一つ、小さな影が素早く森を駆け抜けた。
纏った布を揺らし、小さな相棒を連れ、いつもの場所へ向けて足を動かす。
木々の隙間を、大きな雑草を掻き分け、ぼんやりと見える光を目指し、その人影は走っていたはずだった。しっかりと、光から目を離さず。
____ ふと、視界が切り替わる感覚に瞳を揺らす少女は、自慢の黒髪に触れた。変わらない。いつも通りの黒髪と、目の前に入るのは
いつも通りの、教室の扉だ。
・感想とか書いてくれるとモチベ上がります