☆☆探偵チームKZ・G事件ノート part1☆☆

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22:夜月:2015/12/22(火) 19:11

やっほ〜♪
やった!宿題なしだ!!



真っ白な過去は知っている 《観客side》

街が静かな闇におおわれるころ、2人の少年の間
で話し合いが行われていたことは、ご存じだろうか。



「なぁ、ほんとに来るのか?」

「うん、当たり前でしょ?
ずっと、会えるのを楽しみにしてたんだから。」


漆黒の髪の少年の言葉に、窓の外を眺めていた
チョコレート色の髪はくるっと振り返ると、
にっこりと可愛らしい笑みを浮かべた。


「おまえのこと、覚えてないんだぞ?」

「わかってるよ、そんなこと。
何回も聞いて、聞き飽きちゃった。」

「あいつは、すべての記憶を失っている。
俺らのことはもちろん、家のこと、自分の地位の
ことも____…………」

「わかってる!ちゃんとわかってるから!」


先程まで可愛らしく微笑んでいた少年は、急に、


それ以上は聞きたくない!


とでもいうように、耳を塞いでしゃがみこんだ。

そこまできてやっと、漆黒の髪の少年は口を閉じた。


「ごめん…………、言い過ぎた。」


そのとき、2人の顔には、“苦痛”が浮かんでいた。


しばらくして落ち着くと、しゃがみこんでいた
少年はすっと立ち上がり、さっきとは比べ物に
ならない、はっと驚くほど大人っぽい表情を
浮かべて、自らの意思を口にした。


「2年かけて目覚めたと思ったら、大事な
幼なじみがいなくなってたんだよ?しかも、記憶
までも失っている。それはすべて、僕のせい。

誰が何を言おうと、ね?」


そこで1度切って溢れそうになる感情を抑え、
静かな口調で続ける。

「だからこそ、僕は彩を守りたい。
近くにいて、今度こそは何があっても傷付ける
ことなく守れるように。

僕のことは忘れててもいい。
ただの塾のメンバーってだけの関係でもいい。

あいつを守れたら、僕は、それでいいんだよ。」

「そっ……か…………。」


再び、彼等の間に沈黙が訪れた。



トントン、と扉を叩く音がした。


「どうぞ。」


漆黒の髪の少年が返事をすると、扉がゆっくりと
開いた。

扉から、40代らしき男性が現れ、慣れた仕草で
お辞儀をした。


「未來様、お迎えに伺いました。」


男性の言葉で、緊張に包まれていた空気がふっと
緩んだ。




さぁ、少年たちよ

少女の失われし記憶の本は

取り戻すことができるかな_____?


夜月 KZ:2015/12/22(火) 21:37 [返信]

初回 前回>>22


真っ白な過去は知っている 小塚side


「これからおまえらのメンバーになる、
神宮 未來だ。今日は自習。ってことで、
自己紹介は自分たちでよろしく!」

言いたいことだけ言って、先生は出ていく。

けど、さ、先生は、この状況に気付いてる?


ノートに物凄いスピードで何かを
書き込んでいる上杉に、机をどかして
ボールを蹴っている若武でしょ。

美門は居眠り中のアーヤの
ほっぺたをつんつんつついてて…………。

しかも、ここに黒木はいない。
黒木ぃ、早く来てっ!!


「あ、あの…………____」

「あ、おまえ新入りか?自己紹介しろ!」

若武…………やっと気付いたの?それとさ、
今、神宮くんがなにか言おうとしたじゃんか。
ちゃんと聞こうよぉ。

「はーい、もちろんするよ?
それと、君、おもしろいね。

っと、話ズレちゃったね。ごめん。
僕は神宮 未來。さっきの先生は
“みらい”って言ってたけど、本当は“みら”
だから、そこんとこ、間違えないでね?」


神宮 未來…………?
なんか聞いたことあるような気がする。

「あ、君たちのことは知ってるから、
紹介しなくても大丈夫だよ。」

その言葉でようやく上杉と美門は顔をあげた。
残るはアーヤ。だけど、ぐっすり夢の中。

そこへ、

「よっ!
って、ミラ、もう来てたんだ。」

「あ、貴和、久しぶり!」

「あぁ、昨日会ったんだけどな。」

パッと顔を明るくする神宮くんと、
苦笑いをする黒木。

2人は…………、知り合い?
仲良さそうだけど。

そういえば、神宮くんがさっき言ってた
『君たちのことは知ってるから』
って、どういう意味なんだろう…………?


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