招待状は星の夜

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1:晴飛:2016/12/04(日) 17:24


ファンダジー小説。


>>002 登場人物

3:晴飛:2016/12/04(日) 17:50



Episode 1.


「あー、疲れた」

肩に重い肩掛けバックを持ちながら、有寿は帰り道を歩いていた。

我が校の吹奏楽部は超強豪校。かの有名なコンクールの常連である。

朝、夕方。

練習はたとえ休日でも、長期休暇でも絶え間なく行われる。

「ふぅ」

家につくと、バックをぽいと投げてすぐさまベットに飛び乗った。

「ふかふかだぁ!」

布団の中に潜ると、そこは楽園。

暖かくて、先生にも先輩にも怒られない。

いつのまにか、有寿は眼鏡を外していた。

寝てはいけないと、眠気をぐっとこらえて掛け布団からでる。

バチッ__

蛍光灯の独特な音が、2階の薄暗い廊下に響いた。

「あぁ、寒っ」

手のひらで二の腕をこすっても、寒いままだ。

「はいこれ」

白い綺羅びやかな手から、毛布を受け取る。

「あぁ、温……」

しばし喜びに浸っていると、有寿はあることに気がついた。

「あ、あ、あんた、だ、誰!?」

毛布を渡してくれたあの手の持ち主は___。

後ろでヒラヒラ〜と手を振っていた。

「さぁ、誰だろうね?」

4:晴飛:2016/12/04(日) 20:34


「けっ、警察呼ぶから!」

有寿は机からスマホを素早く取ると、警察の番号を打ち始めた。

「ちょ、ちょちょちょ。変な人じゃないから」

男はその華奢な手を有寿のスマートフォンに向けると、さっと奪いとる。

「は、なにすんのよ変態!」

「変態って……ひどいなぁ」

男は一歩下がると、帽子をとった。

「僕はアルヴァ……異世界の住人だよ」

有寿は目を見開いた。

「本気で言ってんの……あんた……いや、アルヴァ?頭おかしいんじゃないの?」

やれやれと首を振る。

「これで……どうかな?」

アルヴァはにやりと笑うと、近くの花に何やら話しかけた。

「なにしてるの……え!?」

有寿は思わず後ずさる。

「花が……動いてる」

「ハロー、有寿」

深紅の花は、右の葉を上にあげ、有寿に挨拶をしている。

「はぁぁ?はっ?は?アルヴァ、何してんの……」

アルヴァは帽子をぎゅっと強くかぶると、こう言い放った。

「僕はね、物を喋らせたり、動かしたりすることができるんだ」


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