ここは明確スイーツ研究部!

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1:モンブラン:2017/01/27(金) 22:06

文才とかないですけど、
見てくださったら嬉しいです。

2:モンブラン:2017/01/27(金) 22:14

『ここは明確スイーツ研究部!1』

人物紹介

多田本 真美
目立ちたくないを意識している小学6年生。明確ゼミナールに通う。

坂宮 陽都
サッカー少年。
明確ゼミナールに通う少年6年生。
真美が好き。

矢本 拓斗
野球少年。明確ゼミナールに通う少年6年生。

隅木田 優斗
勉強得意な少年。
明確ゼミナールに通う小学6年生。

3:モンブラン:2017/01/27(金) 22:35

『ここは明確スイーツ研究部!』
1.昔のわたし
目立ちたくない…
意識して生きてきたはずなのに…
なのにぃっ!

パチパチパチパチパチパチパチパチ

めっちゃ拍手されてるんですけど!
わたし、どれだけ避けてきたか、あなた分かっておられます?
どうして拍手を浴びているのか…

「唯一、100点だった子がいます!真美ちゃんでーす!」
難しい学力テスト、わたしは100点だった。
みんな100は取れなくて…
余計浴びちゃってるんだよお。
「真美、100点取れたんだね。すっごおい!」

わたしの名前は、多田本真美。
彦宮学園初等部6年生です!
明確ゼミナールっていう塾に通っていて、国語が大のト・ク・イ!!!

「真美、すっごいじゃん!」
さっきも隣でほめてくれた、晴奈ちゃんーーー幼なじみは、笑ってほめ続けてくれる。
わたしの大切な友達。
「陽茉理と由里歌も思うよね!」
晴奈ちゃんの他、陽茉理ちゃんも由里歌ちゃんも仲良くしてくれる。
6年生になってできたーーー昨日できた友達なんだ!
「うん。真美すごい!わたし絶対無理だもぉん。ねえ、由里歌」
「由里歌、真美みたいに頭よくないもんなあ。羨ましいぃ」
陽茉理ちゃんと由里歌ちゃんは、顔を見合わせて、「ねえ」「ねえ」と言い合っている。
「ねえ」「ねえ」「ねえ」
亜子ちゃんの声がかすかに聞こえる。

「ね〜え、ま〜みちゃん!」
「あこちゃん。どうかした?」
5年生のときの親友、あこちゃん。
人懐っこくて、可愛い。
「あこ、まみちゃんの真似することにしたんだあ。まみちゃん、部活何入ってるの?あこも移動する!」
あこちゃんが仲良くしてくれるのは嬉しかった。
でも………ベッタリかも…
そんなことは言えず…
「バトミントン部。あこちゃんと一緒にできて、わたし嬉しいなあ♪」

あこちゃんとハイタッチしたあの手の冷たさ。
今でも忘れることはできない。

「みゆ、かんな、さとこ。いいよ!」
同じバトミントン部の仲間。
みゆさん。かんなさん。さとこさん。
この3人に、悪口を言われた。
仕組んだのは…あこちゃんだった。

4:モンブラン:2017/01/27(金) 22:48

翌日
「ねえ」「ねえ」「ねえ」
あこちゃんとみゆさん、かんなさん、さとこさんに遠目で見られた。
クラスのみんなも、クスクス笑って。
その中に、……幼なじみの晴奈ちゃんも、、、入っていたんだ。

(でも、晴奈ちゃんのこと、信じてる。わたしのこと…そう思っていないってこと。)


2.明確ゼミナール
家に帰り、明確ゼミのカバンを持って明確ゼミに向かう。
あこちゃん、みゆさん、かんなさん、さとこさんとは、みんなクラスが違うけど、近寄らないようにしてる。
また大騒ぎになったら、……考えただけでぞくぞくするっ!

下駄箱に靴を入れて、明確ゼミの、わたしのクラスに向かう。
そのときにっ!

バンッ

「ひゃっ!」
思わず走っていたものだから、人にぶつかっちゃった。
「ごめんね。怪我はない?」
立ち上がって手を差し出してくれた男の子ーーー誰!?
知ってる人じゃあないし…
一体誰なのよう!
「ごめんなさい。失礼します」
急いでクラスに入るけど、誰も声をかけてくれる人はいない。
あこちゃんみたいな子だったら、こわくて話せないもの。
ひとりで地味に生きた方が、得すること、多いんじゃないの!?

フゥ

やっと授業終わった。
算数なんて長いとしか感じない。
ああ、めんどくさいめんどくさい。
塾なんてとっととやめちゃいたいよ。
「失礼します!ええっと…多田本真美ちゃんいますか?」
うわっ、さっきの男の子だ!
身を隠していくしかない…


切ります。

5:モンブラン:2017/01/28(土) 07:55

「キャー、キャーキャー!」
近くの女の子が騒ぎだした。
何?何?何なのっ!
「隅木田先輩がいるわよ!」
スミキダセンパイ!?
「ねえ、ところで、真美って誰よ」
「さあ、分かんない」
ますます通りづらくなってきたよ〜
どうしよう、どうしたらいいの?
隅木田先輩は、教室に入ってきて、ガッチリわたしの腕を掴んだ。
「あのお、何か御用ですか?」
「ちょっと、談話室に来てくれる?」
談話室…
明確ゼミナール一角の小さな談話室。
入ったことがないけど、ものすごく人気って評判。
「さあ、行こう」
え?……
わたしひとりで行くんじゃないの?
隅木田先輩と一緒だったら…
みんなに痛い目で見られてしまう!?
隅木田先輩は、わたしと手を繋いでえええええええっ!
談話室に向かったのであった。


3.イケメンあらわる
談話室につくと、隅木田先輩は、謎の男の子が座っているところに座った。
謎の男の子ーーールービックキューブをずっと回している。
わたし、この子たちと話す勇気ないんですけど〜

6:モンブラン:2017/01/28(土) 08:14

「おい、坂宮。矢本はまだか」
いや、まだいるわけ?
わたし、無理なんだよお、多いの。
「矢本です!あぁ、坂宮。隅木田」
誰か男の子来ちゃったよっ!
「みんな、自己紹介しよう。真美ちゃんもね」
「は、はい…」
坂宮君?が、手をあげた。
何、この子。
空気読めないのかなあ?
「お前、誰?どこから来た?」
わたしのことですか!?
礼儀正しく、しっかりした自己紹介をしてみせるから、よく見てなさいよ。
「こんにちは。わたしの名前は、多田本真美です。国語が得意な小学6年生です。よろしくお願いします」
隅木田先輩は、拍手してくれた。
う、嬉しい。
またほめられたよ。
「真美ちゃん。さっきはぶつかってごめんね。僕、隅木田優斗。中学2年生だよ。よろしくね」
中学生なんですか〜!?
すると、矢本君?が自己紹介した。
「俺は、矢本拓斗。中学3年生。これからよろしくね〜♪真美ちゃん」
何っ!
今、ドキッっとしたんだけど!
まあ、いいか。
空気読めない男の子ーーールービックキューブを置いて、自己紹介した。
誰よこの人ぉぉぉっ!
「俺、坂宮陽都。小学6年生。よろしくな」
だから、どうしてみんな、よろしくを言うわけ!?
普通言うけど、矢本君なんて『これから』がついてたんだよ〜
この人たち、カッコいい…
クラスの野郎と違って、とても。
空気読めないっていうのは置いといて、隅木田先輩も坂宮君も矢本君も。
どうしてわたしの前に現れたの〜?

7:モンブラン:2017/01/28(土) 08:20

人物紹介で、みんな小6でしたが、
↑に変えさせていただきます。
本当に申し訳ありませんでした。

8:モンブラン:2017/01/28(土) 14:08

4.スイーツ作りに参加
「真美ちゃん。僕たち、明確ゼミの受付の先生、船水先生がやめる話、聞いちゃったんだ。ちょっとでもいい思い出残してほしくて、」
隅木田先輩の途中で、坂宮君が口をはさんだ。
「俺、サッカー行っていい?練習遅れると、監督に怒られる。ワリィな」
いいよ、坂宮君がいなくたって!
空気読めないんだから。
「なんだよ、真美。そんな顔するなって。も〜」
いやいやいやいや、名前で呼ばないでってば!
坂宮君に、名前で呼ばれたくないよ。
「とっとと行けよ。大事な話中」
そうそう、早く行きなさいよ!
いい話中、勝手に出てきなさいよ!
「さあ、続きを話そうか。残してほしくて、スイーツ作って渡そうかって思ってるんだ。女の子がいた方が楽しいと思うし、ぶつかったのも、何かの縁だと思って。真美ちゃん選んだんだ」
隅木田先輩、そんな選び方してくれたんですか!
すごく嬉しい。
「矢本も真美ちゃん認めてるし。真美ちゃん、ぜひ一緒にやらない?」
「ハミーちゃん、やろうよ♪」
矢本君…
「わたし、やりたいです!スイーツ、一緒に作りたいです!」
「よかった。じゃあ、明日またここに来てくれる?今の時間に」
「はい!」
スイーツ…頑張って作ろう!

9:モンブラン:2017/01/28(土) 14:32

5.話しかけにくい?
翌日、学校に行くと、いつも通り晴奈ちゃんがとんできた。
「おはよう。真美ちゃん」
「おはよう」
陽茉理ちゃんと由里歌ちゃんにもあいさつする。
すると、陽茉理ちゃんが渋々言った。
「晴奈ちゃん。あそこで、実柚乃が呼んでたよ」
いいムードだったからか、陽茉理ちゃんは渋々だった。
晴奈ちゃんは、実柚乃さんのところへ走っていった。
「陽茉理ちゃん、由里歌ちゃん。わたしに、気軽に話していいからね。わたしの昔を知っているからか分からないけど、話しづらそうだから」
「真美ちゃん。すごいね。わたし、真美ちゃんと晴奈ちゃんに少し話しかけにくくて」
由里歌ちゃんが下を見て言った。
でも、わたしは落ち込まない。
悲しまない。
そう思っているなら、仕方ない。
でも、これから思わないように、言えばいい。
そう思ってたのを、取り返すことは不可能。
取り替えることは可能なはず!
「これからはみんな気軽に話せる、楽しいチームにしようね」
「うん」「イェイ!」
わたしたち、作りたてのチームだけど、仲良しさは、作りたてじゃないはずだよねっ!


6.明確スイーツ研究部!?
「失礼します。多田本真美です」
ウキウキした気分で談話室に入る。
陽茉理ちゃんたちのこと、スイーツの話のこと。
今日はドキドキでいっぱいだよ!

10:モンブラン:2017/01/28(土) 15:05

あれ、誰もいない。
一番だったのかな?
時間とか、間違えていないよね?
談話室のドアが開くと、入ってきたのは坂宮君だった。
「真美。一番ノリだったんだな」
フン、だから何なのよ!
「へ〜、真美って結構かわいいんだね〜クラスの女子と違う」
はっ?
いきなりなんなのよ!
でも…ちょっと嬉しい、かな。
って、どういうつもり!?
「俺、真美ってタイプかも。よーし、決めた!俺、真美好きになった!」
はあああああっ!?
一体何言ってんのよ!
「矢本で〜す」
「失礼します。隅木田です」
矢本君に隅木田先輩!?
やっと、坂宮君とふたりだけにならなくて済むよ〜
「真美ちゃん、坂宮。僕たち、スイーツ作るの、グループ名を決めたんだ。その名は、『明確スイーツ研究部!』クックパッドで調べるんじゃない。自分たちで研究するんだ!」
おおお、明確スイーツ研究部!
「俺と隅木田と話し合ったんだ。学校でな。いいだろ」
同じ学校に通っているのかな?
「明確スイーツ研究部!略して明スイでいいと思う人、挙手」
4人ともみんなあげて、明確スイーツ研究部!略して明スイに決まった。
「さあ、何作る?」
矢本君の一声に、う〜ん?と悩む。
やめるんだから、それなりの物を作らないといけない気がするし…
「ねえ、ケーキはどう?チョコレートプレートに、ありがとうってかく」
う〜ん、いいと思うけど。
チョコレートプレート、ありがとうだけじゃあ、ねえ。
「じゃあ、クッキーにしたらどうかな?ひとつひとつデコレーションして」
クッキーもかわいいなあ。
「ケーキにクッキー付けたらどう?」
お〜、いいねえ。
「矢本君に賛成します!」
わたしが言うと、隅木田先輩も矢本君に賛成した。
ええっと、ケーキって、相当普通に渡す人いないし…
あ、そうだ!
パーティにしたらいいんじゃないの?
そうしたら、思い出づくりも完璧!
「ねえ、ケーキ渡すの、パーティにしたらどうかな?」
「いいねえ。じゃあ、みんなで食べる用と、船水先生に渡す用に分けたらどうかな?」
おお、隅木田先輩、ナイスアイデア!
「おおお!なら、明確ゼミの人みんな呼ぼうぜ」
矢本君の案も、ものすごくいい!
絶対、船水先生を楽しませてあげるんだから!

11:モンブラン:2017/01/28(土) 15:28

7.豪邸!?
翌日も、談話室に集まった。
「ケーキ作りとクッキー作りって、練習いるんじゃねえの?」
矢本君の一言に、練習無しに作る作り方を考えた。
でも、考えられない。
確かに、練習必要だよね。
研究する時間もいるのかもしれない!
あと、みんなを誘う時間も!
チラシ配るのはどうだろう。
なら、チラシも作らなきゃいけないじゃん!
「まだ、やることたくさんあるよ」
みんなうなずいて、考え始めた。
わたしは、研究の時間をどう取るのか考えた。

「お、大きい」
矢本君の家の大きさ。
豪邸としか言えない大きさ!
わたし、入ったことないよ。こんな大きな家。
矢本君の家に来たのは、理由がある。
あのときーーー

「俺んちで練習しねえ?」
矢本君が誘ってくれた。
隅木田先輩も利用に賛成してくれて、坂宮君も矢本君の家に来ることにした。
「ね〜え〜、拓斗〜。あれ?カッコいいイケメン君がいるじゃん!」
矢本君の家から来たのは、わたしと同い年くらいの女の子。
「おい、香音。来るな」
「え〜、いいじゃ〜ん!サッカーの坂宮君がいるも〜ん」
香音さんは、坂宮君が好きみたいで、坂宮君に付きまとっている。
どんどんくっついていいよ!
「おい、やめろよお」
坂宮君、ーーー坂宮は、香音さんに対して嫌がり始めた。
かわいそう…

12:モンブラン:2017/01/28(土) 19:32

8.梨歩佳さん
坂宮は、香音さんを振り払った。
「お前、邪魔って言ってんの聞こえねえの?」
坂宮、そんな言わないであげて。
矢本君も坂宮と香音さんを見ている。
止めなくていいの?
わたしの考えはお構いなしに、どんどん坂宮は言っていく。
「俺、香音っていうの?香音に興味ねえから。俺、真美が好きなの」
また言うの?
しかもここで?
坂宮何言ってんのよ!バカァ!
「坂宮君、わたしのこと邪魔って思ってるのね。なら、思わない女の子になれるように、頑張る!」
坂宮、頑張ってね…
香音さん、あきらめないで坂宮とくっついていいんだよ。
トコトン遊んでね♪

「ここが俺のキッチン」
オ・レ・の?
自分のキッチンがあるってこと?
さすが…お金持ち…
「俺、一生矢本の家来たくねぇ」
いいや、坂宮。
一生通うことになるよ。
「ケーキ作りは梨歩佳、クッキー作りは梨萌佳がいる」
梨歩佳(りほか)さんに梨萌佳(りめか)さん?
「梨歩佳と梨萌佳は、妹で、中1。ハミーちゃんの年上だね」
ちょっと、矢本君。
ハミーちゃん呼び何なの?
「どっちから作る?作る方によって、補助が変わるから」
梨歩佳さんと梨萌佳さん、補助なんだね。
妹が補助に付いてくれる。
なんて優しい妹なんだろう。
双子さんなんだよね、きっと。
「ケーキが元だし、ケーキからでいいんじゃない?」
確かに、ケーキがなきゃ、クッキー焼いても意味ないもんね。
ケーキ作りの補助、梨歩佳さんが来てくれた。
「梨歩佳さん!わたし、多田本真美です!今日はよろしくお願いします」
「真美ちゃん、よろしくね。小6なんでしょ?拓斗兄から聞いたわ。かわいい女の子って。かわいいわ〜」
か、かわいいって紹介したの!?
て、照れる…
「わたし中1だけど、ため口で話してほしいな♪」
「ありがとう!!!梨歩佳さん、よろしくね♪」
やった、梨歩佳さんと仲良く話せちゃったよ!
「さあ、ケーキ作り始めるよ!研究って聞いたけど、どんな工夫するの?」
あ、工夫のこと、全く考えてなかったよ…
「梨歩佳、決めてねえ」
「拓斗兄!言ったよねえ!?スイーツ作るなら、準備くらいしときなさいよって」
梨歩佳さん、すごい。
坂宮はドンビキしてる…
よ〜し、準備と工夫、頑張るぞお!

13:モンブラン:2017/01/28(土) 19:55

9.難しいケーキ作り
「ケーキ作り、頑張るわよお!まず、わたしが振り分けるわね。坂宮君は、拓斗兄とスポンジ作り。わたしと真美ちゃんと隅木田君は、ケーキの生クリーム作りね。いい?」
「はい!」
あれ、思いきり返事したけど、みんな返事しないの?
「俺、真美とやりたかった〜」
坂宮、うるさい!
矢本君とできたんだから、いいじゃないの。
矢本君に失礼よ!
「あの、隅木田先輩。よろしくお願いします!」
「隅木田でいいよ。学校では先輩呼びだけど」
学校では?
学校、隅木田…君と違いますよね?
同じは…同じぃぃ?

わたしが通う学校は、初等部から高等部まである。
同じ学校も、おおいにありうるけど。
矢本君や隅木田君みたいな目立つ男の子がいたら、わたしでも知ってると思うんだけど。
知らないから違うんじゃないかな?

と、こと話は置いといて。
「生クリーム作り、頑張ろうね。まずは、工夫したこと、覚えてる?ここのレシピを、チョコレートに変えるんだよね?つまり、ここがチョコレートに変わる。分かる?」
チーズだけど、チョコレートに差し替えると言うこと。
なるほどなるほど。
「チョコレートを、こことは別で溶かし、溶かしたチョコレートをここに入れるの。そうすると、チョコレートの小さな塊プラス、チョコレートの本ができるわけ。分かるかな?」
つまり、チョコレートを溶かした物をスポンジに馴染ませると、チョコレート味のケーキになる。
そこに、チョコレートの小さな塊をプラスすると、噛みごたえもあって美味しいってこと。
「工夫であったことだから分かると思うけど、スポンジができたら、すぐチョコレートを溶かした物を馴染ませていくから、準備するよ」
梨歩佳さん、ときどき難しい言葉を使うけど、頑張ろうと思える。
わたしの周りには、梨歩佳さん、隅木田君がいるんだから。


10.
「おい、梨歩佳。準備してあるか?」
「もちろんよ。わたしだってボケーっとしてるだけじゃないんだからね」
梨歩佳さんは、チョコレートを溶かした物を矢本君に渡した。
甘い香り。
いい匂い。

14:モンブラン:2017/01/28(土) 19:55

すみません。
10.ケーキボロボロ
        です!

15:モンブラン:2017/01/28(土) 20:19

「よ〜し。で〜きた!」
オーブンを開けたとたん、いい香りに包まれる。
「真美ちゃん、坂宮君、隅木田君、拓斗兄。よくできてるわぁ」
(梨歩佳さんのおかげですよ!)
ずっと梨歩佳さんは褒めてくれて、嬉しかった。
坂宮がケーキを取り出して、机に運ぼうとした、そのとき。
「あ。ニャーミちゃん。来ちゃいましたか!かわいい〜」
ニャーミちゃん?
「わたしの猫よ。かわいいでしょ〜ニャーミちゃ〜ん」
「猫か!来るな!近づくな!」
坂宮、何言ってるのよ!
梨歩佳さんは気分を悪くしたようで、ニャーミちゃんを抱きしめた。
「坂宮君、大嫌い。香音に言わなきゃいけないわね。坂宮君はやめてって」
(あちゃ〜やっちゃった)
坂宮君が持っていたケーキ、気づかないうちに真っ逆さまになって崩れているし。
それに、梨歩佳さんも出ていっちゃったし。
「最悪だよ、もう。坂宮バカ!坂宮のせいで、梨歩佳さん行っちゃったじゃないの!わたし帰る!」
もう、絶対ここ来ないんだからね!


11.消えた時間
つまらない…
迫力足りなさすぎるし…
明確スイーツ研究部って、そんなに大きかったんだ。
「晴奈ちゃん。遊ぼう、今日。陽茉理ちゃんと由里歌ちゃん、部活あるもんね」
「いつの間に知ってるの?わたしと陽茉理が部活始めたこと」
フフフ、調べておいたんだ〜
陽茉理ちゃんは吹奏楽部。
由里歌ちゃんはバレー部。
わたし、仲良くなりたくて調べたんだよね〜

明確ゼミへ向かっても、誰も話してこない。
この、、、孤独さ。
わたし、明スイやめてやるもんね。
隅木田君に謝って、明スイやめるって言おうっと。
でも…つまらなくなってきた…
わたし、明スイ好きなんだなあって、すごく感じちゃったもの。
やっぱり、坂宮にも謝ろうかな。
モヤモヤが隠しきれず歩いていると、梨歩佳さんがいた。
「あの!梨歩佳さんですか?」
声をかけると、梨歩佳さんは振り向いてくれた。
ニャーミちゃんは、わたしは悪くないから、優しく気軽に話してくれた。
「真美ちゃん。ごめんね、急に暴走したりして。あと、割り振りもわたしがしちゃって」
「割り振り、もとすごく楽にできました!梨歩佳さんありがとう!あと、坂宮が悪いんだから。わたしも、坂宮とあのあと喧嘩…といいますか、をしましたから」
昨日のあのことを思い出す。
坂宮にバカって言っちゃったこと。
それに、やめるような発言をしてしまったこと。
ずっとあれから後悔してる。
やっぱり、わたし入り直したい。
明スイに入ったままがいい!
「梨歩佳さん、失礼します」

16:モンブラン:2017/01/28(土) 20:35

12.〆切迫る!
坂宮たちに謝る決心をして、談話室に行ってみた。
クラスは知らなかったし、もし知っていたとしても、呼び出せないから。
「失礼します。多田本真美です」
談話室は、シーンと静まり返っていたから、なんとなく怖かった。
誰か来て…
動けないから、動きたくないから。怖いから。
「失礼〜坂宮です〜って。真美がいるんだけど!どして?」
このとき、言おうって決めた。
絶対今言うしかない。
「ごめんなさい。昨日。坂宮が嫌な思いするって分かってたのに」
「いいんだよ。梨歩佳さん?の気に入りから逃げたんだから。ったく、アレルギーだから仕方ねえだろ」
アレルギーだったの。
あら、早く言えばよかったのに。
「隅木田、矢本。真美がいる」
「ハミーちゃん。帰ってきたんだね。俺、待ってたからね♪」
矢本君…
「真美ちゃんが来てくれて嬉しい。昨日、捜せなくてごめんね。捜したけど見つからなくて」
隅木田君…
「真美、ありがとうな」
坂宮…
やっぱり、明スイのメンバーでいたいって、心から思える。
「さあ、真美ちゃんも座って。先生を呼ぶ方法を考えてみよう」
船水先生を呼ぶ方法…
招待状じゃ、ダメかなあ?
「あのぉ、招待状って普通すぎ?」
わたしが小さい声で言うと、坂宮が賛成してくれた。
隅木田君も矢本君も賛成してくれて、船水先生には招待状を書くことに決まった。
「ねえ、船水先生、明日やめるんだってね。信じらんない」
明日!?
「そうそう。早すぎー」
明日ぅ!
みんな、サッっと顔色が曇る。
ヤバーーーーーーイ!

17:モンブラン:2017/01/28(土) 20:39

陽茉理と由里歌の話し方少し変わっててごめんなさい。
これからは、始めに合わせて書きます。

18:モンブラン:2017/01/29(日) 09:20

13.協力して
「ちょっと。君たち。船水先生、明日やめるのかい?」
「あら、矢本先輩。船水先生、明日やめられるって。残念よねえ」
明日やめられる…
〆切明日までってことじゃんか!
「矢本、坂宮、真美ちゃん。明確ゼミは休もう。みんなを誘わないと」
こうしちゃいられない。
パーティー会場も予約しないと。
みんなも呼ばなきゃいけないじゃん!
「まず、明確生に招待状を渡そう。船水先生のとは違う物をね」
「会場、俺んちじゃダメか?」
矢本君の家…もちろん!
「失礼します。矢本梨歩佳です」
梨歩佳さん?
「ちょっと!坂宮君。昨日のこと、しっかり教えてもらおうじゃないの!?」
「梨歩佳さん!わたしが言います。みんな、進めてて」
談話室を出ると、梨歩佳さんは振り向いた。
「どうして真美ちゃんが言うのよ」
「坂宮、猫アレルギーなんです。ビックリしちゃったみたいで、わたしも矢本君の家で怒ったんですけど、本当のことを知って、謝りました」
梨歩佳さんは、すっかり自分が悪いと反省したのか、談話室に入った。
「坂宮君、本当にごめんなさい」
梨歩佳さん…
坂宮君も、にっこり笑って席の隣を進めた。
「梨歩佳も一緒にやるのかよ」
矢本君だけが反対していたけど…
人手が足りないんだもんね!

「よ〜し、みんなのケーキ作るよ!みんなのケーキはチーズケーキだったよね?」
「うん!」
梨歩佳さんとわたしとふたりで、チーズケーキーーーみんなで食べるケーキ本番を作っている。
坂宮、矢本君、隅木田君は、招待状を作って、渡してから来るそうだ。
「まず、チョコレートケーキみたいに塊を作っていくよ!」
チーズを小さくしていって、あとから溶かした物に入れる。
美味しそうな香りが引き立つの。
「梨歩佳さんの兄弟って、何人いるんですか?」
「ええっと、1、2、3、4、5、6、7、8人」
えええええええっ!

19:モンブラン:2017/01/29(日) 09:34

「拓斗兄、拓哉兄、わたし、双子の妹の梨萌佳、香音、陽茉理、大地、大斗だよ」
陽茉理ちゃん?
「あの、香音さんと陽茉理さんって」
「香音と陽茉理は双子。香音が百合千学園、陽茉理は彦宮学園だよ」
陽茉理ちゃんって、矢本君の妹ってことなの〜?
「また、陽茉理さんに会いたいです。多分、学校で遊んでる子ですから」
梨歩佳さんはちょっと笑って、梨萌佳さんを呼んだ。
「イェ〜イ、矢本梨萌佳だよ〜」
梨萌佳さん。
「梨歩佳さんと梨萌佳さんとわたしと作るってことですか?」
「イェス!もちろん。真美ちゃんよろしくね〜」
梨萌佳さん、梨歩佳さんとタイプが全然違う。
「急いで作ろ作ろ!」
梨萌佳さんの掛け声で、チーズケーキ作りが再開された。

20:モンブラン:2017/01/29(日) 09:45

14.6人で
「お〜い、真美〜陽都だよ〜」
「坂宮、ハミーちゃんにそうやってくっつくの、やめた方がいいよ」
矢本君、当たりっ!
「拓斗兄、早くやるよ!真美ちゃんごめんね。いっつも拓斗兄があ」
梨萌佳さん…全然いいのに。
矢本君は気を悪くして、フンッってしている。
時計を見ると、9:30!
「みんな、急いでよ。時間ヤバいんだからね!」
あ、ママとパパ、きっと心配してる。
明確ゼミ、9:00に終わるから。
「真美ちゃん、気にしないで。お母さんとお父さんには、しっかり電話しておいたからね。勉強会するので、今日は真美さんの友達の梨歩佳さんの家に泊まるってね」
「ありがとうございます!」
隅木田君、すごく気が利く!
「変なこと話してる場合じゃない!早く作んねえと、本当に時間ねえんだからな!」
あああああっ!急げー!

21:モンブラン:2017/01/29(日) 20:03

15.誰かの悲鳴
「あとは、オーブンに任せるだけだ!よ〜し、梨萌佳頑張るよ〜」
クッキー作りに取りかかる頃、若い綺麗な女の人がキッチンに来た。
「拓斗、梨歩佳、梨萌佳。お友達さんたち。朝ごはんを持ってきたわよ。フレンチトーストだけど、嫌いな方いらっしゃる?」
みんな首を横に振るので、女の人はにっこりして、キッチンの机にフレンチトーストを置いた。
「切りがついたら召し上がれ」
誰だろう、お母さんかな?
女の人がキッチンから出ていくと、矢本君がフレンチトーストを食べた。
坂宮も、隅木田君も食べていく。
「あれ、梨萌佳のママだよ」
やっぱりお母さんだったんだね。
「キャーーー!」
誰なの、この悲鳴っ!
矢本君と梨歩佳さん、梨萌佳さんは、顔を見合わせてどこか走り出した。
「ねえ、待ってよ!ちょっと!」
「真美ちゃん。きっと、親族の人だ。無理に動かない方がいい」
でも…
隅木田君に止められた…でも…
黙っていられない。
「すみません。わたし、行きます。わたしのお母さん、看護師なんです。電話しましょうか?それとも…」
「真美ちゃん!ダメだよ!」
隅木田君っ。
そっか、やっぱりダメか…
「すみません」
フレンチトーストを食べながら帰りを待っていると、ふと明確ゼミが頭を横切る。
ちょっと待って!
明確ゼミ、授業しないで抜けてきたわけだよね?
電話するの忘れてた!
隅木田君を見ると、うなずいた。
なんだか、とっても機械みたい。
人の心を読んで、実行してくれる。
待ってってってってって!
船水先生のパーティーするのはいいんだけど…場所はっ?
「坂宮、真美ちゃん。僕たちだけで、クッキー作り進めてみよう。これが本番だから。クックパッドを真似するしかない。間違えることは許されないからな」
本番は一度きり。
失敗してもやり直せないことは知っているから。
フォローしてやっていくしかないってこと、知ってるんだから!
「早く作るよ!」
一発で作るのは難しい。
練習をしていないから。
でも、時間は取り戻せないから。
頑張って今をやるしかないんだ!

22:モンブラン:2017/01/29(日) 20:16

16.坂宮も一緒に
隅木田君のスマホ。
クックパッドを真似してクッキー作りをしている。
「ねえ、みんなで食べるケーキと船水先生にプレゼントするクッキーの工夫の違い、どうする?」
う〜ん?
確かに、味はチョコレートケーキに、バニラクッキー、チョコレートクッキーがいいのかなあ?
普通すぎちゃうのかなあ?
「とりあえず、今はチーズケーキの、チーズクッキーとバニラクッキー作るしかないんだ!」
坂宮の言葉に、チーズクッキー作りにまた専念する。

「ごめんな。ハミーちゃん。坂宮。隅木田。って、エッ?」
矢本君が来た2秒くらい前に完成したチーズケーキにチーズクッキーを付けた、その名は『明確チーズケーキ』。
梨歩佳さんと梨萌佳さんも褒めてくれた。
クックパッド通りに作って、ダメかもだけど、感情こもってるもんね。
「さあ、船水先生にプレゼントするチョコレートケーキ作るよ!」
「梨萌佳、クッキー担当だから、クッキー作りとケーキ作りに分担したい!真美ちゃんと一緒にやりた〜い♪」
梨萌佳さん…
さっきの駆け出した時とはうってかわって、いつもの調子に戻った。
「そっちの方が早いです。きっと」
確かに、分担したら早くできそう。
「でも、クッキーが早く焼けたら冷めちゃうよね?どうするの?」
「オーブンに入れっぱなし」
オーブンに入れたままなら、冷たくならないものね。
「梨萌佳と真美ちゃんがクッキー。残りはケーキでいい?」
「俺、真美とやる〜」
坂宮とやりたくな…やってもいいよね、別に。
「いいよ。坂宮。一緒にやろ」
「ヤッタ〜」
わたし、坂宮がイヤなこと言ってしまったり、思ったりしてた。
でも、もうやめる!
うん、やめよう!

23:モンブラン:2017/01/29(日) 20:28

17.わたしのせい
「クッキー、焼き始めたよ。あとはケーキに付けるだけ」
わたしが言うと、ケーキのスポンジに生クリームを馴染ませていた矢本君が振り返った。
すると、スポンジが真っ二つに割れてしまった。
「「「「「「あああっ!」」」」」」
スポンジがみるみるうちに倒れ、元に戻そうとも戻せそうにない。
「拓斗兄何やってんのよ!ちゃんと集中してって言ったよね?」
「梨歩佳さん、怒らないであげてください!わたしが悪いのだから」
意を決してわたしはキッチンにこだまする大きな声で言った。
「わたし…わたしが、ケーキに付けるだけって、焦らしたから。わたし、スイーツ作るの、むいてないのかな」
悲しいけど、自分に言い聞かせるようにそう言った。
むいていないのに、参加したからいけなかったんだ。
わたしがいなければ…
そう思うと、涙があふれてきた。
「わかひがやりょうちょおもわなきぇればあ。あぁぁぁ」
(訳:わたしがやろうと思わなければ。あぁぁぁ)
もう、わたしやめた方がいいのかな?

24:モンブラン:2017/02/03(金) 22:04

18.改善方法
梨歩佳さんは、優しく声をかけてくれた。
「真美ちゃん。拓斗兄がちゃんと見ていないからダメだったのよ。真美ちゃんは悪くないわ。気にしないの!」
梨歩佳さんの言うこと、今回ばかりは間違っているよ。
間逆なんだから。
ねえ、聞いていますか?梨歩佳さん。
「真美ちゃんっ!!!」
梨歩佳さんが急に大声で言ったので、わたしはもちろん、隅木田君も、矢本君も梨萌佳さんもビックリしていた。
「真美ちゃん。やってしまったの。時間を取り戻す方法があるの?ないから苦労するのよ。さあ、改善方法を考えてごらん」
改善方法…
時間を取り戻すことはできない…
切れたケーキ、小さなケーキ、食べやすいケーキ、ミニケーキ…

ショートケーキ!!!

「梨歩佳さん、ありがとうございます!ショートケーキに変更しても良さそうですか?」
「ええ。いけるわよ」
やったー!
ショートケーキに決まりー!
で、いい?
チロッっと後ろを振り向くと、みんなうなずいてくれていた。
わたしを認めてくれるように見える。
ここにいれて、とても嬉しい。
「あの…わたしは入ったままでいいのかな?」
「「「もちろん!!!」」」

25:モンブラン:2017/02/03(金) 22:09

19.運命のパーティー
「船水先生に、入場して頂きたいと思います。船水先生、お願いします!」
隅木田君の司会の中、梨歩佳さんと梨萌佳さんの美人姉妹が誘導していた。
パーティー会場は人でいっぱい。
『明確スイーツ研究部!』でやっていったから…
「真美。時間が空いたら、家空けとけよ。俺が真美の父さんと母さんに挨拶に行くからな」
はああっ!?
「父さんと母さんによろしく言っといてくれよな」
えええええええええええっ!!!
坂宮君、本気だったの〜!?


             (つづく)

26:モンブラン:2017/02/03(金) 22:18

あとがき
           モンブラン
こんにちは。
明確スイーツ研究部!作者のモンブランです!
略して明スイ、いかがでしたか?
今回は、いろいろなシリーズをお手本に書かせていただいたので、似ていたりしませんでしたか?
次回からは、明スイらしく、頑張りたいと思いますので、応援のほど、よろしくお願い致します。

さてさて、皆さんは明スイ、キャラクターは誰が好きですか?
坂宮が絶対!
隅木田君カッコいい!
矢本君チャラくていい!
梨歩佳さんカッコいい!
いろいろな方がいると思います。
もしよろしければ、書き込んでくださると強みになります!

挨拶などでいっぱいになってしまいましたが、実はこれがデビュー作です。
誤字等たくさんあると思いますが、優しく受け流してください。

次回の明スイは、新たな強い女の子グループが出てきます。
真美ちゃんは耐えきれるのか?
次回もよろしくお願いします。

27:モンブラン:2017/02/04(土) 19:12

モンブランからメッセージ
こんにちは。
明スイ作者のモンブランです。
2巻を書かせていただく前に、言いたいことがあります。
1巻は、「完結をうまく」ということを意識していました。
ですが、今回は面白いいい作品を書くことを意識して書かせていただくので、読んでいただけると嬉しいです。
では、読んでください。

28:モンブラン:2017/02/04(土) 19:15

『明確スイーツ研究部!2』

人物紹介

多田本 真美
目立ちたくないを意識している小学6年生。明確ゼミナールに通う。

坂宮 陽都
サッカー少年。
明確ゼミナールに通う少年6年生。
真美が好き。

矢本 拓斗
野球少年。
明確ゼミナールに通う中学3年生。

隅木田 優斗
勉強得意な少年。
明確ゼミナールに通う中学2年生。

29:モンブラン:2017/02/04(土) 19:36

1.新しい部活
「由里歌、テニス部入りた〜い」
「わたしはバトミントンやってみたいな〜」
「わたしは美術部に入りたい!」
春のひざしが心地よい春の日、部活を変えてもいい時期がきた。
わたしたちの通う、彦宮学園は、選手並みの人は変えられないけど、大会に出ない人は部活を変えられるーーー部活変更委員会が現れるの。

部活変更委員会って言うのは、4、5、6年生の中で4人代表で委員になるんだ。
部活の変更は、部活変更委員会に紙を書かなくちゃいけない。
わたし、多田本真美も、幼なじみ、晴奈ちゃんも、陽茉理ちゃんも、由里歌ちゃんも変更できるんだ。

「どうしよう、どうしよう、どうしよう!」
いきなり廊下を走ってきた女の子にぶつかった。
あぁ、いた〜い。
それより、女の子は大丈夫かな?
女の子は、スカートについたゴミをていねいにはらい落としながら、わたしに言った。
「ごめんなさい。わたしがしっかり見ていたら良かったのに」
その子は初等部5年のバッジをつけていた。
わたしが先に謝る立場じゃん!
高学年なんだから、いいお手本を…
「では、急いでいますので。失礼します。本当にごめんなさい」
すると、また女の子は走っていってしまった。
「あ〜あ、せっかく真美が言う機会だったのにぃ〜」
晴奈ちゃんが女の子を見つめてつぶやいた。

彦宮学園には、初等部、中等部、高等部がある。
わたしは初等部で、来年中等部に入るんだ!
まだまだだけどね。

「本当。真美ちゃんの話も聞きなさいって感じ!」
「走ってぶつかったのに、まだ走るつもり!?」
みんな口々に怒鳴った。
まあまあ、みんな、わたしたちが迷惑しちゃうと、大変だよ?

30:匿名 hoge:2017/02/04(土) 19:39

書き込み失礼します。
名前のネーミングセンスに惹かれました(*^^*)

31:モンブラン:2017/02/04(土) 19:48

2.変なわたし
「真美。部分的に国語で聞きたいとこあるの。明日教えてくれない?」
「いいよ。陽茉理ちゃんのためになるなら、何でもするから!」
陽茉理ちゃんは算数が得意で、わたしとは大違い。
でも、国語は苦手なんだ。
明日は土曜日だし、明スイの集合もかかっていない。

明スイって言うのは、明確ゼミナールに通う、わたし、坂宮、矢本君、隅木田君の4人でやっている。
明確スイーツ研究部!の略し。
スイーツの中身を工夫する、研究部なんだ。
誰が集合をかけるのかも決まっていないし、初めの船水先生のパーティーの後、続けることを誓いあったけど。
どう続けていいのか分からないし…

「真美?真美?」
「フェッ?」
「昼休み終わっちゃうよ。早く食べないと」
気づけば、ボッっとしてて、学食のご飯ーーーオムライスが残ったままだ。
「も〜う、ちゃんとしてよね!」
陽茉理ちゃんが背中を叩いた。
晴奈ちゃんも由里歌ちゃんも笑っている。
この空間が好き。
ここにいていいって素直に思えるからかな。
「ちょっと、真美?本当に大丈夫?ケチャップじゃなくて、七味だよ?ケチャップたくさんかけてあるじゃん!」
ああ。
って、ど〜してこんなになっちゃうのよ〜

32:モンブラン:2017/02/04(土) 19:51

>>30
ありがとうございます。
初めてこのシリーズで褒めていただきました。
読んでいただいた?かは分かりませんが、名前も見てくださってとても嬉しいです!
ありがとうございました。
ちなみに、誰が好きですか?
読んでいなかったら分からないかもしれませんが、どうですか?


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