色褪せる前に.   

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1:   聖織。   ◆.wmpFy.Zyhxio:2017/06/27(火) 21:17


ずっと前から解っていた、この気持ち。

でも私は、“ソレ”から逃げていた。

恐い。無理。出来ない。

そう思っているうちに、だんだん想いは消え失せる。

それが嫌なら。

だったら、勇気を振り絞って。

消え失せる前に。想いが色褪せてしまう前に____。

____想いよ、伝われ!


                     >>2

2:   聖織。   ◆.wmpFy.Zyhxio:2017/06/27(火) 21:21


聖織と言います。小説書いてみたいと思います。


✔荒らし、なりすましは厳禁です
✔アドバイス、感想等は遠慮無くどうぞ.辛口でも大丈夫です
✔更新は不定期です
✔登場人物の紹介はありません.また、「///」や✩、♪等の使用はしません.苦手な方はバック推奨です

よろしくお願いします、

3:   聖織。   ◆.wmpFy.Zyhxio:2017/06/27(火) 22:04


ミーンミンミンミーン………。

校庭の周りにずらーっと植えられた樹木から、耳を劈くほど威勢の良い蝉の大合唱が聞こえてくる。
暑い。
最高気温32度予想の今日。
ただでさえ暑いのに、この蝉たちのせいで私の体感温度は猛暑日である。

たった3日前ほど、気象庁から日本列島梅雨明けが発表された。
それを待ちわびていたかのように、次の日からミンミン蝉が鳴くようになったのだ。
あれほど雨が降って、心地よい風が吹くことだってあったのに、つい3日前までのことはなんだったのだろうか。

暑い。

私の脳内には、そのふた文字がぐるぐると廻っていた。

こんなに暑く、蝉は大合唱をし、しかも席が窓側というトリプル攻撃で、私は授業に全く身が入らない。
それはきっと、みんなもそう。
だったらクーラーでもつければ良いという話なのだが、ここはど田舎。
クーラーごときに金が使えるか!
で却下されてしまうのだ。

幸いにも教室の後ろの壁に一台の小さな扇風機がついているのだが、密集したこの部屋を涼しくしてくれるほどの
威力はない。
虚しいほど弱い風が少し吹くだけのことである。

言うまでもなく、窓は全開だが、風など一筋も入ってこない。

そんな暑い教室の中、一人涼しい顔をする人がいる。

私たちのクラスの家庭科担当教師、『ヒヤムギ先生』だ。
本名は、葛西( かさい )綾( あや )という。
どんなに暑い日でも颯爽と校内を歩き、年がら年中冷たい麦茶を愛飲していることからヒヤムギ先生と呼ばれて
いる。

そうそう、私の名前は芹澤( せりざわ )ひよりという。
ここ、常盤中学校に通う14歳、中学2年生だ。

隣の奴が、私の肩をポンポンと突いた。
   

4:   聖織。   ◆.wmpFy.Zyhxio hoge:2017/06/28(水) 19:39


「見ろよこれ、」

隣の席の榎下( えのもと )朝陽( あさひ )が、笑いを堪えながら家庭科の教科書を指差した。
そこには一つの挿絵があった。

「ひっ…ふっ…何これ…ふふふっ…!」

私は堪らず爆笑しそうになる。
それをぐっと堪えたが、腹筋崩壊レベルだった。

榎下もクスクス笑いだす。

「だろ?に、似すぎだよなこれ…!ふっ!」

だってそこには____、うちの学校の教頭先生みたいに厳つい人が描かれていたから。
教頭先生は昔からジム通いをしていて、筋肉の量が半端ではないのだ。
生徒からは、筋肉マン先生と密かに呼ばれている。

あんまり面白かったものだから、顔がにやけていたらしい。
ヒヤムギ先生に注意された。

「そこ、芹澤さんと榎下君。何笑ってるの、しっかり授業に集中しなさい。」

ヒヤムギ先生の圧倒的な涼しさに、私たちは一瞬で虜にされた。
先ほどまでの笑いなど吹き飛ばされ、背筋はシュッと伸びる。

それ以降、その挿絵を見てもなんとも思わなくなった。
ヒヤムギ先生は何か超能力でも持っているのだろうか。


休み時間、親友の柳瀬( やなせ )玲衣( れい )に聞かれた。

「ひよちゃん、榎下と何笑ってたの?」

ひよちゃんというのは、私のあだ名である。

「え?だって教科書の挿絵の人が筋肉マン先生そっくりだったから。ほんとに似てたよ。思わず
笑っちゃった。」

と言いつつも私は、特に笑っていなかった。ヒヤムギ先生の超能力のおかげだ。

「へぇ、それでかぁ。」

れいちゃんは納得したように頷いた。

5:  聖織。  ◆.wmpFy.Zyhxio:2017/06/30(金) 19:28


だいぶ紹介が遅れたが、うちの担任は沢入( さわいり )隆弥( たかや )という。
しかし、生徒たちからは「鼻ビック先生」と呼ばれている。
その理由は、簡単にというかそのまま言うと、鼻が人並みにデカい、ということだ。

鼻ビック先生は社会科の日本史担当だ。
歳の頃は45歳ぐらいと思えるが、本当のことはわからない。
まぁ、中年のおじさんということだ。

「ね、次鼻ビックの授業じゃない?」

れいちゃんが伸びをしながら言った。
確かにそうだ。ヒヤムギ先生の家庭科次は鼻ビックの日本史だった。

「そうじゃん。鼻ビック嫌いじゃないけど、話し方がイマイチだな〜。やたらと『え____』っていうのが多い
じゃん。」

私もれいちゃんと一緒に伸びをしながら呟いた。

「それわかるわー。『え____』って耳障りだよな。」

後ろから声がした。榎下だ。
榎下はよく私たちのお喋りに口を挟む。
言うまでもない。れいちゃんのことが好きなのだ。きっと。

「榎下もそう思う?やっぱ鼻ビック苦手だな。」

れいちゃんも同意する。
やっぱり鼻ビックはちょっと変わっている。
例えば、変に気分が変わりやすいのだ。

すごく機嫌が良かったり、そう思ったらいきなり機嫌が悪くなって雷を落としたりと、簡単にいえば気まぐれ
なのだ。それだから、妙に機嫌が良いとヒヤヒヤする。
大抵、機嫌が良かったあとに何故かキレるのだ。

「おーい。授業始めるぞー!」

鼻ビックが教卓で呼びかけた。

6:  聖織。  ◆ESlA:2017/07/01(土) 12:17


そんな平凡でいつもと変わらない今日も、部活の時間になった。

「ひーよーちゃん!部活行こ!」

れいちゃんが私を呼ぶ。

「うんっ!」

私は答えながられいちゃんに駆け寄った。
榎下も近づいてきた。

「俺も行こー。」

全く、どれだけれいちゃんのことが好きなんだろうか。

私たち____私と榎下とれいちゃん____は、陸上部。
れいちゃんは中学になって初めて同じクラスになって、仲良くなった。

榎下とは小学校6年間ずっと同じクラスで、割と仲の良い男子だ。
委員会やクラブも結構同じになっていた。

れいちゃんは、私たちとは違う小学校だ。
でも、すぐに打ち解けた。

前々から、陸上大会とかで顔を合わせたこともあった。

更衣室で体操服に着替え、運動場に出る。
相変わらず真夏の日差しが照りつけ、蝉もミンミン鳴いている。

9月の大会で、先輩の3年生は引退となる。
私はその大会で、女子200メートルをやる予定だ。
榎下は80メートルハードル、れいちゃんは女子100メートルだ。

「今日はまず100メートル一本走るぞー!」

顧問の古谷( ふるたに )絢斗( けんと )先生は、鼻ビックと違ってイケメンで若い先生だ。
元気が良くて、生徒からも人気である。

いよいよ私の番が来た。

「位置について、よーいスタート!」

絢斗先生の声で勢いよく地面を蹴った____はずだった。
私の足は運動場のロープに引っかかり、そのまま転んだ。

「っ!」

痛みを堪えながら、なんとか走りきった。

「大丈夫か、ひより。」

既に走り終えて、汗だらけの榎下が私を見つめる。
その目は真剣で、私は恥ずかしくなった。
榎下の目の中に、私が写っている。

「うん。多分大丈夫。」

そう言いながらも痛みは強かった。
擦り傷とか、目立った外傷はない。けれど、じんじんと痛みが押し寄せてくる。

「ひより、お前保健室行ってこい。」

絢斗先生が私を見た。

「はい。」

重たい足を引きずって、私は保健室へ向かった。
そのあと、どうやらよくないらしくて病院に連れていかれた。

結果は捻挫。全治1ヶ月。重度の捻挫だという。
これでは大会に出れるか曖昧だ。どうしよう。

翌日から私は、車で送迎されることになった。

「ひより、どうだった?」

開口一番、榎下が言った。

「捻挫だって。全治1ヶ月。」

「え⁉ひよちゃん大丈夫⁉」

榎下よりもれいちゃんが早く反応する。

「うん、大会出れるかわかんないけど、頑張って治す!」

れいちゃんは頷いた。

「頑張って!」

そう言って自分の席に戻っていった。

「無理すんなよ。」

榎下が寂しげに呟いた。

7:  聖織。  ◆ESlA:2017/07/01(土) 18:57


その日から、私は体育、部活禁止になった。
当たり前のことだけど、悔しかった。走りたい。

それどころか、移動教室だって大変なのだ。
歩くのが一苦労のため、れいちゃんにいつも迷惑をかけてしまう。
れいちゃんは優しいから、のろい私と一緒に移動してくれる。ありがたい。

その度に榎下から声をかけられる。

「歩くの頑張れよー。」

まるで私が歩くのにもやっとな運動音痴の人のような言い方だ。
私は陸上部で、しかも体育の成績は最高なのに。

なんだか榎下がうざったく思えてきた。

車で送迎されるため、そこは楽だった。
れいちゃんとは方向が真逆で、いつも一緒に帰っていなかった。
その点では迷惑をかけない。
私の場合は、一人か、時々榎下がいる。
なんだか知らないけど、横で一緒になって自転車をおしているのだ。

「じゃあれいちゃん、また明日ね。」

車に乗り込みながら、私は手を振った。
視界の中には榎下もいて、なんだか変な感じだった。

「うん。ひよちゃんバイバイ。」

れいちゃんも手を振ってくれた。
そのすぐそばで、榎下もよっ、と手を振った。

田舎道を通って、家に着いた。
既に帰っていた小学生の妹、菜奈( なな )に、

「おかえり、お姉ちゃん。」

と言われた。
時々はうざい妹でも、血の繋がっている妹だ。
そう言われると嬉しい。

8:匿名:2017/07/01(土) 19:13

一通り読ませていだたきました。

まず第一に感じたのは“若い”ということです。
主人公の視点、文から現役学生の等身大の姿が伝わります。

つぎに思ったのは、続きを読ませる力が弱いということ。

次の展開を予測できる用に作られているのはわざとだとわかるのですが、次の話を読もうと思わせる力が足りません。
話の切り方も、続きが楽しみになるように工夫してはいかがでしょうか。
長く書くと疲れてしまうのもわかりますが、例えば>>7の終わりもおかえりと声をかけてきたのは誰なのか…。と言うような疑問を残すなど工夫ができると思います。

上から目線で申し訳ございません。気に入らなければどう言っていただいても構いませんので。
最後に、この小説が完結することを願っています。
微妙な長文、駄文失礼いたしました。


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