暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part5♪

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496:凪海◆L6:2016/05/08(日) 16:30 ID:ySs

>>481

殺「さて、次はいよいよ学の決戦です。トップをとる心構えはありますか? カルマくん、それから海さんも」
カ「さぁねー、バカだから難しいことわかんないや」
海「え、てか私もなの?」

 海が驚いたように声をあげると、彼女の隣でカルマくんが挑発的な言葉で返してきた。

カ「あっれー? だってこの前、海言ってたじゃん。『次に1位をとるのは自分だ』みたいなこと。まさか俺に1位とられんのが今更になって怖くなったのぉ?」
海「うるさい、バカルマ。いいよ、その勝負。受けて立ってやる!」
 
 あはは。
 2人は互いに闘志を燃やしていた。
 そして、帰り道にて。

茅「あれ、浅野くんだ」

 茅野の視線の先を見ると、たしかにそこには浅野くんがいた。

寺「んだよ」
磯「偵察に来るようなタマじゃないだろうに」
浅「……こんなことは言いたくないが、君たちに依頼がある。あの怪物を、君たちに殺してほしい」

 怪、物?
 この学園にいる怪物といったら、殺せんせーと烏間先生と、あと……。

海「理事長、か」
浅「もちろん、物理的に殺してほしいわけじゃない。殺してほしいのは、あいつの教育方針だ」

 教育方針?

浅「今のA組は、まるで地獄だ。E組への憎悪を唯一の支えにして、限界を超えて勉強させている。あれで勝ってしまったら彼らはこの先、その方法しか信じなくなる。だから、頼む。正しい敗北を、僕の仲間と父親に」

 浅野くんが頭をさげて、僕らに頼み込んだ。彼は今、本気で他人のことを気遣っている。

カ「えー、他人の心配してる場合? 1位とるの君じゃなくて俺なんだけど」

 ………。

海「……ざけんな、カルマ。1位は僕がとりに行くんだ」
カ「海ごときが俺に勝てると思ってんのぉ? 1位は俺で2位は海、そしてその下もE組。浅野くんは……10番あたりがいいとこだね」
海「だぁかぁら! 1位は僕で2位はカルマだ! そこらへん間違えるな!」

 海はカルマくんに突っかかるけど、カルマくんはまるで相手にしていなかった。

磯「浅野。勝ったら嬉しくて、負けたら悔しい。そろそろそれでいいじゃないか。『こいつらと闘えてよかった』って思えるように俺らも頑張るからさ」
カ「余計なこと考えてないでさぁ、殺す気で来なよ。それが1番楽しいよ」

 カルマくんが人差し指を自分の首に当てながら言った。

浅「フッ。ならば僕も、本気で行かせてもらう」



 それから僕らは、殺す気で勉強した。わからないところはせんせーの分身に聞きまくった。
 さしもの殺せんせーも、あまりに忙しすぎて分身の形が大きく変わってしまうほどだった……。
 そして、テスト当日。
 僕らがA組の前を通りかかると、

生徒「殺す、殺す、殺す……」
吉「なんつー目してやがんだ」
中「恐ろしく気合入ってるよ、A組。カルマ、海、勝てんの?」
海「いつでも準備はできてるよ」
カ「さぁねぇ、本気で殺す気がいる奴がいたら、手強いけど」

 2人の怪物に殺意を教育された生徒が、今。紙の上で殺しあう!

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o

 ここから先は原作通りになるんで、ちょくちょくエピソードをはさみながら数学だけやります。


凪海◆L6:2016/05/08(日) 20:21 ID:ySs [返信]


期末テスト前日

 海はカルマに数学を教わっていた。

海「ねぇ、カルマ……」
カ「うん?」
海「私に、協力してほしい」
カ「何をー?」

 カルマがそのとき思いだしたのは、体育祭のときのことだった。

体育祭

海「海はいつか、クラスメイトの誰かを殺す」

海「テスト、1位をとるのを」
カ「なんだ、そっちか」
海「?」
カ「いや、なんでも」

 海はペンを置いた。

カ「でも、いいのぉ? 一応俺ら、1位をとるために闘いあってるっていうのに」
海「そうだね……。でもさ、私。昔っから1人で闘うよりもペアで闘うほうが得意なんだ」

 そう言われて、カルマはふと思い出した。
 夏休みの南の島で、海は渚と協力して殺し屋を倒した。体育祭で、海(カイ)はみんなと協力して棒倒しに参加した。
 一方で、彼女が転校してきて殺せんせーを1人で倒そうとした。死神と対峙して1人で彼を殺そうとした。

カ(たしかに、そうかもね)
海「もちろん。1位を譲る気はない。でも、1人で1位を狙うよりも2人で1位を狙った方が、私の場合。成功確率が上がる気がする」
カ「今まで1位をとれなかったのは、それが原因ってこと?」
海「あはは。かもね」


数学

 海は最終問題を前にして、その立方体の中で座った。
 目を閉じる。

海「あー、数学ってわかんなーい!」
?「もうちょっと頑張ろ。あとちょっとで正解にたどり着けるわ」
海「うー。ねぇ、もうやめたい。国語やろ、国語!」
?「ダメよ。海が数学をやりたいって言ったでしょ」
海「言ったけどさー」
?「苦手な問題を前にあきらめてしまったら、椚ヶ丘への道は遠いわよ」
海「げっ。そんなに難しいの⁉ 椚ヶ丘の転入試験って……」
?「そうよ。転入試験に一発で合格できるのは難しいんだから。でも、海は基本はできてるから、問題は応用ね」
海「うー。理数系が得意な奴って脳みそどうなってんのさ。××さんの頭の中、のぞいてみたいわー」
?「だから、『××さん』じゃなくって『お姉ちゃん』でしょ」
海「お、お姉ちゃん……」
?「うん。さ、頑張りましょ」
海「はーい」

海(数学は、苦手な教科だった。もちろん、今でも苦手だ。この教室で私は色々なことを学んだけど、数学だけはどうにも倒せない敵だ。殺せんせーと同じで。でも、あの怪物教師に教わって、カルマにも教わって。みんなにも教わって。視えてきたものがある)

 海は立方体の壁を手でなぞった。

海(これはきっと、私が得意な問題だ。数学は苦手だけど、コンビネーションを得意とする私になら解ける。やっぱり、カルマに『2人で1位をとろう』と言ったおかげで。なんでかな、心が軽くなった気がする)

 海はにやりと笑った。頬からは一筋の涙がこぼれた。

海「一緒に闘うことの楽しさを教わったから解ける問題、か」

 海は答えを書いた。

海(1年後には、どうなってるかわからない。今だけ、今だけでいいから、この楽しい日々の中で、楽しい思い出の中に浸らせてほしい)



テスト結果発表の日(渚side)

殺「さて、皆さんの第二の刃はターゲットに届いたでしょうか。細かい点数に四の五の言うのはよしましょう。今回の焦点は、全員がトップ50をとれたかどうか。本校舎でも今ごろは結果が発表されているはずですので、E組でも先に順位を発表してしまいましょう」

 殺せんせーはそう言うと、大きな模造紙を黒板に広げて貼りつけた。 
 僕らは席を立ち、黒板の前に集まった。

寺「お、俺が47位⁉」
吉「うちでビリって寺坂だよな」
原「その、寺坂くんが47位……」

 と、いうことは。

皆「よっしゃーーーーーーーーーー‼」
前「上位争いも五英傑を引きずりおろしてほぼ完勝!」
杉「そして1位は初のカルマ、そして海!」
海「よ、よかったー……」

 カルマくんは、安心してその場に座った海の背中をぽんぽんとたたいた。

*:..。oƒ *:..。oƒ *:..。oƒ *:..。oƒ *:..。oƒ*:..。oƒ *

 何故、寺坂の順位が47位なのかというと、カルマと海が1位をとったからです! そうすると浅野が3位なので、寺坂は47位となりました。(そしたら進藤は51位か……)
 ここから話を飛ばして……。


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