余命宣告された日から___。

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9:岼梯 碧々衣◆HQ:2017/01/29(日) 10:11

彩乃side


「コンコン。」


私は手でドアをノックする。


地味に手が痛む。


私__飯田彩乃は、今お見舞いに来ている。


誰のお見舞いだって?


勿論佳乃のお見舞い。


私の親友だからね。


と、いうよりドアをノックしたのはいいが返事も何もない。


もう一度ノックしてみようか。


そう思ったのと同時に廊下を走る音がする。


「彩乃〜!」


!?


「佳乃!心配してたんだよ〜」


私は佳乃の笑顔にホッとする。


「まぁ彩乃入りなよ〜」


「ありがと。」


お礼を言って病室に入らせてもらう。


中々広くて、窓からは雲一つない青空が見える。


「……お母さんは?」


佳乃一人で走ってきたものだから……


「あぁ。今日は帰ってもらった。」


「でも何かと不便じゃない?」


「ううん。大丈夫。」


佳乃が普段とは違う笑顔を見せたから、少しドキッとした。


「ねぇ佳乃。入院するの?」


私はずっと思っていたことを単刀直入に聞いた。


「うん。実は………ね。」


そうなん……だ。


学校には来れないんだよね。


寂しくなるなぁ…………。


「彩乃。大事な話がある……の。」


うつ向いていた私を察してなのか、


ただ単に本当に大事な話なのか………


それは分からないけど、佳乃の顔を見れば深刻な話なんだな…とは分かる。


「何?何でも聞くよ。」


佳乃が話しやすいように私も話し掛ける。


「私さ……もうずっと学校には行けないんだ。」


「えっ……ずっと入院するの?」


私は佳乃の思いがけない言葉に思わず
声が震える。


「まぁ…そういうことになるの。」


「やっぱり何かの病気…だよね?」


「うん。その病気が私の命の炎を小さくしたの。」


「命の炎…………。」


私は驚きを隠せなかった。


佳乃が重い病気だったこと。


命の炎が小さくなるって………


生きられる時間が短くなるってことだよね………


「佳乃……」


私の目からは涙が溢れ出した。


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