*** いつだって ***
#Jeon Wonwoo
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
俺には友達がいない。
それは昔から変わらず、ずっとそう。
意図的に独りになったわけじゃなくて、気付いたら独りになってた。
何もかもがつまらなくて、でも孤独な生活を変えられなくて。
いつからか、部屋に引きこもるようになった。
ベッドの上でゲームをしてる時が1番楽しい。
夜、いつものようにゲームをしてると、1通のメッセージがスマホに届いた。
“不穏な空気を察知しました”
そのメッセージが届くと、続けて「生きてる?」って、可愛い犬のスタンプが送られてきた。
「こいつ…」
“生きてるよ。死んでるとでも思ったか”
適当に送ると、すぐに返事が届く。
“おぉ、生きてたのね”
「当たり前だろ、」
“ちょっとヤバい感じを察した”
続けて送られてくるメッセージ。
“俺から?”
“他に誰がいるのw”
こいつだけだ、俺に絡んでくるのは。
こんなだらしない男に関わる女がいることに驚いた。
“何かあったでしょ”
「…なんで分かってんだよ、」
“別に何もねぇけど”
“嘘はあかんわ、不穏な空気を察知しました”
“何回も察知すんなアホ、お前は空気清浄機か”
実は昨日の夜、知らない女と夜を過ごしてしまった。
好きでもない女と夜を共にするなんて、最悪以外の何でもない。
それがあまりにもしんどくて、ずっとテンションも上がらなかった。
“ねぇウォヌ”
“何”
“ウォヌはウォヌでいいと思う”
“でも自分をもっと大切にしてほしい”
「…何だよ、急に…」
“知らない女の人と夜を過ごすなんて、ウォヌらしくないよ♡”
「…はぁっ!?こいつ、!」
知ってたのかよ…と心の中で呟く。
“最後の♡の必要性”
“え、励まそうと思ってたのに〜”
こいつはいつもそうだ。
いつも俺のことを理解してて、いつも俺に絡んでくる。
いつだって、
俺のことだけを考えてくれてる。
“ってかもう夜遅いんだから寝なよ”
“お前が送ってきたんだろうが”
“寝る前に聞くけどさ、ウォヌって好きな人いんの?”
“いねぇよ、女とか興味ない。もう寝る。お前もさっさと寝ろ”
“そっか、おやすみ”
自然と目が閉じていく。
そうして俺は眠りについていた。
“ウォヌ”
“ごめんね”
いつだって、俺を1番に考えてくれたのに、
そんな人すらも見捨てて。
“好きだった”
そんなメッセージにも気付かずに。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
*** いつだって ***
#Jeon Wonwoo