フラワープリキュア

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5:匿名さん:2020/02/17(月) 01:38 ID:zbk

「お前が伝説の戦士 プリキュアだと!?」
「参島先生を傷付けたアンタを、絶対許さない!」

目の前に立つのは、自分が受け持つ生徒の一人。彼女の名は百々加桜。またの名を、キュアリクニス。
さっき生きる価値がないと言われた自分に、生きる価値がない人などいないと言った彼女の言葉は、まるで自分自身に言い聞かせているようだった。

「プリキュアもろとも消し去ってくれるわ!いでよ、サイテイーダ!!」

不気味な仮面を、女––メドゥリラ––が本棚へ投げ付ける。すると本棚は巨大化し、仮面を付けた怪物–––サイテイーダとなってしまった。

「サイテイーダァァァ!」

サイテイーダのパンチを軽々しくジャンプし、避けるキュアリクニス。そしてパワーアップした自分のパンチをサイテイーダへと打ち込む。ドン!と大きな音を立ててサイテイーダが尻餅をつく。

「おのれプリキュアァ!」

メドゥリラが美しい容姿とは裏腹に、低い声を腹の底から出す。プリキュアが現れるなど、おそらく想定外だったはずだ。彼女はビキビキと血管を浮かび上がらせ、怒りを露わにする。
サイテイーダは立ち上がると、リクニスを思い切り殴り飛ばした。強い衝撃でリクニスは壁に背中を打ち付ける。

「リクニス!」
「こんっのォ〜〜!!」

倒れても立ち上がり、今度はサイテイーダに飛び蹴りを決める。しかしサイテイーダが倒れる直前に足を掴まれてしまい、思い切り投げ付けられる。ボロボロになっても、リクニスはずっと立ち上がり続けた。

「もう、いいサン!」

そんな彼女を見ていて、思わずそんなことを口走っていた。

「百々加が傷付くのは、これ以上見たくないサン!」
「だったら、大人しくドリームフロースを渡さな」

キッと目をつぶり、ドリームフロースを取り出す。これを渡してしまえば、世界が滅んでしまうかもしれない。だけど、世界と百々加を天秤にかけたとき、百々加を取ってしまう自分がいた。

「渡しちゃ、ダメ…!」
「!!」
「まだ立ち上がるか!」

リクニスの声に、ピタッと動きを止める。彼女はまたさらにボロボロになっても、立ち上がった。こちらを見つめるその目からは、強い意志を感じた。

「そのドリームフロースにどんな力があるかは知らない…アンタに渡してどうなるかも知らない…でも、サンが渡さないって言ったら渡さない!!アンタには絶対に渡さないんだから!!!」
「やってしまいな、サイテイーダ!」
「サイテイーダァァァ!」

サイテイーダがリクニスを踏み潰そうとしたが、彼女はその細い腕で奴の足を押し返す。重みでふるふると震えながら、リクニスはこちらを見て微笑んだ。

「ねえ、サン…あなたはどうしたい?
あなたがドリームフロースを守るなら、私も一緒に守る!」
「サン、は…」

本当は、せっかく見つけたプリキュアを傷付けたくない。だけど、今ドリームフロースを手渡せばさらに酷いことになる。

「全部守りたいサン!
国も、友達も、ドリームフロースも、全部守るサン!リクニスと一緒に、全部守るサン!!」
「アンタたちなんかに、絶対負けないんだから!」
「そうだサン!プリキュアの力でやっつけるサン!」

リクニスが、パンッと手を叩く。そうすれば、どこからともなく花びらが舞う。

「あなたに希望の光を捧げましょう
プリキュア!リクニス・ファンタジア!!」

そしてリクニスが両手を前に突き出せば、大量の花びらが舞い、サイテイーダを包み込む。そしてプリキュアの力で浄化され、サイテイーダはただの本棚へと戻り、画面も粉々になって消えてしまった。

「覚えてなさい、プリキュア…!!」

メドゥリラもそう言って、姿を消した。


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