【リレー小説】学園女王【企画?】

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111:かおり:2017/03/27(月) 22:03

(続きです)

《亜衣視点》

恵里って、本当にすごい。
改めてそう思った。

おそらくかなりしつこいであろうあたしの話に付き合ってくれるし、大抵の人と早く打ち解けてしまう。話題が豊富で飽きない。反応も良いし、とっても優しい。
成績こそD組だけど、白羽学園は進学校。全国平均からすれば上だ。外見も普通に可愛いと思うし、なにより面倒見が良いから、ついつい甘えたくなるんだよね。恥ずかしがってあたふたするのも意外性があるし、イジりがいがあって可愛い。

どうして今更こう思っているかというと、時は戻り先ほどの話へ。


少し急いで病院近くの公園まで。2,3分ほど時間をおいて恵里が来た。
「ごめーん亜衣」
「ううん、大丈夫。あたしも来たばっかだし」
「そう?」
ならよかったー、と微笑む恵里。……今日も可愛いですね。白い肌が眩しいよ。
「恵里ってさ、日焼けしないの?」
「え、私?」
「うん。将来シミができなさそう」
「インドアだからだよー。それに、日焼けせずに真っ赤になっちゃうんだよね」
それは大変そう。でも羨ましい。
「そういえば!ね、あの小説が映画化したって!」
「え、本当!?」
「でもねー、なーんか雰囲気がちがうの」
「あるある。原作ではショートカットなのにロングになってたり!」
「優しい少年がタラシっぽくなってたり!」
「やっぱり小説が一番だね」
「ねー。コミカライズするとちょっと省略されるし」
「確かに。そこはギャグシーンじゃないって感じ」
「そーそー」

こんな感じの、何気ない会話が一番好きかもしれない。

(ごめんなさい、まだ続けます)


ビーカー◆r6:2017/03/27(月) 22:05 [返信]

まだ更新の途中でしたか!申し訳ないです…!


かおり:2017/03/28(火) 15:07 [返信]

(時間が戻りまして>>111の続きになります。土曜日の午後です)

やっぱり今日の亜衣は元気がない。私・白野恵里はそう思った。
笑顔がぎこちないし、時折寂しそうな顔をするのだ。
気になるけど、むやみに聞くことは出来ない。少し待つか。

気晴らしになるような話をしたい。他人からすればどうでもいい、でも私達にとっては重要な、そんな類の話。
となると話題は―――。
 学園関連はだめ。
 家族についても注意が必要。
じゃあ、それ以外のこと。例えば、共通趣味である小説とか。

私の予想はあっていたのか、これといって亜衣が悲しそうな顔をすることはなかった。とりあえず一安心。
それでも浮かない顔をしていた亜衣。私に言いたくないのかもしれないし、もしかして私に迷惑をかけたくないのかもしれないけどね。それでも―――。
私は困っていそうなひとを見ると、何かしたいと思うんだよ。お節介とか、しつこいとか言われるかもしれないけど、それでも何かしてあげたいんだ。
私なんかじゃ力になれない。分かってる。でも、愚痴を聞くことぐらいならできるよ?
元E組をなめないでほしいね。聞き役なら自信あるんだから。

「……亜衣。どうかしたの?元気ないよ?」
「ちょっと、いろいろとあって……」
「学園関連のこと?それとも家族?」
「恵里はすごいね。両方、正解」
「……?」
「喧嘩、しちゃったんだ。彩姉と」
あれ、亜衣のお姉さんって、よく文芸部に来る人だよね。すごく仲が良さそうに見えたけど……。

「ねえ恵里。板橋先輩達について、どう思う?」
亜衣の眼はいつになく真剣で、ああ、亜衣の悩みはそういうことかと、私は思った。
「亜衣は、板橋先輩達の仲間になりたいの?」
「……うん」
うつむいたまま、消え入りそうなか細い声で答えた。やっぱり、ね。
「私は、いいと思うよ?」
「本当に、そう思う?」
「勿論。月曜日になったら、会おうと思ってたんだ」
これは、本当。本当にそうするつもり。
「でも、彩姉はやめろって」
「……このまま女王に従っていろ、というわけ」
「そう。あとね、笹川先輩も会長の味方」
え……笹川先輩が、女王の⁉ありえない。なんで?


私と亜衣の話は、それから数時間続いた。

私と亜衣は、学園復活派に入ることにした。月曜日に会いに行く。
E組のお二人と違い、私達にはある程度の自由がきく。それを利用するんだ。

学園を元に戻すために。


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