短編集(´・ω・`)

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1:invincible:2020/01/07(火) 18:16

短編集です。いろんなジャンルの小説を書くと思います。

7:invincible:2020/01/09(木) 23:50

完。

8:invincible:2020/01/19(日) 00:33

第3話「死と虐待」

私は、出てから1年も経たないうちに、また戻ってきてしまった。そして、もう二度と出てこれないだろう。私の肌はシワばかりでハリがなく、髪は真っ白だ。最初に入った時から随分と老けた。受ける刑罰も、罪状も最初の時と変わらない。だが、前と違って、刑罰を全うするほどの体力はもう残っていない。

私の人生の序盤は順風満帆だった。両親の期待を受けていたし、友人もそれなりにいた。だが、私の人生の中盤、終盤は殆どが刑務所の中での生活だった。たとえ出たとしても、出迎えてくれる人はいない。だが、都会に行って、生活するほどの活力も能力もない。私も人生がここまで狂い、どうしようもなくなったのは、1943年のあの瞬間からだった。

そんなことを考えているうちに、居室についた。刑務官は表情ひとつ変えず、私をその中へ乱暴に詰め込んだ。二段ベッドが並べられただけの部屋はひどく簡素だ。これなら、軍隊の方が全然マシだとつくづく思う。

居室に入って少し経つと、若い受刑者が隣に座って来た。彼は前に私が万引きで捕まった時からここにいた。その受刑者は私に話しかけてくる。

「よう、じいさん、また何かやったんですか」

「ああ、窃盗……」

「またか!」

若い受刑者は私の話を遮って、叫声をあげた。彼は悪い人間ではないのだが、ちょっとそそっかしい。

「違う。窃盗犯をぶっ殺した」

彼は声を出さず、じっと私を見た。彼の目は少し泳いでいる。

「なぜ?」

と声をひそめて問いかけてきた。

「駆けつけた住民にリンチされていたから、殺した。田舎は怖い」

彼は息を呑んだ。どうも、納得行っていないようだった。理由はわかる。ここワシントン州は田舎だが、その中でも格差がある。彼の住んでいた所は、比較的進んでいたからリンチなんて滅多になかったのだろう。だから、分かりにくいのかもしれない。しかし、田舎の中の田舎である私の故郷は民度がひどく低い。

「これで2回目だ。意識して人をころすのは」

と私が付け加えると、彼は、

「1回目はどこで?」

と聞いて来た。私は、咳払いをして、

「ああ……あれで、私の人生は変わった。本当は、墓まで持って行こうと思っていたのだが、君にだけ話そうかな。いいかね?」

彼はゆっくりと頷いた。私の目をじっと見ながら。

9: すみれ ◆YQ:2020/01/25(土) 19:46

>>6
やっぱり人間お金がスキだ〜〜って心理が表されていて、その、スキッス(´・ω・`)(語彙力)

10:invincible:2020/01/25(土) 20:09

>>9
ありがとうございます


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