暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part5♪

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503:凪海◆L6:2016/05/08(日) 20:21 ID:ySs

>>496

期末テスト前日

 海はカルマに数学を教わっていた。

海「ねぇ、カルマ……」
カ「うん?」
海「私に、協力してほしい」
カ「何をー?」

 カルマがそのとき思いだしたのは、体育祭のときのことだった。

体育祭

海「海はいつか、クラスメイトの誰かを殺す」

海「テスト、1位をとるのを」
カ「なんだ、そっちか」
海「?」
カ「いや、なんでも」

 海はペンを置いた。

カ「でも、いいのぉ? 一応俺ら、1位をとるために闘いあってるっていうのに」
海「そうだね……。でもさ、私。昔っから1人で闘うよりもペアで闘うほうが得意なんだ」

 そう言われて、カルマはふと思い出した。
 夏休みの南の島で、海は渚と協力して殺し屋を倒した。体育祭で、海(カイ)はみんなと協力して棒倒しに参加した。
 一方で、彼女が転校してきて殺せんせーを1人で倒そうとした。死神と対峙して1人で彼を殺そうとした。

カ(たしかに、そうかもね)
海「もちろん。1位を譲る気はない。でも、1人で1位を狙うよりも2人で1位を狙った方が、私の場合。成功確率が上がる気がする」
カ「今まで1位をとれなかったのは、それが原因ってこと?」
海「あはは。かもね」


数学

 海は最終問題を前にして、その立方体の中で座った。
 目を閉じる。

海「あー、数学ってわかんなーい!」
?「もうちょっと頑張ろ。あとちょっとで正解にたどり着けるわ」
海「うー。ねぇ、もうやめたい。国語やろ、国語!」
?「ダメよ。海が数学をやりたいって言ったでしょ」
海「言ったけどさー」
?「苦手な問題を前にあきらめてしまったら、椚ヶ丘への道は遠いわよ」
海「げっ。そんなに難しいの⁉ 椚ヶ丘の転入試験って……」
?「そうよ。転入試験に一発で合格できるのは難しいんだから。でも、海は基本はできてるから、問題は応用ね」
海「うー。理数系が得意な奴って脳みそどうなってんのさ。××さんの頭の中、のぞいてみたいわー」
?「だから、『××さん』じゃなくって『お姉ちゃん』でしょ」
海「お、お姉ちゃん……」
?「うん。さ、頑張りましょ」
海「はーい」

海(数学は、苦手な教科だった。もちろん、今でも苦手だ。この教室で私は色々なことを学んだけど、数学だけはどうにも倒せない敵だ。殺せんせーと同じで。でも、あの怪物教師に教わって、カルマにも教わって。みんなにも教わって。視えてきたものがある)

 海は立方体の壁を手でなぞった。

海(これはきっと、私が得意な問題だ。数学は苦手だけど、コンビネーションを得意とする私になら解ける。やっぱり、カルマに『2人で1位をとろう』と言ったおかげで。なんでかな、心が軽くなった気がする)

 海はにやりと笑った。頬からは一筋の涙がこぼれた。

海「一緒に闘うことの楽しさを教わったから解ける問題、か」

 海は答えを書いた。

海(1年後には、どうなってるかわからない。今だけ、今だけでいいから、この楽しい日々の中で、楽しい思い出の中に浸らせてほしい)



テスト結果発表の日(渚side)

殺「さて、皆さんの第二の刃はターゲットに届いたでしょうか。細かい点数に四の五の言うのはよしましょう。今回の焦点は、全員がトップ50をとれたかどうか。本校舎でも今ごろは結果が発表されているはずですので、E組でも先に順位を発表してしまいましょう」

 殺せんせーはそう言うと、大きな模造紙を黒板に広げて貼りつけた。 
 僕らは席を立ち、黒板の前に集まった。

寺「お、俺が47位⁉」
吉「うちでビリって寺坂だよな」
原「その、寺坂くんが47位……」

 と、いうことは。

皆「よっしゃーーーーーーーーーー‼」
前「上位争いも五英傑を引きずりおろしてほぼ完勝!」
杉「そして1位は初のカルマ、そして海!」
海「よ、よかったー……」

 カルマくんは、安心してその場に座った海の背中をぽんぽんとたたいた。

*:..。oƒ *:..。oƒ *:..。oƒ *:..。oƒ *:..。oƒ*:..。oƒ *

 何故、寺坂の順位が47位なのかというと、カルマと海が1位をとったからです! そうすると浅野が3位なので、寺坂は47位となりました。(そしたら進藤は51位か……)
 ここから話を飛ばして……。


凪海:2016/05/08(日) 21:58 ID:ySs [返信]


最近、海の様子がおかしい。
演劇発表会の練習の最中、「ちょっとトイレ」と言って、30分くらい戻ってこないことがよくある。帰ってきたと思ったら、顔をげっそりさせている。まるで、気分が悪くて吐いてしまったような顔つきだった。お昼も、僕らと一緒ではなく、1人で食べていることが多くなった。その上、少食。
隣の席のカルマくんが「そんなんじゃ足りないっしょー。これあげるよ」と言って、パンとか分けてくれるのに……。

海「いい、いらない」

と、素っ気ない態度をとる。
早退と遅刻、欠席が増えていった。
結局、演劇発表会の日は発表が終わってから学校に登校してきた。

渚「海、大丈夫?」
海「へーきだよ。ちょっと最近、貧血気味なだけ」

笑ってごまかすけど、なんかやっぱりおかしいって。
そこへ。

海「あ。ねぇ、渚。カエデが呼んでるよ」
渚「あ、ホントだ」

茅野がこちらに向かって手招きをしている。
今、みんなは冬休みの暗殺に向けて話し合ってる最中だ。
僕は海のことが心配だったけど、教室をでた。


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