もう一度勉強しなおしたら?」
「リンちゃんもリンちゃんだよ。他人のタルパは、触れられないんだよ。息苦しさを感じるわけがないし、人口は一瞬にして増えないよ?タルパは人型だったとしても、完全な人というわけではないし……」

リンが、その長い髪を後ろに振り払って、席から立ち上がった。
呆れと哀れみの目。その目で、ナナちゃんを見、そして私を見て言った。

「そこまでバカとは思わなかったわよ。……あーあ。タルパタルパ言ってる人は現実や人を直視しないんだもの。ちゃんと、タルパ無しの現実を見たら?」

タルパを汚されたような気分だった。
私は、一気にわき上がった怒りを沈めようと、春を見た。
春は私の癒し。きっと、その癒しで私のこの怒りを沈めてくれる。そのはず……!
けど、春は何も言わず、フッと姿を消した。精神に作ったダイブ界に、行ったのだ。

まさか、逃げた?この場から?
あまりダイブ界に行こうとしなかった春が、まさか自分から……__

「嘘、龍斗、ダイブ界に行っちゃったんだけど……」
「ナナちゃんも?うちの春もなんだけど……」
「雰囲気で察してくれたんじゃない?言っておくけど、私はタルパを否定してるわけじゃない。タルパに依存し過ぎているタルパーを否定しているのよ」

ねぇ、二人とも。と、リンが続けた。

「結構昔のことなんだけどね、タルパが普及していなかった時代……何百年か前ね。そのときに、あまりにもリアルにタルパを感じられる人がいたんだって」

いきなり昔話?
私はリンをめんどくさそうに見た。
ナナちゃんは興味津々なのか、「それで?」と続きを急かした。

「その人、恐ろしくなったって。現実というものが分からなくなりそうで。その人はタルパと一日だけ離れて過ごしたことによって、ようやく現実が分かったんだって」
「現実、ね」
「そう現実。あんたたちは知らないだろうけど、地球温暖化って今とっても酷いの。一部の過激派が、タルパのためにーって電気をすごい使い続けてたから、余計進んでね。他にもある。タルパと人間のための社会と詠ってることよ」
「いいことじゃん」

私がそうつっこむと、「呆れた」とリンは私を見た。

「どこが?……言い換えれば、タルパとタルパーのための社会。私のような人間はお断りの社会だって」
「それは被害妄想じゃないの?」
「そうだよ。リンちゃん、そんな酷いこと、どうして言うの?」


「ったくうっせぇなぁッ!!いい加減現実見ろっつってんだろおッ!!」


リンが、口調を荒くして、そう叫んだ。
私は信じられない、というようにリンを見た。
周りのみんなの視線が痛い。
リンは肩で息をしていて、リンじゃないようだった。
いつもツンとすましたリンが、そこら辺にいる普通の人間に見えた瞬間だった。

「口を開けばタルパタルパタルパ……どこの妄想人間だよッ!!現実見ろよ!!過激派っつーのはなぁ……お前らだよッ!!タルパのためタルパのため……信じられないね!!被害妄想!?ッハ!笑うは、んなもん。被害妄想して、自分追い込んで、タルパに慰めてもらってるお前らが言うかぁ?この地球が崩壊しそうだってこと、なんで気づかないの!?火星に移住できるようになるための技術すら持ってないような人間が、なぁに調子こいて思念体を見えるようになる眼鏡を作ろうとしてんのッ!?」

しばらく沈黙が続いた。
そして休み時間終了を知らせるチャイムが鳴った。
いつもより低く、重圧感があるように感じた。
ああ、これが、現実なのかもしれない。

46:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/27(日) 20:54 ID:3uI

現実ってなんだろう。
そう考えるようになってから、春があまり喋りかけなくなってきた。そして、ついに昨日、春は一人二役状態に戻ってしまった。
私は、積み重ねてきたものがいっきに崩れ落ちるのを見て、「ああ、こんなものだよね」と笑った。
春……彼女はいい子だった。とてもとてもいい子。彼女のことなら、なんでも言える。話せる。語れる。
けど、その子はもう存在しない。
それは、その子がここにいたという証拠がない、ということが証明していた。
これが、現実なのかな……?

私は泣くこともせず、フラフラと、まるで力が入らない体を動かして、リビングへと向かった。

テレビがつけてある。ニュースだ。よくあるニュース。

ー『人口が、先ほど10億を突破しました。では、次のニュースをお伝えいたします』ー

10億突破だって。凄いよね。
確か、8億突破したら、食料危機で……__ああそう、これが現実だった。

忘れてた。
そう、これが現実だったね。

タルパがいなければ、鬱。暗い。寂しい。崩壊。終わり。終末。破滅。
ああ、こんなもんだよ。こんなもんだったんだよ。

学校に行くと、ナナちゃんが暗い顔で待っていた。

「りゅ、う……と……消え、た……どうしよ……毎日毎日嫌なニュースばっか……いつも、楽しいニュースばかりだったはずなのに……」

ああ、そうだね。そうだね。
いつの間にか、私達はタルパを否定するようになっちゃった。タルパがいたら、現実が分からないから。

「はい、おはよう。タルパーの友達。元気?」
「リン、おはよう。今日は早いね」
「おはよう、リンちゃん」
「ねぇ?現実、分かったんじゃない?タルパは確かにいいと思うよ。けど、あなたたちは過激すぎた。そういうことね。目を離しすぎたのよ、現実から」

目を離したら、いつの間にか子供はいない。子供は車の多い道路を渡る。そして、車に引かれ、この世から消える。

「もし、またタルパを作るんなら、もう少し大人になってからにしたら?低年齢化がしていったから、こうなったんだよ」

子供は無知。無知だから、そこが危険とは分からず、楽しいところだと思ってそこに飛び込む。危険な道を渡ってしまう。
先を見ようとしないから、破滅に続く道だとは分からない。
気づいたら、車に引かれて意識が途切れていた。目の前は真っ白。
次に目を開けたら、そこには破滅のにおいが立ち込めていた。
鼻にツンときて、涙を流させようとする。
なんで泣かせようとするのか?
それはただの復讐だった。報復だった。
悪いことをしたら、相手もやり返してくる。そういうこと。
売られた喧嘩は買われたの。

気づいたら、私は懐かしきダイブ界にいた。もう、無くなったと思ってたのに。
目の前には懐かしき春がいた。
ごめんねって聞こえた。

「ううん、違うの。私が言わなきゃ。ごめんって」

あなたにも、この地球にも。
現実って辛い。だから、私はタルパを生み出した。
小学生という子供ながら、うすうす分かっていた。この現実の辛さを。

『ねぇ、マスター。春っていうタルパを作りだせて、良かった?』
「うん、良かった。とても楽しかった。だから、もう寝よっか。もう、現実見たくないの」

教えてあげなきゃ。この現実を、誰かに。
でも、その誰かって誰?
私は意識を手放す。
手放したら、もう、苦しまなくて、いいもんね?

47:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/27(日) 21:05 ID:3uI

私はタルパを否定したわけじゃない。
タルパに依存し過ぎていて、現実を見ようともしないタルパーを否定しているの。
けど、そのタルパーばかりのこんな地球じゃ、ほぼ全員を否定してるようなものだから……。

もし、タルパが普及する前の、平成という歴史の授業でしか知らない時代にいけたのなら、私はこう言いたい。

「タルパは、隠れて作りなさい」

と。一般の子供に知れ渡り、普及しないよう、隠れて、そして、そのままどうかひっそりと……___。
そしたらまた、世界が変わるかもしれないから。

私は意識を手放した友達を見た。
彼女はもう、苦しまなくていい。
今まで楽しい人生を送ってきた分、はやくお迎えがきた。
おめでとう。あんたは破滅を見なくてすんだ。良かったね。

彼女を揺さぶり、呼び掛けるもう一人の友達を見る。

「ねぇ、どうしたの?ねぇ?ねぇッ!?」

現実ってこんなもの。
心から信じられる人が、本当にいなくなったとき、こうなってしまう。
だから、人間はそれを恐れて逃げ道を闇雲に探す。
そして、この人達の場合、行き着いた逃げ道がタルパだった。

私はすました顔で言った。

「どけてくれる?ちょっと邪魔なのよね。今から予習しなきゃ」

信じられない、という顔で友達が私を見る。
その顔は、ひどく両親を思い出させた。

48:太もも@七氏のムクロ氏:2016/03/27(日) 21:19 ID:3uI

〜短編終了に伴ってのあとがき〜

うわーい。完結だぁーい(パチパチ)

最初は平凡な日常だったりちょっと切なめだったり楽しい日常だったり……という、いろんなタルパーの短編だったわけですが!
タルパーやタルパの肩を持ち続ける短編ばかりだったのですが!
最後の最後でまさかの未来設定パラレル(本当に……?)の話で、あの結末。
やっぱりああいう絶望系を書く方がいいね。慣れてるから。
持ち上げ持ち上げ、そして落とすのが好きです(*´∀`)ムフッ
タルパの暴走ってあるけど、じゃあ逆にタルパーが暴走したら?現実を見なくなったら?そして、そのまま何十年も進んでいったら?
……そしたら、どうなるの?
という感じかな、最後は。


えーと、話変わるけど、実際、タルパーの年齢が低くなってることはひそかに問題視されてるんですよね(人のこと言えないけど)
そのことについても少し触れてみたり。
なんかね、自分で書いてても考えさせられました。
特に、タルパがいなくなったときの場面とか。
前に由紀子(ほら、あの受験生の)の回で、タルパがいなくなったのは書いたから、書きやすいかなーって思ったら全然違うし。まず、性格とか考え方とか色々ね。

リンちゃんは常識人代表みたいな感じにしようとしたけど、あまりそうはならなかったなぁ……。
ナナちゃんは、最初タルパに依存しすぎちゃって病んでる子のはずだった……。
真由美は低年齢タルパー代表(設定は中学生くらい)みたいな。
今まで書いてきた短編の登場人物たちも、この三人が登場する話で結構出てきた。
実は案外繋がってるんですよ、短編って(´∀`)

……おっと。まとまらない後書きが長すぎたので、この辺で終わります。
では、さよなら〜ノシ


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