時間戦士 アシタ☆ガールズ

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7:ふたば◆r.:2019/08/03(土) 10:35

「はあっ!」

次の瞬間、あすかが動いた。
それも、爆発的な速度で、一気に間合いを詰める。

その勢いは、まるで彼女だけ時間が加速しているかのような、そんなスピード。

瞬時に相手の大きな鋭い爪を受け止めると、今度は脚を使ったキックが飛び出す。

「ぐぉぁっ!」

これまた、時間が加速したかのような恐ろしいスピードで命中したキックは、怪人を大きく吹き飛ばした。


「なんて……強さなの……」

その光景を見ているサキミラは、唖然としていた。
まさか自分よりこの力を使い熟しているのではないか?そう思いながら、戦いを見守る。


「さっき、こうやってたよね?」

あすかは、先程サキミラがやっていたのと同じように、
アナログ時計のような形をしたトランスクロックの上部スイッチを押した。


「break time!」

その音声とともに、針は回り始める。
あすかの右足にも、パワーが蓄えられ……

「それで……こうだッ!」

あすかは大きくジャンプすると、怪人に向かって足を突き出し、光を纏った飛び蹴りを繰り出した。


「ぎゃおおおおおおっ!」

キックが命中すると、怪人は大きな悲鳴を上げて、爆散した……。


「何なんだ、お前。覚えてろ……」

あすかに向かって捨て台詞を吐き、ラノーマは消える。
暫くすると、止まっていた時間が動き出した。



……その後。


賑やかさが戻った公園のベンチに、二人の少女が座っていた。


一人は、子どもらしい華やかな格好をして、
もう一人は、流行を先取りしたような未来的な服装をしていた。


「まさか!私は時間を超えちゃったの?」

「うーん……そっちが2050年から来たって言うなら、そうなんじゃないかな?」

サキミラはあすかに尋ねた。今は何年なのかを。
するとあすかは答えた。2019年であることを。

「それで、未来ってどうなってるの?あの人は誰なの?」

あすかは聞きたいことがたくさんあったので、たくさん聞いた。
だがサキミラも頭がいっぱいで、すべてには答えきれない。

「か、簡単に説明するわ。私のいた時間では、全部止まって、簡単には戻せないほどなの。
それをやったのが、ストッパーっていう三人組で……あいつもそうよ」

「そうだったんだ。そこで、変身して戦ってたんだね」

「私の世界を元に戻すためにね……。ねえ、あすか」

サキミラは改まったように、あすかに尋ねる。
その言葉の続きを聞いて、あすかはとても驚くのだった。


「……お願い!ストッパーを倒すために、一緒に戦って!」








はい、ここまでが一話で。これ以上は構想しておりません。


猫又◆l2:2019/08/03(土) 22:03 [返信]

こんばんは、猫又と申します。
時間戦士 アシタ☆ガールズ、読ませていただきました。
読んでみた感想ですが。
……すばらしい。

あすかとサキミラの戦闘シーンもそうですが、冒頭の言い回しがとても良い。
日常の風景から、時が止まっている非日常へ一瞬で切り替える。
「過ぎる時すらその場所には存在しないのである。 全ての時が、止まっているのだから」
この切り返しにしびれました。

一話完結風にしてしまったので、
戦闘後の日常シーン(>>7)に詰め込んでしまった感はありますが、
それでも十分に読み応えのある作品でした。
(……いやホント、美味い。じゃない、上手いので、もう少し続いてほしい気もします)

指摘できる点があるとすれば、少しハイレベルなおせっかいですが2点

まず本編(>>2)の始まり方。
あすかより先に「この教師」と書いてしまってるので、え、教師が主人公? と一瞬思ってしまうこと。
あと、唐突にセリフ「きりーつ」から入っているため、場所が少々ふわっとしていること。
この2つを解決するために、
「ざわつく小学校の廊下をランドセルを背負い、歩く一人の少女が居た」
と書いてみてはどうでしょう?

すると場所も分かりますし、
「教師」も「ざわつく小学校の廊下」、背景の一部になって、
【あぁ、なるほどこの子が主人公なんだな】と読者がすんなり物語に入れるかと思われます。

もう一つは冒頭とのつながり。
最後にも書かれますが、サキミラは(>>1)から(>>4)に飛んでいるんですよね?
これも本編と冒頭が切り離されているため、すこーし分かりにくい。

>>4 の登場演出を次代を超えてきた風にする(時計が浮かび上がる)とか、
まるで冒頭の戦闘を思わせる描写(戦いつかれてる)とかを入れると、分かりやすいかなとは思いました。

あと、もうちょっと書いてほしいなーという所はありましたが、
本作品はアクションものですのでテンポも大事です。あまり書き込むとかえって読者を飽きさせてしまうので、このテンポがちょうどいいと思います。
(「ドリームガーディアン シリーズ」の時から思ってましたが、ふたばさんはテンポの良く文章をまとめる才能がありますし、それを十分に生かせているなと感じました)

なにはともあれ、面白い作品をありがとうございました。
次回作や続きがあればお待ちしております。それではー


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