余命宣告された日から___。

葉っぱ天国 > 短編小説 > スレ一覧キーワード▼下へ
1:Mikuri◆HQ 時々『慧義◆HQ』:2017/01/22(日) 12:48


>>0002  登場人物紹介
>>0003  スレ主よりお願い
>>0004  スレ主より挨拶
>>0005  プロローグ

9:岼梯 碧々衣◆HQ:2017/01/29(日) 10:11

彩乃side


「コンコン。」


私は手でドアをノックする。


地味に手が痛む。


私__飯田彩乃は、今お見舞いに来ている。


誰のお見舞いだって?


勿論佳乃のお見舞い。


私の親友だからね。


と、いうよりドアをノックしたのはいいが返事も何もない。


もう一度ノックしてみようか。


そう思ったのと同時に廊下を走る音がする。


「彩乃〜!」


!?


「佳乃!心配してたんだよ〜」


私は佳乃の笑顔にホッとする。


「まぁ彩乃入りなよ〜」


「ありがと。」


お礼を言って病室に入らせてもらう。


中々広くて、窓からは雲一つない青空が見える。


「……お母さんは?」


佳乃一人で走ってきたものだから……


「あぁ。今日は帰ってもらった。」


「でも何かと不便じゃない?」


「ううん。大丈夫。」


佳乃が普段とは違う笑顔を見せたから、少しドキッとした。


「ねぇ佳乃。入院するの?」


私はずっと思っていたことを単刀直入に聞いた。


「うん。実は………ね。」


そうなん……だ。


学校には来れないんだよね。


寂しくなるなぁ…………。


「彩乃。大事な話がある……の。」


うつ向いていた私を察してなのか、


ただ単に本当に大事な話なのか………


それは分からないけど、佳乃の顔を見れば深刻な話なんだな…とは分かる。


「何?何でも聞くよ。」


佳乃が話しやすいように私も話し掛ける。


「私さ……もうずっと学校には行けないんだ。」


「えっ……ずっと入院するの?」


私は佳乃の思いがけない言葉に思わず
声が震える。


「まぁ…そういうことになるの。」


「やっぱり何かの病気…だよね?」


「うん。その病気が私の命の炎を小さくしたの。」


「命の炎…………。」


私は驚きを隠せなかった。


佳乃が重い病気だったこと。


命の炎が小さくなるって………


生きられる時間が短くなるってことだよね………


「佳乃……」


私の目からは涙が溢れ出した。

10:岼梯 碧々衣◆HQ:2017/01/29(日) 12:38

佳乃side


私は、彩乃にすべてを話す決意をした。


私の親友だからこそ分かってほしいし、


ちゃんと知ってもらいたい。


だからすべてを話そう。


そう決意した。


そんな時、彩乃の姿が見えた。


どうやら私の病室の前に立っているようだ。


「彩乃〜!」


私は久し振りに会えたことに感動して
思わず大きな声を出してしまった。


「佳乃!」


彩乃も同じように返してくれる。


私は嬉しくて走って彩乃のところまで行った。


「まぁ彩乃。入りなよ。」


彩乃を病室に入れる。


窓からは青空が見えて綺麗だ。


ここの部屋は快適だ。


そんな時、


「お母さんは?」


そう彩乃が聞いてくる。


「お母さんは帰ってもらった。」


お母さんは必要ない。


もう中1なんだから自分のことは自分でしないと。


「不便じゃないの?」


彩乃は私を心配してくれているみたい。


「ううん。大丈夫。」


お母さんが居てた方が私も気を使うし、


何でもやってもらう形になってしまうし、


そっちの方が不便だ。


彩乃はこんなにも私のことを心配してくれてる。


彩乃には全部話そう。


私の脳には腫瘍があること、


その腫瘍は悪性でもう手術は不可能なこと、


そして、余命が半年なこと。


新着レス 全部 <<前 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新