どうも!キャンディです!
今回はアメリカのアニメ「サウスパーク」の
ほのぼの小説を書いていこうと思います!
私の友達の皆さんも、ぜひ書きに来てくださいね!
それでは、よろしくお願いします!
おそ松「ま、ちょうどヒマだったから付き合ってやるか!」
???「よし、俺について来い!」
おそ松がニッと笑うと六つ子たちはみな、男について行く事にした。
その頃、るるは家に入り、買ってきたミルフィーユを箱から取り出していた。
ミルフィーユはるるの大好物なのである。
るる「ついに食べる時がやってきたよ〜!早く食べたいな〜!」
ワクワクしながらミルフィーユをテーブルへ運び、イスに座る。
るる「じゃあ早速、いっただっきま〜す!」
両手を合わせて食べようとした…その時!
おそ松「いただき〜!」
なんと、おそ松が窓の外から手を伸ばしてミルフィーユを取ってしまったのである。
るる「あっ…!るるのミルフィーユが…!返してよ!」
イスから下りて窓から顔を出したが、おそ松はすでに遠くへ走っていっていた。
それでもるるは諦めず、外に出ておそ松を追いかけた。
おそ松「大成功大成功〜♪」
トド松「おそ松兄さん、ナイス!」
おそ松はミルフィーユを弟たちに見せた。るるは走って六つ子たちに近寄る。
るる「ねぇ、それ返してよ!るるのだから!」
おそ松「うるさいな!これはもう俺のものだ!」
カラ松「スイーツぐらいで大げさだな、ガールよ…。」
チョロ松「そうだよ、新しいの買ってくればいいじゃん!」
るる「そんな…!」
るるは泣きそうになった。六つ子たちはまるで人が変わったようになっていた。
十四松「うっま〜!食べてみ、兄さん!」
一松「あんま〜!こんな洋菓子初めてやで〜!」
るる「あっ…!」
るるが涙をこらえようとしていると、
十四松と一松がミルフィーユを一口食べてしまっていた。
十四松「洋菓子ちゃうがな〜!今日日、スイーツやがな〜!」
一松「ススススイーツ〜?」
おそ松「またそのネタかよ〜!」
六つ子たち「アッハッハッハッハ!」
楽しそうなやり取りをしている六つ子たちを見て、ショックを受けたるるの目から涙が溢れてくる。
我慢ができず、ついに地面に両膝をついて大泣きをしてしまった。
るる「そ、そんな…!うわぁ〜〜ん!!」
すると、突然空から一筋の雷が「ドカーン!!」と音を立てて、
るるたちがいる場所の近くへ落ちてきた。
るる「えっ…!?」
六つ子たち「なんだ…!?」
るるが顔を上げると、目の前にはスタンがいた。
スタンは下を向いて片膝を地面につけている。雷とともに空から下りてきたのである。
スタン「……よう。」
るる「スタン…!」
スタンは顔を上げて六つ子たちをにらんだ。
おそ松はスタンを指さして大笑いしている。腹を立てたスタンは立ち上がった。
おそ松「出た〜!ヒーロー気取ってるやつ〜!」
スタン「てめぇら、るるのミルフィーユを返せ!!」
チョロ松「もう無駄だよ、十四松が全部食べちゃったから!」
るるは口の中をモグモグしている十四松を見て、さらに泣きそうになった。
スタンはるるの背中をさすりながら十四松に怒鳴る。
スタン「のんきに人のを食ってねぇで、新しいのを買ってこい!!」
おそ松「うるせぇやつだな…。お前ら、やっちまえ〜!」
カラ松たち「うお〜〜っ!!」
六つ子たちは走ってスタンに襲い掛かった。
るる「スタン、危ないよ!」
スタン「大丈夫さ、俺に任せろ!るるは離れていてくれ!」
るる「う、うん!」
るるは、スタンと六つ子たちより少し離れたところに座った。
6対1の戦いが、今始まる。
最初にスタンを攻撃しようとしたのは、おそ松だ。
パンチをしようと手を構え、スタンの目の前へ走ってくる。
おそ松「はぁ〜っ!」
スタン「ふっ!はぁっ!」
しかし手を出した瞬間、スタンは驚きもせずに地面へ片膝をつき、両手から雷を放った。
おそ松は雷でしびれ、その場で倒れる。
おそ松「うわぁっ!!」
カラ松「おそ松!」
チョロ松たち「おそ松兄さん!」
次にスタンの相手をしたのは、トド松だ。
スタンの後ろからパンチをしようと手を構える。
トド松「この〜…!」
スタンは「はっ!」と振り向き、トド松のところへ体を向け、なぜか横ピースをする。
スタン「スタこまビーム!!」
トド松「うわぁっ!!」
横ピースをし、両目から黄色い光線を放つ。これが「スタこまビーム」だ。
もちろんトド松も攻撃に当たり、その場で倒れる。
しかし、戦いは終わらない。
十四松がバットでスタンの後ろからスタンの頭を殴ったからである。
十四松「とおっ!」
スタン「いっつ…!」
スタンが自分の頭をさすっていると、目の前に猫が飛び込んできた。
猫はスタンの顔をひっかく。一松が猫に攻撃をさせていたのである。
スタン「いってぇ!!」
チョロ松「よし、今だよ!」
スタンが傷のついた頬をなでていると、六つ子たちは輪になってスタンを囲んだ。
その輪の中には、先ほどスタンの攻撃に当たったおそ松とトド松もいる。
六つ子たち「このガキが…!」
6人でスタンを殴ろうと、片手を上に伸ばした。
これでスタンを倒すことはできるのだろうか。いや、そんなことはできない。
スタン「はぁ〜〜…っ!!」
スタンは両手の平を向き合わせ、両手の間で雷のエネルギー波を溜めた。
目を丸くした六つ子たちは片手を伸ばしたまま、動きが止まっている。
六つ子たち「えっ…!?」
るる「な、なにあれ…!?」
近くで戦いを見ていたるるも口を開いた。
いくらスタンのガールフレンドでも、スタンがエネルギー波を使っているところは
今まで見たことがないのである。
スタンは一気に両手の間を大きく開け、エネルギー波を横に伸ばした。
細長く伸びたエネルギー波は、剣へと変わっていった。
その剣は雷でできており、金色の刃がビリビリと鳴っている。
持つところは銀色に輝いており、鍔の真ん中には青い宝石が埋め込まれている。まさに本物の剣だ。
スタンは右手で剣をパッと取り、全面に構えた。
るる「す、すごい!」
六つ子たち「な、なんだと!?」
エネルギー波が本格的な剣に変わることは信じられない光景なので、驚くのは当然だろう。
スタンは雷の剣を前に突き出しながら、その場で一回転した。剣からは電撃が出ている。
スタン「お前らは…ボッチが向いてるぜ!!」
六つ子たち「うわぁ〜〜っ!!」
六つ子たちは剣の電撃でしびれ、あおむけに倒れた。
輪になったまま倒れたのだから、まるで花びらが外側へ
大きく広がっているかのようになったのである。
スタンはおそ松とカラ松の間を通り、るるのところへ駆け寄った。親指を立ててウインクする。
スタン「勝ったぜ!」
るる「ありがとう!かっこよかったよ!」
るるは笑顔で拍手をした。スタンは頭のうしろをなでながら頬を染める。
その時、六つ子たちがゆっくりと目を開けた。
おそ松「う〜ん…。」
チョロ松「あれ、僕らはいったいなにを…?」
スタン&るる「!!」
スタンとるるはチョロ松の声で振り向いた。
カラ松「すまない…スタン、るる…。どうやら悪魔が俺たちの心を真っ黒に染めていたようでな…。」
チョロ松「ここで痛い発言すんなよ!!ごめんね、2人とも…。」
六つ子たちはゆっくりと立ち上がり、頭を下げた。
その時、男が六つ子たちのところへ歩いてきた。
???「やられちゃダメじゃないか。」
チョロ松「あっ!お前は…さっきの…!」
そう、彼は先ほど六つ子たちに話しかけた男である。
六つ子たちもスタンもるるも、体を男に向ける。
???「俺はさっき、なにかものを奪ってこいって言っただろう?なんかもらえたか?」
十四松「うん、るるちゃんのミルフィーユ食べちゃった!」
十四松はいつもの笑顔で答えるが、チラッと横眼でスタンとるるを見て、
「でも…!」と顔を下に向けた。その様子は、笑顔の中のどこかでしゅんと悲しんでいるようだった。
トド松「どうして僕たちにあんなことをさせたの?」
???「仲間を増やしたかったからだよ。6人もいれば使えるなって思ったからね。」
男はフフッと怪しそうに笑った。
おそ松「使える?俺たちはオモチャじゃないんだぞ?」
チョロ松「あーはいはい。あれでしょ?1人じゃなにもできないタイプでしょ?」
おそ松は呆れて腰に両手を当てた。チョロ松はふざけて男をからかう。
六つ子たちが元の性格に戻ってしまったことに腹を立てた男は、走り去っていった。
チョロ松「あーあ、行っちゃった。なにも言えないってことは、やっぱりそんなタイプなんだね〜。」
チョロ松は肩をすくめた。るるは悲しそうに下を向く。
十四松は申し訳なさそうにるるの頭をなでた。
十四松「ごめんね、るるちゃん…。僕がミルフィーユ食べちゃったからだよね…。」
るる「わざとじゃないってわかったから…別に平気だよ…。」
るるは無理やり笑顔を作りながら顔を上げた。
スタンは無言でるるの横顔を見る。すると、笑顔でるるに言った。
スタン「ミルフィーユならいいところがあるぜ!」
るる「えっ、どこどこ?」
るるは本当の笑顔になり、スタンを見た。
スタンはるるたちを連れて、歩いていく。
スタン「ここだぜ!」
スタンは1つの店を見上げた。そこには「Wふんわりレストラン」と書いてある。
Wふんわりレストランというのは、プリティタウンにある「ふんわりカフェ」から
やってきた店員たちと、いろいろな世界からやってきた各作品の主人公男子が集まっている店である。
スタンはそこの店長を務めているのだ。
スタンの大好物のオムライスも、ふんわりカフェも名前の通り、
雰囲気がふんわりしていることから「Wふんわりレストラン」の「W」がついたのである。
スタンがレストランのドアを開けた瞬間に、声が聞こえてきた。
???「だからよこせって言ってるだろ!!」
みるく「お客様、困ります!」
スタン「なんだなんだ?」
スタンたちが店に入ると、困っている店員たちに近寄った。
店員たちの前にいた客を見て、六つ子たちは大声をそろえる。
六つ子たち「またお前か!!」
店で騒いでいた客は、例の男だった。偶然に同じ店へ入っていたのである。
シュガー「知ってる人なの?」
おそ松「こいつは俺たちを利用して、悪さを代わりにやらせたんだぞ!」
???「そうさ。1人じゃなにもできないだろと言われたから、俺は今1人でやっているのさ。
この店を俺の手で潰すことをな!だからここのメニューを全部よこせ!」
ティー・ジェイ「メニュー表は食べられないよ!」
ティー・ジェイは男をからかっている。
彼は主人公男子組、メビウスブライトの盛り上げ役であるのだ。
???「メニュー表じゃねぇ!ここの料理全部よこせっつってんの!!」
ソニック「全部食うと腹壊すぜ〜?」
ソニックも笑いながら肩をすくめた。男の機嫌がどんどん悪くなっていく。
???「ふざけてんのか!?俺は強盗なんだぞ!?」
ティー・ジェイ「え?後藤…さん?」
ティー・ジェイは目を点にしながら「さん?」で首をかしげた。
男以外のみんなは大笑いしている。
スタンも笑いながら男にズンズン近づき、近くのテーブルを「バン!」とたたいた。
スタン「なんだお前!名字は後藤だったのか!おい!」
後藤「ちげぇよ!!誰だよ!!」
のび太「アハハッ、似合わな〜い!」
のび太は後藤を指さして大笑いした。
スタン「全く、しょっぱなから笑わせやがって…。
だけど、いきなりメニューを全部要求するなんてどうかしてるぞ。」
スタンは「ふう…。」と落ち着き、笑うのをやめた。
しかし、後藤の暴走は止まらない。
後藤「ここ店なんだろ!?さっさとよこせよ!」
ソニック「全部食いたいほど腹減ってるんだな?わかるぜ、その気持ち!」
ソニックは「へへっ!」と笑いながら、歩いて後藤に近寄った。
ソニック「腹が減ってはいくさはできぬっていうもんな!」
後藤は無言でソニックを見つめる。ソニックは「そうだろ?」と親指を立ててウインクした。
後藤「くっ、仕方ねぇな…。早く作れよ?」
スタン「よっしゃ〜!早速作ろうぜ〜!」
店員たち「お〜っ!」
店員たちはグーにした片手を天井に向けて伸ばすと、キッチンに入って行った。
後藤は近くの席を見つけ、どっかりとイスに座る。
店員たちは明るいメンバーで構成されているため、キッチンがにぎわっている。
スタン「いいことを思いついたぜ!」
シュガー「えっ、なになに?」
スタンはニッと笑うと、シュガーはスタンのところへ顔を近づけた。興味津々なのである。
他の店員たちも、スタンに耳を傾ける。
スタンは「それはだな…!」と小声で作戦を語り始めた。
なにか言うたびに、店員たちは「うんうん!」とうなずいていく。
語りが終わると、「おぉ〜!」と声をそろえ、目を丸くした。
ソニック「すっげぇな!おい、早く作ろうぜ!」
スタン「そうだな!卵とミルクを用意しろ〜!」
みるく「かしこまりました!」
店員たちは料理に取り掛かった。
一方、後藤は退屈そうに店の掛け時計を見ている。
後藤「おっせぇな〜…。なにやってんだよ…。」
るると六つ子は後藤を無視して、楽しそうにおしゃべりをしていた。
1つの席には2人座れる長いイスが1つずつ、つまり、4人までの席なのだ。
なので、2つの席で4人と3人に分けられていた。
4人というのはおそ松、十四松、トド松、るるのことで、
3人の方はカラ松、チョロ松、一松のことである。そう、後藤は1人で座っているのだ。
おそ松がいる席は明るい客が多いため、話が盛り上がっていた。
たまにふざけた話をするため、チョロ松が4人のところへ顔を向けてツッコミを入れていた。
そして30分後、店員たちがキッチンから出てきた。
みるくがミルフィーユを乗せたお盆を運んでいる。
みるく「お待たせしました。ミルフィーユでございます!」
笑顔でミルフィーユを後藤がいる席のテーブルに置いた。
るる「ね〜え、るるのは〜?」
シュガー「もうちょっと待っててね!」
後藤は「いただきます」を言わずに食べ始めた。
ミルフィーユが運ばれて最初に発した言葉は、「遅いんだよ…。」だった。
後藤はフォークでミルフィーユを一口切り取り、口の中へ運んでいく。
口を閉じた瞬間、なぜか一瞬動きが止まり、痛そうに手で口をおさえた。
後藤「!?…な、なんだこいつは…!しびれっ…!」
六つ子とるるはポカーンと後藤を見つめる。
店員たちがニッと口角を上げているのが、後藤とるるたちには見えなかった。
スタン「よくわかったな!その名も…。」
スタン&ソニック「ライトニングミルフィーユ!」
後藤が食べたミルフィーユの名前は「ライトニングミルフィーユ」といって、
食べると口の中がしびれるミルフィーユなのだ。
実はスタンが考えた作戦は、「材料に雷を加えること」だったのである。
普通にミルフィーユを作るついでに、スタンが材料に魔法をかけておいたのだ。
後藤「ライト…ング…!?ふざけっ…!」
後藤は口の中がしびれているため、しゃべることができない。
スタン「どうだ?これで満足しただろう?ミルフィーユが食えたことにな!」
後藤「くっ…!」
スタンは自信満々に腕組みをすると、後藤は店を出て行った。店員も客も大喜び。
みんな「やった〜!(よっしゃ〜!)」
るる「スタンかっこいい〜!」
レッド「作戦成功だな!」
スタン「センキュー!るるたちには普通のをあげるぜ!」
店員たちは雷のないただのミルフィーユを、るるたちがいる席のテーブルに置いた。
るる「やった〜!やっと食べれるんだ〜!」
るる&六つ子「いっただっきま〜す!」
るるたちはミルフィーユをおいしそうにほおばる。店員たちもその様子を見て微笑んでいる。
るる「おいし〜い!スタンの洋菓子は初めてやで〜!」
十四松「洋菓子ちゃうがな〜!今日日スイーツやがな〜!」
るるはフォークを持っていない方の片手で頬をおさえ、一松の真似をした。
十四松はフォークを持った手を天井に向けて、ニッコリ笑っている。
チョロ松「ま〜たそれやってるの?全く、元気があっていいねぇ…。」
チョロ松は苦笑しながらミルフィーユをフォークで切り取った。
悪者のいなくなった店は平和になり、店中に楽しそうな笑いが響いたのであった。
〜次回予告〜
スタン「みんな〜!演劇やってみないか?」
るる「楽しそ〜う!やりたいやりた〜い!」
スタン「センキュー!脚本と配役はもう決まってるからな!」
ソニック「主人公はスタンか?」
スタン「違うぜ、お前さ!ほいっ!」
ソニック「マジカルソニカル…って、なんじゃこりゃ〜〜!!」
スタン「次回、ミラクル☆コラボは『主役はソニック!?ミラクル☆コラボ演劇発表会』!」
るる「みんなもおいでよ、ミラクルタウンへ!」
〜主役はソニック!?ミラクル☆コラボ演劇発表会〜
住人たちがミラクルタウンの広場で遊んでいると、スタンが笑顔で走ってきた。
「へいお前ら!」と元気よく呼び掛けたのは言うまでもないが、今日の彼は1冊のノートを持っている。
いち早くスタンに気づいたるるは、スタンのノートを指さした。
るる「やっほ〜、スタン!なに持ってるの?」
スタン「ふふふ、こいつはな…俺が作った台本なんだぜ!」
スタンが大声で言うと、るるは「おぉ〜!」と目を輝かせた。もちろん、周りにいるみんなもである。
ソニック「面白そうじゃねぇか!ちょっと見せてみろよ!」
ソニックがスタンに近寄ると、スタンはノートを広げた。
周りのみんなもノートを見ようとしている。
スタン、るる、ソニックの後ろでは「見えないよ〜。」やら「なになに?」やらの声でザワついていた。
1ページ目には、「とーじょー人物 ヒロイン、ワルもの、住人」と書かれている。
スタンはまだ8歳なので、簡単な漢字とひらがなでしか書けないのだ。
ソニック「ヒロインってことは、主人公か?誰がやるんだ?…って…。」
スタンはソニックの肩に手をポンと置いた。キョトンとしているソニックを笑顔で見つめている。
ソニック「えっと…俺…?」
ソニックは震える人差し指で自分を指した。スタンは笑顔でうなずく。
ソニック「ちょ、待てよ!なんで俺なんだよ!」
ソニックは慌ててスタンの手をつかんで肩から離し、一歩下がった。
スタンはなにかを企んでいるように、怪しい笑みを浮かべている。
スタン「ふっふっふ…見ればわかるさ…。ほいっ!」
スタンは人差し指を顔の前で
素早く横に振ると、ソニックはピンク色の光に包まれた。
周りのみんなは「うわっ!」と腕で目を覆う。
光が消えると、目を覆っていた住人たちは
ソニックを見ようと、ゆっくりと腕の位置を下げた。
住人たちの目の前には、いつもと違うソニックが立っていた。
そのソニックの左耳にピンク色のリボンがついており、
ピンク色のワンピースを着ている。
それに、魔法のステッキを持っているのだから、
まさに魔法少女という感じの格好だった。
ソニック「マジカルソニカルソニソニソニ〜ック!み〜んな可愛くなっちまえ〜!」
ソニックはキャピキャピと女の子のようにはしゃぎ、その場でクルクルとバレリーナのように回った。
そして止まったかと思いきや、「ソニぺろ♪」と、てへぺろをし出した。
スタン以外の住人たちは、ポカンとソニックを見つめていた。
スタン「アッハッハッハッハ!」
ソニック「?…って、いきなりなにやらせるんだよ!!」
スタンが大笑いすると、ソニックは我に返り、顔を真っ赤にしてステッキを地面に投げつけた。
それでもスタンは笑顔のままだ。
スタン「まぁまぁ、似合うぞ!あとは悪役と住人だな!」
るる「るるも出れるの〜?」
スタンがビシッと人差し指を立てると、るるは笑顔で首を傾げた。
スタンは笑顔でうなずく。
スタン「ああ、もちろんさ!るるも出ることになってるぜ!」
るる「ホント?やった〜!」
るるは嬉しそうにバンザイをし、手を下ろすとニヤニヤし出した。
るる「たまには悪役もやってみたいかも…。悪さに目覚める時間だね…。」
りり「いきなり中二病になってんじゃないわよ!!」
今まで周りの住人たちの中に紛れていたりりが、るるの隣へ近づいた。
彼女も、スタンの後ろでノートを見ようとしていた住人の1人なのである。
るる「え〜、なんで〜!?ただ、悪役になって
悪魔のハートはどんなものなのか知りたかっただけだよ〜!」
りり「それを中二病っていうのよ!」
そんな2人のやり取りで、ところどころから小さな笑い声が聞こえてきていた。
スタン「確かに悪魔のるるも可愛いだろうな!
俺的には住人が似合うだろうと思っていたのだが、るるはどう思うか?」
るる「るるは劇に出れていればなんでもいいよ〜!でも木だけはイヤだなぁ…なんて…!」
るるは「劇に出れていればなんの役でもよい」の部分は笑顔で答えたが、
「木はイヤだ」のところで苦笑した。
スタンは親指を立ててウインクする。
スタン「安心しろよ、俺は木の役なんて作らないからな!」
るる「わ〜い!スタン優しい〜!」
るるはまたまたバンザイをした。照れたスタンは頭の後ろをさする。
スタン「へへっ…。住人は1人じゃねぇから、あと2、3人ぐらい決めたいぜ!
個人的に、いいなと思ったのは…。」
スタンのこの発言で、住人たちは無言になり始めた。
誰が選ばれたのか、心をドキドキと鳴らしているのである。
スタンは周りの住人たちを見回すと、目的の住人を指さした。
スタン「いちごとミーナだ!」
住人たち「おぉ〜!いいかも!」
いちごとミーナは、嬉しそうに頬を染めた。
いちご&ミーナ「いいの…?こんな私が…!?」
スタン「もちろんだぜ!お前らも劇にふさわしいと思ったからよ!」
スタンがウインクすると、ソニックは片手をあごに添え、少し下を向いた。
ソニック「あとは悪役だな…。」
スタン「そこが問題なんだよな…。これだけ決まらなくてよ…。」
るる「後藤がやったら、会場をめちゃくちゃにするだけだもんね…。」
るるの発言で、住人たちも「う〜ん…。」とソニックと同じ仕草をした。
住人役が選ばれる時のように、また無言の時間が訪れる。
しばらくすると、ソニックは人差し指を立てて明るい表情を見せた。
ソニック「悪役ならいいやつがいるぜ!」
ソニックはそう言うと、得意の音速で遠くへ走っていった。