イナズマイレブン〜黒猫を連れた少女はエイリア学園最強の少女〜

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1:暁◆s2:2016/09/14(水) 10:03 ID:4hI

オリキャラ紹介

死神屋 皐月(女)/コア
黒猫のデビルを連れた自由気ままな少女。
エイリアの姫君と最強の少女として知られている。
他人の怒りに触れるような言い方をしてしまう為、マスターランク三チームに嫌われている。
妹の皆月が雷門に居る。

容姿・特徴
・緑色のロングヘアに髪の毛の先が金髪。

2:暁◆s2:2016/09/14(水) 10:19 ID:4hI

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死神屋 皐月(女)/コア
黒猫のデビルを連れた自由気ままな少女。
エイリアの姫君と最強の少女として知られている。
他人の怒りに触れるような言い方をしてしまう為、マスターランク三チームに嫌われている。
妹の皆月が雷門に居る。

容姿・特徴
・緑色のロングヘアに髪の毛の先が金髪。
・ユニフォーム代わりに黒色の猫耳付きのフードを着ていて、肩に黒猫のデビルを乗せている。
・目はネコ目で瞳の色は金。
・チームは何処にも所属していない。
・お日さま園に住んでいて、過去に訳アリ。
・一人称は「コア」

死神屋 皆月(女)
皐月(コア)の妹。
エイリア学園に入ってしまった姉達に間違っていると教える為、瞳子に付いて行く。
何事も瞬時に見極め、ゲームメイクも鬼道とほぼ互角。
白猫のムーンをいつも連れていて、大切にしている。

容姿・特徴
・金髪のセミロングに髪の毛の先が緑色。
・雷門のジャージ代わりに白い色の猫耳付きフードを着ていて、白猫のムーンを肩に乗せている。
・目はネコ目で金。
・ポジションはFWかDF。
・お日さま園に住んでいて、訳アリ。
・一人称は「私」

3:暁◆s2:2016/09/14(水) 21:06 ID:4hI

プロローグ

謎の石の目の前に一人の老人と痩せ細った男と5人の少年はその二人に跪き、1人の少女は棒付きのキャンディーを舐めながらその老人と男を見ていた。

「グラン、バーン、ガゼル、デザーム、レーゼ・・・そして、コア」

「「「「「「はい、父さん」」」」」」

「分かっていますね?貴方達の使命を・・・。コア、言ってみなさい」

老人は一人の少女を見やると、男と5人の少年達はその少女を見た。
少女は口から棒付きキャンディーを出し、飼い猫であろう黒猫を肩に乗せた。

「はい、コアを入れた全ランクのチームは脅威となる者に勝ち続け、世界に私達の力を知らしめる為・・・ですよね?父さん」

少女は怪しく笑みを浮かべながら、老人に言った。

「そうです、コア、グラン、バーン、ガゼル。貴方達4人の内に1チームだけ、宇宙最強の称号『ジェネシス』が与えられます。そして、デザーム、レーゼは世界に私達の事を知らしめる為、中学校を破壊して貰います。」

「「「「「「はい、分かってます」」」」」」

「期待・・・しておりますよ“ジェネシス計画”の為にも・・・」

老人の言葉に5人の少年と1人の少女は不敵な笑みを浮かべながら、返事をした。
彼らの歯車は狂い始め、彼らの物語は動き出す・・・。
彼らの心はどう動かすのか・・・この怪しい光を帯びている石は何なのか?それは、この物語に隠されています。
鍵は黒猫と白猫なのですから・・・。

プロローグ終了・・・

4:暁◆s2:2016/09/14(水) 21:44 ID:4hI

第1話黒猫の少女は何を見る?

「ついに始まったね」

白いスポットライトが、赤髪の逆立った少年が嬉しそうに言う。

「燃えて来たぜ」

赤いスポットライトに居る赤髪の少年もまた不敵な笑みを浮かべながらそう言う。

「君のその暑苦しい言い方や言動・・・どうにかできないのか?」

「何!?」

水色のスポットライトに居る銀髪の少年が、赤髪のした少年に喧嘩腰でそう言う。
赤髪の少年は、銀髪の少年を睨む。
だが、その喧嘩も猫の鳴き声で喧嘩は静まる。

「コア・・・君はやる気はあるのかい?」

銀髪の少年は困った様に暗闇の向こうに居る少女に向かって言い放った。
緑色のスポットライトに照らし出された少女は、棒付きキャンディーを噛み砕き三人の少年にこう言い放った。

「コアはやる気あるも〜ん。コアから見たら、グランとバーンとガゼルがやる気なさそうに見えるし・・・。ねえ?デビル」

「にゃ〜」

「「「何???」」」

少女コアは、飼い猫である黒猫のデビルに向かってそう言った。
デビルもそれに同意するかのように鳴き声を上げる。
三人はコアの言葉に眉を動かす。

「コア、あまり調子に乗らないでよ?特別扱いされてるからって」

「してないし」

「そう言うのをしてるって言うんだぜ?」

「それに君の実力は私達を超えている。自分がジェネシスになれると思うな」

三人の少年は冷たくコアに言い放った。
コアは別に調子に乗ってないと低めな声でそう呟き、デビルの頭を撫でた。
デビルはコアの傷の心を癒す様にコアの頬を一舐めした。
コアは嬉しそうにその行為を受けながら、三人にこう言い放った。

「コアはコアのやりたい方でジェネシスになる。コアは何処のチームにも所属してないなら、尚更ね。デビルは私の味方だし」

そう言うと、コアは面がすべて黒で包まれているボールで姿を眩ませた。
コアの姿が無くなると、三人の少年は大きな溜息を零した。

「全く、コアには困ったものだよ」

「まあ、これから敵になんだ。別に気にしねぇよ」

「そうだな、だが、コアの事だ。私達が気にしない以上コアの自由気ままな癖はどんどん酷くなる」

銀髪の少年がそう言うと、赤髪が逆立った少年はそうだねと言った。

「まあ、コアも俺達を嫌っている。コアの飼い猫のデビルもね・・・、けど、俺達もコアに負けてられないよ」

赤髪の逆立った少年がそう言うと、二人の少年は小さく笑みを浮かべ、スポットライトは消えた。

続く

5:暁◆s2:2016/09/14(水) 22:47 ID:4hI

第2話すべての物語はこれから・・・コア視点

全く、グラン達もひどいよね?あんな言い方は無い様な気がする。
まあ、デビルだけがコアの味方だもんね。
コアは今何処に居るかって?簡単だよ、レーゼ達の様子を見ているんだよ。
今は・・・雷門中を破壊し終ったのかな?結局、あの子は現れなかったけど・・・。
コアと言えば、これ以上みても同じだと思って、レーゼ達が壊しに行く予定の傘美野中に向かう。

「此処が・・・傘美野中?すっごい平凡」

コアがそう言うと、傘美野中サッカー部であろう奴らが居た。
あぁ、めんどくさい。

「私の名前はコア。エイリア学園の者」

「え・・・エイリア学園?」

「今から言う事、ちゃんと聞いて答えてよ?コアがレーゼ達の代わりに学校を破壊してあげる。試合する?」

コアがそう聞くと、信号機みたいに傘美野中サッカー部の顔は変わっていく。
あぁ、面白い。
コアが楽しんでいると、コア様とかしこまった声が後ろから聞こえて来た。
レーゼじゃん、もう来たんだ。

「レーゼ、もう来たんだね。雷門は終わったの?」

「はい、先程。ですが、どうしてコア様が?」

「別にエイリア学園に居れば、グラン達がまた何か言って来るから来ただけ」

半ば嘘の様に聞こえるがこれは本当だ。
レーゼ達はお手数おかけしましたと頭を下げた後、傘美野中サッカー部を見た。
目が怖い、だけど、コアとデビルにとってはそれはご機嫌が良くなる。
だって、人の怒ってる時の目や蔑んだ目って快感にしかならない。

「コア様が言った言葉の返答はしたのか?」

「いえ・・・まだ」

「代わりに言ってやろう、今すぐ試合をするか棄権するか選べ」

返答に遅い傘美野中の奴らにイライラしていると、分かりましたと小さな声が聞こえた。

「棄権・・・します」

「ふ〜ん、自分達の命選んだんだね。レーゼ」

「はい」

コアがしようと思ったけど、興味が失せたからレーゼに任せよう。
あの子も居ないんじゃ、来た意味ないし・・・。
そう思い、破壊するところだけを見ようとしたその時だ。

「待て!」

こいつら・・・誰?コアが不思議に思っていると、パンドラが耳打ちしてきた。

「先程破壊してきた雷門中のサッカー部です」

「へえ〜」

パンドラの説明が終わると、オレンジ色のバンダナをした子がコアに気が付いた。
またもやめんどくさい展開になりそう・・・。
それは的中した。

「お前もこいつらの仲間か!?」

「そうだよ、コアはレーゼ達の仲間だよ。まあ、試合をしたいなら無理だね。」

「何だと!」

「だって、この子達は棄権を選んだんだよ?棄権は負けって意味だし、学校は破壊しなくちゃ。」

コアがそう言うと、傘美野中の奴らは自分達が弱いからと言った。
その通りだ、自分達が弱いのがいけないのだ。
デビルもにゃ〜と鳴きながら、そう言っている。
だけど、雷門にはそれは通用しない・・・。

「学校を守るために棄権を選んだ、別に恥じる事じゃない」

「鬼道の言う通りだ!」

「それとも何か?お前、ビビってんのか?」

コアの頭の中からプチッと何かがキレる音がした。
それにはレーゼ達も勘付いたのか顔を真っ青にしている。
久しぶりに頭に来た・・・。
実力の違い、教えてあげよう。

「いいよ、コアが相手してあげる。「コア様!」いいよね?レーゼ」

多分、今のコアの笑顔めちゃくちゃ怖い。
まあ、レーゼから試合はしていいと言う許可は貰えたからやるけど・・・。
コアはオレンジ色のバンダナをした子の近くまでジャンプした。
うん、もちろん着地は完璧に出来たからね?失敗したと思った奴、殴ってあげる。

「コアが相手してあげる」

「おう!」

実力の違い、教えてあげないと。

続く

6:暁◆s2:2016/09/14(水) 23:09 ID:4hI

第3話白猫少女〜コア視点〜

「名前を教えて貰おうか、俺の名前は円堂守。この雷門サッカー部の「キャプテン・・・でしょ?」あ・・・あぁ」

コアの情報をなめないでほしいな。
コアって、こう見えてもグラン達より実力が高いし情報も早い。

「私の名前はコア、まあ、レーゼ達の仲間と思えばいいよ。あぁ、後さ宇宙人ね、レーゼ達と私」

この設定・・・忘れる所だった。
宇宙人と言う単語を聞いた雷門は一人一人の感想を述べていた。
あ、後、学園の事も言い忘れていた。

「後、君達の次元で言うと、私達はエイリア学園」

「エイリア学園・・・」

「うん、それより試合してよ。デビルが待ってんだから」

「デビル?デビルってあの猫かよ?」

よし、あのピンク髪の奴ボコボコにしよう。
コアはそう決め、自分のポジションに就く。

「おま!チームは?」

円堂守がびっくりした様な言い方で言った。
チーム?コアはチームなんてないから、これが普通だ。

「いないよ、コア一人の実力を見せてあげる」

コアがそう言うと、一人の子がなめていると呟いた。
本当の事だもん。
コアは何も間違った事は言っていない、やっぱり人間って信じられないよ。
コアの居場所ってデビルだけだもん、父さんでさ今じゃ信じられないし・・・まあ、信じてはいるふりはしてるけどね。
そして、試合が始まるけど・・・一目瞭然。

「本当、諦めないね。これで何点目?」

「1・・・12−0です」

これでも手加減はしているつもりだ。
まあ、前半戦はこのくらいだろう。
豪炎寺修也が入って技を打つも、コアには効かない。
やっとハーフタイムになり、コアはベンチに戻ると、レーゼ達が駆け寄って来た。

「お疲れ様です」

「別にそんなかしこまらなくてもいいよ。コアがお願いしたもん」

「いえ、貴方様は私達の上司なので」

「ふふ、そうかな?」

コアはそう言って、ポケットからデビルの大好きな煮干しをあげる。
デビルはパクッと煮干しを食べると、レーゼの足に頬をスリスリした。
あ〜、やっぱりデビルは分かるんだね。
レーゼ達が優しい子だって・・・。

「あ!す・・・すいません!勝手に・・・」

「いいよ、デビルが懐いてる証拠だから」

コアはそう言って、雷門を見る。
ほら、やっぱり蔑んだ目をしている。
あぁ、快感だ。
何て言う快感なのだろう、コアはそれに身を震わせていた。
さぁ〜て、後半はどんな試合にしようかな?コアは半分そう考えた。

「後半戦開始だけど・・・試合をやめるなら今の内だよ?」

「へっ!誰が棄権するもんか!」

このピンクの頭の奴・・・バーンみたい。
でも、怪我人は増えるばかり・・・。
あぁ、キャプテンさんのせいでこんなにも怪我人が増えちゃうなんて・・・。
後半戦が終わって、得点板を見れば20−0・・・うん、笑えちゃう。

「レーゼ、やっちゃって♪」

「はい」

コアが言うと、レーゼは黒いボールを傘美野中に向かって蹴る。
傘美野中は崩壊・・・あぁ、快感だ。
コアは後ろを少し振り向き、こう言ってやった。

「君達が弱いから・・・いけないんだよ?」

レーゼ達と一緒に帰る時、コアの目に留まったのは・・・白い猫を肩に乗せた少女。
コアの・・・妹だった・・・。

続く

7:暁◆s2:2016/09/14(水) 23:33 ID:4hI

第4話白猫少女・皆月と吉良瞳子〜皆月視点〜

私の目の前に広がるのはボロボロになった雷門イレブンと瓦礫と化した傘美野中だった。
涙が溢れ、零れ落ちる。
それを私の飼い猫である白猫ムーンが舐め取ってくれる。

「ありがとう、ムーン。一緒にお姉ちゃんを助けようね」

私はそう言って、ムーンを肩に乗せながら、瞳子姉さんが待っている車に向かう。
ムーンはお日さま園に入った時からの友達で家族、決して離れない。

「どうだった?皆月」

「計画が始まったよ、瞳子姉さん。さっきお姉ちゃんも見かけたもん」

「そう、皐月が・・・」

お姉ちゃんの話をした時、瞳子姉さんは悔しそうに顔を歪める。
その顔を見ると、あの時の事がフラッシュバックする。
ヒロト達も変わった、父さんも変わった・・・。
どうすればいいの・・・?そう今も考えてしまう。

「姉さん、これから何処行くの?」

「雷門中よ、貴方に言っておくわね。雷門イレブンが現れたら、貴方と私は赤の他人よ。私達の関係を知っているのは響さんと理事長だけ・・・」

「うん」

赤の他人・・・か・・・。
私はムーンを撫でながら、落ちそうな涙を拭いた。
雷門に着くと、私はムーンの紹介と自分の紹介を済ませて今から入るチームメイト達を見た。
そして、やっと到着。

「あの・・・響監督。あの人たちは・・・?」

「あぁ、紹介しよう。瞳子監督だ、お前達の“新しい監督”だ。そして、隣に居る奴は死神屋皆月、そして飼い猫のムーンだ。」

ムーンの紹介をしてくれるなんて、優しいな〜。
そう思っていると、目の前に手を差し出している円堂先輩が居た。

「これからよろしくな!皆月!」

「はい、こちらこそ。ムーンが迷惑を掛けると思いますが、これから共々よろしくお願いします」

「それで、お前のポジションは?」

「FWかMFなら」

それしかやった事ないです・・・。
それにしても、噂通りだな〜鬼道先輩って・・・。
マント羽織ってるし・・・。

「それでムーンってこの猫か?」

「はい、ずっと一緒に居る言わば私の家族ですよ。」

「そうなのか、よろしくなムーン」

円堂先輩がそう言い、ムーンを撫でた。
ムーンは私と違って、社交的であり誰にもでも懐く。
悪い人以外なら・・・。

「皆月さんの紹介は済ませたわね。私の目標は地上最強のチームを育てる事よ、覚悟して」

瞳子姉さんの言葉に雷門イレブンの人達は驚き、響さんを見た。
もちろん監督は瞳子姉さんであり、響さんではない。
響さんは理事長と一緒に何かを調べるらしいから・・・。

「ムーン・・・これから頑張ろうね!」

「にゃあ〜」

そう、これからなのだから・・・。

続く

8:暁◆s2:2016/09/15(木) 10:05 ID:4hI

第5話黒猫少女は誰も信じません〜コア視点〜

コアはエイリア学園に帰って来たが、帰って来るなりプロミネンスの連中やダイヤモンドダストの連中の喧嘩に巻き込まれたと言うより、帰ってきた途端コアのせいだと急に言い出したのだ。
もちろん状況はよく分からないけど、コアは違うと全否定している。
本当、バーンとガゼルってどういう躾してるのさ。

「コア、父さんの所に行きたいんだけど」

コアがそう言うと、話は終わってないとヒートに言われる。
デビルも怒りそうだし、この場を早く抜けたい・・・。

「・・・分かったよ、罪は認めるよ。無罪だけど、ね?デビル」

「みゃ〜」

「ふざけるのも大概にして!」

あぁ〜、うるさい。
仕方ないもんね?怒らせた君達が悪い訳だしさ・・・。

「デビル・・・ちょっと離れて」

コアでも驚くほどの低い声にプロミネンスの連中もダイヤモンドダストの連中も数歩後ろに下がった。
まるで怪物扱い・・・まあ、慣れてるけどね。
デビルは私の肩からストッと降りると、私は小さく呟いた。

「出ておいで・・・皐月」

コアの意識は無くなって行き、逆に意識の中でコアそっくりの女の子がコアの体を乗っ取った。
あは、プロミネンスもダイヤモンドダストも悪いよ?コアを怒らせちゃったんだからさ・・・。

〜???視点〜

「ふぅ〜、コアを傷つけた子・・・誰?」

コアの体を乗っ取った俺は低い声でそう言った。

「お前・・・誰?」

「そんな事・・・どうでもいいだろ?」

俺はデビルが持って来てくれたボールを足で止め、ヒートとアイキューを睨みつける。
お前等・・・いい加減にしろと俺は思ってしまう。
コアは俺の仮の姿だけど・・・傷つけられると、すっごいムカつく。

「ねえ?蜂の巣にしてもいいよな?」

「!!」

「ナイトメア!!」

グレントとベルガに悪夢を見せる。
これはコアが努力を努力で重ねた最強の技、“ナイトメア”。
ナイトメア・・・その名の通り、悪夢を見せて相手から点を奪うのだが俺は無性に腹立った為、撃っただけ。
もちろん、この技はコア本人は本気で怒らせた人にしか見せない。
あ、それはつまり俺の事ね。

「グレント!」「ベルガ!」

「はあ〜、綺麗な友情ですこと・・・。こいつら雑魚みたくなりたくなかったら、今後怒らせない事だね」

俺はそう言ってデビルを連れ、父さんの部屋に向かう・・・が!俺にはコアと入れ替わると言う仕事がある。
あの雑魚達が居ない所に着くと、俺は戻っていいと言った。
俺の意識は無くなって行き、逆にコアが俺の体を乗っ取る。

〜コア視点〜

「ふぅ〜、皐月に悪い事しちゃったな〜。ねえ?デビル」

「にゃ〜」

はあ〜、本当皆変わったな〜。
まあ、変わった時点でコアは誰も信じない・・・。
コアはここに居ても何の得にもならないから、廊下から出ると、ばったりとグレントを担いだプロミネンスとバーン、そして、ベルガを担いだダイヤモンドダストとガゼルが居た。
あ、これ・・・めんどくさいパターンですやん。

「何?」

「よくも俺達のチームメイトを可愛がってくれたな?」

「コアのせいじゃないし」

「嘘を吐くな。アイキュー達がお前がやったと言っているぞ」

軽く舌打ちする。
だから、仲間とか嫌いなんだよね・・・コア。

「知らない、皐月がやった事だもん。文句なら、皐月に言えば?」

「その皐月がお前だろ!!」

「なら、ほっておいて。コアはデビル以外信じてない!」

あれ?何で視界がぼやけてんだろ?デビルが俺の目元を拭いてくれる。

「デビル・・・ありがとう」

「にゃ〜」

デビルを肩に乗せ、コアはガゼルとバーンの横切る。
もう、誰も信じてないんだから・・・。
コアはそう思いながら、父さんの部屋に向かった。

続く

9:暁◆s2:2016/09/15(木) 10:57 ID:4hI

第6話コアの涙と皐月の感情〜ガゼル視点〜

『コアはデビル以外信じてない!』

コアはそう吐き捨てて涙を貯めていた事が頭に過る。
コア・・・意味は物の中心部つまりエイリア学園の心臓だ。
だから、父さんが特別扱いするのも分かる。
だが、コアは信じていない・・・そう誰も・・・。

「私達・・・コアに悪い事・・・しちゃったかな?」

アイシーの小声が聞こえた。
確かに、あれは言い過ぎたと今更ながら思えてくる。
だが、コアもやり過ぎだと分かっている筈だ。

(あとで・・・謝りに行くか・・・)

父さんの部屋に行くと言っていたな、確かその次は・・・会議だ。
めんどくさいと言うのも半ばあり、コアに会うの気まずいと言う物も半ばある。
私はチームメイトに部屋に戻るよう言って、自分の部屋に戻る際中、コアの飼い猫である黒猫のデビルがこちらにやって来た。
引っ掻きに来たのか?私は数歩後ろに下がり、デビルを見やる。

「にぎゃ〜〜〜〜」

(完全に警戒心持たれたな・・・これは)

威嚇のポーズをされ、そう思った。
私は不機嫌であろうデビルを横切り、自分の部屋に着く。
部屋に着くと、目に入るのはお日さま園の時の写真だ。

「・・・もう、あの頃には戻って来てくれないのか?皐月」

エイリア学園に入って、真っ先に必要のない感情、人格を捨てたのは皐月だ。
最初こそ戸惑ったものの皐月にとってはそれが当たり前の様なものになってしまったのだろう。
アイキュー達の話じゃ、怒った時に皐月が出て来たと言っていたな。
話がしたい・・・。

「お前が・・・私の初めての友達なんだから」

皐月がお日さま園に入ったのは4歳の時、私と同じ時にお日さま園に入ったのだ。
女の子らしい・・・そう言えば、全然女の子らしくなかった。
いつも一人称は俺で言動も男らしかった。
唯一女の子らしい姿を見たと言えば、黒猫のデビルを可愛がっていた時だ。

「皐月・・・すまない。」

今はそれしか言う事が出来なかった。
私に守る力さえあれば、皐月は守れたのに・・・。

〜コア視点〜

「父さんの話は確か・・・雷門の潜入だよね」

めんどくさい、何でそんな事しなきゃいけないのだろうか?そんな事が頭に巡る。
そう言えば、この後会議だったよね?はあ、めんどくさいと言うかバーンとガゼルに一番会いたくないし一番喋りたくない・・・。

「「あ・・・・」」

はい、バーンと出会いました。
コア逃げる!コアが後ろを振り返り、逃げようとした時だ。

「あ・・・あのさ!」

「何?」

声を掛けられ、返事を返す癖・・・直しとこう。
皐月に心の中でさんざんに言われた意味が分かった気がする。
そう言えば、デビルは!?デビルが居ない事にコアは慌てふためく事しか出来なかった。

「その・・・さっきは言い過ぎた。悪かったな」

「・・・コアが許すとでも思ってるの?」

あれでどれだけ傷ついたかも知らないで・・・。
コアはバーンを睨みながら、デビルの捜索を始めた。
デビル・・・何処行ったの?大事な・・・大事な“家族”なのに。

〜バーン視点〜

「あれ?コアは?」

グランの言葉に俺とガゼルは顔を逸らす。
コアが来ない原因は俺達だ。
だけど、グランには分かったのかニヤリと不敵な笑みを浮かべてこう言った。

「まさか、二人共・・・コアを泣かしたの?」

「「・・・・」」

「あぁ〜、コアが来ないのも分かるよ。今回ばかりはコアに同情するね」

グランのワザとらしい声にイラッと来た。
確かに俺達が悪いが、半分はコアも悪い。
だけど、泣かした俺達が悪い。

「まあ、いいや。コアが居ないなら、代わりに伝えないとね」

「何を?」

「コアが雷門に潜入するんだよ。まあ、俺達とっては好都合だよね?」

確かに好都合かもしれない、俺達マスターランク三チームはコアを嫌っているから。
だけど、仲直りも出来ずに居なくなるのはどうしても気まずい。
さっきも謝ったけど・・・許してくれる気配も感じなかった。

「まあ、それじゃあコアが来るまで何か話そうか?」

グランの一声で気まずい空気の中他愛のない話をした。
そして、コアが来た時には俺は真面にコアの顔を見る事が出来なかった。

続く

10:暁◆s2:2016/09/15(木) 12:07 ID:4hI

第7話コアは人間にならないといけないの?〜コア視点〜

やっと胸糞悪い会議が終わった。
でも、人間の姿の時は少し変化をしないと・・・多分姉さんや皆月に気づかれてしまう。
コアはそう言う変化みたいなのは苦手、この猫耳フードも取らないといけないのが何よりも嫌だ。
だって、デビルと同じ色だから・・・。
デビルも連れて行けないもんな〜。

「本当、コア・・・最悪」

他に服なんか無かったような気がする。
そう考えた時に、プロミネンスとダイヤモンドダストにまた遭遇した。
今日はやけにコアの目の前に現れるからイライラする。
デビルも完全に警戒心丸出し。

「何か用?コアは忙しんだけど」

「その・・・さっきは・・・」

「謝っても皐月が許さないならコアも許さないから」

何か言いかけているヒートを横切って、コアは自分の部屋に向かう。
あぁ、イライラする。
デビルもコアがイライラしているのに気が付いたのかコアの頬に自分の頭をスリスリさせた。
デビルだけがコアの支えだもんね。

「ねえ?デビル。デビルは・・・コアと離れたい?」

「にゃ〜」

「そっか、そうだよね。離れたくないよね」

はあ〜、本当にお前だけだよ・・・信じられるのは。
勿論レーゼ達ジェミニストームやデザーム達イプシロンも数少ないコアの信頼できる人。
ガイアやプロミネンスやダイヤモンドダストや父さんなんて信じられなくなっている。

「さぁて、着替えよっか?」

この緑色の髪の毛を少し変えて見ようかな?
あ、レーゼ達にちょっと悪役頼もう。

「デビル、これをレーゼに渡して来て。絶対にプロミネンスの子達とかダイヤモンドダストの子達とかガイアの子達に見せないでね」

デビルにそう注意をしながらクルクルに巻いた手紙をデビルの首輪に付けた。
デビルは鳴き声を上げ、コアの部屋を出て行った。
さて、服どうしよう・・・。
そう悩んでいると、コアの部屋にノックの音が転がり込んだ。
ドアを開けると、そこには痩せ細ったまさに死神である剣崎が居た。

「はい」

「旦那様より、コア姫様の洋服でございます」

剣崎は一番嫌いだ、エイリア学園の中でも。
ワザとらしい敬語もコアにとっては不愉快この上ない。
剣崎から渡された服を見れば・・・動きやすい服装、フードは猫耳じゃないけど黒。
黒色が一番好きな色、だって人の絶望の色でありデビルと同じ色なんだもん!だから、何よりもこの色が好きだ。
剣崎に軽くお礼を言って、服を着て見る。

「まあまあ、似合ってる」

そう呟いた時、コア様とコアの名前が呼ばれた。

「レーゼ、急に呼び出しちゃってゴメンね」

「いえ、それより手紙の内容に人質役をするからと書いてましたが・・・」

「うん、だから・・・レーゼ、お願い・・・出来ないかな?」

「・・・分かりました。我らもコア様にあの時のお礼がしたいですし」

お礼?そう思ったけど、深くは聞かない事にした。
だって、今のレーゼの笑顔は紛れもなく“緑川リュウジ”なのだから。

〜翌日〜

「じゃあ、デザーム。デビルの事、お願いね」

「はい、お任せください」

コアは肩に乗っているデビルをデザームに渡す。
デビルの寂しそうな表情に胸が痛む。
だけど、大丈夫。
すぐ帰って来るからね。

「それじゃあ、行こう。レーゼ」

「はい、コア様」

此処から出れば、少しの間コアはお休み。
お願いね?皐月・・・。

続く

11:暁◆s2:2016/09/15(木) 12:21 ID:4hI

人間時のコアの紹介

偽名・・・倭国 恋姫(わこく こいひめ)
死神屋皐月の名を伏せたコアの人間時の姿。
エイリア学園の時とは違い、優しくほんわかとした温かみのある雰囲気を出している。
雷門イレブンのマネージャーとして、キャラバンに潜入する。
染岡と風丸を極端に嫌う。

容姿・特徴
・緑色の髪の毛が濃い緑色からグラデーションで黄緑色になっている。
・服は雷門のジャージに代わり、黒いフードにジャケットのズボンと言うワイルドな格好。
・目は変わらずネコ目で瞳の色は変わり、金から黄緑。
・一人称は「俺」

〜ここでコアと皐月が使う必殺技紹介〜
コアの場合
・ナイトメア(シュート技)
・パーティーキャット(シュート技)
・ブラッディレイン(ディフェンス技)
・マジックイリュージョン(ドリブル技)
禁断の技
エンド・フューチャー(シュート技)

皐月の場合
・ナイトメア(シュート技)
・ダークナイトキャット(シュート技)
・マジカルフローラ(ディフェンス技)
・フラッシュトランプ(ドリブル技)
禁断の技
エンド・フューチャー(シュート技)

12:暁◆s2:2016/09/15(木) 20:56 ID:4hI

第8話塔子と人質〜皆月視点〜

SPフィクサーズとの試合も終わり、皆も自分達が宇宙人ではないと証明出来たので安心している。

「いや〜、まいったよ。FFで優勝した雷門だね!」

「そうだろ〜って!えええええええ!!」

「やっぱり・・・」

私の勘が当たったようだ。
ムーンはすぐに塔子さんに跳び付き、自分の頬を塔子さんの頬をスリスリしていた。

「え?この猫・・・誰の猫?」

「あ、すいません・・・私の猫です。ありがとうございます、財前総理の娘さん」

「え?え?え!!」

私がそう言うと、円堂先輩は驚いた様に私と塔子さんを交互に見た。
塔子さんと言えば、ムーンを私に返してよく分かったねと驚いた様子でそう言った。
頭の中をすべて探った甲斐があったよ。
その後、塔子さんは自分の父親である財前総理が誘拐された事を事細かく話してくれた。

(父さん・・・緑川になんて事を・・・)

緑川だって本当はしたくない筈なのに・・・。
そして、塔子さんはお父さんを救いたいと言う熱い思いに円堂先輩は快く迎えた。
あ、もちろん瞳子姉さんの許可を取ってね。
その時だ。
近くにあったモニターが急にザザザ・・・と言う音を出したと思ったら、モニターからレーゼとなった緑川と何処かで出会った事のある少女が捕まっていた。

「何だ?!」

『地球人よ、我らはエイリア学園である』

「レーゼ!」

『お前達地球人に我らの大いなる力を示す為、この地に降り立った。我らは野蛮な行為を望まぬ、もし、野蛮な行為を行ってみよ・・・この女を見せしめにする』

緑川・・・。
どうして・・・そんな事・・・。

『そんな物を見たくないのなら、お前達の星にある、サッカーと言う1つの秩序において逆らう意味がない事を示そう!』

そう言うと同時にモニターは何事もなかったかの様に映像が消えた。
それより、あの女の子・・・何処となくお姉ちゃん似てた・・・。
まさか・・・ね・・・、お姉ちゃんがね・・・。
そんな胸騒ぎを持ちながら、私は円堂先輩達と緑川の居場所を探していた。

「分かりました!場所は・・・」

〜奈良シカTV〜

「此処か・・・」

私達は上を見上げた時、屋上であろう所から不気味な光が光っていた。
皆は急いで屋上に行く。
緑川・・・どうして、そんな事をしたの・・・!私はムーンをおちない様に両手で抱え、皆の後に続く。
そして、屋上に着く。

「レーゼ!」

ボールを蹴ろうとしていた緑川に円堂先輩が呼ぶ。

「また貴様らか・・・」

緑川は女の子を抱きかかえながら、こちらに振り向いた。
女の子は私達に気が付くと、悲痛な声で私達に助けを求めた。

「助けてください!お願いします!」

「分かってる・・・絶対助けてやるからな!」

円堂先輩がそう言うと、緑川は不敵な笑みを浮かべながら円堂先輩じゃなく私を見据えていた。

「にゃ〜・・・」

ムーンの悲しい鳴き声、緑川・・・戻って来て、あの時の優しい緑川に・・・。

続く

13:暁◆s2:2016/09/16(金) 09:25 ID:4hI

第9話倭国恋姫〜コア(皐月)視点

雷門って・・・単純すぎだ。
あ、俺?俺は死神屋皐月、今は名前を変えて倭国恋姫と言う名前だ。
おかしい名前と思うけど、パンドラとマキュアが一生懸命に考えてくれた名前だ。
それより、雷門が単純過ぎて何も言葉が出ない。
まあ、俺は人質役だから・・・そんな事一言も言えないのだ。

(コアも今は眠ってるし・・・デビルも居ないし・・・すっごい暇)

レーゼ達には事前に俺が皐月だと言う事は伝えておいた。
その時のレーゼの顔・・・驚いてたけど、良かったって小さい声で言ってた。
その時の声は紛れもなく好敵手でもあった緑川リュウジだった。
でも、その声もすぐに終わってレーゼに戻った。

「まあ、俺にとって不足か得か見極めさせてもらうぜ」

それにしても・・・俺の格好、ワイルドすぎだろ?フードにズボンって・・・。
でも、レーゼ達の試合は一目瞭然だ。
もうボロボロで試合を棄権しては?と俺は思っている。
これが・・・皆月と姉さんが選んだ地上最強のチーム?笑わせてくれるね。
レーゼがこちらを見て来た、一瞬何でだろうと思ったが試合の終了は俺が決めるのだとすっかり忘れていた。

(確かに・・・これじゃあ終わりだね)

俺は口パクで『技を打って終われ』と言っておいた。
だけど、円堂守は諦めない。
あぁ、イライラする。

「地球にはこんな言葉がある、井の中の蛙大海を知らずとな・・・」

レーゼが足をボールから離すと、ボールはまるでブラックホールみたいに周りの物を吸い込むんじゃないかと言う程の風を出しては、不気味なまでのエネルギーが光っていた。

「アストロブレイク!」

これがレーゼの必殺技だ。
と言っても、俺みたいに一人用の必殺技が2個もある訳じゃない。
でも、当然ボロボロの円堂守には止められず結局の所止められずに倒れてしまった。
ざまぁない。

「この女は返しておこう、さらばだ」

レーゼに押され、俺は雷門に。
無事潜入は完了した、けど、少しの間レーゼ達と会えないとなると悲しい。
俺は一度振り向くが、もうレーゼ達との姿はなかった。
そして、一度雷門はキャラバンに戻っている。

「俺のせいで・・・皆さんをこんな目に・・・すいません」

俺は落ち込む演技で雷門に謝った。
はあ〜、何で俺が頭を下げないといけないのだ。
だけど、演技だと近づかない雷門は俺は被害者だとそう言った。

「大丈夫?それより・・・貴方、名前は?」

「あ!す・・・すいません、俺、倭国恋姫って言います。」

「そうなんだ、よろしくね。恋姫ちゃん」

うわ〜ちゃん付け慣れねぇ〜。

「恋姫・・・だったかしら?」

「う・・・うん」

うわ、皆月!俺はバレるのではと言う緊張感を隠しながら返事をした。
ムーンの目が怖い!!デビルより怖いぞ、ムーン。

「私のお姉ちゃんに似てるわね、気のせいかしら?」

「き・・・気のせいだよ、ほら、似てる子っていっぱい居るじゃない?」

うわ〜、こう言うの苦手なんだよな〜。
そう思っていると、雷門の一人一人が文句を零していた。
姉さんのありがたみを分からないって、案外バカな連中かも。
父さんはこのチームに何を求めてるんだ?そんな不思議な疑問を持っていると、鬼道有人がこう言った。

「いや、よく考えてみろ。あのまま体力の限界だった俺達が、もし、俺の作戦で行っていたら・・・」

「俺達も半田達みたいに病院に行っていた・・・」

あ、案外真面な奴が居たけど・・・あの青色の髪の毛の奴、あんま俺好きじゃねぇな。
だけど、ピンク頭はこれは俺達のサッカーじゃない!と文句をただ零してるだけ、いやいやコアにも勝てなかった癖によく言うよ。
俺が心の中で呆れ果てていると、それは違う!と大きな声が聞こえた。
え?レーゼの技が当たったのに、動けてるし!?普通は2,3日寝込むぞ。

「監督はあいつらを使って、特訓させてくれたんだ!」

続く

14:暁◆s2:2016/09/16(金) 12:22 ID:4hI

第10話豪炎寺修也の離脱〜皐月視点〜

バカみたいだと言うのが今の俺が雷門に言える事かな?だって、レーゼ達を使って特訓って見てたけどさ、凄いやられてたよね?あれを特訓って・・・。
俺は呆れ半分に円堂守を見ていると、ザッと足音が聞こえ、振り向くと姉さんと皆月が居た。
一体どうしたんだろうか?雷門や俺は首を傾げていると、姉さんは豪炎寺修也の元へ行ってこう告げた。

「豪炎寺君・・・貴方にはチームから外れて貰います」

その言葉に雷門は目を丸くした。
彼奴らも上手くやったんだ、失敗するかと思ったのにな〜。
まあ、文句も零す事も出来ず豪炎寺修也の次の行動を待った。
豪炎寺修也は驚いたが、姉さんの意図が分かったのか何も言わず去って行った。
その後を追い掛ける円堂守に何故嫌な気分が来て、吐きそうになる。
そういや、コアは仲間とか嫌いなんだった。

「監督・・・少しいいですか?」

「えぇ、どうしたの?死神屋さん」

「彼女・・・どうしますか?」

ムーンを抱いている皆月が俺を見ながら姉さんに相談した。
姉さんも俺の方に向き、そうねと小さく呟いて俺の方に向いた。

「一緒に来て貰いましょう、此処に置いておくのも・・・」

「ありがとうござます」

俺はサッカーが出来ないと言う事でマネージャーとしてやる事に。
本当は出来るけど、コアがそうしろと言っていたからそうしているだけ。
今はコアが俺の主みたいなものだ。
そして、夜になって未だに豪炎寺修也が何故キャラバンを離れければ行けないのか姉さんに説明を求めている染岡竜吾が居た。
はあ〜、本当、此処にバーンがいるみたい。
すると、姉さんのポケットからケータイの着信音が聞こえた。

「はい、・・・はい、分かりました」

電話の相手から何かを話し終えた姉さんは、こちらに振り向いてこう言った。

「北海道の白恋中に居るエースストライカー・吹雪士郎を仲間に入れ、戦力アップを計れ」

「それってつまり・・・」

「今から北海道に行って、その吹雪士郎って方を仲間にするって事ですね」

皆月の言葉に姉さんは頷いて見せた。
吹雪士郎・・・、調べる必要はありそうだな・・・。
コアには伝えておかなくちゃ。
そう思い、俺は雷門の潜入に成功し、姉さんも皆月も俺が死神屋皐月だとは気が付かなかった。
だけど、ムーンは違った。
俺は誰も居ない席に座ってボケッと外の景色を見ていると、にゃ〜とデビルとは違った可愛らしい声が聞こえて来た、あ、もちろんデビルの方が可愛いからな!!勘違いするなよ。

「どうしたの?」

「にゃ〜」

「(絶対気づいてる・・・)飼い主は何処行ったの?」

「あ、ごめんなさい。ムーン!」

皆月の声にムーンは反応して、すぐさま皆月の膝に飛び乗って眠る態勢に入った。
そういや小さい頃から寝る時はそこが一番のお気に入りだったっけ?ムーンにとっては・・・。
ふわあ〜眠い、俺は窓辺に頬づきしながら目を閉じて、そのまま眠った。
目を覚ました時に辿り着いていたのは、北海道の白恋中ではなく国会議事堂前。

「え?何で・・・」

「おはよう、恋姫ちゃん」

「あ、おはよう。何で、国会に居るの?」

同じマネージャーの秋さんに聞いてみると、雷門に居た財前総理の娘である財前塔子に父親を会わせる為に北海道の前に国会に来たのだとか。

「家族・・・か・・・。」

「どうしたの、恋姫ちゃん?」

「家族って聞いたらさ、あんまいい思い出がないから・・・羨ましいなって」

今の家族は・・・離ればなれ。
父さんも昔の優しい父さんじゃない、だから、コアも信じてない。
ヒロト達も皆変わってしまった、まあ、一番初めに変わったのって俺なんだけどね。
父さんの期待に答えなきゃと言うプレッシャーの中で生まれたコア、今の俺は二重人格だ。

「そっか、でも、大丈夫だよ」

「え?」

「今作れなくてもこれから作って行けばいいじゃない。」

今じゃなくて・・・これから。
そう考えた時だった、ちょうど財前塔子と円堂守が戻って来た。
そうだ、俺は雷門を探るために来たんだから・・・。

続く

15:暁◆s2:2016/09/16(金) 15:43 ID:4hI

第11話二重人格の少年・吹雪士郎と変わってしまった父さん〜皐月視点〜

白恋中に到着した俺達は、吹雪士郎と言う子を探す。
それにしても・・・途中で出会った男の子、ちゃんと目的地まで辿り着いたのかな?って何で俺がそんな心配しなきゃいけねぇんだよ!バカみたいだな、一回エイリア学園に戻ってみようかな。
そう考えていると、隣に立っていた皆月が不思議そうな顔をしながらこっちを見ていた。

「どうしたの?一人で」

「え?ううん、何も」

「そう?そう言えば、ムーン見てない?」

「ムーンってあの白猫?」

ムーンならそう言えば、白恋中の女の子に跳び付いて一緒に吹雪士郎を迎えに行ったな。
それを皆月に伝えると同時に吹雪君と言う白恋中の女の子の声でその声の先に目をやれば、目を疑った。

「あれ?君達・・・」

そう、その子は先程俺達と一緒にキャラバンに乗って居た子だ。
まさか、あの子が吹雪士郎だったなんて・・・知らなかった。
その後、雷門の皆は雪合戦をしたりとしていたが俺は今の状況報告をしなくてはならない為、一時エイリア学園に帰った。

〜コア視点〜

「ふわあ〜、全く皐月も情に流され過ぎだよ」

コアがそう言うと、心の奥に居る筈の皐月からごめんと声が聞こえた。
久しぶりかな、こうやって皐月とコアが話すのって・・・。
小さい頃はいっぱい喋ってたのに・・・。

「それより、父さんだよね〜。よし、報告してさっさと雷門に戻らないと」

絶対心配されるのが、コアにも分かる。
と言っても、父さんに報告・・・か・・・・。
デビルに逢いたいけど・・・すぐに雷門に戻らなきゃいけない。
今回はデビルに会うのは諦めようかな・・・そう考えていると、即に父さんの部屋に着いていた。

「行きたくないな〜」

『しょうがない、行って話したら俺が交代するから』

「うん」

皐月に言われ、コアは一時帰って来た事を部屋に居る父さんに言った。
父さんから入りなさいと言われ、襖を開け入ると、そこにはマスターランクのキャプテン達が居た。
グラン達に会うとか・・・最悪だ。
今すぐ代わって・・・、皐月。

『しょうがないな〜』

そう言って、皐月が代わってくれた。
コア・・・頭が痛い。

〜皐月視点〜

「父さん、コアの代わりに皐月がお伝えします。」

「そうですか」

全く、コアのグラン達の嫌うのをやめて貰いたい。
しょうがないか、コアは俺が作っちまったもんだし。

「雷門は戦力アップの為、北海道でエースストライカー吹雪士郎を入れるようです。豪炎寺修也はこちらの作戦の通り、雷門から離脱しました。何事も無ければ、こちらの味方になると思われます」

「そうですか、それにしても皐月として話すのは此方に来て久しぶりですね」

「はい」

そう言われれば少しだけ嬉しくなる。
でも、言葉は優しくても・・・もうあの時の父さんじゃない・・・。
あの優しかった父さんじゃない・・・。
コアもそれが分かってる、デビルもグランもバーンもガゼルもレーゼもデザームも皆が知ってる。
でも、知ってるからこそ従っている。

「では、引き続き雷門の潜入をお願いしますよ。」

「はっ!」

「それと、コアにこう伝えておいてください」

続く

16:暁◆s2:2016/09/16(金) 17:33 ID:4hI

第12話吹雪アツヤと吹雪士郎〜皐月視点〜

コアに何を伝えるのだろう?俺はそう思って、父さんの話を聞いた。
グラン達を見れば、少し悲しそうな顔をだった。
ん?何だ?まさか、コアをって言うか俺を追放とかじゃないよな・・・。
冷や汗を出しながら、俺は父さんを見る。

「プロミネンス、ダイヤモンドダスト、ガイアとの試合をして貰いたい。だけど、コアにはコアの用事があります。そこで暇が出来た時、此処に戻って来てほしいとコアに伝えておいてください」

それだけ?それなのに、グラン達悲しい顔をしてるの?俺は不思議に思いながらも分かったとだけ父さんに伝えた。
そして、4人で父さんの部屋に出る。
さて、雷門に帰りますか・・・。

「皐月・・・」

「ん?何?」

「・・・久しぶりだね」

ヒロト・・・。

「そうだね、こうやって話すのも久しぶりだよ」

今はちゃんと笑えているだろうか?やっぱ自分でも分からねぇわ。
でも、ヒロト達の姿を見て少しだけ安心できた。

「此処で話すのも何だし、違う所で話そう」

「そうだね」

姿は変わってもヒロト達なのだと今更理解する。
コアは俺の負の感情、俺が生み出した存在。
チビの頃から俺の傍に居てくれた、それこそデビルより長い間傍に居てくれた。
だから、俺はコアをエイリア学園の人間として俺の力を貸してやった。
それをグラン達に話すのはまだ無理そうだ、多分信じてはくれないだろうな。

〜部屋は変わり会議室〜

「皐月としてこの部屋に入るのは初めてだな」

俺達が来たのは誰もが使える会議室だ。
棚を見れば・・・見なかった事にしとこう。

「此処じゃ、皆本名で呼び合ってるからね。」

「そうなんだ・・・、コアは此処の部屋知ってるの?」

俺が聞くと、風介が首を横に振った。
だろうな・・・コアは仲間とか嫌いだから。
コアも少しはヒロト達と仲良くしてほしいのにな〜。

「皆もまだ・・・自分が居たんだね」

「当然だってんの。でも、これからどうすんだよ?皐月は」

「俺?・・・このまま雷門に潜入して、時間を見て正体を明かす。それが父さんに言われた事だからね。あ、後、もうちょっとエイリア学園に居させてくれる?ちょっと調べたい事があるから」

「皐月が調べもの?珍しいね」

ヒロトさんや、俺だって調べ物はするよ・・・あんましないけど。
と言う事で、しばらくの間は俺はエイリア学園に居ることにした。
調べ物と言うのは、吹雪士郎の事だ。
疑問はいっぱい残る・・・一つは雪崩の事、もう一つはチラッと見ただけだったが彼のシュートは彼自身の物じゃないと違和感を持った事。
ヒロト達には皐月が居るって事は教えない欲しいと言う事にした。

「さて、調べるのを開始するか」

北海道で起きた事件をすべて調べ上げる。
注目は雪崩と言う単語だ。

「雪崩・・・雪崩・・・あ!あった!!」

俺はその記事を開くと、よく読んだ。
吹雪夫妻、吹雪アツヤ雪崩によって死亡・・・。
そういう事か、簡単な話じゃないか。
吹雪も孤児なんだなと思いながら、その記事を読んで行く。

「そろそろ帰りますか」

俺は席を立ち、ドアを開けるとばったりと茂人と修児に会ってしまった。
あ、やべ。
俺は冷や汗を流しながら、数分3人共その場に固まっていた。

「「「わあああああああああああああああああああああ!!!」」」

そして、大声。
茂人と修児を見れば、お化けを見てる様な顔。
わぁ〜傷つくな〜。

「え?え?どうして、コア様が・・・」

「コアじゃないよ、今はね。」

「え!?皐月!?」

「うん」

二人共・・・本当に酷くね?!俺は幽霊なのかな?一人落ち込んでいると、二人に両手を掴まれ、またさっきの部屋に逆戻りになった。
それにしても、吹雪にもあんな過去があるなんてな・・・雷門の奴らは誰一人思ってねぇよな・・・。

続く

17:暁◆s2:2016/09/16(金) 18:55 ID:4hI

第13話空っぽの力とストライカー勝負!〜皐月視点〜

「え?本当に皐月だよね?」

「そうだよ」

コアは今は眠いとの事で何ヶ月か眠っている。
デビルに会いたがってたけど・・・これじゃあ仕方ないか。

「あのさ・・・皐月、あの時はゴメン。」

「いいよ、俺もあの時怒り任せだったから。コアもやり過ぎたとは分かってるから」

「ありがとう・・・それより、雷門に戻らなくていいのか?」

「いや、さっき戻ろうとしたら修児と茂人に会って・・・」

俺達はまた沈黙となった。
そして、あの時のお礼をと言う事で茂人と修児に北海道まで送って貰った。
空を見ればもう真っ暗だ、早く戻ろう。
教室に入ると、秋さんが心配した様に俺の元に来た。

「恋姫ちゃん!何処行ってたの!?私達心配したんだよ・・・」

「すいません、ちょっと辺りを散策してたらこんな時間に・・・・」

「そうだったのか!次は気を付けろよ!」

次・・・か・・・。
俺達マネージャーは円堂守とは違う時間にご飯を食べ、眠る事にした。
俺はと言うと、眠る事は出来ずキャラバンの上で月を見ていた。
エイリア学園に初めて来た時に見た月もこんなに綺麗だったな〜。
俺が月を見ていると、恋姫?と呼ばれた。
見れば、風丸一郎太だ。

「どうしたんだ?」

「眠れなくて・・・風丸は?」

「俺はちょっと考え事」

「そう・・・、もしかしてエイリア学園の事?」

俺が聞くと、風丸一郎太は肩をビクッと震わせた。
どうやら図星らしい。
話を聞くとレーゼ達の実力でもし自分も神のアクアがあれば強くなれると考えていたらしい。
その力を使っても、エイリア学園には勝てないだろうな・・・。

「皆、強くなってると思いますよ?それに・・・エイリア学園に神のアクアなんて通用しないし」

「何か言ったか?」

「何も言って無いよ。とにかく風丸なら大丈夫だよ」

「そうか?恋姫がそう言うならそうかもしれないな」

少し話をして俺はキャラバンの屋上で一夜を過ごした。
そして、朝起きるとレーゼ達が白恋中を襲撃する事を映像にして語っていた。
そろそろ本気で動いたって所か、まあ、負ければただ特訓を受けるだけだってヒロトに聞いたし、大丈夫だろうけど・・・。

「恋姫ちゃん、一緒にスノボーやらない?」

「え?!」

吹雪士郎に誘われるが、産まれてこの方俺はスノボーなんぞやった事ない。
ヒロト達なら簡単に滑れるだろう、俺はお日さま園の中でもスノボーやスキーと言った冬で遊ぶ物は大の苦手だ。
俺は断ったが、出来ないなら僕が教えると吹雪士郎が言ってくれたのでやって見る事に・・・。

「だ・・・大丈夫だよね?」

「うん、落ち着いて。自分は風だって思って・・・」

俺は風、俺は風、俺は風ずっとそんな事を思っていると何かに滑ってる感覚が頬で感じ取れた。
少しだけ目を開けると、吹雪士郎が横に居て俺は滑っている。
え?!え〜〜〜!!!俺は一人驚きながら、後ろで感じる気配に俺は咄嗟にスノボーを左にずらす。
横に通って行った物を見ると、雪玉。
円堂守達が特訓で使っていた物だ。
その後、何個か避けた後で俺はスノボーをやめた。

「凄いね、恋姫ちゃん。スノボー上手だね」

「そ・・・そう?(初めて滑ったとは思えない)」

一人そんな感覚に驚いていると、染岡竜吾がこちらに来て吹雪とストライカー勝負をしたいのだと言う。
試してみよう、もし、吹雪士郎にアツヤの人格があるなら俺と同じだ。
そして、ストライカー勝負は白恋中にあるグラウンドでやる事に。
でも、どっちが勝ってもエイリア学園には勝てない

続く

18:暁◆s2:2016/09/16(金) 22:26 ID:4hI

第14話吹雪アツヤと倭国恋姫〜皐月視点〜

ストライカー勝負の勝者は染岡竜吾で終わった。
まあ、あのままアツヤで居れば吹雪が勝っていた。
何であの時・・・アツヤをやめたんだろう?そう考えた時に俺の頭に葉っぱが一枚落ちて来た。
上を見上げれば、リスが一匹。
そういう事か、俺は納得すると吹雪がこちらにやって来た。

「隣、いいかな?」

「別にいいけどさ、吹雪アツヤ出すのやめたでしょ?リスを助けるために」

「!よく分かったね」

「気に障ると思うけど、ちょっと調べさせてもらったんだよ。雪崩の事件の事。そのマフラーは・・・アツヤの形見って所?」

俺が白いマフラーを指差すと、吹雪は顔を暗くさせながら頷いた。
その後色々と詳しく聞かせて貰った、聞き終わると分かったのが俺とは違う境遇だけど悲しさの余り人格を生み出したって所は似ていた。

「ねえ、夜に一回だけ君と勝負がしたいんだけど・・・いいかな?」

「!アツヤでも・・・いいかな?」

「うん、アツヤと少しだけ話したいんだ。アツヤがどんな子か知りたいんだ」

「そっか・・・僕と恋姫ちゃんって似てるね。何だか、安心するよ」

「そう?後、俺の事ちゃん付けはしないで、恋姫で良いよ」

「分かったよ、恋姫」

吹雪・・・か・・・。
俺は少しここ離れて、コアと話す事にした。
コアはちょうど起きている、俺は誰も居ない森林に入ると木に凭れてコアに話し掛けた。

「コア・・・吹雪の前ではコアは出ちゃ駄目だよ」

『分かってるよ〜、コアもそこまで分からないバカじゃないもん!』

「そう、ありがとう。・・・コアから見て吹雪はどう思う?」

『ん〜〜、繊細な子で・・・いつか壊れちゃいそう、昔のコア達みたいに・・・』

「・・・そうだね、でも、俺達は敵。吹雪とは敵と言う事は憶えておこう、どんなことがあっても」

『うん・・・』

俺とコアは会話を終了すると、俺は元来た道に戻って行った。
吹雪の事を支えてやりたいと思うのは・・・俺とコアだけだろうか?吹雪は俺がエイリア学園って知ったらどう思うだろう?・・・バカなことは考えないでおこう。
そして、夜。
円堂守達が寝たのを確認すると俺はソーッとキャラバンを抜けだし、グラウンドに行く。

「待たせたね、吹雪・・・アツヤ君?」

「へっ!お前が兄貴の言う恋姫か・・・。中々面白そうじゃねぇか」

「こちらもお会い出来て嬉しいよ、君達との練習試合は見れなかったからね」

「で、俺と勝負したいんだろ?ストライカー勝負か?」

「まあね、やろうよ。ストライカー勝負」

俺は持って来ておいたサッカーボールを地面に置いて、お互い間合いを取る。
そして、お互いが笑ったところで勝負が始まった。
奪われたら取り返すそれの繰り返しだった、久しぶりだ・・・こんなに楽しいサッカーをやったのは・・・。
結局俺も本気を出さず、引き分けと言う事になった。

「やるじゃん・・・と言うか、アツヤ・・・本気出してなかったでしょ?」

「はぁはぁ・・・お前もな・・・。」

「俺さ、マネージャーだけど・・・お前とのサッカー楽しかった。」

「そうかよ・・・じゃあ、今度は選手として勝負したいぜ」

俺とアツヤはそう言って、グラウンドで大の字になって夜空を見上げた。

〜皆月視点〜

「やっぱり・・・お姉ちゃんなのかな?」

私は瞳子姉さんと人があまり来ない場所で最近やって来た倭国恋姫さんの事を話していた。

「分からないわ、でも・・・ムーンがよく懐くのはいつもの事じゃない」

「ううん、なんて言うかムーンが恋姫さんが行った場所じゃいつも切なげに鳴いてるから・・・」

「そう・・・もうちょっと様子を見て、彼女に聞いて見ましょ」

「うん」

お姉ちゃんならどうしよう・・・。
私はそう思う、私は腕に中で眠っているムーンを見ながらムーンの毛をそっと触った。
ムーン・・・貴方は倭国恋姫さんがお姉ちゃんだと思う?私は少しだけ思ってるの。

続く

19:暁◆s2:2016/09/17(土) 23:17 ID:4hI

第15話 コアと皐月の不安〜皐月視点〜

レーゼ達がやって来た、ついにこの日がやって来たのだとレーゼ達が来た事で実感する。
俺はマネージャー達と一緒に座らず、近くの柵に凭れながら試合を見る。
レーゼは勝つ気満々だけどね、雷門も強くなってる・・・。
今のレーゼ達には分からないと思うけど、この試合・・・なめてたらレーゼ達が負けちゃう。
そして、試合が始まろうとした時、目の前に白猫のムーンを差し出された。

「ムーンの事、お願いできますか?」

「う・・・うん」

どうやら皆月もこの試合には出るようだ・・・。
俺はムーンを受け取ると、皆月が見える様にムーンを抱いてあげた。
吹雪がDFか・・・ふ〜ん、姉さんもいい考えするじゃん。
そして、俺はある気配を感じて後ろを振り返る。
・・・ヒロト、どうして居るの?俺が不思議に思っていると、ヒロトがこちらを向いた。

(内緒って意味?・・・後で、コアに聞いて貰おう)

俺はレーゼ達の方に目を向けた。
試合が始まって分かった事・・・雷門の能力値が上がってる!?やっぱり、あの時のスノボーの特訓が役に立ったって事か?!姉さんは・・・何処までこのチームを育て上げる気だ!!俺は一人困惑していると、皆月に注目した。
皆月・・・お前の力はこんな物じゃない筈だよ・・・俺の妹なんだから・・・。

〜皆月視点〜

「我々のスピードに慣れて来るとは・・・最低限の学習能力はあるようだな」

緑川・・・。
緑川がそう言うなんて、本当に変わったの?優しかった緑川兄さんが・・・。
なら、目を覚ましてあげる!

「染岡さん!」

「おう!」

染岡さんのパスを受け取ると、大夢に阻まれる。

「滝登り!!」

「うわ!」

水の柱が大夢を退かせ、私はすぐさま陣に入る。
その後もDFが囲むように私を阻んできた、なら、空中戦で勝負になる。
私は勢いよくジャンプする。

「皆月が・・・跳んでる!」

「・・・染岡さん!」

「!おう!」

染岡さんにパスをする、染岡さんのドラゴンクラッシュが炸裂するが、ゴルレオに止められてしまう。
これ以上・・・緑川達に悲しい思いはさせたくないのに・・・。

〜皐月視点〜

「互角に戦えますね!恋姫先輩・・・座らないんですか?」

「うん、座るとちょっと・・・」

春奈ちゃんの言う通り、雷門は互角に戦えている。
現にレーゼも困惑状態に陥りそうだ、俺は心の中でレーゼに勝つ事を望む。
もし・・・此処でレーゼが負けたらと考えれば、もう会えなくなると言う不安が如何してか溢れて来る。
ただ特訓を受けるだけなのに・・・どうして?どうして、こんな不安な思いになるのか俺には分からなかった。

「あぁ!!ジェミニストームの動きが変わりましたよ!」

レーゼ達の本気だ。
まあ、癖を見つけたら終わりだけどね。
でも、未だに見つけられずレーゼがシュートを打った時に前半戦は終了となった。
俺はドリンクを配り終えると、トイレに行って来ると言ってグラウンドを後にして、コアに話しかける。

「コア・・・交代して」

『グランの事?分かった!』

俺の意識は一瞬にしてコアになる。

〜コア視点〜

「グラン」

「コアじゃないか、どうしたんだい?」

全く澄ました顔しちゃって嫌な感じ。
まあ、今のグランの姿は基山ヒロトだけどね。

「何してるの?」

「レーゼ達の試合を見に来たんだよ」

「それだけ?」

「何が言いたいんだい?」

「だって〜、コアから見たらグラン・・・自分が興味を持ちそうな人とか探してるんじゃない?」

コアがそう言えば、グランの眉がピクッと動く。
グランってば、分かりやす〜い!コアはクスクス笑いながら、今から始まる後半戦を見る。
コアから見たら・・・レーゼ達負けるのかな?皐月も言ったけど、どうしてコアの中に不安が渦巻くの?ただ特訓させるだけだよね?どうして・・・。

「コア?」

「ねえ、グラン」

「何?」

「レーゼ達が負けたら・・・ただ特訓するだけだよね?」

続く

20:暁◆s2:2016/09/18(日) 00:01 ID:4hI

第16話追放って何?〜グラン視点〜

「レーゼ達が負けたら・・・ただ特訓するだけだよね?」

コアが悲しそうにそう聞いてきた。
今にも泣きそうで昔の皐月と重なって見えた。
いつも冷たい事しか言わないコアが、どうしてレーゼ達の心配をするのだろうか?その疑問が半分と父さんが言っていた“本当のルール”を隠している事の罪悪感が押し寄せてくる。

「うん、そうだよ。急にどうしたの?」

俺は精一杯の嘘を吐く。

「そう・・・だよね・・・」

コアのか細い声が俺の心に痛みを与える。
ごめんね・・・コア、皐月・・・。
俺は数分、痛みを抱えながらもコアとこれからの話をして、コアは雷門に帰って行った。

「コア・・・ごめんね」

俺はベンチに戻って行ったコアを見ながら、眼下に広がる試合の行方を見た。
その中には裏切り者の皆月が居た、力・・・上がったね・・・皆月。
その時、にゃ〜と猫の鳴き声が聞こえた。

「ムーンじゃないか・・・久しぶりだね」

「にゃ〜」

「でも、今は君とも敵なんだ。デビルもそう思っているよ、君の姉のデビルもね・・・」

俺はムーンをベンチに行くように言うと、ムーンは理解したのか木々に跳び移りながらコアが居るベンチに戻って行った。

〜皐月視点〜

やっぱり・・・コアに確認して貰ったけど、特訓するだけだって言っていた。
俺の勘違いかな?そう思いながら、後半戦を見る。
だけど、一之瀬がパンドラの動きを見破って、雷門の動きは一気に変わった。
そして、FWに上がっている吹雪と染岡その二人のサポートをしている皆月は敵のピッチに上がっている。

「レーゼ・・・」

〜皆月視点〜

このままなら、きっと勝てる!私はそう思った。
私は土門さんのパスを受け取ると、すぐに染岡さんにパスを出した。
だけど、DFが染岡さんを囲む。
染岡さんは一瞬だけ、吹雪さんを見て何か考え込んでいた。
やっぱり・・・まだ、吹雪君さんの事信じていないのかな?私がそう思った時だ、染岡さんが吹雪さんにパスを渡す。

「吹雪!」

「染岡ッ!おう!吹き荒れろ、エターナルブリザード!!」

エターナルブリザードがゴルレオの居るゴールに向かう。

「う・・・うわああああ!」

ゴルレオはボールを受け止めきれず、ゴールを許した。
得点板を見ると1−1・・・。
同点・・・、嘘でしょ!?初めてジェミニストームと並んだ。
私が目を見開いていると、緑川の声が聞こえて来た。
そして、エイリア学園からのキックオフ、レーゼとディアムが一気に上がって来た。
一体何するつもりなの!?

〜皐月視点〜

「「ユニバースブラスト!!」」

レーゼとディアムの連携技が出た。
これがジェミニストームの切り札だ、これを止められたらジェミニストームに後がない。
多分・・・負けてそのまま特訓だと思うけど・・・。
だけど、それは的中となった。
円堂守がマジン・ザ・ハンドでユニバースブラストを止めたのだ、嘘だろ・・・?!俺は一人、口をポカーンと開けた時、皆月にパスが回る。
今、染岡と吹雪はマークされている。

「ホワイトキャット!」

皆月のロングシュート、白い猫がゴールに向かって駆ける。
ゴルレオはブラックホールで止めるが、ホワイトキャットの威力の方が勝ったのか点を許してしまった。
これで2−1・・・その時、ピッピー!と後半終了の合図が響き渡る。

「嘘・・・レーゼ達が負けた!?」

雷門が喜ぶ反対俺は驚愕していた。
レーゼ達が負けた!?嘘だろ・・・俺が見開いた時、レーゼが口を開いた。

「お前達は・・・まだ知らないのだ」

「負け惜しみ?」

「フッ、我々はセカンドランク・・・ファーストランクのイプシロンに比べれば・・・」

レーゼと目が合う、まあ、少しだけヒントを与えるか。
俺は口パクで裏切り者が居る事を言っておいてくれと頼んでおいた。

「それに・・・お前達の中に裏切り者が居る。我々、エイリア学園の一人がお前達に混ざっているのだからな!」

「「「!!!」」」

案の定、驚いた顔をする雷門。
コアが見たら、嬉しくて騒いでそうだな。
その時だ、辺りから黒い霧が広がる・・・デザームが来たのだ。

「無様だぞ!レーゼ!!」

「!デザーム様・・・」

デザームと目が合う。
が、すぐに逸らしてこう言い放った。

「覚悟はできているな?お前達を・・・“追放”する!!」

え・・・?追放って・・・どういう事!?

続く

21:暁◆s2:2016/09/18(日) 09:46 ID:4hI

第17話発言と黒猫少女の過去〜コア視点〜

今、コアはエイリア学園に向かっている。
グラン達に詳しく聞かなきゃ・・・どういう意味なのかを聞きにだ!グランがあの時言ったのと全然違っていたから、コアは聞きに行くだけだ。
決して怒鳴り込もうとはコアは思って無い。

「グラン!!」

「「「!!」」」

「な〜んだ、プロミネンスの会議だった此処」

まあ、居ると思ったんだけど・・・。
ダイヤモンドダストの会議室かな?プロミネンスの会議室を後にし、ダイヤモンドダストの所に向かう。
ん?デザームから直接聞けばいいのに、な〜んでコアはグランに聞きに行ってんだろ?コアが不思議に思っていると、コアの名前が呼ばれた。
振り向くと、バーンが居た。

「何?」

「お前・・・わざと会議邪魔しに来たのかよ?」

「違うよ、グランを探してるの!会議邪魔した事なら、コア謝るから」

「ふ〜ん、お前から謝るのは珍しいな。で、グランに何の用だよ?」

「別にバーンに教える必要ないでしょ?」

コアがそう言うと、バーンがムッとした顔になった。
だって、バーンに教える必要なんてないでしょ?コアがそう思っていると、バーンが不機嫌そうにこう言ったのだ。

「コア、あんまり調子に乗んなよ」

「だーかーらー、調子に乗ってない!」

「そう言う意味じゃねぇよ、お前が知りたいのはレーゼ達の事だろ?」

「・・・・」

「図星かよ、一つだけ教えてやる。お前の狂気はぜってー逃げられねぇ、どんな事をしても・・・な。」

「は?」

コアが不思議に思ったが、2年前に起きた事件が頭に過る。
2年前の事件はここに居る全員が被害者だ、主犯は誰か今も分からない。

「その話はもうしない事になってなかった?」

「あぁ、ワリィな。グランなら、ガイアのグラウンドじゃねぇか?」

「そう、ありがとう」

コアはバーンにお礼を言い、ガイアのグラウンドに向かった。

〜バーン視点〜

「バーン・・・」

「ガゼルか、何の用だよ?」

「君、あの時の事件を思い出させるような言い方はやめろ。コアだって、まだあの時の事件の傷が癒えてる訳じゃないんだぞ」

それは俺でも分かってる。
あの時の事件を俺だって思い出したくないが、少し腹を立てて言ってしまったのだ。
コアには悪い事しちまったな・・・。

「あの時の力はコアでは抑えきれなかった・・・それがエイリア石の力を一時使えなくなってしまったのだからな」

「・・・狂気の力だろ?あん時はビビったけどな」

「その主犯格は誰か分からないが、コアの狂気にはコア自身も逃げられない。誰が手を差し伸べても・・・、父さんはその力を狙っている、それは君も分かっているだろ?」

「あぁ・・・だから、コアもそれが分かって本気の力を出さない。」

あれ以来、コアは誰にでも冷たく振る舞うようになった。
それは多分だけど、誰にも傷ついて欲しくないからだと思う。

「グランもそれが分かって、嘘を吐いている。ここの“本当のルール”を教えてないんだからな」

「あぁ、知ってるよ。お前に言われなくてもな・・・。」

続く

22:暁◆s2:2016/09/18(日) 22:34 ID:4hI

第18話悪戯小僧はサッカー部!?〜皐月視点〜

あれからエイリア学園に行ったもののグランには会えなかったし、バーンに事件の事は蒸し返されたし、コアの機嫌は悪いしと良い事ばかりではなかった。
仕方なく聞けず仕舞いに終わり、雷門の所に帰って来た。
そして、今俺達が居るのは昨日襲撃予告があった漫遊寺中なのだが・・・のんびり和やかだな。
レーゼ達が色々と学校破壊して来たのに、度胸があり過ぎるだろ此処の学校・・・。

(めんどくさいな〜、歩くの)

俺は吹雪の隣を歩きながら、辺りを見回す。
確か情報じゃ・・・FFに出場して居たら、優勝校と言われているが此処の学校のモットーが心と体を鍛える事、あの鬼道有人も裏の優勝校だって言わせる程だ。
と言うか、サッカーをして心と体を鍛えるとかありえねぇ〜。

「吹雪〜・・・何してんのさ?」

「あ、サッカー部の場所を聞こうと思ってね。」

女の子に囲まれていた。
見なかった事にしておこうかな、吹雪って確かにイケメンさんだもんね。
吹雪さんはそんなもんに自覚はないらしいですけどね、自覚を持ってほしい物です。
そして、サッカー部の場所を聞いた円堂守達も吹雪を見て呆れ果てて言葉をしなかった。
ムーンなんか呆れ果てた鳴き声出したからね!?驚くよ、あのムーンが呆れ果ててるんだからさ!!デビルなら、まだ分かるけどね・・・。

「長〜い」

「恋姫って歩くの嫌いなの?」

「まあね」

いつもコアに歩いて貰ってたからな〜。
吹雪なんか不思議そうに見てるから、頑張るけどさ・・・。
別に好きじゃないよ、勘違いはしないでね!エイリア学園の裏切り者と言うのも雷門で話題になった、だが、姉さんの言葉でこれは雷門だけの秘密となった。
まさか、俺とは思わないだろうな〜。
その時だ、ドシーン!と鈍くて大きな音が長い廊下に響き渡る。

「何!?・・・何してんの、これ?」

「それが・・・やっと見つけたサッカー部の部室に円堂先輩達が走ったら、急にこけて・・・ねえ?ムーン」

「にゃ〜・・・」

絶対ムーン・・・円堂守達をバカにしたな。
俺はコケたと言う場所に行くと、一部の床だけピッカピカになっていた。
触るとツルツルって、これ・・・ワックスじゃん。
それには秋さんも分かったのか、これはワックスじゃないかしら?と皆に尋ねていた。
いや、ワックスですけどね・・・。
そう思った時だ、茂みからウッシッシッと楽しそうな声が聞こえて来た。

「ざまぁみろ、FFで優勝したからっていい気になるなよ!」

「お前〜〜〜っ!よくもやったなって、うわっ!」

塔子が柵を飛び越えて皆を転ばせた張本人である男の子を捕まえようとするが、俺の視界からすぐに消えた。
俺は塔子の飛び越えようとした柵を見ると、落とし穴に居る塔子さんが居た、おいおい、財前総理の娘に何やってんだ?この子は・・・。
たっく、この為にコアを使いたくないんだけど・・・。

「うっしっしっ〜!引っ掛かってやんの〜!」

「あんまり調子に乗ってたら・・・コアが潰しちゃうよ?」

「うわっ!お前・・・え!?」

そりゃそうだわな。
さっきまで柵の所にいた奴が、いきなり隣に居たらびっくりするよね〜。
男の子は飛び退くのを見て、俺は塔子に手を貸す。
俺は大丈夫か聞くと、塔子は大丈夫大丈夫と答えていた。
あんた・・・財前総理の娘であると言う自覚を持とうね、俺は心の中でそう思いながら、その男の子を見る。
その時だった。

「小暮ーー!」

「げっ!お・・・お前!覚えとけよ!!」

何で俺?そう思いながら、岩と言う岩を身軽い動きでかわしては何処かへ行ってしまった。
声の主を見れば、漫遊寺中の男だ・・・。
そして、今の有様を見て男はさっきの子がやったと理解し、俺達に向かって合掌した。
そして更に分かった事は、さっきの男の子はこの男と同じくサッカー部らしい

「「「えええええええええええええええええええ!!!」」」

雷門の皆さんもよくハモりますね・・・。

続く

23:暁◆s2:2016/09/18(日) 23:15 ID:4hI

第19話過去の恐怖を思い出す〜皐月視点〜

彼奴が・・・サッカー部って世の中すげぇな、これには雷門の皆も驚きを隠せない様子でその話を聞いていた、現に俺も驚いているんだけどね。

「彼奴は小暮と言って・・・全く困った奴なんです。周りを“全て敵”だと思っているらしく・・・」

全て・・・敵・・・。

『お前達は人間じゃない!!』

あはは・・・、何でだろう?あの時の事は、皆月と忘れるって決めて、忘れたのに・・・。
結局思い出してんじゃん、小暮に仲間意識を持っちゃうよ。
昔の古傷が痛むな・・・これ、俺は誰にも見えない様に痛む背中を擦った。

「小暮には、精神面から鍛える為に修行をさせているのですがね・・・小暮にとっては、それは“イジメ”と思っているらしくて・・・」

ん〜〜、何かそれも分かる。

「全く、同じサッカー仲間として恥ずかしい限りですよ。あぁ、壁山君こっちもお願いしますね」

お前もな・・・!俺は笑顔を引き攣りながら、目金を見る。
多分だけど、まだ小暮の方がマシじゃないかな?俺はそう思いながら、肩もみして貰ってる目金を見る。
すると、秋さんがどうしてそんなにも皆が信じられないのかと男に尋ねた。
男は表情を暗くさせながら、少し俯きながらこう言った。

「小暮は・・・小さい頃親に「裏切られた」え!」

俺がそう呟くと、男は驚いたような顔をした。

「どうして、それを?」

「俺も同じような事があったからだよ、まあ、あそこまで捻くれなかったけどね」

俺が言うと、雷門の皆の視線が俺に来ていたことに気づいた。
やべ・・・つい、いつもの癖が出ちゃったよ。
俺は苦笑いを浮かべ、吹雪の居る所に戻る。
さっきのでまた古傷が痛んだぞ、それに妙に足の震えが凄くなって来てるしね?これ、やばくない?こんなの誰にも見せたくないよ。

「先程、あの方が言う様に小暮は親に裏切られて・・・それ以来人を信じなくなったんです」

『お前は悪魔の子なんだ!』『消えてよ、怪物!』『近づかないで!』

色んな声が頭の中に入って来る。
助けて・・・。

「あれ?恋姫何処行くの?」

「ちょっと気分が悪いから・・・、景色見て来る」

俺は吹雪にそう言って、雷門から離れたと分かると全速力で誰も居ない場所へ走る。
涙が溜まって周りがぼやけている、どうしよう・・・こんな顔でエイリア学園に帰ったら、皆に心配される。
コアにもデビルにもまた迷惑を掛けちゃう・・・、どうして、どうして俺だけ・・・こんな目に遭うの?涙が頬に伝うのを感じる。

「はぁ・・・はぁ・・・」

近くの竹藪に入り、俺は急いでエイリアボールを取り、エイリア学園に帰還した。
今回はコアを出したくない、こんな泣いてる姿コアに心配されたくもないし迷惑掛けたくない。
エイリア学園に着くと、俺はフラフラになりながら自室を目指していると、古傷が更にいたんだ。
もう歩けるのも限界だった時だ・・・。

「コア?」「コア様?」

「愛、マキ・・・。たす・・・!助けて・・・!!」

「!どうしたの!?」

「マキュア、デザーム様呼んでくる!」

俺は愛に縋り付き泣き声を上げた。
愛はそれが只事ではないと気付き、俺の背中を擦ってくれた。
マキも分かってくれたのか治兄さんを呼んでくると言って、行ってしまった。
それから数分して、皆が集まって何があったのかを聞かれた。

「もう・・・一人・・・じゃないよね?」

「何言ってんだよ、お前は一人じゃねぇよ!!」

「俺もコアも・・・怪物じゃ・・・ないよね?」

「違うよ、コアも皐月も人間だよ」

皆にそう言われ、少しだけ背中の古傷も癒えて来た。
そのまま俺は瞼をゆっくりと閉じてしまった、俺は一人じゃない・・・。
コアと俺はそう言い聞かせた・・・、一人じゃないと大丈夫だと信じて・・・。

続く

24:暁◆s2:2016/09/19(月) 13:25 ID:4hI

第20話お前と一緒〜皐月視点〜

「ん・・・」

此処・・・何処だ?俺の部屋じゃないな、痛む頭を押さえながら辺りを見回す。
此処って、医務室・・・。

「そういや・・・泣きすぎて、寝ちまったんだ」

それも皆の目の前でだし・・・うわ〜、恥ずかしい。
俺は顔を両手で覆いながら、恥ずかしさに布団を被った。
ヤバイ・・・死んじゃいそう・・・。

『そんなので死んだら、コア驚くよ〜』

そう言う意味じゃないって!て言うか、俺の心を勝手に読むな〜〜!!俺は一人怒りながら、布団から顔を出した、雷門に帰ろうかな?包帯も巻き変えないと行けないし・・・俺は医務室のベッドから出て、棚を漁る。
包帯・・・包帯・・・あ!あった〜。
俺はすぐに服を脱ぎ、古傷を隠している包帯を取り、鏡の方へ行く。
酷い傷だな〜、ずっと見ていると吐き気と頭痛とかすっごい来る。

「コア〜、目さめ・・・ごめん!!服着替えてたって分かんなくて!!」

「いやいや茂人が悪い訳じゃないから!!安心しろ!!」

今の状態を説明すると、俺は上半身は裸、茂人はそれを目撃。
つまり、思春期真っ盛りの男の子にとっては目に毒な光景に目にしてしまっていると言う事だ。
俺は事情を諸々説明して茂人にお願いして、包帯を巻いて貰う事にした。

「それにしても・・・酷い傷だね。昔からあるの、この傷?」

「まあね、捨てられたとか虐待されたとかイジメにあったとかそんな話聞けば、古傷が痛むんだ。それにしても、鍵かけとけばよかったな・・・」

「アハハ・・・俺もノックしとけばよかった。これで良いかな?キツくない?」

「うん、大丈夫。ありがとう、茂人」

俺は茂人にお礼を言った後、愛やマキにもお礼を言って、雷門に戻って行った。
空を見れば、もう真っ暗・・・吹雪達に心配かけちまったな。
俺はサッカー部の道場を見に行くとタライが何個もあった、中を覗けば小暮がタライに何かしていた。

「何、してんの?」

「お前・・・あの時の!別にいいだろ、お前に関係ないんだからさ!」

「イジメ・・・でしょ?それにこのタライ・・・サッカー部の奴らに浴びせようって算段かな?」

俺が言うと、小暮は驚いた様に俺を見た。

「俺さ、お前と同じように親に裏切られたから、お前の気持ち・・・分かるよ?」

「お前も裏切られたのか?」

「うん、裏切られたって捨てられたって意味でしょ?俺もそうだったんだ、ただ猫と話せるだけって意味で捨てられた、信じていた奴らにも」

お日さま園に来る前の友達の事が頭に浮かんでくる、今でも憎んでいる・・・信じていたのに。
俺は小暮の隣に腰を掛けて、こう提案してやった。
俺とサッカーバトルをして、俺からボールを奪えたら一緒に練習させて貰うように頼むと言う提案だ。
小暮は乗り気ではなかったが、俺がバカにしてやるとやってやる!と単純に俺の提案に乗ったのだ。

〜漫遊寺中グラウンド〜

「ほっ!よっ!」

「うわっ!お前、真面目にやれよ!」

至って真面目です、俺は足にボールを乗せながら小暮に取って見ろと言ってみた。
それにしても、こいつの体力底力だな・・・エイリア学園にスカウトしてもいい程の体力の持ち主だ、特別な力でも持ってんのかな?そう言う不思議な考えが頭の中にあった。

「ふう〜、ん?春奈じゃん、どうしたの?」

「あ、恋姫先輩!恋姫先輩の声がしたんで、こっちに来て見たら小暮君と何やってるんですか?」

「サッカーかな?それにしても、あいつの動きはいいよ・・・さすがの俺も疲れちゃう」

「おい!早くしろよ!!」

小暮に言われて、俺は小暮の元に行く。
たっく、調子が良いんだがそれとも・・・強大な敵になるんだが・・・。

続く

25:暁◆s2:2016/09/19(月) 15:25 ID:4hI

第21話デザーム襲来〜皐月視点〜

デザーム達が漫遊寺中に来る日、俺はいつもの様に近くの壁に凭れ掛かっている。
漫遊寺中サッカー部は最初こそサッカーでやるのではなく話し合いでどうだとデザームに持ちかけるが、それで聞きいる程デザームもバカではなく、サッカーをしないのならば破壊すると言い、校舎の一部を破壊。
それに逆上した漫遊寺中は受けると言ったもののすぐに潰された、そりゃ実力の差で考えたらね。

「今度は俺達の番だ!」

また、円堂守か・・・。
エイリア学園を倒す為に来たもんね、当たり前は当たり前なのだが・・・ジェミニストームとは格が違うのだ、イプシロンは・・・。

「キャプテン、お願いがあります!小暮君を・・・試合に出してあげてください!」

「「「小暮ーーーー!!!」」」

へえ〜、春奈も良い事言うじゃん。
まあ、春奈が言っていなかったら俺から言ってたかもしれない、小暮には体力が無限にあるじゃないかと思える程の体力がある。
雷門には良い戦力にはなると思うが、円堂守以外の奴らは小暮で大丈夫なのかと春奈に問うていた。
春奈は何度もお願いするが、補欠だから低いと言うレッテルを貼られた小暮にそれに何も言えない春奈が居た、何で・・・かな?助けたいそう思うのは・・・。

「いいんじゃない?春奈の願い・・・聞いてやっても」

「恋姫!お前まで何言って「こいつの実力は俺が知ってる」え!」

風丸の言葉を遮ってそう言う。

「小暮の実力は皆の言うように低いし、役に立たないかもしれない。けど、それだけで判断するのは良くないんじゃない?俺は昨日こいつと勝負して、こいつには誰も持ってない程の動きと体力がある!そう思った。決めるのは・・・円堂守、お前だ!」

俺は小暮の隣に行きながら、円堂守を見据えた。
お前の心の広さはどれくらいだ?俺は円堂守を見据えながら、そう思った。

「分かった・・・小暮!一緒に戦おうぜ!」

広い心を持った奴・・・か・・・。

「小暮君!さあ!」

「でも・・・俺・・・」

「何怖気ついてるの!恋姫先輩があんなに皆を説得してくれたのに!」

説得・・・なのか?あれは・・・。

「小暮・・・俺は信じてるよ。」

「信じる・・・?お前が?」

「俺だけじゃない、春奈もそう思ってんだから」

俺がそう言うと、小暮は春奈を見た。
春奈はコクッと大きく頷いて、小暮は俺達から顔を背け信じるなんて簡単に言うなって言う。
簡単じゃないから、俺は言える。
だって、君と似てる・・・親に捨てられた所もすべてが敵だと思える所も全部似てる気がする。
だから・・・君とは敵だけど、俺は君を信じるよ、いつだってね。

「あの、またムーン・・・お願いできないかな?」

「いいけど・・・」

「それと・・・」

「何?」

「ううん、何も!」

皆月は慌てた様にそう言い、すぐにグラウンドに戻って行った。
俺は変な奴と思いながら、ムーンの毛並みをそっと撫でてあげた。
デビルにもこうしてあげたいな・・・、最近してないから・・・、今日はエイリア学園に一時帰ろうかな?また来たのかってガゼルやバーンにも文句言われそう。
俺は一人そんな事を思いながら、クスクスと笑っていた。

(ん・・・?あれって、ヒロト!?)

普通なら人の肉眼では見えない場所にヒロトが居た。
一体どうして・・・?!俺はそう思った時、ヒロトの口が動いていた。

(・・・今日の夜、エイリア学園に来い・・・)

俺が不思議に思っていると、ムーンが俺の頬を舐めて来た。

「どうした?お前のご主人が頑張ってんだぞ?」

「にゃ〜、にゃ〜!」

何かを訴えかけているが、聞かないふりをした。

「雷門中、ジェミニストームを打ち破り、コア様が認めている唯一のサッカーチーム。たったそれだけの事で我らを打ち破ろうと思われいるのなら、我々も舐められたものだ。・・・試合にはコア様も見ている、恥を晒すな!」

「暴れ足りねぇ」

「お手並み拝見としましょう」

「ぶっ潰す」

「命知らずって、マキュア大好き!」

イプシロンの皆さんの目が怖いのは気にしないでおきます。

続く

26:暁◆s2:2016/09/19(月) 16:55 ID:4hI

第22話隠された力〜皐月視点〜

「やっぱり・・・荷が重すぎたかな?」

俺は一人そう呟く、姉さんがイプシロンの態勢を分かった所で雷門に勝てる確率は0だ。
けど、俺は今回イプシロンの他注目してるのは小暮夕弥・・・その秘めたる力だ、人は危機に陥れる程その力を出そうとする、俺も2年前の事件でその体験をしたから分かる。
小暮・・・。

「さあて、ショータイムの始まりはいつかな・・?」

俺は誰にも聞こえない程小さく呟いた。
皆月もジェミニストームで限界か・・・期待外れと言うのがあり、助けてやりたいと言うのがあった。
何言ってんだ俺?皆月とは敵じゃん、まさか・・・俺が知らない所で俺は雷門を離れたくないとか思ってんのか・・・?おかしい、こんなの俺じゃない。
そう思っている内に、雷門の皆は俺の眼下で傷ついっている・・・。

「それにしても・・・さすが、小暮だな」

小暮だけ、逃げてる様に見えるけど・・・完璧にかわしてる。
それには多分、俺と春奈しか気づいていない。
イプシロン何て絶対に気づいていないだろうな、今日帰った時にイプシロンには一応の忠告はしておこう。
そろそろ3分・・・イプシロンが言った戦闘も終わりの時間だ。

「まもなく3分・・・次の一撃でゲームは終わりだ」

「また勝手に決めるし・・・!」

デザームの情けかな?分からないけど、これ以上戦えば円堂守達は病院送りだ。

「我らは10日後、もう一度お前達と試合をしてやろう」

デザームが自分かああ言うなんて・・・円堂守達の力にそんな興味持ったのかな?俺には分からないや。

「だが、果たしてその勝負の日までお前達は生き残って居られるか・・・」

「どういう意味だ!」

鬼道有人の質問にデザームは答えず、持っていたボールを勢いよく蹴る。
そのボールに吹雪は突っ込むが、吹き飛ばされてしまう。
そして、そのボールが狙っていたのは小暮と円堂守・・・円堂守もヤバいけど、一番ヤバいのは小暮だ!エイリア学園に戦った事も無い奴があんなシュートまともに受けたら、小暮は病院送りだ・・・。

「小暮ー!伏せろーーーーー!!!」

「小暮!」

俺も小暮の名を叫ぶ、でも、その声にはパニック状態である小暮に聞こえない。
その時だ、小暮は壁山の体に足を引っ掛け、砂嵐に似た物が舞い上がる。
何!?俺が不思議に思った時、その砂嵐に似た物も消え、イプシロンも居なかった。
でも・・・俺の目の前に起きているのはイプシロンが居た事実を物語っていた。

「え?・・・デザームのボールを止めた・・・」

俺は未だに目の前の光景に疑った、小暮がデザームにボールを止めた。
何とか試合は終了し、皆は小暮を誉めていた、漫遊寺中のサッカー部の奴らと言えば小暮に近づこうとした時に小暮の作った落とし穴にはまった、春奈に怒られ小暮はどこかへ逃げてしまった。

〜道場〜

「何だよ」

俺は小暮が来そうな場所を手当たり次第に行き、道場に着くと、小暮は体育座りで座っていた。
俺はその隣に座りながら、小暮を見た。

「見返してやれって・・・言ったじゃんか」

「見返してるじゃん」

「お前も思ってんだろ?あんなの・・・まぐれだって・・・」

小暮の声がか細くなって行く。
確かに最初見た時はまぐれかと昔の俺は思ってた筈だ、あれ?何で俺・・・こんなこと思っての?昔の俺って何で思ってるんだろう?俺はそう思いながら、小暮にこう言ってやった。

「まぐれじゃない、あれは小暮の中に眠ってる力だよ。俺は、あんたを信じる。」

「信じるって簡単に言うけど・・・お前は裏切られたことあんのかよ!」

「前も話したでしょ?俺もあんたの様に親に裏切られたんだって」

「あんたの言う裏切りと俺の裏切りは違う!いいか・・・裏切られたって言うのは・・・捨てられたって事なんだぞ!!」

小暮の言葉に俺は何も言えなくなる。
俺だって同じだ、捨てられてすべてが敵だと思い込んだ日もあった。
けど・・・父さんに会わなかったら、きっと俺は・・・。

「分かるよ、お前の気持ち・・・。俺も違う捨てられ方だったけど・・・俺もあんたと同じ“捨て子”だよ。」

「え?」

「俺の家族は妹に、ネコ2匹に父さんと母さんが居た・・・」

これが・・・俺の過去なんだから・・・。

続く


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