1%の叶わない恋

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1:莉愛◆8Q:2017/04/13(木) 22:10

題名は
『1%の叶わない恋』です。
『ここは明確スイーツ研究部!』シリーズも書いてます。

デビュー作

小説を書くことは2回目ですが頑張りたいと思います。
アドバイス、感想お願いします!

2:莉愛◆8Q:2017/04/13(木) 22:29

『1%の叶わない恋 1
        1%の初恋と演劇』

夢丘 美結
演劇が大好きな1年A組の女の子。
登校初日に事故にあう。

片桐 竜也
1年A組の気になる男の子。
爽やかで優しい。

牧野 愛花
美結の恋をサポートする子。
親友のひとりで1年B組。

小野 鈴音
美結の恋をサポートする子。
親友のひとりで1年C組。

3:莉愛◆8Q:2017/04/14(金) 19:42

プロローグ

ピアノの帰りに、横断歩道をひとりで歩いていた時。
かすかな声だけど、悲鳴みたいなのが聞こえた気がした。
気のせいかな?
青が点滅し始めていたから、急いで渡ろうとした。

「あ、美結!」

親友の愛花と鈴音がいた。
横断歩道を走っていた、その時!

「美結、危ない!」

愛花が叫んで衝撃を感じ、それからの記憶は何もない。

4:莉愛◆8Q:2017/04/14(金) 20:03

1.叶えられない夢

目を開けると、明るい電球が眩しく光っていた。
起き上がろうとしても、起き上がれない。

「美結!先生、美結が起きました!」

「起きましたか!」

男性の先生が近寄ってきて、わたしの前に座る。
名札を見ると、天野と書いてあった。

「美結ちゃん。私は天野だよ。…美結ちゃんは、どうして病院にいるのか、分かるかな?」

「分かりません。…あの、動けないんですけど。」

天野先生は鼻で笑って、説明してくれた。
内容は、わたしが事故にあったということだった。
もちろん、信じられない。
健康な人だし、悪いこともしてない。
普通の平凡人なんだ。

「美結。あなたは足を失ったの。受け入れるしかないわ。」

え?足を失った?
どういうこと?
わたしは足がちゃんとあるし。

「触ってみなさい。」

お母さんがわたしの手をつかんで、足のところに手を当てる。
足…足…どこにあるの?

「美結、学校は今まで通りでいいわ。心配しないで。花野中学校は不自由な子もいいから。ね?」

わたしは…足が不自由?
不思議な感覚。
わたし、中学校では演劇部に入るつもりだったけど…。

「美結のために、愛花ちゃんと鈴音ちゃんが来てくれたわよ。」

「お母さん呼んでくれる?」

お母さんが病室から出ると、天野先生も病室を出た。
わたしは足がないから、一生車椅子ってことだよね?
演劇もできない。
ピアノもできない。
わたしの夢も…叶えられない。
わたしの名前は夢丘美結。
将来の夢は女優、だったけど。
叶えられない、一生の夢になるかな。

「美結っ!」

「愛花!鈴音!」

思わず、病室で抱きついた。
あの温もり。
とても嬉しかった。

5:莉愛◆8Q:2017/04/29(土) 20:57

2.新しい友達

蛍光灯が眩しく見える。
いつもなら、1-Aと見えるはずが、今日は1-Gと見える。
そこの教室に入り、わたしの名前が書いてある椅子に座る。
隣の子は、静かに本を読み、その子の向こうの子は机に、板のような物があって、それをなぞり、時に笑っている。

「おはようございます。えっと、美結さん、教室分かったんですね。車椅子から降りれたんですね。これからは、椅子を退かしておきますね。」

先生がG組に入ってきた。
ちなみにG組は、障害がある子のクラス。
わたしが授業を受けるのは、A組かG組か担当教室か。
生活はだいたいG組だった。

「はい。物をしまいなさい。」

先生がそう言って、向こうの子の前に座り、板をその子の机の中にしまう。
そして、隣の子の前に座り、手話をし始めた。
そして、隣の子は机の中に本をしまった。

「新しいお友達が来ました。さあ、向きを変えてください。」

向こうの子はこちらを向き、隣の子は前を見たままだ。
先生が手話をして、こちらを見た。

「美結さん。話してください。この子は、舞野さんには、先生が手話をするので。」

舞野さんーーー隣の子は、舞野さんっていうんだ。

「初めまして。わたしの名前は、夢丘美結です。部分的に、わたしは足がありません。部活は、」

その時、ふっと思った。
きっとこの子たちは、苦しいことを乗り越えてここにいるんだと。
わたしも、昨日まで歩けてたのに、歩けなくなり、車椅子だ。
演劇部なんて言ったら、きっと怒れてくるだろう。
我慢して、希望していない、大丈夫な部活の仮入部をしているはずだ。
昨日まで、ずっと演劇部の仮入部をしていたのに。

「美結さん?続きをどうぞ。」

「あ、はい。部活は、演劇部に入りたいと思っていま、」

す。と言うと、入る気分でいっぱいだろう。
した。と言えば、諦めているという様子だ。
今でも入りたいと思ってるけど、無理だよね。

「…」

ただの沈黙が広がる。
どうしよう。
このまま黙っている方が駄目だよね。
勇気を振り絞って、言おう。

「無理かも知れないけど、演劇部に入りたいと思っています!よろしくお願いします!」

お辞儀をして、前を向く。
向こうの子も、前を向き直す。
舞野さんは、先生の手話が終わった所で前を向いた。

「ふたりとも。仲良くしましょうね。美結さん。舞野琴羽さん。耳が不自由なの。手話をしています。美結さんも、手話を習いますよ。」

そう言いながら、先生は手話をしていたんだ。
気にも止めなかったけど、すごい。
普通なら、忘れたりしなかったりするはずなのに。
わたしに言うときでも手話をしてくれるなんて。

「そして、舞野さんの向こうの子が、笹狩穂乃香さん。目が不自由なの。点字で読んでいるの。点字も習いますからね」

あ、だから板みたいなのなぞってたんだね。
やっと分かった。

「詳しいことはまた話しますね。ちなみに、先生は、小塚梨沙子です。よろしくね。はい。放課です。」

先生…小塚先生が言うと、ちょうど放課のチャイムが鳴った。

6:愛奈:2017/05/01(月) 01:16

面白いですね!でも主人公ちゃん可哀想・・
文才ありますね〜羨ましい( ^ω^ )

7:莉愛◆8Q:2017/05/01(月) 18:05

いえいえ。
感想ありがとうございました!
これからも、もし良ければ読んでみてください。
よろしくお願いします!

8:絵菜◆8Q:2017/05/03(水) 08:19

名前変えました。
莉愛→絵菜です!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

3.遅刻の鶴地さん

「えっと、笹狩さん。これから、よろしくお願いします。」

言いながら、笹狩さんの席に行く。
もちろん、車椅子で。
笹狩さんは見えないから、わたしが移動しなきゃいけないんだ。

「もう、笹狩さんの前にいるよ」

わたしが声をかけると、笹狩さんはにっこり笑った。
眼鏡をかけていて、あまり笑わなさそうな感じ。
これは、わたしが自己紹介してるときに感じとれた。

「わたしは笹狩穂乃香。耳が不自由。だから、点字でやってるの。部活は、わたしも演劇部が良かったけど、落ちたくないから、あらかじめ園芸部に変えたの。まあ、よろしくね。」

笹狩さん、やっぱり部活諦めたんだ。
落ちたくないから。
園芸部って、お花のお手入れしたり、フラワーアートしたりする部活でしょ?わたしは出来なさそう。

「夢丘さん。美結ちゃんって呼んでいいかな?わたしのこと、穂乃香って呼んでいいから」

「え?うん。もちろん!美結って呼んで!穂乃香ちゃんって呼ぶね!」

いきなり、友達ができた。
嬉しい。
すると、教室のドアが開いた。

「美結ちゃん。誰が来たの?」

「知らない子。女の子だよ。髪の毛は編んであって、黒い制服の、」

「その子、結構遅刻してくる子よ。鶴地珠子ちゃん。」

つるちたまこちゃん。
聞いたことない名前だな。
穂乃香ちゃんによれば、入学式も来てなくて、いつも遅刻してるとか。
でも、学力はめっちゃ高いと。
そして、この子は手の指が両手合わせて7本しかないって。

「夢丘美結ちゃん。よろしくね。わたしは、暗そうに見えるかもだし、遅刻してくるけど、理由は手のせいじゃないから。でも、ヘンに捉えないでね。わたしは鶴地珠子。」

あ、優しい子じゃん。
でも、どうしてわたしの名前を?

「わたし、梨沙子先生に聞いておいたから。あなたのこと。だからね。」

小塚先生が言ってくれたんだ。
って!
梨沙子先生って呼ぶなら、わたしも梨沙子先生って呼ぼっと。

9:絵菜◆8Q:2017/05/06(土) 22:06

このお話の表紙を描きました。
薄くて見にくいと思います。
ですが、こんな子かあ。と想像しながら読んでいただけたらと思います。
明日、個人の顔をアップで載せます。

http://ha10.net/up/data/img/19480.jpg

10:絵菜◆8Q ( -.-)ノ ・゚゚・。dice1:2017/05/07(日) 15:28

ー個人の顔ー

夢丘 美結
http://ha10.nat/up/data/img/19496.jpq

牧野 愛花
http://ha10.nat/up/data/img/19497.jpq

小野 鈴音
http://ha10.nat/up/data/img/19498.jpq

11:絵菜◆8Q:2017/06/11(日) 22:08

4.大変さ

「美結ちゃん、A組だよね。わたしはB組だよ。一応。」

「珠子ちゃんB組なんだ。一応隣のクラスだね、一応。」

一応を何となく付ける。
わたしは、仮A組なんだからね。
って、みんな梨沙子先生って呼んでるみたいだし!
梨沙子先生が教室に入ってきて、珠子ちゃんの荷物をロッカーにしまう。
珠子ちゃんは、わたしの後ろの席だ。
珠子ちゃんの隣が、また空いてる。
誰だろ。

「美結さん。今からはA組へ。ちょっと先生今動けないので、自分で行ってください。ここは二階です。一年生棟は三階なので、エレベーターを利用してください。」

じ、自分で行くぅぅ!?
無理無理無理無理!
ちょっとじゃないけど、難しい。
椅子がどこかへ向いて、行きたくないところへ行くんだもの。

「梨沙子先生。わたしが補助で行きます。」

珠子ちゃん…。
梨沙子先生は、珠子ちゃんの方を見て、にっこり笑って言った。

「珠子さんのそういう優しいところ、伸ばしてほしいし、梨沙子先生は大好きよ。でも、梨沙子先生は珠子さんと相談があるのよ。あとの子達は、リハビリだもの。ごめんね。でも、本当にありがとね。美結さん、行ってきてください」

「はい。…珠子ちゃん、ありがとね。ちょっとドア開けてくれる?」

珠子ちゃんの方を見ながら言うと、珠子ちゃんは素早く立ってドアを開けてくれた。
絶対だよ?
珠子ちゃんいい子じゃん。
何となく、遅刻ってことで学校サボるのかと思ってたけど。
やっぱり、そういうので決めつけるのはよくないな。
そんなことを考えていたら、エレベーターの前にいた。
上行きボタン、ポチッ!
ボタンを押すと、屋上にあったエレベーターが降りてきて、ドアが開いた。
中に入り、何とかしてボタンを押す。
これだけでも一苦労。
でも、これを続けなくちゃならない。
足は戻らないだろうし、エスカレーターの時代は終わった。
階段は、ケンケンしなくちゃいけないわけだし。
…不自由って、こんなに大変なんだ。

12:絵菜◆8Q:2017/06/11(日) 22:25

5.助け合いながら

A組のドアをノックすると、A組担任の鈴田先生が開けてくれた。
あ、席替えしてる。
わたしの席は、知らない男の子が使っていて、ひとつ一番前の隅が空いていた。

「夢丘の席は、前の隅、ここだ。和山、夢丘を押してやれ。」

鈴田先生が、えっと、和山って呼んだ子が立ち上がる。
知らない学校の子だな。
この子、知らない。

「夢丘さん、わたし、和山って言うんだ。係りは、G組係。夢丘さんの補助をする係なの。よろしくね。どんどんやりたいこととか言っていいよ。」

和山さんは、優しく話しかけてくれて、どうやらわたしの補助係りだそうだった。
わざわざわたしの補助がいるなんて、まあ、なんて素敵。

「じゃあ、夢丘さんはここで。わたしは、だいたい夢丘さんの隣だよ。」

椅子だけがない机に、ピッタリとわたしの体と車椅子が収まる。
そして隣に、和山さんが座った。

「よし。いいか?夢丘は、こういう状態で大変だ。でも、クラスメイトとして、手伝ってやってほしい。みんなの手伝いで変わるはずだ。夢丘とも、仲良くするように。」

鈴田先生がみんなを見回す。
わたしと目があったとき、ちょっと笑ってくれた。

「夢丘、その場で自己紹介するか。夢丘のことを知らない人がいるからな。みんな、夢丘の方を見て。」

すると、みんながこっちを見る。
うわぁ〜!
テンパって無理かも〜!

「夢丘さん。大丈夫。わたしが補助するから。名前と、入りたい部活と、趣味とかでいいよ。」

和山さん!
ありがとうございます!
じゃあ、そっくりそのままパクらせていただきます!

「初めまして。わたしは、夢丘美結といいます。入りたい部活は、演劇部です。趣味は、おしゃべりです。よろしくお願いします!」

パチパチパチパチ。
自己紹介で、拍手してくれたぁ!

「夢丘、ちょっといい?絶対演劇部無理じゃね?」

「確かに!」

男の子達数人がそんなこと言ってる。
すると、鈴田先生は「こらぁ!」と怒ってくださった。
あ、ありがとうございます。
それに、和山さんも。

「大きな夢を持つことはいいことだと思わないの?みんなで、夢丘さんの夢を応援しましょうよ。」

すると、女の子みんなも。

「そうよそうよ!みんなで助けあっていこ、ね?美結ちゃん!」

名前で呼んでくれた!
知らない子に。
初めて。
すると、男の子のひとりが。

「和山の言う通りだな。みんなで応援してやろう。」

知らない男の子が言ってくれた!?
A組、いい子達ばっかり!

「よろしくお願いします!あと、…ありがとうございます!」

13:絵菜◆8Q:2017/06/24(土) 09:30

6.いい子ばかりじゃない!?

「よし、放課〜!」

鈴田先生が言って、次もA組でやるとのことだったので、動かずにジッっとしていた。
動きにくいし、みんなに話しかけるのは苦手だから。

「夢丘さん。男子のことなんか、無視していいんだから!演劇部、頑張ってね。応援してる。…あと、タメ口でいいよ。」

「うんうん!わたしのことも、タメでいいよ〜。わたし、愛梨って言うの!名前で呼んでね〜!」

愛梨ちゃんは、ニカッっと笑って、他の子達とおしゃべりに行った。
和山さんも、ニコッっと笑う。

「和山って呼ばなくていいよ。わたしは、舞菜って言うの。舞菜って呼んでくれればいいよ。」

舞菜ちゃんは、「ちょっと。」と言って、教室を後にした。
本当にA組で良かった。
入学式しかここにいなかったから、みんなのこと知らないし。
でも、こんなに友達が作れるなんて!

「ちょっと、夢丘さん。まさか、本当に演劇部に入ろうだなんて思ってないわよね。」

「入りたいと思ってたとしても、諦めるんだよ。」

ふたりの、ちょっと気の強そうな女の子が来た。
制服をすごくアレンジしていて、制服のあちこちに刺繍がしてある。
舞菜ちゃんの話によれば、自分達で刺繍したと言う。

「わたしの名前は、きらり。覚えておくのよ。」

な、何この子たち!
すると、愛梨ちゃん達がこっそり来て教えてくれた。
あの子達は、親がお金持ちでセレブなんだそうだ。
特に、きらりって子。
覚えておくのよ。ってぇぇぇ!
何を覚えておけばいいのよぉ!

14:絵菜◆8Q:2017/06/24(土) 09:51

7.意外なこと

そして、きらりさんの方を見てると、ひとりの男の子のところへ行った。
さっきと様子が違って、ゆるい、可愛い女の子のようだ。
さっきは、その雰囲気1%もなかったけど。

「竜也くん!明日、空いてるぅ?」

「もちろん!」

「じゃあ、またデート、行こうね。」

えええ!
きらりさん、あの男の子と付き合ってるわけ!?
で、きらりさんのとなりにいた女の子は、きらりさんが男の子と話しているのをメモしている。
小さいメモ張に。

「じゃあ、竜也くん。お迎え来てね!行くところも、決めといてね!」

男の子は、幸せそうににっこり笑って、きらりさんと教室を出ていった。
すると、きらりさんのとなりにいた子がこっちを向いた。
なぁ、何!?

「夢丘さん、演劇部、頑張ってね。きらりの言うことは絶対だから、聞かなきゃいけなくて。でも、応援してるからね!信じてくれる?」

「も、もちろん!」

その子は、嬉しそうに笑って、手を振って別れた。
ここのクラスは、みんな笑ってる。
級訓とか決まったのかな?
決まってないなら、笑顔をテーマにしたらどうだろう?

車椅子を舞菜ちゃんが押してくれて、G組へ帰る。
A組、楽しかったな〜!

「美結ちゃん、さっき、きらりさんと話してたけど大丈夫だった?」

「きらりさんと?あ、うん。大丈夫。となりにいた女の子とも仲良くなれたし。A組は、いい子ばかりだね。」

舞菜ちゃんは、「そう?」と言いながらエレベーターのボタンを押す。
確かに、きらりさんはちょっと苦手だけど、きっと仲良くなれる時がくるはずだし。

「きらりさんのとなりにいるのは、にこりって子だよ。きらりさんと幼なじみだから、名前の最後も『り』って、一緒にしたんだって。にこりが言ってた。」

にこりちゃんって言うんだ!
幼なじみでも、タイプが違うと全然違うんだね。
にこりちゃんは、きらりさんの前じゃないと、穏やかでいい子だもん。

「まあ、にこりちゃんと仲良くしすぎない方がいいよ。きらりさんに嫉妬されて、大変だから。きらりさんと同じ学校の子が言ってたよ。」

へえ。
きらりさん、にこりちゃんとガッツリふたりきりなんだ。

「美結ちゃん、着いたよ。じゃあ。」

舞菜ちゃんは手を振って、A組へまた戻っていった。

15:絵菜◆8Q:2017/06/25(日) 12:37

8.級長!?

「では、美結さんも帰ってきたので、給食にしましょう。机の向きを変えてください。」

梨沙子先生が声をかけると、珠子ちゃんが自分の机を移動させる。
そして、穂乃香ちゃんの机も移動させていた。
珠子ちゃん、優しい〜。
梨沙子先生が、舞野さんに手話をし、舞野さんが机を移動させた。
梨沙子先生、手話も点字も完璧なんだよね。
すごいな〜。

「美結ちゃん、机移動させるの難しそう?わたし移動させるよ。」

珠子ちゃんが、ボーっとしていたわたしに声をかけてくれた。
確かに、毎回机の移動は、自分で出来ていたから…。

「やるね。」

珠子ちゃんは、わたしの机を移動させてくれて、車椅子まで押してくれた。

「ありがとう、珠子ちゃん。」

珠子ちゃんは、首を横に降って、制服に取り付けてあるバッヂを見せた。
そこに書かれていたのは、『級長』というバッヂだった。

「珠子ちゃん、級長なの!?」

「そうだよ。遅刻しちゃうけどね。」

へ〜。
すごいな〜。
すると、舞野さんが鼻で笑った。

「鶴地さん、級長だからって胸張るのやめた方がいいよ。夢丘さん、鶴地さんって、偉そうにしてるだけだから。普通にしてればいいのよ。」

梨沙子先生がいないから?
だからこんなこと言ってしまうの?
舞野さん…!
珠子ちゃんは、傷付いたような、深刻な笑みを浮かべ、教室を後にした。

「鶴地さん逃げた。…夢丘さん。わたしのこと、琴羽って呼んでね。わたしは夢丘さんって呼ぶけど。」

琴羽ちゃんはニコリと笑い、席を立って教室を出ていった。
聞こえるけど目が不自由な穂乃香ちゃんは、肩が震えていた。

「穂乃香ちゃん。ここの教室には、今はわたしと穂乃香ちゃんしかいないから、落ち着いて、落ち着いて。」

すると、ゆっくり震えが収まったのか、笑って「ありがとう。」と言った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ごめんなさい。
設定が分かりにくいかと思います。
これは、入学式の1日後。
主な登場人物は訂正で、ピアノの帰りでした。
本当に申し訳ありません。
また訂正ありましたら言わせていただきます。
すみませんでした。

16:絵菜◆8Q:2017/06/25(日) 13:05

9.好きな給食

「琴羽ちゃんって、キツイでしょ?言い方。入学式の日だってきつかったもの。」

そういうタイプの子なのかなぁ。
初めて来たG組。
静かな子が多そうで、このまま3年間G組という障害者クラスで一緒と考えてしまい、ちょっと怯えた。
でも、珠子ちゃん優しいし、穂乃香ちゃんだってすぐ話しかけてくれたし。
梨沙子先生も、素晴らしい先生だし。
言葉にして話すことが苦手かもしれない琴羽ちゃんも。
みんないい子だと思う。

「穂乃香ちゃん、琴羽ちゃん来た。」

何となく、言った方がいい気がして、穂乃香ちゃんに言う。
すると、初めて会ったときになぞっていた点字板をなぞり始めた。

「夢丘さん。給食で好きなのは何?」

「ハヤシライスだよ。」

「美結ちゃん、ハヤシライス好きなんだ!ふふふ。」

穂乃香ちゃんが言い、ふたりで笑いあった。
でも、琴羽ちゃんは笑ってくれない。
何かいけないことしたかな?

「美結ちゃん。琴羽ちゃん、声聞こえないよ。だから、ノートに書いてあげればいいの。わたしも、手話できないもん。」

そっか!
完全に無視されたのかと思った!
自由張のページを一枚ちぎって、ハヤシライスと書いた。

「そうなんだ。ごめんね、言葉が分からなくて。ハヤシライス、美味しいよね。わたしは、ソフト麺が好き。」

ああ、ソフト麺美味しいよね!
そのままを形に紙に書く。
すると、穂乃香ちゃんが点字板をしまって、「わたしも入れて。」と言う。

「もちろん!」

そう返して、紙に「穂乃香ちゃんも一緒にいい?」と書いて、琴羽ちゃんに見せる。
すると、琴羽ちゃんは「いいよ。」と言った。
今、わたしの隣は琴羽ちゃんと珠子ちゃんで、琴羽ちゃんの隣がわたしと穂乃香ちゃん。
珠子ちゃんは、戻ってきてないんだけどね。

「穂乃香ちゃんの好きな給食は何?」

聞きながら、「穂乃香ちゃんに好きな給食を聞いたよ。」って紙に書く。
わぁ、楽しい。
琴羽ちゃん笑ってるじゃん。
もしかしたら、珠子ちゃんが苦手なのかもしれない。
団結するため、その感情なくさせてあげよう!

17:まい◆8Q:2017/07/16(日) 17:10

10.嫌いな給食

「美結ちゃん。穂乃香ちゃんに、嫌いな給食聞いてみて」

琴羽ちゃんに言われて、穂乃香ちゃんに嫌いな給食を聞いた。
わたし、まるで、情報提供係?

「トマトが嫌いなの。汁が酸っぱくて、食べられない」

へ〜、トマト苦手なんだ〜。
わたし、すごくトマト好きだけど。
穂乃香ちゃんの苦手な、汁がたまらなく美味しいんだよな〜。
紙に、穂乃香ちゃんの嫌いな給食…トマトと書く。
付け足しで、理由も書いといた。
そして、琴羽ちゃんに見せる。
琴羽ちゃんはにっこり笑って、「わたしもトマト苦手。今日トマト出るの知ってた?穂乃香ちゃん」と言う。
琴羽ちゃんも苦手なの〜?

「今日トマト出るの!?知らなかった。それなりの覚悟がいるね。教えてくれてありがとう。って、書いて」

わたしは、そっくりそのまま書いて、琴羽ちゃんに見せた。
穂乃香ちゃんはどんよりしていて、琴羽ちゃんはニヤニヤ笑っている。
すると、珠子ちゃんが来た。
梨沙子先生も。

「珠子ちゃんも入る?」

わたしが声をかけると、珠子ちゃんは遠慮がちに首を横に振った。
さっき、琴羽ちゃんとあんなことがあったからかなあ?

「そういう美結ちゃんの嫌いな給食、何?トマト?」

琴羽ちゃんに聞かれて、「トマトは大好きだよ〜」と言い返す。
うーん、わたしの嫌いな給食…。

「えっとぉ。…あ、牛乳。毎日出て、本当に辛いの!」

琴羽ちゃんにも書きながら言う。
梨沙子先生も入ってきて、みんなで嫌いな給食の話をする。
梨沙子先生が無理矢理、珠子ちゃんも入れてね。

18:まい◆8Q:2017/07/21(金) 16:57

11.みんなが仲良くなろう作戦

「ごちそうさまでしたーっ!」

は〜、トマト美味しかった〜!
でも、牛乳不味かった。
なんと言うか、口の中がグニョグニョするというか…。

「梨沙子先生、図書室行くの手伝ってください。」

穂乃香ちゃんが梨沙子先生に言い、昼休みは図書室に行くそうだ。
ひとりで図書室、行けないもんね。
大変。
わたしも、ひとりで出来なくなっちゃったかな。

「美結ちゃんも、一緒に来る?図書室。わたし、本大好きだけど」

「いいの?穂乃香ちゃん」

身を乗り出して言うと、梨沙子先生がクスッっと笑った。

「美結さん、来たばかりなのに馴染んでますね。その調子で、どんどん馴染んでいってください」

はーい!
すごく優しい子ばかりだから、馴染みやすいでーすっ!
そうだ!
珠子ちゃんも誘っちゃお〜。

「ねえ、珠子ちゃん。一緒に図書室行かない?」

珠子ちゃんは、「うん」とうなずき、給食の席の体形から、元の体形に戻してくれた。

「ありがとう、珠子ちゃん。」

珠子ちゃんが教室から出ていくと、琴羽ちゃんを図書室に誘った。
みんなが仲良くなろう作戦だ!
紙に書いて渡すと、琴羽ちゃんは、「もちろん。」と言い、笑った。
この笑顔、珠子ちゃんの前で見せてくれるかな〜?
ここは、わたしが頑張るんだっ!


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