少し微笑んで君が言う
「それはね、ここにあるよ」
初めての小説なので下手くそですががんばります。
心做しの自己解釈です。
キャラ
人型ロボット
天才のハカセが作った旧時代の人型ロボット。核戦争で大暴れしたため地下に監禁(?)されている。
エミ
ロボットの警護係の女。優しい性格でロボットに温もりを教えた。
ハルト
元々ロボットにあった心を無くした男。核戦争で大暴れしたのもハルトのせい。エミに好意がある。
〖episode零〗災厄。
今から百年以上前、すごい混乱が世界中を襲ったんだって。お金が溢れたり、人が巨大化したり、洪水が起きたり、天使がやってきたり。世界の終わりみたいになったらしいよ。
私は小さい頃、そんな話をしている少年と少女の記憶が甦る。災厄_と呼ばれた事件で起きた核戦争。
それで大暴れした人型ロボット_名前がない彼の警護係を担当した私の物語_
〖episode 1〗頼み。
私はとある研究所で働いていた。研究のジャンルは様々だ。
ある日_
〈・・・エミは会長室に来なさい〉
そんな放送が聞こえてきた。私は急いで会長室に行った。なんかヤバイことしたっけ・・・?
「なんですか?会長。」
会長_ハルト会長はイスから降りゆっくりと喋る。
「エミ。お前の心理研究は好評だったな?」
心理研究は先月完成したもの。かなりの好評だったらしい。
「ああ、好評だったらしいですね。」
「それでエミに頼みがある。その心理能力を使い、アレに温もりを教えてほしい。」
アレ_監禁されている人型ロボットだ。暴れないように警護係がついているのだ。
「あの人型ロボットですか_」
「躾をしても無感情でな、頼む。」
でも、と口を開く。
「私は今新しい研究の準備を・・・」
「またやられたいのか?」
ビクッとする。
「やります。警護係_」
この強引な頼みで彼に出会った。
〖episode 2〗名前。
監禁されている所は、綺麗で壁が真っ白だった。そして彼は、私に気づくとペコリとお辞儀をした。
「ぼくノことハお前ト呼んでください」
よく通る_綺麗な声。
「私は_あなたに温もりを与えるために来たの。だから、名前をあげるわ」
会長から貰った資料には「名前をつけてあげる」と書いてあった。
「ナ、マエ_?」
カクンと首を傾ける。私は少し考えてから
「あなたへの、プレゼント。どんなのにしようかな・・・」
彼にないものは何だろう_あ!
「ぼくハどんな名前デモいいです。プレゼントなんて久しぶりダ_」
久しぶりダ、の言葉に引っ掛かる。具体的に言えないが、違和感って感じ。
「あなたの名前はヒロト。漢字で書くと、大きいに翔ぶ。あ、とぶってこの漢字ね!」
私は大翔と書く。彼は_大翔はじっと字を見る。気に入らないのかな。
「ぼくハ大翔ですね。とてもいい名前です。あなたノ名前ハなんですか?」
私は自分の名前を名乗ってなかったことに気づいた。
「私はエミ。漢字で書くと、笑うに美しい。こうかくの。笑美。」
「これから、よろしくおねがいしま」
「待った!」
挨拶をしようとするヒロトを遮って私は言う。
「敬語じゃなくていいよ。いい?ヒロト。」
彼が笑ったような気がした。ヒロトに心はないのに。
「わかった。エミ。」