不透明な怪物

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1:あいまい:2018/07/16(月) 18:41

注 初投稿



私が生まれたのははいつだったろうか。10年前?15年前?一年前?それとも昨日? わからない、わからない。なぜならわたしは
昨日までの記憶がないから。


私は御影高校3年生の相田愛美、らしい。
プロフィールには興味がない。重要なのはなぜ記憶がないのか。ただ、それだけ。
私は全てを忘れているわけではない。ところどころの記憶が欠落しているだけ。わたしが私についつ憶えているのは、私が女で、メガネをかけていて、肩より下までの髪の毛が生えていて、御影高校の図書部の副部長で、そして寝て覚めたら記憶がなくなるという特殊な力を持っているということ、ただ、それだけ。

いや、まだ1つだけ、ある。それは...

わたしが ヒトでは 無い と いうこと

7:あいまい:2018/07/16(月) 20:22

>>6うひゃあ!!ままままさか、コメントが来ると予測してなかったのでてんぱってますスミマセンT^T
ありがとうございます!初コメとってもとっても嬉しいです!

8:あいまい:2018/07/16(月) 20:51

図書準備室前
どうやらここの図書部の部長はわたしのこの症状について知っているのだそうだ。メモに赤ペンで記されていた。

(部室はここ...かぁ?御影高校の中でもトップクラスに汚いぞ...)
一瞬躊躇ったが、入ってみることにした
「失礼しまーす」
入ってみると中は割と綺麗だ。そこそこ広い教室に声が響く。
(声が帰ってこない。誰もいないのか?)
もう一度、声をかけようと思った時、
「愛美ちゃん!!!」
三つ編み、眼鏡、と典型的な真面目ちゃんが思いっきり私に飛びついてきた。
「愛美ちゃん、愛美ちゃん、どう?記憶、また、なくなってる?今日で、一ヶ月だよね??記憶ある!?」
見かけに合わない大きな声でわたしに問いかける。 驚いて一歩たじろいてしまった。その時、とっさにわたしは名札を確認する。
(赤坂歩美、図書部、部長...あ!)
「あんたが、わたしの症状をしってるっていう、部長!?」
こんなに多いな声を出すつもりはなかったのだが、赤坂歩美につられて大きな声を出してしまう。
すると急に赤坂歩美は私から飛びのきさっきの声はなんだったのかと思うほど小さくか細い声で話しかける。
「えっ、あ、えと、愛美ちゃんは、やっぱり、また、忘れてるのね...?
いきなり飛びついちゃって、ごめんね、あ、は、入っていいよ...!」

「...お、おう」

図書準備室

気まずい。気まずい。
こんな空気を変えるべく、わたしから話を切り出す。
「あー、っと、このメモを頼りに、ここにきたんだけど、多分このメモ、記憶がなくなる前のわたしが記してくれたんだと思う。で、このメモにさ、
図書部の部長を頼りにしろって書かれているのだけど...」
そう言ってまだ新しいメモを部長に差し出す。
「...そうだね。えーっと、どこから説明しようかな、じゃあ、この症状について私が愛美ちゃんから【教えてもらった】全部を、教えてあげる」

9:あいまい:2018/07/18(水) 23:19

登場人物の追加

赤坂歩美
図書部 部長
容姿 三つ編みで眼鏡をかけた学級委員のような容姿
部長に強制的に決められた。相田愛美の友人?この症状についてのことを前回か前々回か、わからないが、記憶が消える症状が始まった頃に相田愛美から聞かされた様子。(もちろんこの相田愛美のことを現在の語り手 相田愛美は全く覚えていない)

登場人物には主に1人(相田愛美本体)と0.5人(語り手の相田愛美)と1人(赤坂歩美) だが、図書部には多くの幽霊部員がいる。

10:あいまい:2018/07/19(木) 23:45

ほんへ


赤坂歩美の話からすると、どうやらこの症状は高校に入る前の年の8月に発症したらしい。わたしは【相田愛美の日記】から行事や季節の区切り、節目から発症したと踏んでいたものだからてっきり高校入学に原因があると勘違いしていた。しかし、高校入学はあくまで【赤坂歩美との出会い】というイベントがあったということだけで、発症には直接関係のないものなのかもしれない。
ここでわたしは疑問に思ったことを赤坂歩美に話す。
「高校入学の前の年の8月から発症した、と君は言っていたが、なぜ君はそのことを知っている?今と同じように、一ヶ月ごとに記憶が無くなるのなら、約一年後の高校入学時に出逢った赤坂歩美に相田愛美がそのことを話すことはできないんじゃないか?」
本当にただの興味本位。だが、台詞を発した瞬間、一瞬赤坂歩美の目が曇ったことをわたしは見逃さなかった。
「んー、まぁ、当然の疑問、だよね。
けど、その質問に対する答えは、あなたを傷つかせてしまうかもしれないんだよね。いや、絶望?失望?わかんないけど...。」

なんだかはぐらかされたような気分になって気持ちがよくない。
「...いいよ、別に。わたしの体と言ってもものは相田愛美の体だ。わたしはわたしや相田愛美のためにこの問題を考えているわけではなくて、本当に、ただ興味本位で首突っ込んでさだけだからさ、相田愛美が傷つくようなこと言われても、わたしは傷つかないよ。たとえ今絶望したとしても一ヶ月後には忘れて【別の人格になってる】んだから、さ。まあ、それが嫌でこうしてわざわざ学校に来てまで、あんたから話聞いたんだけどね...あー、話長くなった。いいよ、続けて」
(そういや今あんたって呼んじゃったな)

そこまで気怠げに話したところで話をやめた。この間を赤坂歩美はどうやら真面目に聞いてくれていたらしい。本当にいい子なんだと思う。
「うん、そっか... えっとね、なんで私が知っているのか、っていうと、昔の愛美ちゃんの特殊な記憶喪失は、今よりずっと頻度が低くて、何より記憶喪失の程度が低かったの。」

「頻度が低いっていうのはなんとなくわかったが、記憶喪失の程度が低いってどういう意味だ?」
わたしはまた、他人事のように、興味本位で赤坂歩美に問いかけた。
赤坂歩美は、一度息を吸い込んで、ずっと斜め下を見つめていた眼を相田愛美の目に向けて、言い放った。
「今までは、記憶が消えるにしても、一部分の性格が歪んだり、約束事を忘れたりする程度だったんだけど、今回は、違う。私はあなたみたいな相田愛美を見たことがない!!」

「...なんだよ、それって!」

「今までの愛美ちゃんは記憶がなくなろうと、性格が歪もうと、相田愛美だった!!
けど違うの、あなたは!

相田愛美でもなんでもない、見えないのよ、あなたの人格が、性格が!あなたは、愛美ちゃんじゃない、だれなの!?」

始業のチャイムが校舎内に響き渡る。空気が震えるような感覚に、わたしは...

11:あいまい:2018/07/20(金) 00:20

2-1教室

あれから、赤坂歩美は言うだけ言ってそそくさと自分の教室に走って行ってしまった。
(みえないって、なんだよ。人格なんて、見るもんじゃないだろうが)
つい1時間前の出来事を何度もなぞりながら心の中でぶつくさと文句を言う。
恐らく赤坂歩美は相田愛美ではなくわたしに訴えかけて来たのだろう。それで、【わたし】がみえないと、違和感を告白したのだろう。
(ただでさえ性格や人格が本体と全くの別物だと言うのに、分離していると言うのに。相田愛美という本体しか、見てくれないというのに。さらに、わたし本人も否定されたような気分だ。)
"透明だ"と言われたようなものだ。相田愛美という変わりのない本体があるというのに、本質までもが透明となると、もう、今の相田愛美は空っぽなようなものだ。
...前回までのわたしなら、違ったのだろうか。
(それにしても、透明か。あれか、透明人間って奴?いや、人間じゃないから、透明怪物? 本体が不透明で、実体があって、触れることができるというのに。肝心のわたしが透明な怪物となると、今まで相田愛美という人間の移り変わりとして動いていたわたしが馬鹿みたいだな。)
もう、わたしは相田愛美でも、人間でもなんでもない。実体のない、からっぽで、透明な怪物だ。気持ちがよくない。赤坂歩美の言葉はわたし自身の、ないはずの腹のなかでぐるぐると回っては突然牙を剥く。
わたしは赤坂歩美を恨んでいるわけではない。本当のことを記憶喪失初日に教えてくれたことが嬉しい。

12:心菜◆Bw:2018/07/20(金) 17:43

心菜です!
面白いです…
一つ言うとしたら、詰まってる感じがするかな…
もっと改行した方がいいかなーと思います!

頑張ってください!

13:心菜◆Bw:2018/07/20(金) 17:44

「面白いです」の後の「…」は気にせんでください!ミスです!

14:あいまい:2018/07/20(金) 21:54

心菜さん!!
読みに来てくれてありがとうございます!!
とてもうれしいです!アドバイス、参考になります!うれしいです(*≧∀≦*)
改行ですか...確かに読みにくいですねぇ...


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