机上の空論

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125: ◆WU:2017/05/28(日) 14:27


「なあ、お前さ、ヤマザキ……って覚えてる?」
「ああ、いたよなあ。教室の隅にいるタイプだったよな」

 そうか。だから気が付かなかったのか。地味なヤツの顔なんて、俺がいちいち覚えているはずがない。あいつが俺を覚えていたのは、人気者だったからに他ならないのだ。

「もしかしてお前、覚えてねえの?」

 友人が俺に驚いたような顔を向けてくる。だからなんだ、今納得したばっかりなのに。覚えてるわけないだろと言うような視線を投げると、友人はさらに
怪訝そうな顔になった。

「いつもお前に引っ付いてたじゃん、あいつ。まあパシリみたいな感じだったけど。……マジで覚えてねえの?」
「……そういえば」

 いたな、そんなヤツ。
 眼鏡で前髪めちゃくちゃ長くて、女子には避けられてて、何故か俺になついてたヤツ。

「でも、俺が見たヤマザキはそんなんじゃなかった」

 俺に声を掛けてきたのは、野暮ったい前髪も無くて、ダサい眼鏡も無くて、通るだけで女子が色めき立つようなヤツだった。
 おかしい。どう考えても、おかしい。

「へえ。イメチェンしたのかなー」

 地味だったヤツが俺よりも人気者になってるなんて。そんなおかしな話、あっていいはずがない。
 その後の友人の話なんて、一切耳に入って来なかった。



>>124の〜〜ノリと愛でかいた


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