東方Projectの二次創作
独自設定and捏造あり
主人公は『猫ショウ』と呼ばれる『猫妖怪』
ヒロインは『藤原妹紅』
それらが嫌な方々はブラウザバックを推奨
荒らし厳禁
マヨヒガに到着した『猫ショウ』は今、『紫』の家にいる。
因みに『妹紅』は畳の上で眠っている。
藍「猫ショウ、今から私は食事を作りに行くのだが、食べていくか?」
『藍』に夕食はここで食べていくよう誘われたが、
猫ショウ「俺は『この娘』が起きるまで絶対に食べない。」
『妹紅』が心配故に断った。
藍「...そうか。ならば仕方ない。だが絶対にここから脱走するんじゃないぞ?わかったな?」
少し凹んだ様子の『藍』だったが、絶対にここから出るなと忠告する。
猫ショウ「出る訳ないだろ...。」
『猫ショウ』は少し呆れた態度でそう言った。
翌日
妹紅「......んっ。」
『妹紅』が目を覚ました。
猫ショウ「おはよう、妹紅。」
『猫ショウ』は『妹紅』が目覚めた事に安堵していた。
妹紅「...猫ショウ?ここは...どこ?」
『誰かの家』で寝ている事を知った『妹紅』は『猫ショウ』に問う。
猫ショウ「ここは『マヨヒガ』だと聞いている。そして『この家の主』は『八雲紫』だ。」
妹紅「そう...なんだ...。」
攫われた訳ではない事を知って『妹紅』は安堵する。
紫「二人とも起きたかしら?」
襖を開けた『紫』がそう言ってきた。
妹紅「八雲......紫?」
『妹紅』は彼女が『八雲紫』本人であるのか聞いてみた。
紫「えぇ、そうよ。私が『八雲紫』よ。」
そういって『紫』は『妹紅』に微笑んだ。
『妹紅』は少しだけ恥ずかしくなったのか、顔を逸らしてしまった。
『妹紅』が目覚めたのは『紫』と『藍』が朝食を食べる前だったので、『猫ショウ』と『妹紅』は四人で朝食を摂る事となった。
猫ショウ&妹紅「.........。」
二人は料理に目が釘付けとなっていた。
藍「どうした二人共?早くしないと朝食が冷めてしまうぞ?」
『藍』は二人に早く食べるよう催促する。
妹紅「ッ!?い、いただき...ます。」
『妹紅』は遠慮がちな態度で食事を始めた。
猫ショウ「ッ!?わっ、悪かったって!?全部残さず食べるから!!」
『猫ショウ』は怒られたのかと勘違いしたらしく、慌てて早食いを始めた。
紫「ちょっと、そんなにがっつかなくても...。」
『紫』は苦笑いをしていた。
妹紅(......美味しい。)
『藍』の作った料理は、今は亡き母の作ってくれた料理と『味が似ていた』。
だからなのだろう。『妹紅』の目からは涙が溢れ出していた。
猫ショウ「ゲホッ、ゲホッ!?(くっ、苦しい!?お茶を飲まないと...!)」
早食いをした結果、朝食をのどに詰まらせた『猫ショウ』はお茶を飲んで全部胃の中に入れようとしていた。
紫「はぁ...だから言ったのに...。」
『紫』は前回、『藍』の作った料理が余りにも美味しかった故に早食いをした事がある。
その後『紫』が『藍』に説教された事は言うまでもない。
藍「お、おい人間...。何で急に涙なんか流して...。私の料理がそんなに不味かったのか?」
『藍』の言葉で『妹紅』が泣いている事を知った『紫』と『猫ショウ』。
猫ショウ「もっ、妹紅?」
『猫ショウ』は『妹紅』を心配している。
紫(...そう。彼女の名前は『妹紅』と言うのね。)
『紫』は『妹紅』の名を知る事が出来て内心喜んでいた。
妹紅「うっ...ぐすっ......ひぐっ.........!(どう...して?涙が......急に?)」
茶碗と箸をお盆に置いて、これ以上両目から涙が出ないように両手で顔を覆い隠す『妹紅』。
猫ショウ「だっ、大丈夫か?」
『猫ショウ』は『妹紅』の肩にそっと触れる。
妹紅「ッ!?(もう...無理だ...これ以上は......!)」
既に『妹紅』は我慢の限界だった。ただでさえ忘れかけていた記憶を思い出し、感傷に浸っていたというのに、そこから『猫ショウ』が自分の肩に触れてきた。
猫ショウ「...え?ちょっ、待てって!?」
『妹紅』は力強く『猫ショウ』に抱き着いた。
>>25 応援ありがとうございます。
小話 第一話、第二話、第三話と書いておりましたが、気にしないでください。
妹紅「ぐすっ...嫌だ...嫌だぁ......!」
猫ショウ「なっ、何が嫌なんだよ?ちゃんと説明してくれないか?」
何故『妹紅』が泣くかを『猫ショウ』はわからなかったが、少ししてある考えに至る。
猫ショウ(多分、『120年振り』に『飯を食って何か思い出したんだろう』...。じゃなきゃ、『嫌だ』何て言わないよな。)
『猫ショウ』の考えは間違いではない。
『人間も妖怪も』、『懐かしい味を思い出せば涙を流してしまうのである』。
妹紅「ぐすっ...だって...『ここにはもう母さんはいない』のに......『母さんが作った料理と同じ味がするものがここにある』......。
だから...それが嫌なんだ...。ひぐっ...これ以上食べたら......『私が私でなくなりそうで嫌なんだ』!!!」
現実逃避とは正に今『妹紅』が言っている事を示すのだろう。
それを見ていた『紫』と『藍』は、
藍「紫様、こういう時は一体どうすれば?」
紫「とりあえず、二人がさっきまでいた部屋に連れて行きましょう。
そうすれば『この娘』は落ち着くと思うわ。」
藍「畏まりました、紫様。」
『妹紅』が先程眠っていた部屋に連れて行く事にした。
藍「ほら、着いたぞ。」
『藍』は二人を案内した。
猫ショウ「...どうも。」
『猫ショウ』は『妹紅』を横抱きにして『藍』に付いてきた。
『妹紅』は決して涙を見せまいと、『猫ショウ』の胸に顔を擦り付けていた。
藍「礼はいらない。それよりも、早く『その娘』を泣き止ませてあげろ。『私達』は『その娘』に教えなければいけない事があるのでな。」
そう言って『藍』は部屋を後にした。
猫ショウ(『教えなければいけない事?』)
『猫ショウ』はそれが何か気になったが、
猫ショウ「わかった。」
『妹紅』を泣き止ませてから聞こうと思った。
『妹紅』が眠っていた部屋
妹紅「...うぅ......ぐすっ......。」
『妹紅』は『猫ショウ』の太股に引っ付いて泣いていた。
猫ショウ「...妹紅。いつになったら泣き止むんだ?『さっき喰った飯の味がまだ忘れなれないのか?』」
その言葉に『妹紅』は頷く。
妹紅「ぐすっ...さっきの朝食......『母さんと同じ味だった』...。ひぐっ...『とても懐かしくて......おかしくなりそうだった』...。」
猫ショウ(......どうしたものか。)
『猫ショウ』は思う。ならば少し意地悪な質問をしてみよう。
猫ショウ「妹紅、そのままの体勢でいいから俺の質問に答えて欲しい。」
それを聞いた『妹紅』は頷いた。
猫ショウ「藍の作った朝食は美味しかったか?」
『妹紅』は思った。『何故味の感想を聞く必要が?』と。
妹紅「......美味しかった。」
『懐かしくて悲しくなった』のは事実だが、『美味しかった』のも事実。
だから『妹紅』は『美味しかった』と答える。
猫ショウ「じゃあ次の質問。『もしこのマヨヒガに来れる時があったら、また藍の作った飯が食べたいか?』」
妹紅(何て意地悪な質問だ...!)
『妹紅』は思った。
だが、『もしここに来れる時があったら、また藍の作った料理が食べたい』。
『忘れかけた記憶を思い出す切っ掛けを作ってくれたのだから』。
だからこそ、『妹紅』は顔を上げてこう答える。
妹紅「また...食べたい。『忘れかけた記憶』を...『今あるこの気持ち』を...失いたく...ないから。」
それが、『藤原妹紅』という一人の少女の『心』を形作るものなのだから。
猫ショウ「(泣き止んだみたいだし)よし!早く紫と藍のいる部屋までいくぞ。妹紅に教えなきゃいけない事があるって言ってたしな。」
妹紅「え?教えなきゃ...いけない...事?」
あの二人が何か不満になる事をしたのだろうか?
『妹紅』は不安になる。
猫ショウ「真剣な顔で言ってたからなぁ...。飯の話じゃない事は確かだ。」
『妹紅』が不安になっている様子を見て少し茶化す事にした『猫ショウ』。
妹紅「そっ、その話は良いから!?(部屋に着いた時謝らなきゃ。)」
『猫ショウ』は『妹紅』が怒れる位にまで機嫌が直った姿を見て安心した。
『紫』と『藍』のいる部屋
紫「あら?もう来たの?『その娘』を泣き止ませるまでもっと時間が掛かるのかと思ってたわ。」
『紫』から何か言われたが、『二人』はそれを受け流した。
『妹紅』は『藍』の近くまで来ると...。
妹紅「あっ、あの...藍...さん?」
藍「ん?どうした人間。それと私の事は呼び捨てで構わない。」
『妹紅』は意を決して頭を下げた。
妹紅「ごめんなさい!食事中にいきなり泣き出してしまって...!食べていく内に色んな事を思い出して、涙が止まらなくなったんです...。」
突然『妹紅』が頭を下げてきた様子を見て驚いていた『藍』だったが、
藍「そうか...。だから泣き出してしまったのか...。だが、私の作った料理は美味しかったのだろう?」
『藍』は微笑みながら『妹紅』に問う。
妹紅「え?...はっ、はい!美味しかったです!」
藍「ならば良い。次ここに来た時はお前が笑顔になる料理を作れるように努力しよう。」
そう言って二人は笑いあった。
紫「藍、二人を呼んだ理由は『その娘』にある事を教えるためでしょう?」
『紫』がそう言うと『藍』は真剣な顔に戻った。
藍「そうでしたね、紫様。さ、二人共。早く机の下に座るんだ。」
『藍』は二人に机の下に座るよう催促した。