莉愛の短編集

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8:絵菜◆8Q:2017/05/01(月) 19:35

3.和樹の発言
「広川さん。ノートそこにあるから、書き取っていってね。じゃあ、とりあえず始めるよ!」

わたしが声をかけ、児童会活動が一応始まった。(よね!)
ホワイトボードを前に持ってきて、一番上に、『第一回児童会会議』と書いた。

「提案!みんな、名前で呼ぶようにしようぜ。俺たちだけでも、仲良くやっていきたいだろ?」

大輔が提案した。
すぐ、広川さんが反応する。

「大輔くんがそういうなら、そうしてもいいけどぉ。」

大輔も、嬉しそうに笑った。
ホワイトボードのすみっこに、児童会メンバー名前呼びと書いた。

「はい。いいですか?そのことは、またやりましょう。イベントなどの企画を考えますよ!」

わたしが周りを見回すと、ドアノブがカチャカチャ動いているのに気付いた。

「どうかしましたか?」

そう言って、ドアを開ける。
すると、細身のかわいらしい女の子が立っていた。

「葉金井児童会長に話があって来ました。」

「はい。わたしが葉金井です。」

すると、女の子は普通に児童会室に入り、会議に参加しようとしている。
ダメダメダメッ!
ただでさえ今ヤバイのに。

「ちょっと、アンタ。後にしてよ。児童会じゃないでしょ!」

広川さんが、その女の子を追い払うように外に出た。
野々村さんはその光景を見てため息をついた。

「梨依って、いっつもそう。だから、わたし以外の友達ができないのよ。」

電卓を叩きながら言う野々村さんは、ピリピリしている顔ではなく、広川さんを心配している、乙女の顔だ。

「咲子ちゃんって、お姉さんみたいでかわいいね。」

和樹がそっぽを向いて言うけど、耳まで真っ赤。
もちろん、野々村さんも。
名前で呼んでくれて、かわいいって言われるんだもの。
嬉しいに決まってるよね。

「はぁ。もう疲れたわ。わたし、とりあえず帰るわね。」

そう言って、ため息を何度もつきながら児童会室を出ていく広川さんの姿があった。


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