打ち恋

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧キーワード▼下へ
1:サクラー ここで書いていいのかな?:2020/01/19(日) 23:09

出会いは中学1年生だった。

同じクラスではあったけど、まだみんな緊張してて周囲を見渡す余裕はなかったし、男子の観察するなんて全然…。
早く友達作らなきゃ!とか浮かないようにしなきゃ!とか、1日過ごすのが精一杯。
でも隣のクラスの幼馴染み、和葉なんて早速「3組の青山君見た?イケメンなんだけど〜」とか余裕で羨ましいくらい…。

ーーー

今日は部活見学の日。
放課後に部活を見学して回るんだけど、まだそこまで親しい子がいない私は和葉と一緒に回ろうと約束を取り付けていた。
「冬香は部活なんにするの?大体決めた?」
と和葉。
「和葉は?」
「私はバトミントンもしてみたいし〜、テニスの山本先輩がカッコいいからテニスもいいし、吹奏楽も楽器弾けたら女子力もupじゃない?悩むぅ〜」
はいはい…まだ未定な感じね。
「私は吹奏楽かなぁ〜。運動はイマイチだし、昔ピアノや習ってたから。文化系は少ないから消去法でね」
なんて。ナサケナイ…。
「いいじゃん。冬香に似合ってる。ピアノ弾いてる冬香、羨ましかったよ。」
「そ、そう?ありがとう」
和葉がそんなこと思ってくれてるなんて、ちょっとウレシい。
「じゃー私も吹奏楽にしよっかな。冬香と一緒ならなんか安心だし。」
「私も嬉しいけど…いいの?じゃあ順番に見て行こー!吹奏楽はミニコンサートだって。行ってみようよ。」
「よし、行こー!でも山本先輩はお顔を拝みに行くよ!」
「りょーかい!」
私と和葉ははしゃぎながら音楽室に向かった。

ーーー

音楽室ではもうミニコンサートが始まるところで、見学にきた新1年生が集まっていた。吹奏楽の先輩がプログラムを振りながら、勧誘の声をあげていた。
プログラムを和葉ともらう。
「ほら、冬香!あそこ空いてる。あそこ座ろ!」
和葉に引っ張られながら、空いてる席に座った。やっぱり吹奏楽は女子が多めだよね。

「新入生のみなさーん、こんにちはー!吹奏楽のミニコンサートに来てくれてありがとう!ついでに入部してくれると、とーっても嬉しいです!では楽しんで行きましょう!」
演奏が始まる。ノリのいいアイドルの曲だ。ちょっと制服を着崩して、演奏していない先輩達が踊る。
「なんか仲良さそうで楽しそうだね!もっとクラッシックばっかかと思ってた!」
「そうだね!私も思っていたよりも雰囲気良くて、いい感じだね。」
他の生徒達も同じように思っているみたいで、みんなキラキラした顔で演奏を見ている。
「よーし!盛り上がってきたところで!一緒に演奏してもらおうかな!といっても簡単なやつだからか大丈夫!新入生はマラカスとかタンバリンとかで簡単なセッションして、雰囲気感じてもらえたらと思いまーす!」
あわわわわわ…。ちょっと人前は苦手だから見ているほうに回りたい。
「私やりたーいです!」
和葉が積極的に手を挙げる。マジ尊敬。
「いいねー!じゃああなたと、君と君と…」
司会の先輩がピックアップしていく。
男子も何人かいるようだ。
和葉はマラカス渡されて担当の先輩にレクチャーを受けている。きゃはは、と楽しそうに選ばれたメンバーで合わせるように各々の楽器を振っている。
「じゃあ次の曲ー!始まりまーす!」
先輩達にフォローを受けながら馴染んでいる和葉が本当に楽しそうで、吹奏楽部にしようと私も決めたのだった。
もちろん山本先輩は見に行ったけどね。

ーーー
部活の決定と同時に忙しい日々が始まった。
中学生が忙しいって本当なんだなーとか実感。教科ごとに連携とってないのかってくらい各課題はあるし、部活はあるし、友達とおしゃべりしなきゃならないし、塾も行かなきゃならないし…。
今日も元気に部活だー!

「おーい、北見。」
後ろから声をかけられる。北見は私ね、北見冬香。今更だけど。
「一緒に行こうぜ」
同じクラスの森崎だ。
続く


新着レス 全部 <<前 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新