面白味も無く、心の踊らない朝がやってくる。
ーあぁ、平凡で単調な”今日”を”今日”も過ごしていくんだ。
「…何で…ッ!
セッちゃんが、教えてくれたんだよ …ッ?」
大事なものを、忘れていた。
また、助けてもらっちゃったね…。
___本当にごめんね、ありがとう。
「おはよー、セツナ!」
「セツナ、おはよう!」
友達に、声をかけられる。
振り向いて、挨拶をする。
マニュアル通りで、簡単で、単純な朝の始まりを告げる「挨拶」。
他愛もない話をして、相づちをうって、学校へ着いて…。
何回同じ事を繰り返してきただろう。
この上靴に履き替えるのも…、何回目なのかな。
「セツナー?どうしたの、行こう?」
「セツナ元気ないのー?」
心配しながら声をかけてくれる友達。
「何でもないよ」と笑って、3人肩を並べて歩いていく。
…、心の底から心配してるわけでもないくせに。
あぁ、1日が早く終わらないかな。
「おはようございます。」
朝の会の進む6-3の教室。
うるさく喋り続ける男子に、悪口を言い続ける女子グループ。
大人は汚い。
だけれど…、子供だって大概汚いんだ。
喋り続けても、悪口をいい続けても、メリットなんてどこにあるのだろう。
全く理解が出来ない。
〜♪
「セツナ!移動教室行こう!
あれ、セツナ?次理科だよー」
友達にそう言われ、ハッと我に返る。
…あれ、私ぼーっとしてたな。
チャイムの音は、微かに聞こえたけれど。
「あ、うん!ちょっとまって、準備す るから!」
急いで移動教室の準備をする。
ペンポーチに…、教科書、ノート。
…あ、下敷き忘れてる。
どうしよう、下敷きあった方が書きやすいのにな。
でも…、借りたって、みんな迷惑するだけだし、今日だけ我慢していよう。
「セツナ、行こっか!」
「うん、そうだね!」
友達のもとへ駆け寄り、にっこり笑う。
友達と話しながら、手元の文房具たちを見つめる。
___おかしいな、最近忘れ物が多い気がするよ。
「そのために、赤色から青色に変わる というわけです。
前の時間に学習しましたが、リトマ ス紙は酸性であると、このようにな るので…。」
『何で勉強なんて、しなくちゃいけないんだろう。』
子供たちは皆考える事だと思う。
だって、大人になってリトマス紙を使う人なんているの?
酸性なんて、アルカリ性なんて、中性なんて…、使う日がくるわけないのに。
それでも大人は、何故だか一生懸命に勉強を教えてこようとするし、勉強をしないと凄く怒る。
大きくなって、誰もが皆”それ”を使う仕事につくわけない。
先生達も、身を持って体験してるはずなのになぁ。
「これで、1時間目の理科を終わります。」
日直の声が聞こえ、私も小さく
「終わります」と呟く。
適当に勉強して過ごせば、1時間なんてあっという間。
そんなことを何回か繰り返しながら、すぐに給食の時間がやってくる。
今日は…、私の嫌いな献立。
もちろん、少し食べて残すつもり。
だって、美味しく感じないんだもん…。
早く続きが読みたいです!
応援してます!!
ついでに、ガルプロもばんばん更新するので
見に来てくださいね!((露骨な宣伝乙
>>6
ありがとうございますっ!
是非是非、ガルプロ見させてもらいますね!
ぼふっ、と布団にダイブする私は、今日も1日に疲れていた。
時刻は午後4時。学校は終わり、さっさと帰宅してきて今に至る。
今が6月というのもあり、まだまだ空は明るい。時折、外から子供たちの笑い声が聞こえることから、みんな遊んでるんだなって想像する。
私だって、遊びには誘われた。
公園で鬼ごっこ。缶蹴りもして、皆で夢中になってはしゃいで遊ぶ。
それが楽しいと思えていたのは、いつまでの話だったか。
ちっとも楽しいと思えない今は、遊びなんて全部断っている。
「あー、気分悪いや。」
布団を腰でごろんとした反動で床に足をつけ、立つ。
背伸びをした私は、部屋の隅のパイプハンガーに掛かるスカイブルー色の可愛い上着を手にとってばさりと羽織る。
お気に入りの上着。お母さんが前に買ってくれたから、大切に着ている。
「行ってきます。」
誰の返事もない家から出て、鍵をがちゃりと閉める。
もう一度ドアの取ってを持って確かめるこれは、なにかと心配性なお母さんの癖だった。
今日も、お母さんとお父さんは夜遅くまでお仕事。寂しいかどうかと聞かれたら、そんなのもう分からない。
友達だって、作りたいのか、いらないのかわからない。
めんどくさい存在だとは思う。話も合わないし、合わせないといけない。
ちょっとの事で、すぐ悪口へと発展してゆく。
私は無表情のまま上着のポッケに両手をつっこみ、友達が通ってないだろう
道をズカズカ進んでいった。
何もあては無いけれど、ただ真っ直ぐに道を見据えて歩いていく。
信号の所、横断歩道を歩く時は、車が私の為に止まっているようで何だか嬉しい。
少しずつ橙に染まる空を流れる雲を見上げながら、一歩一歩、地面にゆっくり足を着けては離して、着けては離して。
大地を踏みしめるかの如く、歩いてゆく。
まるで、自分が生きている事を噛み締めるように、確かめるように。
私自身、別に生きる事をどうとも思いはしてないけれど。
用水路に、水がちょろちょろと流れている。誰かが落としてしまったであろう、ボロボロのサッカーボールも奥の奥に見えた。
きっと、頑張って取ろうとしても届かなかったんだろうな、可哀想に。
そんな、用水路の横ですらも通り過ぎようとしたその時。
なんか・・・私と格が違いすぎて恥ずかしいです
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