怪盗レッドのオリジナル小説書いてみます!(8)

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296:蒼月 空太◆eko:2017/02/23(木) 17:04 ID:10U

短編【不思議な呼吸法】

「せやああああああああッ!」

カッ!

木刀と木刀のぶつかり合う音が道場内に響く。今日もまた、蒼太と蒼爺の稽古が繰り広げられているのだ。蒼太は木刀の攻撃を弾かれ、吹っ飛ばされるが、猫のように回転しながら着地し、居合いの構えを取って、そのまま走る。そして上段と見せかけた下段攻撃。

「フェイント感丸出し」

ゴンッ!

蒼爺は拳骨を蒼太の頭に落とし、蒼太はそのままバランスを崩し、転ぶ。

「いっでええ・・・・」

「なんつーかあれだな、お前は呼吸が荒いな。」

「いやいつもスタミナはあるし、整えてるけど!?」

「対人戦になると、息が荒くなるんだよ。焦りみたいにな。逆に普通のときはお前の呼吸はしっかりしてるんだよ。」

蒼爺の難しい言葉を、蒼太はよく理解できず、悩み、頭を百八十度回転させて悩む。しかしわからず、そのまま道場の床に寝転がった。

「わからないのか・・・・・じゃあ教えてやる。肺を大きくしろ。呼吸を強くして、ひょうたんくらい破裂させられる肺活量を手に入れろ。そうじゃなきゃ呼吸を整えて戦えないぞ」

「マジかよ・・・・・アスカも呼ぶか・・・」

こうして蒼太は、アスカを呼んで、早速肺活量鍛えが始まった。まずは、青刃家の中にある温室プールで・・・

「ブハッ!きっ、キツい・・・」

「死ぬかと思ったぜ・・・」

二人は、25mの距離を息継ぎなしで泳ぎ続けている。それを10セットだ。25m泳ぎ終わるたびに呼吸はしていいが、厳しいものはキツい。

「はい、次、ひょうたん割り」

「おう!」

「はぁ・・・死ぬかも」

アスカと蒼太は、ひょうたんへ思いっきり息を吹いた。

ピシッ!

アスカと蒼太の吹いているひょうたんにはヒビが入ったが、そこでアスカが吹くのを止めてしまった。

「ぷはっ・・・呼吸困難になるとこだったよ!」

一方蒼太は、顔を真っ赤にしながら吹いているが、ヒビから息が漏れて、ひょうたんにはそれ以上ヒビが入らない。

「ぷはっ・・・ダメだこりゃ。」

「はっはっはっはっは。修行すればなんとかなるだろう。」

蒼爺は笑いながらいい、翼は、ムッ、とした顔で蒼爺を見る。

「お前な・・・人の娘の肺活量なんて鍛えるフリして水着姿でも拝みたいのか?」

「だーれがお前の娘の水着姿みて喜ぶかよ」

「なんだと!?」

「おおやらいでか!?」

「二人ともそんなことやってる暇あったら稽古つけてくれよ!?」

蒼爺と翼が取っ組み合いになるのを止める蒼太。そして呆れるアスカ。

「さて・・・じゃあひょうたん破裂させて見せろ」

「なんでニ周りデカくなんてんだよ!?」



蒼太とアスカがひょうたんを割れるようになるのは、一ヵ月後のお話。


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