いつもの改札で。

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1:青井◆Ns:2017/04/13(木) 01:41


「待ち合わせは中央改札口で」

そう、2人は約束した。


>>2 : あらすじ的なもの
>>3 : 主な登場人物

.

4:青井◆Ns:2017/04/13(木) 02:06

春は出会いと別れの季節だ。
卒業や入学、退職や入社__
人の動きが目まぐるしい。

「勉強、ついていけない。学校やめよう。」

高校3年に進級するはずだった、支倉葵は学校を辞めることにした。

この高校は中学1年生の頃からずっと入りたいと思っていた学校だ。第一志望の高校にしてからというもの、必死に勉強し、推薦入試で合格した。
しかし、現実は甘いものではなく、入学したものの勉強についていくことができなかった。
いつしか体調を崩し、不登校になりかけてしまったのだ。
決して学校生活がつまらなかった訳ではない。友達とも仲良く過ごし、部活動も積極的に参加していた。勉強だけが足を引っ張っていた。
想像していた学校生活とのギャップ…、これが彼女を苦しめていたのかもしれない。

「高校、辞めたら高卒認定試験取らなきゃ」

高校を辞めるということは、すなわち中卒ということになる。高校を卒業しなければ大学に進学することができない。彼女の中で「中卒」の2文字は心の中にどうしても引っかかっていた。とにかく、学歴は大卒にせねば…。そのために必要なものが「高卒認定試験」だ。高卒認定試験に合格すれば、「高校卒業程度の学力がある」と判断され、大学入試を受けることができる。

「高校の時の単位である程度埋められるけど…政治経済習ってないしな」

高卒認定試験は高校で取得した単位に応じて科目が免除される。葵は政治経済さえ受験し合格すればいいという状況下にいた。

「教科書、どうしよう…。あ、あいつだ。あいつに連絡すれば…」

5:青井◆Ns:2017/04/13(木) 14:15


悠介
もし政治経済の教科書を持っていたら、譲ってほしい



メールを打ち込み送信する。
ピロンと音がなり、すぐメールが返ってきた。


いいよ、丁度そっち行くから
今度の週末、渡すよ

悠介


これが、全ての始まりだった。


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