どうも!
『解決事務所 パワフル☆ピース』(解フル☆)
『わじ小ラジオ部ON AIR!』(わじラジ部!)
『ガールズバンド フピガルッ!』(フピガルッ!)
シリーズ作者の、薫+*Mio+*です!(基本的には、薫)
掛け持ちは3作まで!と決めたので、飽きないように(小声)スレ建てました!
各物語のキャラクターの物語を書いていきます。
昔の物語だったり、本編に関係ある短編だったり、いろいろです。
感想などもぜひお願いします。
それでは………start‼
その1
『解フル☆』&『フピガルッ!』
『正直*嘘つき*好き*嫌い byミオウ』
《登場人物紹介》
真路美桜 シンジミオウ
小学4年生。有名な私立進学校に通う。
友達といるより、1人でいる方が気楽。
姉も優秀だが、本当にやりたいことを見つけたと言われて……。
真路美桐 シンジミキリ
中学3年生。ミオウと同じ学校(中高一貫校)に通う。
1人だが、友達といるのは好き。
優秀だが、本当にやりたいことを見つけて……。
『ミオウもミキリも、自分のやりたいと思えることを見付けるんだ』
亡くなったお父さんからの遺言。
私は、勉強をしたい。
とっくに、見付かってると思っていた。
でも、何かが欠けている。
脳内のパズルで、1かけら足りない。
そんなの、気にしてたけど気にしてなかったんだ…………
《正直*嘘つき*好き*嫌い byミオウ》
1.推薦
なんで児童会長戦に立候補する人を推薦で決めるの?
やりたい人が立候補すればいい話じゃん。
大体、立候補できる学年でも1番下じゃない。
児童会長?なれるわけないよ。
そう思うのは私だけではない。
児童会なんてやりたい人が好きにやって、自分達は勉強をしていたい。
みんなの瞳に、そう書いてある。
「だれか、推薦する人はいますか?」
誰が手を挙げますか。
絶対に、挙げない。
しかし、高畑さんは違った。
堂々と手を挙げて、指名される。
ま、関係ないんだけど。
「真路さんがいいと思います!」
……………
……………
……………は?
私?真路って、私だよね。
私なんかが?
「他にいませんか?」
先生が確認を取るが、誰も反論はしない。
だって、自分には関係ないことだから。
ふんっ。
「じゃあ、真路さんで決まりでいいですね。真路さん、いいですか?」
なんだよ。
でも、4年生は推薦されたから、と直ぐに立候補という形になるわけではない。
4年生の推薦された人同士で予選(?)がある。
だから、悪くはない。辞退もできるし。
それに………私がやればいいんでしょ。
そうすれば、面倒臭いことにならないもんね。
時間だってかからない。
自分が推薦されるかも、と怯えることもない。
……私がやれば。
……………私が、やれば。
>>3
小中一貫校です。すいません。
2.姉
その日私が家に帰ると、珍しく姉、美桐がいた。
いつもはソフトボール部として活動して、その後塾に行き、学校の宿題、予習復習をしている。
いわゆる『文武両道』というやつだが、今日何故かソファーで休んでいる。
「お帰り、ミオウ。その顔どうしたの?」
は?
顔?
「いつも通り。地顔だし、何もついてないと思うけど」
なに?
姉さん、おかしくなった?
「違うわよ。表情。なにかあったの?」
なによ。
なんでそんなことも分かるわけ。
神様は酷い。
世の中は不公平だ。
私がいくら頑張っても、姉さんにはすぐ見抜かれて、先を越される。
姉さんだって努力しているのは知っている。
でも、なんで美人で性格も良くて、勉強も運動もできる人なの?
私がいくら努力したって、姉さんには追い付けないし、抜かせることなんてなにもない。
だから私は、姉さんが嫌い。
だから一方的に話しかけられても、優しくされても困るのは私。
児童会長戦のことも絶対に話さない。
なんで今日は帰りが早いかなんて、絶対に聞かない。
「なんかあったんでしょ?話聞くよ?」
姉さんはずるい。
姉さんなんかに分かるはずない。
私は、塾の予習、復習で忙しいの。
そう言おうとしたけれど、私の口から出たのは絶対に言わないと決めていた言葉だった。
「実は、児童会長戦に………」
神様は酷い。
世の中は不公平だ。
どうして、姉さんばかり恵まれているのだろう。
3.大鳥湖子
『そうねぇ。ミオウは学校をどういう風にしたい?それを言えばいいと思うな。最初は自分の理想でいいのよ』
昨日、姉さんから言われた言葉。
私が求める環境。
それを言葉にすれば良い、と。
早速、学年予選で読み上げる原稿を作った。
別に、なにも難しくない。
完璧な原稿だし、完璧な話し方も身に付けた。
だから、きっと予選は通過するだろうな。
心の何処かで、そう思っていた。
予選を通過したら、本戦が待っている。
それを思うと、ドキドキしたけれど。
その気持ちが幼稚すぎて、気付いていたけれど気付いていない振りをした。
自分の気持ちに蓋をして、心の中で唱える。
私は、やりたくてやるんじゃない。
仕方なくやるんだ。
そうすると、教室の入り口からワアッと騒がしい声があがった。
「ねぇ〜真路さんている?」
幼稚なねちっこい話し方。
気持ち悪いくらい幼い。
ふんっ、なにあの人。
「真路さんて、テスト毎回1位の人でしょ?」
「あー、テスト以外で見たことも聞いたこともないわ」
ケラケラ、下品に笑う声。
あんな下品でレベルの低い人たちに知られてなくて良かった。
心底そう思った。
私に何の用よ。
朱に交われば赤くなる、って知らない?
私のレベル下げないでよ。
ふんっ。
「あ〜れ〜、真路さんはぁ?いないのぉ?」
1番はじめの、ねちっこい話し方の人が聞く。
……うざったい。
でも、空気を読めない高畑さんが、手をブンブン振る。
「この子だよぉ〜真路美桜ちゃん!」
ミオウちゃん、って。
馴れ馴れしく呼ばないで。
「あ〜、あれが真路さん?初めて見たわぁ。ダサくない?ははっ、うけるー!」
あ、そうですか。
だからなんだ。
あなた達に関係あるの?
「ねー、真路さん?私、大鳥湖子!お、お、と、り、こ、こ!」
耳の悪い人に言うようにのんびり言われて、カチンと来る。
でも、あなた達と同じレベルになりたくないの。
言い返したら、この人達よりずっとレベルが低い。
「あのねぇ、ウチ〜生徒会戦、立候補したの!ぜぇーったい、負けないよ?」
あっそ。
私だってあんたには負けたくないわ。
「何の用ですか?」
私はたまらず、声を出す。
が、意外にも冷たい声になってしまい、場の空気が変わる。
「えー、これが真路?だっさ〜」
「声聞いた?イカれてない?」
「てか湖子〜、こんな奴には絶対に負けないっしょ!湖子と戦うにはレベル低すぎない?」
あんたらのレベルが低いんだよ。
そう言いそうになって、口をおさえる。
「なんの用か聞いているんです。用が無いなら帰ってください」
私がピシャリと言うと、他のクラスの人は悪口を言いながら出ていく。
うざったい。
でも、この件でより私は自信がついた。
あんな低レベルの人には負けない、って。
4.どうして
「それじゃあ、予選突破したのは〜っ、大鳥湖子さんです。皆さん、拍手‼」
なんで………どうして……。
私の方がレベル高かった。
完璧だったもん。
なのに……なんであんな人が?
なんでこんな人が?
なんでこんな低レベルな人が選ばれるの………
この予選は、4年生の立候補者以外の人の投票で勝負をつける。
自信あったのに……。
なんて、思ってないしっ!
あー、幼稚幼稚。
自分が嫌になるよ。
でも、なんで大鳥湖子が?
あのうざったい大鳥湖子がなんで‼
教室に戻る途中、ひそひそとした声が聞こえた。
「真路さんなんかに投票する人いるのかな?」
「いないっしょ〜っいたら凄い!」
「湖子は友達多いし?あんなボッチに誰が投票すんの?」
ケラケラ、下品に笑う声。
あっそ。
そんなこと言う人に投票する人、いるんでしょうかね?
「ね〜ぇ、ミ〜オウちゃん?誰に投票した?」
高畑さんだ。
「私……」
「あ〜そっか、立候補したんだったね。ごめぇん、忘れてたぁ」
は?
高畑さんが推薦したんでしょ?
「ウチねぇ、誰に投票したと思う?」
そんなの誰でもいいし。
関係ないじゃん。
「あのねぇ、湖子ちゃんに投票したよ〜ねっ、ねっ?」
なんだよ。
うざったい。
自分で推薦したくせに。
なによ。
この風景を、大鳥湖子が満足そうに見ていた……。
5.菅名茜さん
下校中。
「真路さん‼」
………………?
地味な見た目の女子(ここは女子校だけどね)が走ってくるのが見えた。
あっ!
いつもテストが2位の……
「菅名さん?」
菅名茜。
私の勉強のライバルのような人。
「あっのっ、ハア、ハア……わた、し……ハァ……」
菅名さん?
大丈夫……ですかね?
息が静まって、菅名さんは言った。
「あの、大鳥湖子さんの事なんですけど……みんな、仲良から、って理由で投票して不公平だって先生たちが話していましたよ」
「はい……?」
「うん、だから……じゃあね?」
え?
これを言うためだけに?
なんで………?
なんで………?
>>12
仲良いから、です。すいません!
6.正直*嘘つき*好き*嫌い
「ミオウ、じ……」
「ほっといて‼」
なんでだろう、姉さんを拒絶してしまう。
でも姉さんは悲しそうな、でも嬉しそうな顔をしている。
姉さんにとって、私はなんでもない。
ただの家族。
家族は特別だと言うけれど、姉さんなんて。
私の苦労も知らずに生きているんだから。
姉さんのやりたいことなんて、勉強に決まってる…………ふと、お父さんからの遺言を思い出した。
自分のやりたいことを見つけろ。
姉さんなんて、とっくに見つかってるはずだよ。
私は……私は、なにかが足りないのに。
姉さんになんて、私の気持ちが分かるわけない。
私が勉強の合間に水を取りに行こうとした時、事件は起こった。
私は2階にある自分の部屋で勉強をしていて、1階のリビングにある水を取りに行こうと階段を下りた。
半分ほど行った所だろうか。
話し声が聞こえた。
姉さんと、お母さんの。
「だから私は、やりたいことを見つけたんですっ………!」
頭が真っ白になった。
なんで……見付かってなかったの?
自分のやりたいこと。
じゃあ、なんで隠してたの………。
急に頭にクラッシュバックされた。
部活に行かず、早く帰ってきた姉さん。
どこか嬉しそうな顔の姉さん………。
「それは、何?」
お母さんが聞く。
勉強でしょ。
勉強と言って。
私は何故こんな気持ちになるんだろう……
でも、それを私は知っている。
姉さんに、自分の憧れを押し付けているんだ。
そして、姉さんが言った言葉、それは………
「バンド」
嘘つき。
嘘つき。
私にはなにも言わなかったのに。
でも、正直。
でも、嘘つき。
嘘つき。
嘘つき。
嘘つき―――――
姉さんなんか大嫌い。
大嫌い。
大嫌い。
大大大嫌い。
なんだよ。
悔しい。
また、先を越された。
また、先を越された。
なんでよ。
なんでよ。
なんでいつも、私は姉さんに追い付けないのだろう――――
先を越された、悔しさ。
私には何も伝えてくれなかった、という嫉妬。
この件があって、私は姉さんが嫌いになった。
バンドだって。大嫌い。
心の狭い人だ、くだらない。
自分でもそう思うけど、今更姉さんを応援するなんて、私のプライドが許さない。
だから、人とは関わらずに生きていきたかったんだ。
2年後、解決事務所という不思議な空間で、浄坂桃奈と共に成長していくことを、この時の私はまだ知らない。
《正直*嘘つき*好き*嫌い byミオウ》END
ミニあとがき&解説
はじめまして!こんにちは!薫といいます。
このスレの説明……とかはいいとして、この物語について解説。
本編『解決事務所 パワフル☆ピース』の主役の一人、ミオウの4年生の時の物語。
なぜミオウが人とは関わりたくない、楽しいだけじゃやっていけない……と考えるようになったのかについてのエピソードです。
詳しくは、ぜひ本編を読んでください。
もう一人、ミキリはミオウの姉。
まだ始まっていませんが、『ガールズバンド フピガルッ!』の登場人物。
意外と大事な役です。
このエピソードを心にとめて、読んでいただければと思います。
また、詳しいキャラクター設定についても創作板で書いておりますので、ぜひ見てください。(ウザいくらいの宣伝すみません)
読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
次はトウナの話かな……お楽しみに!
(byミオウってことは、ミキリも書くことになるのかなぁ←独り言)
本編です!感想もぜひお願いします。
『解決事務所 パワフル☆ピース』(小説板)
http://ha10.net/novel/1501480340.html
『ガールズバンド フピガルッ!』(小説板)
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1503290818/l50
『薫の小説裏設定集』(創作板)
http://ha10.net/sou/1502247037.html
もう一度いいます。
ウザいくらいの宣伝、ごめんなさい‼
ちょ〜っと付けたし。
掛け持ち3作までとか言いつつ、新作スレ立てることにした(バカな)作者です(笑)
その2
『解フル☆』特別編
『ねーちゃんのヒミツを暴け!』
《登場人物紹介》
浄坂檪(じょうざか くぬぎ)
小学3年生。トウナの弟。
双子の兄。お調子者でおちゃらけているが頭はいい。
浄坂檜(じょうざか ひのき)
小学3年生。トウナの妹。
双子の妹。落ち着いていてシャイな性格だが、頭はいい。
浄坂桃奈(じょうざか とうな)
小学6年生。くぬぎとひのきの姉。
解決事務所員として人の悩み相談に乗り、前向きにするヒミツの仕事をしている。
怪しい。
ねーちゃんは、絶対に怪しい。
今までより、出掛けることが多くなった。
普通なら、有名アイドルや名門校の児童会長と仲良くなったりしない。
去年までボッチだったねーちゃんが。
絶対に秘密があるんだ。
絶対に、このくぬぎ様が暴くのだ!
ねーちゃんの、秘密!
《ねーちゃんのヒミツを暴け!》
1.ねーちゃん
オレのねーちゃんはバカだ。
そして超ポジティブだ。
とても賢い天才の弟、くぬぎ様とは大違い!
とても賢い天才の妹、ひのきとは大違い!
それに、ポジティブな所だって、オレ達とは違う。
ひのきはいつもオドオドした、ネガティブな妹なのに。
そんなねーちゃんは、今年になってものすごく変わった。
今までボッチだったのに、友達が沢山出来た。
ユイカさんやモナミさん、ミオウさんのような素敵な人達の他に、超有名アイドルや名門校の児童会長さん等も。
他にも、沖縄宛の手紙を書いていたのも見たことある。
そんなこと、ある?
オレ達はねーちゃんが思っている以上に、ねーちゃんのことを知っている。
だから決めた。
オレがねーちゃんのヒミツを暴く!